~珠玉の児童書~

~珠玉の児童書の世界~

学校で塾で、読解力を身に付けるには本を読め、と言われる。ではいったい、どの本を読めばいいのか?日本が、世界が誇る珠玉の児童書の数々をご紹介。

大人が読む児童書「ハイジ」 1 もはやCM以外のイメージを探すのが難しい

 今日、ご紹介するのは児童書です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

>おすすめ児童書リスト ~その数300冊!~

 

 

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今日の一冊

 

ハイジ 上 (岩波少年文庫)

ヨハンナ・シュピリ (著), 上田 真而子 (著)

美しいアルプスの自然を舞台にくりひろげられる,少女ハイジの物語.おじいさんと2人きりで山小屋に住んでいたハイジは,クララという足のわるい少女の遊び相手になるために,フランクフルトへゆくことに.ところが,ハイジは町の生活になじめず,山へもどってきてしまいます.不朽の名作をいきいきとした新訳でお届けします.

 

 

いまだにすべて目を通すことができていない、川端康成大先生監修の「世界少年少女文学全集」。
「アルプスの少女」を手に取りました!

 

ハイジです。

 

子供のころ、一度だけ通しで読んで、なかなか面白かった記憶があります。
三十年ぶりぐらいの再読です。

 

おし~えて~おじい~さん~♪
アルム~の~もみの木よ~♪♪

 

何とわたし、アニメのハイジを一度も見たことがありません。

 

なので、おじいさんが「おんじ」であることをはじめて知りました……。
そもそも「おんじ」ってどこの方言なんだろ。
え?北海道?青森?意味は「弟」……?
よくわからないので、ここを突っ込むのはやめました。

 

もちろん、有名な作品なのでテレビで要所要所は目にします。
ていうか、今となっては、もうほとんどイメージは家庭教師のトライです。

 

本物のアニメを見る前に、家庭教師のトライであまりにも強く上書きされてしまいました。

 

しかし、見ていないのが幸いしているというか何というか、わたしの中で「アルプスの少女」は、ぜんぜんあの(アニメの)絵ではないです。
今、アニメや家庭教師のトライ、といったイメージありきの上で読んでみたらどういう感想を抱くのかな?

 

 

というわけで、手に取ったハイジを読もうかな~どうしようかな~とパラパラめくったところで、数行を読んでしまうと、面白~い!

何度でも言いますがとにかく、古典作品はハズレがない!

 

しかも基本は児童用なので、すごくわかりやすく、表現も美しく、次々に読みすすめてしまいます。

 

 

しかしまあご覧ください。

 

これ!
この厚さ!

 

相変わらず、人が殴り殺せそうな厚さです。
いったいこれを何年生で読めというのか?と思いますが、何となく小学生を想定している気がします。

 

 

この川端康成大先生監修の「世界少年少女文学全集」は、全68巻(のはず)一期・二期と発売され、50巻+18巻(のはず)

 

内容も非常に幅がひろく、読むのに大人でも相当に努力を要する作品もあります。
名作もありますが、世界の昔ばなしも珍しいものがたくさん入っています。

 

山室静さんの世界昔ばなしと、こちらの川端康成大先生の世界昔ばなしとを合体させたら、現地でも実は忘れられてしまっているものも残っているのではないか?と思うほどのボリュームです。

 

何より、とにかく!文章が!美しい!
こんな美しい日本語で残っている昔ばなしを、もったいないことです。

 

電子書籍ー!!!

 

 

話がずれてしまったのですが、ハイジです。

 

68巻もあると、中には面白くてもとんでもなく硬派だったり(小じか物語)、ものすごいハードな展開だったり(宝島)するのですが、このハイジは、安定感があって読みやすい!

 

とてもこんな分厚さとは思えないほど、するすると読めます。
個人的には名訳だと思います。

 

もう翻訳すら50年越えの作品のことですし、わりと詳しく紹介してみたいと思います。

 

 

冒頭です。
デーテおばさんに連れられて、ハイジが現れました。
これからおじいさんのところに向かうのでしょう。
これは既定路線。

 

一般的にアニメからも浸透していることと思います。

 

では、おばさん・ハイジ・おじいさんの血縁関係とは?

 

勝手にこの「おばさん」と「おじいさん」は血縁だと思い込んでいたのですが、違いました。いきなり衝撃です。

 

わたしのイメージ。
ハイジのお母さんとデーテおばさんは姉妹。このお母さんとデーテおばさんの父親がおじいさん。
…ではなかった!

 

 

こうだったのです!!

おじいさんとデーテおばさんの間には、直接的な血のつながりはなかったのです。

(まあ、厳密にいえば、この地域全体が親戚みたいなものっぽいですが…これは日本の田舎地方も同じですね。)

 

 

原作のデーテおばさん、いきなりガシガシ山をのぼってハイジをめぐっておじいさんとガチンコ対決するのではなく、

 

①まずはデーテおばさんがハイジを連れて街に入り、
②知り合いに会って立ち話の会話をすることで、
③だいたいの人間関係が語られる。

 

……という流れになっています。

 

しかし、これらのことが語られている間のハイジ本人のようすが、傑作です。
ユーモラスで、しかも生き生きとしていて、子供らしさいっぱいです。

 

まず、ハイジはたくさんの手持ちの服を重ね着して、モッコモコにふくらんでいます。

 

これはデーテおばさんが、手持ちの荷物を少なくしたいという理由でした。

 

マジかよ…。

 

わかるわ、その気持ち。
長旅するときは、手持ちを少なくしたいよね。

 

 

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アルプスの少女ハイジ (角川文庫)

ヨハンナ・シュピリ (著), 松永 美穂 (翻訳)

美しい自然、ハイジがくれた永遠の愛と感動の物語を、読みやすい完訳版で。両親を失いながらも、太陽のように明るく人々の心を照らす少女ハイジ。アルプスの山小屋で孤独に暮らすおじいさんとの絆、ヤギ飼いのペーターやその家族とのふれあい、足の不自由な少女クララとの出会いと友情――。雄大な自然を背景に、深い喪失感を抱く人々が、ひとりの少女によって人間性を回復し再生していく、愛と感動の物語。1880~81年に発表された『ハイジ』は、当初から大評判となり、いまも世界中で翻訳・劇化・映像化されている。日本でもアニメが大ヒットし、児童文学として多くの絵本や抄訳が出版されているが、原作は、家族の絆や地域社会との共生、エコロジーな暮らしへの回帰など現代的なテーマにあふれ、大人にこそ考えさせられることが多い本格的な文学作品である。本書は、シュリンク『朗読者』の翻訳で数々の賞を受賞した、ドイツ文学者・松永美穂氏による渾身の完訳。

 

 

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アルプスの少女ハイジ(1974)Amazonプライム

1才にして両親を亡くしたハイジは5才の時におばのデーテのもとからアルムおんじのもとに預けられます。アルプスの大自然のもとで明るくのびのびと暮らす毎日はとても幸せなものでした。ところがハイジが8才の時デーテがハイジを無理矢理フランクフルトの屋敷に連れ去ってしまいます。そこでハイジは体が弱くて歩く事のできないクララという少女に出会います。(C)ZUIYO

 

 

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アルプスの山の娘―ハイヂ (岩波文庫)

ヨハンナ・スピリ (著), 野上 弥生子 (翻訳)

スイスのアンデルセンと呼ばれたヨハンナ・スピリ(1827‐1901)の数多い著作の中においても,この一篇はもっとも代表的なものとされている.アルプスの野花のように美しくて素朴なハイジやペーテルは,すべての少年少女たちに深い親愛を感じさせるとともに,その優れた芸術的価値は,なんぴとの厳正な鑑賞をもけっして失望させないであろう.

 

 

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アルプスの山の少女―ハイジ (1956年) (新潮文庫)

ヨハナ・シュピリ (著), 植田 敏郎 (翻訳)

 

 

 

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少年少女世界の文学〈19

アルプスの山の少女・みつばちマーヤの冒険 (昭和42年)

 

 

 

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アルプスの少女ハイジ (望林堂完訳文庫)

ヨハンナ・シュピーリ (著), ジェシー・ウィルコックス・スミス (イラスト), 毛利孝夫 (翻訳)

ヨハンナ・シュピーリの名作「ハイジ」の新訳&完訳です。両親を亡くした女の子ハイジ。おばさんのデーテはそんなハイジを引き取って育てていましたが、ハイジが5歳になった時、お屋敷で働く仕事を見つけ、ハイジをおじいさんに押しつけようとします。ところがおじいさんは、人間にも神にも背を向けて、アルムの山の上で独り暮らしている、嫌われ者でした…。アルムの山からフランクフルトへと舞台を移しながら、次々に事件が巻き起こる第一部、アルムの山で奇跡が起こる第二部と、ハイジと数々の魅力的な登場人物が織りなす愛と感動の物語です。縦書、ルビ付き。ジェシー・ウィルコックス・スミスによるカラー挿絵33点を収録。弊社「アルプスの少女ハイジ:ミュンガー版」と、本文内容は同じものです。

 

 

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アルプスの少女ハイジ (こども世界名作童話)

ヨハンナ・スピリ (著), 若林 ひとみ (著), 田村 セツコ (イラスト)

みんなの人気者ハイジと、ハイジをとりまく人びとの心のふれあいを、美しいアルプスの自然を舞台に描いた名作。

 

 

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アルプスの少女ハイジ よい子とママのアニメ絵本

平田昭吾 (著)

作者ヨハンナ・スピリは美しいスイスの田舎に生まれ、堅実で愛情深い家庭に育ちました。信仰心が厚く温和な人柄の彼女が、子供のために書いたのがこの作品です。

 

 

 

 

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