今日、ご紹介するのは児童書です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
古代ローマの小さな学校に通う、七人のやんちゃな少年たち。ある日の授業中に、いたずらで書いた「カイウスはばかだ」という落書きが、思わぬ事件に発展して……。無実の罪でつかまった友だちを助けるため、少年たちは一生けんめい、なぞにいどみます。ユーモアたっぷり、元気いっぱいの、ドイツ児童文学の名作。
大人が読む児童書「カイウスはばかだ」 1 積ん読ナンバーワンを決めろ
妹子「ミステリなんでしょ?」
わたし「そう。ミステリは人間関係をきっちり把握して、いつどこにフラグがあるかわからないから、すごく慎重に読んでる。とくに最初の方」
最初のページにこんな添え書きがあります。
「作者は」と書かれてるので、訳者のかたの添え書きだと思います。
ポンペイでおこなわれている最近の発掘にさいして、「カイウスはばかだ。」と、子どもの手でらくがきされた神殿の壁が出土した。すでに古代口ーマにおいても、子どもたちがこういうやりかたで気ばらしをしていたのかと考えて、作者はこの本を書くインスピレーションをえた。
これを日本の子どもたちが読むとき、古代ローマの子供たちだということをどうやって知るのかな?そもそも、古代ローマをわかっているかな?と思いました。
だが、そんなこと気にせずにガンガン読んでいける面白さもあります。
「何かちょっと古っぽい時代だけど子どもなことはたしか」程度の認識でかまわないと思います。
◇
物語のはじまり、第一章「ルーフスがカンテラをまちがえた」はこんな感じです。
ムキウスはびっくりして目をあげた。クラスじゅうがいきなりわっとばかりにわらいころげたのに、なんでわらったのやらさっぱりわけがわからないのだ。いっしょうけんめい勉強していたために、あたりのようすにぜんぜん気をつけていなかったのである。
見れば、ルーフスが自分の席にいない。クサンチッブス先生のうしろにまわって、壁の前に立っているのだ。きっと、こっそり先生の横をすりぬけたにちがいない。いや、まったく、みごとというほかはない。
だが、みんながわらったのは、そのことではなかった。カイウスがまんまとしてやられたのをおもしろがっているのだ。
壁のくぎに、ローマ帝国の地図がかかっているが、ルーフスはそのくぎに、蝋をぬった自分の書字板をぶらさげて、大きな字でたどたどしく、
「カイウスはばかだ」
と、書きつけたのである。
カイウスはばかって書かれているので、一番わかりやすいのですが、最初に動きがあるのはルーフスです。
というわけで、昨日UPした画像、こんな感じになりました。
それが関係してくるのかわかりませんが、カイウスは政治家の息子で金持ち、ルーフスは有名な将軍の息子だけど授業料を払うのが、おうちの負担になっている、というのが気になりました。
貧乏とまではいきませんが、軍人の息子くんルーフスは、少なくともカイウスよりはお金持ちじゃないのです。
しかも、カイウスはあまり出来もよくなく、言うこともきかないっぽいです。
わがままちんの甘やかされっ子かぁ?
ルーフスに先にちょっかいをだして怒らせたのはカイウスの方です。結果、ルーフスは落書きをすることになった。
優等生のムキウス君も、ルーフスの方に味方してるっぽいです。
で、当然、こうなりました。
クサンチップス先生というのが、教師兼校長です。
ひとりの先生に、7人の生徒。
でもこのせんせい、高名な人で、ローマの良家の子息が通うのにふさわしい学校ということになってます。
(普通の学校は屋根のない路地で習う、など、サラッと書いてあります)
先生!キッツいよそれは!
退学だと言われたこと、ルーフスは相当にショックです。
他の生徒たちもショックです。
ん?カンテラを落としていった?
これはかなり重要なフラグっぽいことが書いてあります。意味深な感じです。
「思いもかけない所で見つけることになるのだが」
この三歩歩けば忘れる、痴呆予備軍の頭のために、きちんと書いておこう。
(これは、書いておいてよかったです)
翌日です。
学校の様子がどうもおかしい。
ここで、よく妄想を働かせて、べらべらとよくしゃべるアントニウス君が、「ルーコスに殺された」とか言うのですが、ここでメモっておいて良かったです。
ものすごい重要人物でした。
どうでもいことまでメモっとこうと思った私、えらいぞ。(ルーフスとルーコスがわかりにくいのでメモったのです)
(モチベーションUPのため、自分で自分をほめる)
いくら待っても姿形も現れない、先生を含めた三人。
皆、物音がする、「先生の私室になっている部屋」へと踏み込みます。
いまさらですが、ということはここは先生のおうちに通って習っていたんだな。
先生のおうちが学校だったんだ。
今でいう私設の塾みたいな形ですね。
これは妹子の落書きだ!
◇
先生、泥棒に踏み込まれ、ぐるぐるまきにされて戸棚の中に突っ込まれていました!
なんてこったぁ~!
生徒たち、総出で助けます。
そして、騒ぎの中心であった、ルーフスもカイウスも結局現れない……。
なくなっているのは、
・数学の教科書が数冊(ピタゴラスの本、ユークリッドの数学著作集、先生の鈍角三角形の鋭角についての大論文)
・くだらない絵が二、三枚
このあたりで、もうメモはほぼやめました。
ここまでで十分です。
じゅうぶんに頭に入りましたし、すごく先が気になります。
◇
※他にメモっておいたこと。
・古代ローマ時代でも、警察はおっそろしくばか
・オデュッセウスの仲間が美しい魔女キルケに豚に替えられた話への言及(ギリシャ神話だ~)
・先生は、ルーフスをおどかしただけで、本気で退学にするつもりなんてなかった。
・カイウスの金持ち元老院議員のパパの名前はウィキニウス
・みなは、ルーフスには先生の意図を教えてやろうとしてるが、カイウスの家は素通りする。(あまり好かれてない?)
皆、首をひねりながら、とりあえずルーフスを安心させてやろうと、家に行こうとするのですが、その途中でとんでもないものを発見して立ち止まりました。
とても大切にされている、皇帝につらなる神聖な神殿、その真っ白な壁に、真っ赤な文字で…
「カイウスはばかだ」の落書きがされているのを。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
第二次大戦直後のイギリスで、戦争ごっこにあけくれる少年たちの物語。ある日、みんなでかせいだお金が消えてしまいます。犯人を見つけ、お金をとりもどそうとするうちに、いつのまにか、悪党一味の大犯罪があきらかに…。小学5・6年以上。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
おばあちゃんをたずねる途中の列車で,大切なお金を盗られてしまったエーミール.ベルリンの街を舞台に,少年たちが知恵をあわせて犯人をつかまえる大騒動がくりひろげられます.
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
お金持ちの両親の目を盗んで夜おそく街角でマッチ売りをするおちゃめな点子ちゃんと、貧しいアントン少年―つぎつぎと思いがけない展開で、ケストナーがすべての人たちをあたたかく描きながらユーモラスに人生を語る物語。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
おたがいを知らずに別々の町で育った、ふたごの姉妹ルイーゼとロッテ。ある夏、スイスの林間学校で、ふたりは偶然に出会います。ふたりは、大胆な計画をたてるのですが…。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
どろぼうを追跡してみごとにつかまえた,少年たちの大活躍から2年.お母さんの再婚という大きな悩みをかかえたエーミールは,ちょうど〈教授〉の誘いもあってふたたびベルリンのおばあさんのもとへ.そこで仲間たちといっしょに巻きこまれることになった今度の事件とは? 「エーミールと探偵たち」の続編
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ゆうじが模型飛行機を飛ばしていると、きつねがやってきて「そらいろのたね」と模型飛行機を交換することになりました。そらいろのたねを植えて水をやると、なんと空色の家が生えてきたではありませんか! 空色の家はみるみるうちに大きくなり、たくさんの動物や鳥や子どもたちの楽しい遊び場になります。しかし再びやってきたきつねが、みんなを追い出して空色の家を独り占めしてしまいます。きつねが家にはいると、空色の家はさらに大きくなって……。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
星からきた少女
ヘンリー・ウィンターフェルト (著), レギーネ・オフルス=アッカーマン (イラスト), 関 楠生 (翻訳)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【e-hon】 ─ ネットで予約、本屋さんで受け取れる e-hon サービスで本屋さんを応援しよう📚️
子どもの本だな【広告】
ウルド昆虫記 バッタを倒しにアフリカへ | ふしぎなオルガン | バタシー城の悪者たち |
名探偵カッレくん | かこさとし からだの本 全10巻 | シンデレラ ミステリー |
おとなしい めんどり | 新編 世界むかし話集 (全11巻) | マーシャとくま |
児童文学ランキング |