「本好きは作るもの」読解力を身に付ける~珠玉の児童書~

「本好きは作るもの」~珠玉の児童書~

学校で塾で、読解力を身に付けるには本を読め、と言われる。ではいったい、どの本を読めばいいのか?日本が、世界が誇る珠玉の児童書の数々をご紹介。

今日の一冊「ふらいぱんじいさん」

 

今日、ご紹介するのは、かなりしっかりしたページ数の多い、「本型の絵本」です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

 

ふらいぱんじいさん

神沢 利子 (著), 堀内 誠一 (イラスト)

たまごを焼くのが大好きなふらいぱんじいさん。新しい目玉焼きなべがきて、たまごを焼かせてもらえなくなってしまいます。そこで、ふらいぱんじいさんは旅に出ることにしました。

 

たくさんのかたが、「それ、覚えている!!」と言われます。
おさない頃に読んだお話は、9割かた忘れてしまうものだそうですけども、この本はとてもはっきりした絵と楽しい(破天荒な)ストーリーで、記憶にしっかり刻み付けられます。

 

ここでの主人公はまさかのふらいぱんです。

児童書ではさまざまなどうぶつが主人公になっています。
無機物が主人公になることもありました。
パンケーキが逃げ出したりなどです。

 

しかし、ふらいぱんです。
目がぎょろっとしてすごく心に残ります。

  

たまごを焼くのが大好きだったふらいぱんじいさん。
おくさんが新しいふらいぱんを買ってきて、たまごを焼かせてもらえなくなってしまいました。

 

これは、日常、料理をされる人なら、だれもが覚えがあるはずです!

テフロン加工のはげてきた…。
買った当時はスルスルした底面だったフライパン…。
××××回使用可能!テスト済み!と記述のあった、数年前に購入したフライパン…。

 

こびりつきが激しくなって、ちょっとイラッとすることが多くなったあのフライパン…。

今まで愛用してきたことを思うと捨てづらくて、壁にかけておきっぱなしにしているアレ…。

 

用済みになったけど、捨てられるのを待っているあの切ないフライパンを、神沢利子さんは「ふらいぱんじいさん」というすばらしい名前を与えて、しかも(おそらく捨てられる前に)家から飛び出し、だいぼうけんに旅立たせてくれました。

 

 

幼年期のおこさんが「本を読んだぞ!!」という心になるとてもよい本です。
そして、ふらいぱんじいさんと一緒になってぼうけんすることで、ジャングルや、砂漠や…、まだ見ぬ未知の世界を知ったような気持ちになれると思います。

 

個人的には、だちょうがおとこでもかまうもんか、たまごをうめ、と言われて怒ってふらいぱんじいさんをけっとばす所が大好きです。
 

ほんとうにあざやかではっきりして、愛のあるやさしいお話です。

 

 

 

 

児童書の復権を(note記事)

おすすめ児童書リスト(note記事)

 

子どもの本だな【広告】

地底旅行 まんばのにしき 長くつ下のピッピ
新訳 赤毛のアン ヤマネコとウミネコ 読書ノート(羽海野 チカ イラスト)
オズのまほうつかい とてもすてきなわたしの学校 世界むかし話集9アフリカ編

 

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今日の一冊 かいけつゾロリ記念すべき一作目

 

今日、ご紹介するのは児童書です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

 

かいけつゾロリのドラゴンたいじ

原 ゆたか (著, イラスト)

ひとり修業の旅にでたゾロリは、あるときお姫さまの花むこにりっこうほすることにしました。そのためにすばらしい計画をたてます。

 

 ゾロリのアニメがはじまりました!!
4月5日からです。

www.zorori.jp

 

ゾロリは子供を図書館に呼んでくれるものすごく貴重な本です。
ぜひお子さんに見せてあげて欲しいと思います。

 

ここはやはり、記念すべきゾロリ一冊目を紹介します。

 

個人的には、もっと図書館に人気漫画を置いてもいいのにな、と思っています。
あふれちゃって、本が押し出されてしまうのかもしれませんが…。
ボロボロになってしまいますし、紛失も多いのでトラブルが多いです。

 

それでも
本のある環境に呼ぶ
紙の本に触れる
…という経験を得るためにも、ゾロリやおしりたんていの存在はとても大きいです。


まずおしりたんていから入り、慣れてきたこどもはすらすらっと5分そこらで読んでしまいます。
次がゾロリです。
ゾロリのほうがしっかり時間がかかります。


こうして、楽しみながら時間をかけて紙のページをめくる動作に慣れていってもらいたいです。

 

図書館に子供を呼ぶ本はずっと、ゾロリ、ズッコケが二大巨頭でしたが、最近少しだけズッコケが影をひそめ、代わりはおしりたんていとコナン、またサバイバルシリーズなどなどです。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

シリーズはたくさんあるので、ここは独断と偏見のもう一冊をあげておきます。

 

かいけつゾロリけっこんする! ? (19)

原 ゆたか (著)

警察に追われたゾロリは、女装をしてその場をしのぐが、こともあろうに若い犬の警官が女装したゾロリに一目ぼれ。年老いた父親のためにと早速結婚式の準備が進められる。ゾロリは「花嫁さん」になってしまうのか?(「MARC」データベースより)

 

 

もし、図書館に行ってもお子さんがゾロリしか借りないというのでしたら、一冊だけ。
一冊だけ、おとなが選んだ本を混ぜてあげて欲しいです。

 

こちらにおすすめしているような本たちです。
意見をきいてあげながら、一冊だけ、読み聞かせもいいし、自分で読むならそれもいいし、読まなくてもそれはそれでいいのです。

図書館に行くたびごとに、一冊。
大人が選んだ本をすべりこませてあげて欲しいです。

 

 

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子どもの本だな【広告】

山んばあさんとむじな ふしぎなかぎばあさん グレイ・ラビットのおはなし
五月三十五日 若草物語 シートン動物記(つばさ文庫)
らいおんみどりの日ようび マルコヴァルドさんの四季 スパゲッティがたべたいよう

 

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閉館していた図書館が再開(雑談)

 

今日は児童書の話題でなくてすみません。
閑話休題です。

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

コロナの影響で閉館になっていた図書館のサービスが再開しました。
この日を待ちに待っていました!!

 

図書館てそれほど濃厚接触じゃないような気がするんですよね。
静かですし飛沫が飛ぶこともほとんどありません。
手洗いをしっかりと推奨することで防げることだと思います。

 

図書館はダメなら飲食店もダメだと思うし…なんて、色々言ってますけどとにかく、再開してくれたのが本当に嬉しいです。

 

ホームページによれば、閲覧と貸し出しはできるけれど閲覧席の利用はできず、新聞や雑誌なども禁止ということになっています。
換気は確かにあまり良くありません。

 

…というわけでちょっと様子見に行ってみることにしました

 

再開した1日めから図書館に突撃です。
ふっと行こうと思ったときに図書館がいつでも開いているというのが、これほどの心の支えになってるとは思いませんでした。
健康と同じで、失ってはじめて気づく貴重なサービスです。

 

行く途中途中、文化施設のある道なので整備された並木道に桜が満開になっています。
奇妙に寒いし雪や雨が降りましたが、それでも春は春です。

 

図書館は全て椅子が撤去されていました。
なるほど椅子がなければ座れません。

 

新聞コーナーは全部取り払われていました。いつもおじいさんおばあさんに超人気のスペースです。
所々に早く帰れ帰れと「閲覧の時間は短く!」「お早くお願いします」みたいなことが書いてあります。

 

再開した初日でしたが、わりと人が来ていました。 

 

 

返却コーナーが好きなので、さっそくのぞいてみます。
1か月もお休みだった後の、4月1日の返却コーナーにはどんなのが置いてあるだろう。

「めぐり会い」岸田るり子
「炎罪」鏑木 蓮
「黒警」月村了衛
「ケインとアベルジェフリー・アーチャー
推定無罪スコット・トゥロー
いのちなりけり」葉室 麟

 

いかにも本好きの皆さんが借りたもののようだな、と思うのが置いてあります。

 

私がこの日、図書館で一番気になったのは、「武器」エリアに置いてある、「ロッキード・マーティン巨大軍需産業の内幕」「ロボット兵士の戦争」などの中に置いてある「戦国武器甲冑事典」でした。

 

もちろん、このあと子ども室に移動して、たくさん児童書ものぞいてきました。
そして自分用に借りました。

 

ずっとずっと、挫折していたサトクリフです。
楽しみに読んでみたいと思います。

 

ともしびをかかげて〈上〉

ローズマリ サトクリフ (著),猪熊 葉子 (翻訳)

衰退したローマ帝国は、450年にわたるブリテン島支配に終止符をうつ。地方軍団の指揮官アクイラは、悩んだ末に軍を脱走し、故郷のブリテン島にとどまることを決意したが…。意志を貫いて生きることの厳しさ、美しさを描く。中学生以上。(「BOOK」データベースより)

 

 

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 図書館近辺のものではないのですが、満開になっていた桜です。

 

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子どもの本だな【広告】

小さいおばけ あのころはフリードリヒがいた ちいちゃんのかげおくり
ぜったいがっこうにはいかないからね こすずめのぼうけん 人形の家
王さまと九人のきょうだい 本へのとびら―宮崎 駿(著) はじめてのおるすばん

 

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今日の一冊「びりっかすのこねこ」

 

今日、ご紹介するのは児童書です。

 

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 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

びりっかすの子ねこ

マインダート=ディヤング (著),

ジム=マクマラン (イラスト), 中村 妙子 (翻訳)

7番めに生まれた、びりっかすの黒い子ねこ。せまい箱から出た子ねこが未知の世界をさまよい、本当の幸せを見つけるまでのお話。

 

 「さすらいのジェニー」に続き、ねこの本が続いている気がしますが…。
(次は「どろんこハリー」にしようかな…)

 

「びりっかす」という単語に時代を感じます。

 

「みそっかす」という言葉もありますが、おかあさんんねこはもうたくさん子供がいるので、全部にはかまっていられません。
お乳を飲むのにも、元気なきょうだいたちに押しのけられて、いつもおなかはぺこぺこです。

 

このこねこ、いぬやさんで生まれた所から話ははじまります。
そして、こねこの話にも関わらず、このいぬやさんにいる、年取った一匹のいぬのことが語られます。

 

いぬやさんのこのかいいぬは、とっても、とっても、としよりです。目がみえないし、からだもきかない。耳もほとんど、きこえませんし、はなもさっぱりだめでした。

でも、かんじることは、まだ、できるのでした!

おなかがすけば、かんじます。のどがかわけば、かんじます。あたたかければ、あたたかいのが、さむけれえば、さむいのが、まだまだちゃんとわかるんです。かわいがってくれる人、やさしい人を。それからふとわく、さびしいきもち。なにかをうっとりまつようなきもち──いまでもみんな、かんじるのでした。

 

この年取ったいぬの住んでいるいぬやのすみっこに、ねこたちはこっそり住み着いていたわけですが、こねこのお母さんはある日、すばこから兄弟は出しましたがびりっかすのこねこは置いて行きました。

 

弱くてよろよろしていて、とても出すのが無理だった。
しかしこねこはついて行こうとします!

 

そして、としよりの犬のミルクの中におっこちて、二匹は知り合い、ともだちとなるのでした…。

 

と、ここから、こねこの冒険が始まります。
この本も、まさに「さすらいのびりっかすのこねこ」の展開になるのですが…。

 

と、冒険の顛末は読んでいただくとしても、この年取ったいぬのこねこの交流がとてもやさしく、あたたかく、心を打ちます。

 

おなかがすけば、かんじます。のどがかわけば、かんじます。あたたかければ、あたたかいのが、さむけれえば、さむいのが、まだまだちゃんとわかるんです。かわいがってくれる人、やさしい人を。それからふとわく、さびしいきもち。なにかをうっとりまつようなきもち──

 

この年寄りのいぬを通して、大人のわたくしたちに語り掛けてくる作者の心があります。

 

よい児童書は、子供だけのためではないと感じます。

 

この本を、子供のころにこねこの視点で読んで好きだったように、今はこのとしよりいぬの中に、自分の年取った母やおばの姿を重ねて思うところがあるのでした。

 

あ、主人公はこねこで、こねこのぼうけんがメインです

 

 

児童書の復権を(note記事)

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子どもの本だな【広告】

ジュニア版ファーブル昆虫記 全8巻セット 霧のむこうのふしぎな町 完訳 オズの魔法使い
おおきなかぶ ゆめくい小人 げんきなマドレーヌ
100かいだてのいえ ゴインキョとチーズどろぼう ラチとらいおん

 

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今日の一冊「オンネリとアンネリのおうち」

 

今日、ご紹介するのは児童書です。

 

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>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

オンネリとアンネリのおうち

マリヤッタ・クレンニエミ (著),

マイヤ・カルマ (イラスト), 渡部 翠 (翻訳)

なかよしの女の子オンネリとアンネリは、夏休みのある日、「正直な拾い主さんにさしあげます」と書かれた封筒をひろいました。中に入っていたのは、たくさんのお金。家族の誰にもかまってもらえず、いつもひとりぼっちだったふたりは、そのお金でふたりだけのおうちを買うことにしました。女の子の憧れがぎっしりつまった夢のようなおうちで、ふたりだけの暮らしがはじまります。フィンランド生まれの、楽しくて幸せな夏の物語。

 

とても可愛らしいお話です。
少女の夢がいっぱいつまっています。

 

ある日リボンで結んだお手紙を拾ったオンネリとアンネリ。詳細は略しますが、二人だけのおうちを手に入れます!

「詳細は略しますが」の部分はぜひ、読んでもらって確認してもらうとして…。

 

二人だけのおうち。
夢のような展開です。
おうちの中は詳細に記述されていますが、まさに少女の夢そのものです!

 

大人だって想像したいです。
していいと思います。

 

 

女の子には、「とくべつなともだち」という存在があると言います。

 

確か「赤毛のアン」か何かのあとがきにどなたかの作家さんが書かれていたと思うのですが、今ちょっと思い出せません…。

 

でも、「女の子には『とくべつなともだち』がひとりいる」という一言が、わたしに強く焼きつきました。
たしかにそれはほんとうだ、と思ったからでした。

赤毛のアンにとっての、ダイアナのような存在です。

 

時間の流れによって別れがあったり、その「とくべつなともだち」枠が変化したりはするものの、たしかにその枠はわたしの中にも存在する、と思うときがあります。

 

現実のこどもたちの世界では、その「とくべつなともだち」であると思ったり思われなかったりする人間関係がトラブルを引き起こしたり、嫉妬や独占欲を生んだりしながら、人との距離の取り方を学んでいくわけですが…。

 

赤毛のアンシリーズでは、大人になってからはダイアナも結局、時の流れによって昔のような絆ではなくなっていく様子もつぶさに描かれています)

 

しかし、実際にいる・いないに関わらず、概念としての「とくべつなともだち」とその絆を、読書の中で知って体験することで、女の子はなんとなく安定するようなところがあるような気がしています。

 

オンネリとアンネリは完璧な一対の「とくべつなともだち」です。
どちらか主でもなく従でもなく、これはふたりの物語です。
(いちおう、主人公はアンネリではありますが)

 

最近、映画化されました。
ポップでカラフルな画面がとてもかわいい作品です。

 

筋立てそのものは、本を読んで感じるほどのパンチはないかもしれないですが、とにかく映像にパンチがあるのでじゅうぶんに楽しめます。

 

子ども同士がとくべつな絆で結び合わされるとき、そこには孤独が背後にあるように思います。

 

どんなに完璧に見える家庭でも完璧ということはありません。
どこかに影があり、どこかに孤独があります。

 

そして、その孤独が子供たちを結び合わせ影が子供たちを外の世界へと向かわせます

 

こどもがひとりだけでなくて、手に手を取り合ったとき、ひとりだけでは成し得ない力と冒険が生まれます。

 

愛情がないわけではないのだけれど、子供だけに心をかけるわけにはいかない親たちの隙をついて、オンネリとアンネリのかわいい物語ははじまります。

 

薔薇乃木婦人をはじめとした周囲の大人たちの見守る目があたたかいです。
ぷんぷくりんのプクティーナさん、のっぽのやせっぽちのノッポティーナさん、登場人物の名前の響きもとてもユーモラスです。

 

物語は心に想像による追体験を与えてくれるものだな、と強く感じられる一作です。

 

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

オンネリとアンネリのおうち

(Amazonプライム字幕版)

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

オンネリとアンネリのふゆ

クレンニエミ・マリヤッタ (著),

カルマ・マイヤ (イラスト), 渡部 翠 (翻訳)

 

 

 

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子どもの本だな【広告】

ハンカチの上の花畑 からすのパンやさん アンデルセン童話集
子どもはみんな問題児 魔女のむすこたち 完訳 ファーブル昆虫記
白いりゅう黒いりゅう はらぺこのえんそく サム、風をつかまえる

 

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今日の一冊「ゆかいなかえる」

 

今日、ご紹介するのは絵本です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

ゆかいなかえる

ジュリエット・キープス (著, イラスト), いしい ももこ (翻訳)

水の中の4つのたまごは、おたまじゃくしからりっぱな4ひきのかえるに成長します。かえるたちは、泳ぎの競争をしたり、かたつむりをかくしっこしたり、ときには敵から身をかくしたりと仲よく愉快にくらします。そして夏が終わり冬がくると、花が咲く春まで眠るのです。ユーモラスなかえるたちの絵と、石井桃子のリズミカルな文章。そこから伝わるかえるたちの楽しげな暮らしをとおして、生物としてのかえるの生態にも自然と興味がわいてきます。

 

やはり、読み聞かせはリズムです。
石井桃子さんはすばらしい詩人です。


訳するときにも、詩の心がそこに生きています。

 

みずのなかに ぜりーのような たまごが。
たまごのなかには くろいてんてん。

さかなが やってきて ぱくっと たべた。
でも 4つのたまごだけ ながれていった。

 

魚の口からからくも逃れた四つの卵。
おたまじゃくしから、しっぽのある若いかえる、大人のかえると成長していきますが、この四匹、表紙を見てもらえばわかる通り、たいへんゆかいです。

 

実にユーモラスな感じです。
さかなから逃れたとおり、かえるになってからもサギやカメなど、さまざまな危険が迫るのですが、まったく切迫した感じも悲壮さもなく、ひたすらゆかいです。

 

絵もユーモラス、訳のうたうようなひびき。
お子さんに読み聞かせしてあげるのに、とてもよい絵本です。

 

 

 

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子どもの本だな【広告】

くもの糸・杜子春 ふしぎなかぎばあさん とこちゃんはどこ
いちごばたけの ちいさなおばあさん ヤマネコとウミネコ せいめいのれきし
みどりのゆび 完訳 オズの魔法使い はらぺこのえんそく

 

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今日の一冊「大造じいさんとガン」

 

今日、ご紹介するのは児童書です。

 

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 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

大造じいさんとガン

椋 鳩十 (著), 武部 本一郎 (イラスト)

老狩人と誇り高いガンとの心あたたまる交流を描いた表題作のほか「熊野犬」など、野生の動物たちを生き生きと描いた珠玉の13編。

 

「ブログに『大造じいさんとガン』は出さないの?」
「いや教科書に載ってるよね。みんな知ってるからいいのでは」
いや、出せや。いい話なんだから」

 

そうですか。
息子くんの意見でした。

 

じゃあ、「大造じいさんとガン」の内容の方は、娘の方に説明してもらおうか…。

 

「おじいさんがね!残雪っていうガンのリーダーにね!とっておきのしかけをするの。じいさんがしかけをかけてね、ひとりだけ捕まった!」

(一羽ね…)

「じいさんね、そいつを長年生かしておいたの。そいつを利用して、残雪を捕まえてやろうと思って。でもずっと飼われてたから野生の本能が鈍くなってたのか鷹に襲われたの!そしたら残雪がまっすぐに飛び込んでって、死に物狂いで戦って、大造じいさんのがんはいきのこったんだけど、ざんせつは…ざんせつはね…!!!

 

力が入ったご紹介をありがとうございます。
ほとんどしゃべってしまってごめんなさい。

 

こどもたちにどんな本だった?と聞くと、面白い視点から教えてくれることがあります。

 

椋鳩十は本当に動物の表現が愛に満ちていて表現がすばらしいです。

 

blog.izumishobo.co.jp

 

わたしは「マヤの一生」が大好きです。
とても悲しく、苦しい物語ですが好きです。

 

つらいけれど好きな話というのがあります。

こんな動物にとっても、動物を愛する人にとっても苦しい物語を、動物を真に愛する人が書いたということに意味があるなと思います。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

片耳の大シカ

椋 鳩十 (著)

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

マヤの一生

椋 鳩十 (著)

 

 

 

 

 

 

 

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子どもの本だな【広告】

時の旅人 イギリスとアイルランドの昔話 十二支のはじまり
がんばれヘンリーくん ロッタちゃんと じてんしゃ しんせつなともだち
おおきな木 エルマーのぼうけんセット 小さなスプーンおばさん

 

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今日の一冊「さすらいのジェニー」

 

今日、ご紹介するのは児童書です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

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 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

さすらいのジェニー

ポール・ギャリコ (著), 矢川 澄子 (翻訳)

突然真っ白な猫になってしまったピーター少年は、大好きなばあやに、冷たい雨のそぼ降るロンドンの町へ放り出された。無情な人間たちに追われ、意地悪なボス猫にいじめられ――でも、やさしい雌猫ジェニィとめぐり会って、二匹の猫は恋と冒険の旅に出発した。猫好きな著者ギャリコが、一匹の雌猫に永遠の女性の姿を託して、猫好きな読者たちに贈る、すてきな大人の童話。

 

 「さすらいのジェニー」
猫好きさんにはちょっと有名な、ポール・ギャリコの名作です。


内容は、男の子が突然ねこちゃんになってしまうというかわいいおはなしです♡

 

…とご紹介したいところなのですが…。
残念ながら、まったくもってぜんぜん、「かわいいねこちゃん♡」な感じではありません。

 

突然猫になってしまったピーター。
この猫になってしまったきっかけは…。

 

そうです。よくあるやつです。
異世界転生になるきっかけの80%ぐらいを占めている…(これは嘘ですが…)、とにかく物凄くよく聞くシチュエーションで、突然トラックにはねられた、という奴です。

 

しかし、異世界転生なんてものが存在もしていなかった時代に書かれたものですから、こちらがすべての原型と言えるでしょう!たとえ存在を知らなくても!

 

そして、ピーターは異世界に行ってしまったわけではなく、猫になってしまったのです。

 

そして、ピーターは運命の出会いを果たします。
野良猫のジェニーです。

 

人間だったピーターは猫であることにまだ慣れていませんので、ジェニーに猫としての生き方を、文字通りミルクの飲み方に到るまで一から十まで学びます。

 

(ちなみにジェニーにはじめて体中を舐めてもらう所は…大変…大変…何というか…なかなかのものです!)

 

ピーターとジェニーは一緒にさまざまな経験や冒険をしていきます。
しかしこのお話、野良猫の生活の描写がすごくシビアです。

 

ぼうけんはぼうけんですが、ふわふわとか、もこもことか、モフモフとかいう感じでは全く有りません。
まさに野良猫の厳しい生活を体験する感じです。
すべてが命がけです。
泥にまみれ、鼠を狩り、人から逃げ、猫たちの縄張りと掟を学びます。

 

そして、広大な世界をピーターはジェニーと共に、「猫のまなざし」で見直すことになります。

 

題名が「さすらいのジェニー」という、なんとも切ない語感のする作品です。
ページ頁数も多く分厚いです。

 

…。
そしてこれは、ネタバレを恐れずにあえて書いておくのですが…。ちょっと、途中で驚愕の展開になります。

 

こうして片時も離れず、強い絆で結ばれていたかに見えたピーターとジェニー。

それなのに。

主人公くん、突然、本当に唐突に、ちょっと頭のねじが一本はずれた感じの愛くるしいシャム猫ルルに夢中になって、あとをさんざんおいかけまわします!!

そして、ルルだけでなく、ピーター本人もあたまのねじがはずれた感じになって、ジェニーのことなどまったく忘れてしまい、完全にほったらかしてしまいます。

 

こ…これは…?
一体?
読んでいた私も、一瞬何が起きたのかわかりませんでした。

 

お前はここまできて、ジェニーをほったらかして、何しちゃってんのー!?

この本の題名は「さすらいのジェニー」じゃなかったのー?
「魔性のルル」という名前じゃなかったはずだ!
100万回生きたねこを見習え!!

 

…と、野良猫たちのシビアな生活だけでなく、まったく違う意味でもハラハラすること間違いありません。

 

どういう結果になったかはぜひ読んでみてもらいたいと思います!

 

こんな終わり方で大変申し訳ありません。
すべては、手に取って読んで頂きたい一心で、ここでちょっと力尽きたから、というわけでは決してありません。

 

ラストのすばらしさ、余韻といい本当に、手に取って損はない作品であることは、たくさんのレビューが示している通りです。

 

 

 

 

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子どもの本だな【広告】

ゆめくい小人 ゆかいなかえる おしゃべりなたまごやき
りんごかもしれない スプーンおばさんのぼうけん おかあさんだいすき
小さいおばけ 大食いフィニギンのホネのスープ さっちゃんのまほうのて

 

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今日の一冊「こすずめのぼうけん」

 

今日、ご紹介するのは絵本です。

 

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 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

こすずめのぼうけん

ルース・エインズワース (著), 堀内 誠一 (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

子すずめはお母さんから飛び方を教わりました。羽根をぱたぱたやっているとちゃんと空中にういているので、こすずめはおもしろくなってどんどん遠くまで飛んでいきました。そのうちに羽根が痛くなったので休もうと思いましたが、ようやく見つけた巣にはカラスやヤマバトやフクロウがいて、中に入れてもらえません。やがてあたりは暗くなって……。骨格のしっかりした物語絵本です。

 

見ためもこすずめちゃんがとてもかわいく、音のリズムがとてもよい絵本です。
石井桃子さんの訳はほんとうに声に出してみたときの音がきれいで、なおかつ、見た目もきれいです。

 

飛ぶ練習をしていたこすずめは、自分の飛ぶ力が割といけることに気が付いてしまい、お母さんが設定した「塀のところまで」というラインを越えて外まで飛び出していきました。

 

最初は調子よかったのですが...。
そこはこどもです!
羽が痛くなり、頭も痛くなってきました。

 

この羽だけではなくて、「頭が痛くなった」というのは本当にリアルだと思います。

 

こすずめは、休む場所を探していろんな鳥の巣を訪れては頼むのですが...。

 

ひとくちで言ってしまえば、入っては追い出されの繰り返しです。

 

カラスもヤマバトもフクロウも、みんな、言い方はさまざまなですが言うことは一つ。

 

おまえの入る場所はない。

 

このしゃべり方をそれぞれの鳥のキャラに合わせて変えるのが、読み聞かせの楽しみです。

 

最後にお母さんに連れて帰られるこすずめの絵がほんとうにかわいいです。

 

石井桃子さんの「ちいさなねこ」もそうでしたが、おかあさんが助けに来る。
首根っこをくわえられたり背負われたりして強制的に連れて帰られる。

 

…という絵に、どうしてこんなに安心するのか。

 

もしかすると、海外の絵画の定番である、聖母マリアと小さなイエスさまの絵にも、そういう意味がこめられているのかもしれませんね。(わたしはクリスチャンではないですけども😊)

 

 

 

ちいさなねこ

石井 桃子 (著), 横内 襄 (イラスト)

 

 

 

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小さいおばけ 小川未明童話集 ルドルフとイッパイアッテナ
大雪 まぼろしの小さい犬 ロビンソン・クルーソー
マルコヴァルドさんの四季 ナルニア国全7冊セット とてもすてきなわたしの学校

 

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今日の一冊「トムは真夜中の庭で」

 

今日、ご紹介するのは児童書です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

みなさん、休校中のお子さんだけでなく 、もういいかげん自粛生活に嫌気がさしてはいないでしょうか…。

わたしは、嫌気がさしました。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

トムは真夜中の庭で

フィリパ・ピアス (著), 高杉一郎(訳)

知り合いの家にあずけられて,友だちもなく退屈しきっていたトムは,真夜中に古時計が13も時を打つのをきき,昼間はなかったはずの庭園に誘い出されて,ヴィクトリア時代のふしぎな少女ハティと友だちになります.「時間」という抽象的な問題と取り組みながら,理屈っぽさを全く感じさせない,カーネギー賞受賞の傑作です.

 

こちらの「トムは真夜中の庭で」の主人公のトムも、病気になって療養生活を余儀なくされています。

 

トムはこの状況が気に入りません。
気に入らないのでふてくされていますし、親切なおじさん、おばさんにも態度が悪いです。

運動もよくしていない状態だと、夜にはなかなか寝付けません。
こっそり起き出したトムは、真夜中の庭で不思議な少女と知り合います…。

 

明らかに時間軸の違う場所に迷い込んでいると、トムも薄々は気付きます。
ハティがトムの世界に迷い込んでいるのではなくて、トムがハティの世界に入り込んでいるのです。

 

孤独なハティにしかトムは見えません。
ハティの世界でトムは、ほかの人には幽霊のように見えないらしいのです。(例外はありますが…)

 

異世界に迷い込む、というのはファンタジーや児童書の世界ではよくあることなのですが、「トムは真夜中の庭で」の世界はとても不思議です。

 

子供には難しいのでは…?と思いがちなほど、大人の小説の体を成していますが、この不思議な物語は子供にすうっと不思議なほど受け入れられて読んでくれます。

 

大人が読めば、おそらくはハティの立場として読むことが出来るかもしれません。
わからなかったたくさんのちりばめられた符号が腑に落ちることでしょう。

 

トムが見たものは何だったのか、時間と空間を越えて呼び合った孤独な魂が出会ったその意味は何だったのか。
終盤に向けて緊張感を保ったまま、すみからすみまで無駄のない本当にすばらしい作品です。

 

なにより、「療養を強制されて嫌気がさしている」状態は、今のこの状態とぴったりマッチしていますので、今こそぜひページを開いて真夜中の庭にいざなわれてみて欲しいと思います。

 

 

 

児童書の復権を(note記事)

おすすめ児童書リスト(note記事)

 

子どもの本だな【広告】

さかさ町 (日本語) ハードカバー - 2015/12/18 F.エマーソン・アンドリュース (著), ルイス・スロボドキン (イラスト), 小宮 由 (翻訳) まりーちゃんとひつじ おにたのぼうし
オズのまほうつかい おおきな木 木かげの家の小人たち
アンデルセン童話集 きんぎょが にげた 野尻湖のぞう

 

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今日の一冊「いちごばたけのちいさなおばあさん」

 

今日、ご紹介するのは絵本です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

いちごばたけの ちいさなおばあさん

わたり むつこ (著), 中谷 千代子 (イラスト)

いちご畑の土の中に住んでいる小さなおばあさんの仕事は、いちごに赤い色をつけることでした。ある年、春はまだなのに暖かくなって花が咲きはじめたので、おばあさんは大忙し。地中の奥深くから水を汲みあげてお日さまの光を混ぜ、石の粉を入れて赤い水を作ると、せっせといちごの実を染めていきましたが、雪が降ってきて……。身近な自然の不思議を感じさせるファンタジーです。

 

 いま春の本を並べている本屋さんに平積みで並んでいる本です。

「いちごばたけのちいさなおばあさん」
よくぞ、ここまでずっと残っていてくれて…!(感涙)

 

子供のころに大・大・大好きだった記憶がはっきりと残っています。

 

こうして紹介しようとして、文字にしてみよう、説明するとなると…読んだ感じとはちょっと違うなあ~と考えてしまいます。

 

いちごを赤く染めるお仕事のおばあさん…。
おばあさんは地下に住む小人?
妖精なのかな?

 

何の説明も書かれていませんし、こうして改めてよくよく考えてみると不思議です。
でも読んでいる時は何の違和感もなくすうっと入ってきました。

 

地下にあるおばあさんの居住区より、もっと地下にある、いちごを染める染料の壺のような大きな壺…。
水をくみ上げる工場のようなシステム…。
お日様の光を混ぜ合わせていちごの色になる…。

 

信じることと、そうであってほしいと願うことが、子供時代は曖昧です。
その線引きがないまま、空想の世界と自然と現実とが一体化していき、ただ現実のいちごを見ていても、その色の向こうにあの地下の工場システムと大きな壺と、おばあさんの努力を思います。

 

目に見えるだけでない世界を教え与えてくれるよろこびです。

 

 

お話の中でおばあさん、うっかりいちごに色をつける時期を間違えていて、外に出て見たら一面の雪でした。

 

大ショック!
ここの所のがっかり感、いまだに覚えています。
おばあさんの仕事の面白さだけでなく、お話もとても楽しい一冊です。

 

 

 

児童書の復権を(note記事)

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子どもの本だな【広告】

ちいさいモモちゃん 北極のムーシカミーシカ 闇の左手
世界むかし話集7インド・中近東編 世界むかし話集4フランス・南欧編 チョコレート戦争
ぜったいたべないからね シンデレラ迷宮 アラビアン・ナイト

 

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今日の一冊「ムーミン谷の冬」

 

今日、ご紹介するのは児童書です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

新装版 ムーミン谷の冬

まっ白な雪にとざされたムーミン谷。松葉をたっぷり食べて、パパとママといっしょに冬眠に入ったのに、なぜか一人、眠りからさめてしまったムーミントロール

 

 

少し寒い日が続きました。
あちこちで早咲きの桜がもう満開に花をつけているのを見かけますが、うちの周辺の桜の木はまだ、つぼみがはじけそうにふくらんでいますが、もう一つです。
毎日、あと少し…あと少し?と思いながら見上げています。

 

本屋さん、春の絵本で埋め尽くされています!
一足先に華やかなカラーで心も暖かくなりそうです。

 

本当は、本屋さんで見かけたこの絵本を紹介しようと思っていました。 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

ムーミンのおはなしえほん 春がきたよ、ムーミントロール

トーベ・ヤンソン (著), ラルス・ヤンソン (著), 当麻ゆか (翻訳)

 

 

2020年発売ですので、最近発売されたばかりですね。
本屋さんで見かけたらぜひ手に取って(購入)してあげてください!

 

先日の「エルシー・ピドック」もそうですが、分厚い本の中の一話を取り出して絵本化してくれるのはとてもいいな!!と思います。

 

字も多く、ストーリーも(それはムーミンですから)しっかりしていて、安定の一冊です。

 

ムーミンは普通に読んでいると、とても哲学的で少し物悲しい雰囲気もあり、まったく「児童書」の域を超えて大人が読んでもまったくおかしくない本です。

 

冬が好きだったなあ…。春だけどもう季節なんて関係なく紹介しちゃおうかな。
冬の名残が残っている間に…。


ムーミン谷の冬」

 

目覚めてしまったムーミンが、いつもの仲間たちがいない状態で、冬の世界を探索して回ります。
そこはしんと静まり返った死の世界ではなくて、真っ白な雪の景色の中に、冬には冬に動き回るたくさんの生命にあふれていました…。

 

氷姫さまのお話がとても印象に残ります。

 

美しい氷姫さまですが、その姿を見た者は死を迎えます。
あまり賢くはない、「すばらしいしっぽを持ったりす」の子は、その顔を真正面からのぞきこみ、氷姫さまはにっこり笑ってくすぐります…。もうりすは固くなって倒れてしまいました…。

ムーミンフィンランドの北欧のお話とあって、冬を思わせる魔物モランのような恐ろしい魔物が登場したりしますが、氷姫さまは美しいですが、アンデルセンの「雪の女王」のような冷酷さとは違っていて、やわらかい優しいイメージがあります。

 

氷姫さまはにっこり笑ってこりすの耳のうしろをくすぐりました。

 

でもやっぱり、「見てはいけないもの」であることに変わりはなく、こりすはもう、かたくなりひっくりかえって死んでしまいます。
このアンビバンレントさがとても印象に残りました。
ムーミンが悲壮な思いでこりすのお葬式をするのですが、周囲の人たち、おしゃまさんやミイは割とドライです。

 

でもお話の最後に、ムーミンは春の訪れとともに「すばらしいしっぽをもったりす」 にそっくりなりすを見るのでした。

 

死と再生を込めた物語の妙でした。

 

冬のお話を読んで外に出ると、ああ、春だ!春が来た!と思うかもしれません。
ムーミン谷の冬」
おとな向きかもしれない一冊です。

 

 

 

 

 

児童書の復権を(note記事)

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子どもの本だな【広告】

こども六法 はなのすきなうし 世界むかし話集9アフリカ編
ちいさいモモちゃん 三びきのやぎのがらがらどん まんばのにしき
しずくの首飾り 白いりゅう黒いりゅう めっきらもっきら どおんどん

 

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今日の一冊「エルシー・ピドック、ゆめでなわとびをする」

 

今日、ご紹介するのは絵本です。
昨日ご紹介した「ヒナギク野のマーティン・ピピン」の中で、マーティン・ピピンが子供たちに語り聞かせる一話です。

 

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 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

エルシー・ピドック、ゆめでなわとびをする

エリナー ファージョン (著), シャーロット ヴォーク (イラスト)

, 石井桃子 訳

少女エルシー・ピドックは,妖精になわとびの秘術を習い,誰にも負けない名手になった.長い時が経ったある日,この村をおそった危機に,おばあさんのエルシーが立ち向かう.有名なお話が美しい絵本に.

 

マーティン・ピピンが語り聞かせる中でも、わたしも特に好きな一話です!

 

昨日書かなかった背景をさらっとお話すると、「リンゴ畑」ではマーティン・ピピンは七人の乳しぼり娘たちにある目的をもって、一話ずつお話をしていきます。
(すべて恋のお話です!ロマンティックなのでぜひ一読してみていただきたいです)

 

ヒナギク野」では、その七人の乳しぼり娘たちの子供たちに一話ずつお話をしていくわけです。

 

どちらの話でも、語り始める前にマーティンは歌(詩)を一つずつつけています。

 

このエルシー・ピドックのお話での歌はこうです。

 

「アンディ・スパンディ。
 さとうの、キャンディ、
 アマンド入り
 あめんぼう!
  おまえのおっかさんのつくってる晩ごはんはパンとバターのそれっきり!

 

エルシー・ピドックはなわとびのお話ですが、これは縄跳び歌ということになっています。
「アンディ・スパンディ~あめんぼう」、までは普通にとび、その後に「おまえのおっかさんの~」の所では二倍の速さでとぶというわけです。

 

原文ではこうなっています。

 

'Andy
 Spandy
 Sugardy
 Candy,
 French
 Almond
 Rock!
 Breadandbutterforyoursupper'sallyyourmother'sGOT!'

 

この訳はほんとうにすばらしいと思います。

 

そして、このお話の中では、エルシー・ピドックが持っているなわとびの持ち手の部分が、妖精(フェアリー)によって、いくらなめてもなくならない、砂糖のキャンディアマンドいりあめんぼうになっています。

 

大人になってみると、べとべとしているような気がしますが(笑)子供はそうは思いません。

おいしそうだなあ…。

 

 

はっ!内容についての紹介をするのを忘れていました。

エルシー・ピドックはなわとびの名手です。

三歳ですでになわとびが出来ます。なわとびのつなが欲しいとねだって、まだ早すぎるよとたしなめられると、何とおとうさんのサスペンダーを使ってとびはじめました。

 

そのなわとびの名声はフェアリーたちにもきこえ、眠りながらフェアリーたちに呼ばれてなわとびの秘術を授けられます。

 

そのうち、皆が楽しみにしていたなわとびが出来なくなるかもしれない時がやってきました。
新しい領主がやってきて、権利を振りかざし、山を柵で囲って工場を建てようとしはじめたのです…。

 

マーティンの物語が七つ入った「ヒナギク野」は確かに分厚くて重くて、なかなか子供がよいしょと開くには抵抗も大きいです。

 

この一つが絵本となって出版されているのはとても嬉しいです。
ここから、エリナー・ファージョンと訳者石桃子さんのすばらしい児童書の世界に入ってくれたらいいな、と願います。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ヒナギク野のマーティン・ピピン

エリナー・ファージョン (著), 石井 桃子 (翻訳)

 

 

Martin Pippin in the Daisy-Field (English Edition) Kindle版

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

リンゴ畑のマーティン・ピピン

エリナー・ファージョン (著),  石井 桃子 (翻訳)

 

 

 

児童書の復権を(note記事)

おすすめ児童書リスト(note記事)

 

子どもの本だな【広告】

わたしのワンピース おたまじゃくしの 101ちゃん ともしびをかかげて〈上〉
リラとわたし ウィロビー・チェースのオオカミ スプーンおばさんのぼうけん
しろくまちゃんのほっとけーき ミオよわたしのミオ ながいながいペンギンの話

 

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今日の一冊「ヒナギク野のマーティン・ピピン」

 

今日、ご紹介するのは児童書です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

ヒナギク野のマーティン・ピピン

エリナー・ファージョン (著),

イズベル;ジョン・モートン=セイル (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

 

思い入れが強い作品なのですが、さらっと紹介しておきます。
この本、Amaznの紹介らんに記述がありませんでした。

 

ファージョン作品集5巻。

 

とあっただけでした。
うちの本を開いてみると、最初にこんな風にあります。

 

この本に出てこない だいじな人たち

 5人の女性の名前が並んでいて、このお話に出てくる子どもたちのおかあさんのようです。母親、とありますから。
その下にこうあります。

この本に出てこない だいじでない人たち

 5人の男性の名前が並んでいます。
うちの娘はもうこれで笑ってしまいました。

 

この、「この本に出てこないだいじな人とだいじでない人」は、前作「リンゴ畑のマーティン・ピピン」の登場人物たちです。

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

リンゴ畑のマーティン・ピピン

エリナー・ファージョン (著),

リチャード・ケネディ (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

恋人から引き離されてリンゴ畑の井戸屋形にとじこめられている少女ギリアンを,6人の娘たちが牢番として見張っています.陽気な旅の歌い手マーティン・ピピンは,美しく幻想的な6つの恋物語をくりひろげて娘たちの心を奪い,首尾よく牢屋のかぎを手に入れます.ファージョンが作家としての地位を確立した傑作

 

「リンゴ畑」も「ヒナギク野」も、大筋がありながらも、主人公のマーティン・ピピンが語る形式のオムニバス形式になっており、どのお話もとてもすばらしいです。

 

「リンゴ畑」は恋物語が中心になっており、「ヒナギク野」は子供たちに語り聞かせるおとぎ話です。

 

子どもに語り掛けるお話として、「ヒナギク野」はとても面白く、また詩的なものばかりで、読み聞かせをするのも、一話ずつ今日はこれを、と読んであげてもいいと思います。

 

「リンゴ畑のマーティン・ピピン」の方はプロジェクト・グーテンベルクで英語の原書版が無料公開されています。

 

www.gutenberg.org

 「プロジェクト・グーテンベルク」
http://www.gutenberg.org/ebooks/author/492

 

プロジェクト・グーテンベルクについて
Wikiの説明ページ

プロジェクト・グーテンベルク(Project Gutenberg、略称PG)は、著者の死後一定期間が経過し、(アメリ著作権法下で)著作権の切れた名作などの全文を電子化して、インターネット上で公開するという計画。1971年創始であり、最も歴史ある電子図書館

 

エリナー・ファージョンは、その原文の美しさには定評がある作家で、イギリスの教科書に使われていたこともあると聞きます。
石井桃子さんの美しい訳文がぴったりと合わさって、それは素晴らしい児童文学の世界を垣間見せてくれます。

 

ヒナギク野のマーティン・ピピン」の冒頭に飾られている詩をご紹介しておきます。
これは、縦書きの「紙の本で」読むとなおいっそう、美しいものです。

 

この本を読む人びとよ、
あなたはサセックス生まれか
われらの日の出のさまを、
また夜の月の出を、
あなたは知っているのか。
われらの日月は、
アンバリ・マウントの頂(いただき)に
黄いろの光の
碗(わん)のようにのぼる。
さかしまにのぼるその大きな碗(わん)は、
台地と丘に、光のすべてをそそぐ。

 

この歌を読む人びとよ。
あなたがサセックス育ちであれば、
その大きな碗が、あなたの頭上で
金色の泡の玉と変わり、
アンバリのみどりのすそ野に立つ
ひとりの子どもの息に吹かれて、
青い空を泳ぎわたるのを
いくたび見たことだろう。
かつて、あなたを知り、
いまも、あなたと遊ぼうと
願う子どもの息に吹かれて。

 

 

この詩を冒頭に読むことができる、それだけでも、これがいつまでも本棚に、また書店に残していく価値がある本だと言えるでしょう。

 

 

児童書の復権を(note記事)

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ロボット・カミイ アンデルセン童話集 こわれた腕環
マルコヴァルドさんの四季 マヤの一生 ヤマネコとウミネコ
ぶたたぬききつねねこ らいおんみどりの日ようび はなのすきなうし

 

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ドリトル先生応援記(雑談と以前noteに上げていた記事)

 

以前、noteに、「ドリトル先生」の記事をアップしていたので、ご紹介します。

児童書ブログとはまるで毛色のちがうブログなので、とまどわれるかもしれませんが(汗)

 

note.com

 


noteはもともと、まったく別の趣旨でやろうとしていたのですが、どうしてもやっぱり、ここから離れられないみたいです。
児童書については、こうして別ブログでも記事を書いてしまいます。

 

児童書関係の記事は、こちらにもリンクしようと思いました。


この記事、ドリトル先生だけについて書くつもりが最後はどんどん飛躍してしまって、まとまりない記事になってしまいました。
熱量だけがばくはつしています。

 

 

 

このブログのコンセプトは、子どもたちが自分ではなかなか手に取らない本です。
古めかしくて、いつも本棚にあり、なかなか手に取らない本…。

 

あえてのそういう本をお勧めする理由は、手に取りにくい本を読んで、それが面白かったという経験は、本に対する心のハードルを一気に低くするからです。

 

図書館や書店に、いつ行ってもある本。
何のために並んでるのかわからないような本。
絵柄も微妙に地味な本。
古そうな本。

 

それらが、どうして並んでいるのか
どういう本が本当に面白いのか
見た目ではない、奥深さを知って欲しいなと思いますもいます。


「地味な本」を読んで面白かったとき、本棚を見る、こどもの目線が変わればいいなと思います。

 


 

 


こちらの記事で、親子連れ立って本屋に行くことを強くおすすめしましたが…。

明るく楽しいアニメ絵小説を「自分で選ばせて」あげてほしいです。

えーこれ?と思わずに。

 

わたしのおすすめする本を一生懸命読ませようとして頂いて、いやがって読まなかったわ…という事態は避けたいです!!

 

アニメ絵のラノベを敬遠して、
「オタクになっちゃうのでは?」
陰キャの仲間に入るとあとが大変」
などと言われる方、けっこういらっしゃいます。

 

そんなこと言わないで~~!
好きなの買って上げて~~!

 

大衆小説(ラノベ)やアニメや漫画は、いちばん子供の心の近くに寄り添うものです。
切に切にお願いします。

 

その不安を解消するためにも、「大人が選ぶあと一冊」を買ってあげて欲しいです。

 

「もう、そんなのばっかりじゃなくて、たまにはちゃんとした本も読みなさいよ!」 

 

ならば、その「ちゃんとした本」に、最高の一冊を上げて欲しいです。
そして、できれば「そんなの」なんて言わないであげて欲しいです。
ゲームだって物語の世界の一端です。
(ゲーム本の小説はかなり出ていますし、なかなか質が高いです!)

 

絵本やアニメ絵の小説、漫画、または映画に出会って、物語の面白さを知って、読書のとば口に立ったこどもが、どういう風に奥深い読書の世界に入っていくか…。

 

その流れを理解すれば、すべてに意味があることだと、わかってもらえるはず…ですっ!

 

 

 

児童書の復権を(note記事)

おすすめ児童書リスト(note記事)

 

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100かいだてのいえ 五月三十五日 クリスマス・キャロル
星の林に月の船 声で楽しむ和歌・俳句 マルコヴァルドさんの四季 真夜中のパーティー
マヤの一生 とけいのほん1 王さまと九人のきょうだい

 

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