「本好きは作るもの」読解力を身に付ける~珠玉の児童書~

「本好きは作るもの」~珠玉の児童書~

学校で塾で、読解力を身に付けるには本を読め、と言われる。ではいったい、どの本を読めばいいのか?日本が、世界が誇る珠玉の児童書の数々をご紹介。

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これまでの記事から、今までおすすめした本を、ランダムでピックアップしてみました。

 

固定記事にして、たまに入れ替えてみようかなと思います。

 

これからの予定:算数の先生」「モチモチの木」などなど。
気になっているのは「二年間の休暇」「西遊記」「オタバリの少年探偵たち」「カイウスはばかだ」。


「とぶ船」もっと詳細に…。カッレくんの続き・エルマーの続き、などなど…。
妹子は「宝島」読書中です。

 

 

◇ 

 

「今日の一冊」より(絵本多め)

今日の一冊「ねこのごんごん」

今日の一冊「ペネロペ こわいゆめをやっつける」

今日の一冊「ちいちゃんのかげおくり」

 

ねこのごんごん」は可愛い、せつないお話です。

 

「ペネロペ」悪夢に悩まされるお子さん にぜひどうぞです。

 

「ちいちゃんのかげおくり」 戦争の悲劇を描いた名作です。

 

 

 

「大人が読む児童書」より

本の世界への入口「おしいれのぼうけん」

大人が読む児童書「チベットのものいう鳥」1

ケストナーの傑作「ふたりのロッテ」再読1

 

「おしいれのぼうけん」本型の本のブックスタートにふさわしい一冊です。

 

チベットのものいう鳥」 不思議なお話が満載でした。特に「金沙江の女軍」チンシャチアン、すばらしかったです。

 

ふたりのロッテ」引き離されたふたごの再会、再婚しそうなお父さん、ハラハラドキドキがいっぱいです。チョコレートの魔女め!

 

  

 

「閑話」より

今日の一冊「ほらきこえてくるでしょ」 捨てられないボロボロ三銃士 最後の一冊

 

 

 

 

  

 

 

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大人が読む児童書「算数の先生」 3 華麗なる大正女子のガチバトル

大人が読む児童書。
「再読★児童書編」です。


この記事はネタバレもしていくことになりますので、未読の方はご注意ください。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

算数の先生 (ちくま学芸文庫) 文庫 - 2011/1/8 国元 東九郎 (著)

7164は3で割りきれます!この数は4つの数字からできていて、その7、1、6、4をたすと18になります。18は3で割りきれますから、この7164は3で割りきれるのです。睦子さんはふし目がちに、しかし自信ある口調で説明した。それから先生は倍数・約数について説明を加えた。5年生の算数は新任の若い岡本先生で、計算競争や図形を描いたりして教室は活気づいていく。教師だった著者が、読み物ふうにつづる算数との出会いの物語。素数、分数、最大公約数などから数列、面積、ピタゴラスの定理などの高いレベルまでを取り上げた世評に名高い算数学習書。

 

この学校では、女子と男子は別クラスで分けられています。
時代を感じます。

 

昭和3年といえば、ほぼ大正時代と変わりないと言ってもいいので、記事の題名も大正女子にしちゃいました。

 

この女子ターンが、面白いです。

 

・学級委員の優等生、長谷川寿恵子。(すえことよみます)
・内気だけど、たまに寿恵子さんを出し抜く内田睦子。
・そつのない川村春子。
・ダークホース瀬島よし子。

 

などなどの面々です。

 

女子ターンと男子ターン、順番に展開するのですが、昭和3年の時代が、女子は学問など必要ない!なんて、誰か本当に言ってたんだろうか?というような内容です。

 

そして男子よりも、女子は何となくライバル心が強く緊張感があります。

 

私がすごく面白いと思い、熱中していた、女子教室ターンについて、話してみたいと思います。

 

 

長谷川すえ子VS内田睦子

 

女子の教室の中でも長谷川すえこさん、(寿恵子は読めないのでひらがなにしちゃいました)教科書を全部暗記してすらすら言えたりと、半端ない秀才です。

 

長谷川すえ子さんはこんな感じの女子です。

 

先生「地球から太陽までの平均距離は一億四千九百五十万キロメートル、とありませんでしたか。」
長谷川「はい、『かりに1時間200kmの速さでとぶ飛行機にのっていったとしても、太陽に到着するまでには八十六年かかる。』とありました。」
さすがは学級委員の長谷川さん、文章を暗記している。

 

いや~、すごいわ。秀才!
自他ともにライバル(多分)なのは、川村春子さんで、暗算がとても早いです。

 

この女子の教室である日、先生が暗算の問題を出しました。

 48×25
暗算が前提なので、やっかいです。

 

おとななので、「あー、なるほどね」と思うでしょうけど、みな熱心に暗算します。

 

内田睦子さんという子が、手を上げます。

 

睦子さんはそくざにたって、
「1200です。」
と答えた。先生は涼しく、
「そのとおり!」
とおっしゃった。先生は、お気に召した答えがあると、よく『そのとおり』とおっしゃるくせがある。この『そのとおり』を浴びせられることは、わたしたち生徒仲間の光栄なのである。そして、わたしはそのレコード・ホールダーなのだ。それなのに、きょうはちがいもちがい、格段の差で、睦子さんに『そのとおり』の栄冠をうばわれてしまった。

 

わたしは、そのレコード・ホールダーなのだ。(笑)

今読んでもすごいです、長谷川すえ子…。末恐ろしいわ…(笑)
この一話は、すえ子さんの手記という形をとっています。

 

わたしはこういっても、けっしてお友だちの栄誉をそねむあさはかな、いやな考えは少しもないつもりである。ただその差のあまりにもはなはだしかったのに、われながらあきれてしまったのだ。

 

いやいやいやいや(笑)

 

結局、「25をかけるかわりに、百倍して4でわりました」ということなのですけど、この流れ、このやりとりが実におもしろいです。

 

 

成績優秀女子軍団VS瀬島よし子

 

約分のお話です。
普通の約分の問題のなかに、ひょこっと一つだけ、156/390というのが入っています。(すみません、390分の156のつもりです

 

これを多くのものは2で約し、それから3で約し、26/65を答えにした。ひどいものは、2で約しただけの78/195ですましていたが、これはお話にならない。

 

お話にならないとか、厳しいです。

 

ところが瀬島さんひとりだけが、2/5という簡単な答えを出した。一同はこのかわった答えにドキンとしたが、じぶんたちの仲間が多いのをたのみにし、それに瀬島さんの日ごろ のできばえからみて、失礼にもまさかというような顔をしていた。ところが意外!まったく意外。先生はこの大勢には目もくれず、「そのとおり」と、さっと軍配を瀬島さんにあげられた。
さあ、さわぎである。英子さん、睦子さん、すえ子さんなどは、とんびに油揚げをさらわれたかっこうで、そのあわてぶりったらない。しかし、26を2でわると13。この13で65がきれいにわり切れる。だから26/65にはたしかにまだ13という約数があったわけ、無念ともくやしいとも。ああ、この一題だけ問題に出されたのなら、こんな不覚はとらなかったものを。

 

いや~~~(笑)

色々、突っ込みどころ満載なのですが、秀才女子グループの鼻をあかしたこの(普段の出来からしてまさかと思われていた)瀬島さんのような子が出て来ると、ちょっと気持ちがいいです。

 

ここから、話は「エラストテネスのふるい」法にうつり、素数に対して、細かく説明がされています。

 

 

成績優秀女子軍団のバトルロワイアル

 

夏休みに、この算数がよくおできになる女子軍団は(書き方に悪意があるようですが気のせいです)お互いに算数の問題を作って交換しあいます。

 

そんな子供がいるかー!!!


と言うのは置いておいて、この問題、めちゃくちゃ難易度高いです。

 

トップバッターはやはり長谷川すえ子。
期待を裏切らないすえ子さんです。

 

「かたつむり問題」というのを出してます。
100m走で、弟に2m勝った兄に、二回目は2m下がってもらったというものです。

 

次は川村春子。
「力のないわたしが...」「このあいだのお約束がうらめしく...」

 

出たよ。
女子の謙遜合戦。

 

今も昔も変わらないな。

さて...問題はというと

 

地球から太陽まで、 およそ一億五千二百万キロメートル。「いまかりに、時速三六00キロメートルの飛行機で行ったとしても、太陽に到着するには約五年かかる。」と書いてあります。もちろんおおよそのことですが、これがまちがっていないことを、計算でしめしてください。

 

ガチだ。
出す問題がガチすぎる。
斧で殺しにかかってる。
アルキメデスエウレカネタをご披露するおまけつき。

 

 

次、瀬島よし子
「文章のおじょうずなのに感心しました」「長谷川さん、えらい問題をお出しになったものですね」

 

今度は女子の必殺・ほめ殺し作戦だ!

☟瀬島さんの問題♡

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これかよ!!!
本気やん!
本気で全員倒しにかかっとるやん!

 

 

ラストを飾るのは暗算の速さには定評のある石田英子。

「フカだ、フカだ!」
という船長のけたたましい声がひびきわたった。フカは砲手の子の後方84メートルの所に追いすがって、秒速7.2メートルでせまっている。
これにたいして、砲手の子のはやさはわずかにその九分の二。まごまごしていると、かわいいわが子はおそろしいフカの餌じきとならねばならぬ。もはや一刻のゆうよもできぬ。砲手はいまから何秒のあいだにフカを射とめてしまわねばならないか。

 

状況が過酷すぎて問題が頭に入ってこない。

 

 

 

 

つづきます。

 

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ロウソクの科学 世界一の先生が教える超おもしろい理科 (角川つばさ文庫) (日本語) 新書 - 2017/5/15 ファラデー (原著), 平野累次/冒険企画局 (著), 上地 優歩 (イラスト)

理科が好きになる、たのしい実験の本!――これを読めば、きっと化学を好きになる――ノーベル化学賞受賞・吉野彰博士(旭化成名誉フェロー)推薦!

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ロウソクの科学 (角川文庫) (日本語) 文庫 - 2012/5/27 ファラデー (著), 三石 巌 (翻訳)

日本のノーベル賞受賞者2名が、ともに小学生のときに読んで、その後の進路に大きな影響を与えた、と語った本として話題化した一冊!

 

 

 

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大人が読む児童書「算数の先生」 2 昭和3年=ほぼ大正時代

大人が読む児童書。
「再読★児童書編」です。


この記事はネタバレもしていくことになりますので、未読の方はご注意ください。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

算数の先生

国元 東九郎 (著)

7164は3で割りきれます!この数は4つの数字からできていて、その7、1、6、4をたすと18になります。18は3で割りきれますから、この7164は3で割りきれるのです。睦子さんはふし目がちに、しかし自信ある口調で説明した。それから先生は倍数・約数について説明を加えた。5年生の算数は新任の若い岡本先生で、計算競争や図形を描いたりして教室は活気づいていく。教師だった著者が、読み物ふうにつづる算数との出会いの物語。素数、分数、最大公約数などから数列、面積、ピタゴラスの定理などの高いレベルまでを取り上げた世評に名高い算数学習書。

 

 

このお話は、舞台となる学校に、新任の先生がやって来たところからはじまります。

 

名前は岡本先生。
若くてイケメンです。
(希望的観測)

 

表紙の絵からお察し下さい。
ちょっと額が広いように感じますけど、実際に開いてみた挿し絵では、まったくそんなことありません。

 

手足もすらっとしていて、上着を脱ぎ、ネクタイをしめて腕まくりをした所、すごくスマートに見えます。
もスポーツも万能ということになっています。

 

そして、新任の先生とは思えないほど教え方がこなれています。
(そこはお話なので…)

 

理想化されたスーパー先生です。

 

校長先生の意向により、単独で算数の教科のみを受け持つことになったようです。
受け持つのは小学校6年生ぐらいだと思いますが、はっきりと書かれてはいません。
教科によれば、たぶん6年生です。

 

子供たちはそれぞれ、あとがきでも指摘されている通り、優等生ぞろいのいい子ちゃんたちなのですが、割とキャラが立っていて、個性豊かな面々です。

 

新任の先生が来ると聞いた教室の子どもたち

 

・「心得顔で」新情報をキャッチし披露する「世才に長けた杉野くん」
・算数が苦手なので弱音を吐く「案外気の良い本田くん」
・この情報を確認しに、いち早く時間割を調べる「すばしこい伊藤くん」

 

まあ何せ、古い本なので表現は古いのですが、面白いのでぐいぐい読めます。

 

 

岡本先生が現れます。

 

この先生の第一の特徴は、授業を飽きさせないことです。
(お話なので…)

 

パターンがいくつかあります。

 

・おもしろい、算数にちなんだたとえ話をする。
・いきなり計算問題をさせる。
・算数の歴史を語る

 

この「いきなり計算問題をさせる」では、何かしらの「簡単に出来るはずの問題」をひっかけとして出しておき、「あーわかってないんだな~誰かわかる人いないのかな~」というような感じで煽り立てます。

 

…もっと丁寧な言い方でです。

 

さらに、タイムを計って競わせながら、そのひっかけ問題について教えるという感じで、かなり子どもたち、目を吊り上げて煽られて盛り上がります。

 

 

たとえ話とは、ねずみ算で秀吉を煙に巻く曽呂利新左衛門だとかです。
最初にご披露するのは、すもうの谷風という力士と、丸山応挙という画家の交流です。

 

いきなりすもうの力士の話が出てきて
岡本先生「諸君はみんな、すもうが好きでしょう」

 

いやいやいや…。

 

と思うのですが、この本、令和の読み方として一番ただしいのは、ネタとして読むことだと思います。

 

しかしこの最初に出てくる「谷風という力士と、画家の丸山応挙の交流」のお話は、小話としてけっこう印象的で面白いです。

 

横綱の力士、谷川は、丸山応挙に一幅の絵を頼むのですが、三ヶ月の期限を過ぎてもまだ出来ない、まだ出来ないと、三年の月日が過ぎてしまいます。
三年後にやっと出来上がったのは、たった一張りの弓がさびしく描いてあるだけでした──。

 

驚く谷川ですが、応挙は説明をします。
ただの弓の絵と侮ったが、その弓のつる、まっすぐな一本の線を描くのに(2メートルぐらいあるそうです)、描いては消し、描いてはやめ、毎日弓の弦を引き続けて、いつしか三年の月日が経っていた、というものです。
ふすまの向こうにはびっしりと弓の絵が折り重なっていた…。

 

また、谷川が横綱となるための箇所など,、なかなか感動的です。

 

わずか一本の弦――とはいえ、二メートルにもおよぶ一直線、定木を使わず、恩賜の感激をいっきにひっぱる筆のさえ、これはじつに至難なわざに相違ありますまい。三年の月日が、この弦一本についやされました。応挙にこの誠意、この努力あってこそ、円山派の開祖として、後世に非凡の名をうたわれたのでありましょう。

いまわたしは、谷風の努力には一言もふれませんでしたが、一粒選りの天下の力士五十人をむこうにまわして、ひとりのこらずうち負かしたその天晴の腕前、土俵の上の勝負を見ただけでは、力ある身だ、あたりまえと思われるでしょうが、その体力、その技量は、けっして一朝一夕にきたえられたのではありません。十九の年にすもうの道にはいってから、寒風肌を裂く厳冬の朝、熱気惰眠を催す酷暑の夕、一日もたゆみなく土にまみれてけいこにはげみ、相手のないときは柱にぶつかって四肢をきたえた、汗とあぶらの継晶でなくてなんでしょう。

算数はむずかしいにはちがいない。が、わたしたちがこれからしらべる問題は、まさか応挙が二メートルいっきに引きとおしたあの苦心のものではありますまい。雨の日、風の日、たゆまぬ努力をつづけたら、横綱にはなれなくても、ある程度までにはたっすることができるでしょう。

 

努力の大切さを、美しい言葉のリズムで語ってしています。

 

言葉が古臭いだけに、とてもリズム感があって、読んでいても気持ちが良いです。
冒頭のすもうの説明もこんな感じです。

 

あのすもうの世界で、はじめて横綱になったのは谷風梶之助(たにかぜかじのすけ)。天明元年大阪の春場所で、晴天十日、五十人の力士をひとりのこらず負かしたという、古今無双の大力士であります。身長一メートル九十一、体重百六十キロ、天覧ずもうにはまれの弓をいただいて、とうじ谷風といえば、天下にだれひとり知らぬ者もない盛名があったものです。

 

リズムがあるので、何となくその音楽的な流れに引きずられて次々に読んでいく、とでも言えばいいでしょうか。

 

昔の講談話もきっとこうだったんだろうな(きいたことないですけど)と思わせます。

 

 

最初に計算問題を出された子どもたち、深呼吸をさせられます。

 

ちゃめな森川くんさえ、おしゃべりの余裕もなく、ただ先生につられて呼吸している。三回目の呼吸が終わろうとしたとたん、先生は「はい。」とおっしゃったので、一同はさっと表を出して計算に取りかかる。
一秒、二秒──ひっそりとして声がない。かがやくひとみ。熱する耳、走る鉛筆。

 

「なご助、ここ、ええ~って思わなかった?」
「熱する耳、走る鉛筆はあるかもしれんけど、かがやくひとみはないわ」

 

もう、全篇がすべてネタです。
ネタ満載です。

 

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ロウソクの科学 世界一の先生が教える超おもしろい理科 (角川つばさ文庫) (日本語) 新書 - 2017/5/15 ファラデー (原著), 平野累次/冒険企画局 (著), 上地 優歩 (イラスト)

理科が好きになる、たのしい実験の本!――これを読めば、きっと化学を好きになる――ノーベル化学賞受賞・吉野彰博士(旭化成名誉フェロー)推薦!

 

 

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大人が読む児童書「算数の先生」 1 57年前+35年前の本に震撼

大人が読む児童書。
「再読★児童書編」です。


この記事はネタバレもしていくことになりますので、未読の方はご注意ください。

 

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 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

算数の先生 (ちくま学芸文庫) 文庫 - 2011/1/8 国元 東九郎 (著)

7164は3で割りきれます!この数は4つの数字からできていて、その7、1、6、4をたすと18になります。18は3で割りきれますから、この7164は3で割りきれるのです。睦子さんはふし目がちに、しかし自信ある口調で説明した。それから先生は倍数・約数について説明を加えた。5年生の算数は新任の若い岡本先生で、計算競争や図形を描いたりして教室は活気づいていく。教師だった著者が、読み物ふうにつづる算数との出会いの物語。素数、分数、最大公約数などから数列、面積、ピタゴラスの定理などの高いレベルまでを取り上げた世評に名高い算数学習書。

 

母が妹と楽しく読書だ本だとキャッキャとやっているのを、兄のなご助くんは一体どう見ているのだろうか。

 

とはいっても、もう高校生。
反抗期になってから長いです。

 

昔は渡す本はみな、何も言わずにすらすらと読んでくれたものでした。
長い本も絵本も、素直~に受け取ってくれて、「どうだった?」と聞けば「面白かった」とだけ…。

 

比較的、無口な子なので、「...」となっていた時には、面白くなかった、自分の好みではない、というときです。 

この子がおもしろいと言ったら、本当に面白いです。

 

水のように流れて行って、残っている形跡が、あるのか、ないのか…。
不安です。
反抗期、妹子も来るのだろうなあ…。

 

でも、本ずきか、そうでないかはやっぱり個人差があるので、圧をあまり与えないようにしたい。
しかし、ある程度プレッシャーはかけたい。
ジレンマです。

 

ときどき、妙なことがあります。
引き抜いた覚えのない本が、なご助の机の上に乗っていたり、棚から抜かれた形跡があったりします。
(直近だと「大事なことはみーんなねこに教わった」「ホビットの冒険」でした)

 

こっそり読んでくれているのだろうか。
直接に聞くと否定するし…。

 

机の上にはずっと
ガンダムで英語を身につける本」「十二大戦」「妹さえいればいい」
のラインナップが変わらないままだし...。

 

 

なご助はPCでゲームをよくやっています。
Steamというソフトで、古い懐かしいゲームもたくさん登録されているので、お父さんもやりはじめました。

 

そして、携帯の音声チャット(Discord)で連絡を取りながらゲームをすすめます。
連絡はスマホ、ゲームはPC。

 

これは、コロナ前からそうでしたので、コロナ禍においても、まったくストレスを感じさせません。

 

デジタルネイティブという感じです…。

 

 

だがしかし、うちはPCにガチガチにロックをかけているので、なご助くんはゲーム時間を延ばして欲しいときには申告しに来ます。
メールで許可もできるのですが、直接許可した方が早いのでやってきます。

 

そして大抵、何か引き換えになっているのが恒例です。

 

悪魔の取り引きみたいに、「一時間、解除して欲しければ」…「なにか」を提供するのです。

 

引き換えにする「なにか」は、なご助が自分で考えて言ってくるときもありますし、私が提案するときもあります。
(コインランドリーに行ってもらうとかです)

 

すごく久しぶりに本にしてみました。
「本を1冊、読んでもらおうか」

 

どの本かは自分で選べますが、未読のものという条件つきです。
絵本NG、というか、持っている絵本で読んでいないのはないはずです。

 

なご助は、ドリトル先生(アフリカゆきです)を読んで
「犬が神」
とか面白いことを言ってくれるので、岩波系にして欲しいんだけどなあ~。
( ジップのことですね、アフリカ行きでは活躍しますもんね)

 

今でも名作だ、と言いはるのは
「はらぺこたまごがさらわれた」「火のくつと風のサンダル」などでしょうか。

 

持ってきました。

 

「じゃあこれ」

 

さ、「算数の先生」!?

 

とても古い古い本です。

 

自分が愛着があるので取っていましたが、文体も古いし、説教くささもあるし、今どきの子どもには向かないのではないかと思い、なご助にも妹子にも、積極的におすすめしようとしませんでした。

 

でも、私はとても好きでした。

 

またしても、するする~と読み終えて、ほったらかしにしているのですが、わたしもめくってみました。
古いよなあ。
「どうだった?」と聞いても、「ふつう」「まあまあ」という返事。
もう今の子たちにはアレだろうなあ。

 

と思って、今度は何となく検索してみました。

 

新刊で売られているっ…!!!

 

これは、けっこうな衝撃でした。

 

この本、生き残っているのか。
そうかそうか。

 

今は算数本といえば、ドラえもんの計算教室とか、コナン君の算数とか、そういう子どもたちに身近なキャラクターを使ってのものばかりかと思っていました。

 

あとがきによると、この本、すごいです。

 

「少年少女科学名著全集」といって、1964年(昭和39年)、ビートルズが来日するよりも前に初版発行の中の一冊なのです。
昭和39年と言えば、2021年の今からは、57年前です!


あとがきによると、編集委員のかたが、これを編纂するときに、57年前の当時、さらに35年も前に、自分が読んだ本を忘れられなくて入れた、と書かれているのです!!

 

それも、編集委員のかた(奥田教久さんです)が、
「さすがに古いよな~」「自分だけが思い入れがあるだけだろう」
と思っていたところ、別の編集委員のかたもこの本のことを言いだして、それで入れることになった。
古い言葉はかなり手を入れた。

 

などなど、描かれています。

 

そして、いまの令和の世の中でも、新刊で売られている…。
すごい!

 

というわけで、前置きが長くなってしまいましたが、読み返しつつ、また再読シリーズやっていきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ロウソクの科学 世界一の先生が教える超おもしろい理科

ファラデー (原著), 平野累次/冒険企画局 (著), 上地 優歩 (イラスト)

理科が好きになる、たのしい実験の本!――これを読めば、きっと化学を好きになる――ノーベル化学賞受賞・吉野彰博士(旭化成名誉フェロー)推薦!

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ロウソクの科学

ファラデー (著), 三石 巌 (翻訳)

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今日の一冊「ほらきこえてくるでしょ」 捨てられないボロボロ三銃士 最後の一冊

 

 

 

 

  

 

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

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今日の一冊「くわずにょうぼう」 コスト削減、人件費削減を家庭に持ち込む落とし穴

今日、ご紹介するのは絵本です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

くわずにょうぼう
稲田 和子 (著), 赤羽 末吉 (イラスト)

欲張り男のところに、よく働くが飯を食わない美しい女がやってきて女房になりました。最初は喜んだ男でしたが、ある日、蔵の米がごっそり減っているので、隠れて見ていると、女房は男の留守に米を炊き握り飯を作ると、髪をほどいて頭のてっぺんの大きな口から食べてしまいました。女の正体が鬼婆だったことを知た男は、鬼婆にとらえられ……。赤羽末吉の絵によるスリリングな昔話の絵本。

 

 

今日はどれにしようかなあ。

 

妹子「これ、良かったよ」

 

どれどれ。
くわずにょうぼうか!

 

わたし「こわいこわいこわい。この後めっちゃよもぎを詰んだわ。道端で」

 

子どもたちに、ペニーワイズは人気(人気?)ですけど、現実の世に「おにばば」は今もいます。
ほら、後ろを向いたら…。

 

般若のお面、あれです。

 

 

これは「こどものとも」の中でも相当の名作です。
絵がものすごいです。
迫力満点で、ホラー感満載です。

 

日本もののホラーというのはどこか、わたしたちの心の奥底に語りかけるらしく、バイオハザードで倒すゾンビや、漫画で人気な美しい耽美な吸血鬼ものとはまったく違う、真に迫った怖さがあります。

 

 

お話は、よくばりおとこが「よっくはたらいて、めしをくわない」にょうぼうが欲しいと、山でひとりごとを言ったところからはじまります。

 

後ろからついてくる人影…。

 

だれかしらんが あとから ついてくるんだと。
 ぴた ぴた ぴた  ぴた ぴた ぴた

 

ここからして怖いので、読み聞かせのときは子どもたちは釘付けです。

 

米を食わないといううつくしいむすめを、にょうぼうを迎えたよくばりおとこ。

 

倉の米が増えるどころかごっそり減っているので、よくばりおとこは物陰に潜んで見守ります。

 

「ああ、よくばりおとこが いっちゃった。どれ したくすべえか」
にょうぼうは くらのこめだわらをどっこいしょと だしてきて、おおきな おおきな かまのなかに こめを ざぁーっと うつしこんだ。
そして、じゃぎ じゃぎ じゃぎ じゃぎ といで、
かまのしたを ぼん ぼんと たくんだと。

 

このとき、読み聞かせのときに、
「ああ、よくばりおとこが いっちゃった」
を、ほっとして羽をのばすおくさんのように…。
「どれ したくすべえか」
を、声色を変えて、さてこれから悪いことをするぞ、というような悪女っぽい声で読むと、子どもたち…

 

ふっと、わたしの顔を見るんです。

 

鬼ばばは、こっちじゃないわい!!

 

 

こどものとき、自分としてはまず最初に疑問だったのは、なぜそうまでしてご飯を食べないお嫁さんをありがたがるのか?ということです。

 

その良さの意味が分かりませんでした。

 

もう一つ、結婚して女房を持ったのに、やっぱり一人がいいからとかいうふわっとした理由で、そんなに簡単に結婚生活を、はいさようなら、終わりです、なんて出来るのかということでした。

 

この男性は、あらゆる面で突っ込みどころ満載なので、ひどい目にあうのはある程度仕方ないことと思うのですが...。

 

大人になってから、一体どういうことだったのか、何となく意味がわかりました。

 

このお話は「うまい話には裏がある」という以上の意味を含んでいます。

 

そもそも、この男はなぜ奥さんが食べないことを望むのでしょうか?

 

ケチなだんなさんは、あちこちにたくさんいます。
奥さんがこれを買いたい、あれを買いたいと言っても、必要ない、もったいない、いらないなどと言う男性です。

 

あからさまに反対はしないまでも、「それ本当に必要なの?」とか何とか言って、嫌な顔をする。

 

「女性の奥さんに全部家計を任せて文句を言わないのが夫婦の円満の秘訣☆」
などと言うやんわりとした言い方では、全くこのプレッシャーを表現することはできません。

 

どうやらこのケチなだんなさんがた、資産を増やすことにばかり傾倒するあまり、奥さんも自分が経営する会社の従業員の一人ぐらいに捉えているらしいです。

 

利益を出すためにコストを削る。
そのために人件費を削減することばかり考えているというような思考回路です。

 

人生のパートナーをこのような観点からしか見られない。
この物語の中でどんどん減っていく倉の米俵のがらんとした様子は、このよくばりおとこの心の貧しさを暗示しているようです。

 

(こんな風に昔話って読むんですよね違いましたっけ)

 

 

うつくしいにょうぼうから、たちまち正体を現したおにばば。
それはそれは、すさまじい怖さです。

 

めくりながら、その怖さを堪能します。

 

めくれば、突然、絵が見開きの大まわしになって、そのたびにくわずにょうぼうは自在に変化します。

 

迫力のある美人が、唐突に大鬼のような太い腕のマッチョになったり、走る必要がある時には妙に細く風のようになりますし、怒った時の顔といったらそりゃあもう…。
(ブルブルガクガク)

 

ここからのホラーゲーム展開があまりにも恐ろしいので、よくばりの是非が云々よりも、脱出できたときは本当にほっとします。

 

しかし、見開きいっぱい使って細い風のようになり、すさまじいスピードでおいかけてくる、おにばば…。
ヒィッ、怖いーっ!!

 

正体を現してからの食わず女房があまりにも怖いので、ここからは見ている方もホラーゲームの主人公になります。

 

何とかして逃れる術は無いものかと、共感してハラハラと見守ることになります。
共感するうちに、よくばりおとこのよくばりは、何となく自分と一体化してきます。

 

なんだこいつ。
よくばりで最低だわ。
という以上に、いつしか自分の中にひそむよくばりへの反省と戒めになります…。
よくばり、よくなかったわ…という心になります。

 

この世の中にはよくばりおくさんももちろん、いますからね(笑)
ほどほどにです(笑)
(これは自分に言ってます)

 

声に出して読んでみるとわかりますが、
じゃぎ じゃぎ じゃぎ じゃぎ
ぼん ぼんと
しっとり しっとり おもたいわい

 

言葉のリズムがすばらしいです。
とても読み聞かせにむいています。

 

赤羽末吉さんの絵と、稲田和子さんのことばが完璧にマッチした、名作です。

 

 

 

 

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大人が読む児童書「町かどのジム」 4 詩の心、世界の美しさ

大人が読む児童書。
「再読★児童書編」です。


この記事はネタバレもしていくことになりますので、未読の方はご注意ください。

 

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町かどのジム
エリノア ファージョン (著), エドワード アーディゾーニ (イラスト), 松岡 享子 (翻訳)

デリーが物心ついてからというもの、ジムはいつでも街角のポストのそばに座っています。むかし船乗りだったジムは、デリーにいろんな場所の話をしてくれます…。1965年学研刊の名作をアーディゾーニの挿絵で。

 

 

大人が読む児童書「町かどのジム」 1 ねことベーコン(のベーコン)

大人が読む児童書「町かどのジム」 2 ねことベーコン(のねこ)

大人が読む児童書「町かどのジム」 3 リアルポパイ系ジムの挿し絵の衝撃

 

 

ベーコンとねこの終わった後は、どれをとっても素敵なお話なのですが、あまり紹介しすぎるのもアレなので、さらっと注目ポイント(独断と偏見で)をお話します。

 

もくじ:

デリーとジム
男の子のパイ
みどり色の子ネコ
ありあまり島
ペンギンのフリップ
九ばんめの波
月を見はる星
大海ヘビ
チンマパンジーとポリマロイ
ジムのたんじょう日

 

 

「月を見はる星」

 

実際のお話の面白さよりも、個人的な執着や、この本にまつわる体験のようなものばかり書いてきてしまったような気がするので、本来の本の紹介に戻りたいと思います。

 

「月を見はる星」は、「町かどのジム」の中でも屈指の神秘的なお話です。

 

これは、ジムが海で体験したお話ではなくて、ジムが伝え聞いた昔話、という形式のお話です。

 

夜空を見上げたとき、月の横に、明るい星があるのを見たことはないでしょうか?

 

これを書くために検索しても、「月の横」と検索窓に入力しただけで、ずらずらと「月の横にある明るい星は何か」という履歴が出てきたので、みなさん「月の横に明るい星があるな」というのは共通認識なんだと思います。

 

天文学的には、どれと決まっているわけではなく、その時どきによって、火星であったり金星であったり、木星であったりするらしいです。
いま知りました。残念!

 

ファージョンはこれに素敵な物語をつけてくれています。

 

ファージョンの作品の特徴は、途中に入っている、詩の美しさです。

 

その美しい詩を、見事な日本語に訳されているのが石井桃子さんです。

 

ファージョンはほとんどが石井桃子さんの訳なのですけど、この「町かどのジム」を訳されたのは、松岡享子さんです。

 

こちらの訳も負けずおとらずすばらしく、うまく言えないですがが、クセがなく、日本語のリズムをとても大切にされています。

 

この「月を見はる星」の詩の訳が実にみごとです。

 

天に浮かぶ土星は邪悪で欲が深く、常に何か盗み取るものはないかと周囲を見張っていました。

 

美しいベルトに7つの月まで手にいれて、ある日土星は地球の月に目をとめます。

 

土星は流れ星に命じて、月をそそのかすような歌を歌わせます。

 

月よ、かがやく小道をとおって
天のおとうさま土星のところへおゆき
そうすれば、おまえは、
七人のおねえさんといっしょに、
くるくるまわりながら
光の輪をつくるでしょう。
夜になっても、ひとりぽっちじゃなく、
とうさま土星のまわりでおどる、
七人のおねえさんと声をあわせて、
うつくしい歌をうたったり、
銀色のもようをつくったりできるのですよ。

 

流れ星は燃え尽きてしまいますが、月は激しく心を揺り動かされます。

 

月が逃れようともがくので、「かあさん地球」は身震いをします。
月が離れれば、地球はばらばらになってしまう…。

 

地球はガリレオ・ガリレイに助けを求めます。
(なんだか、ガリレオが、弘法大師の伝説になった空海感ありますが…。偉人はいつでも、伝説化されちゃうものなのでしょうね)

 

ガリレオは流れ星の燃えかすを拾います。
そこには空文字であの詩がしっかりと刻まれていました。

 

ガリレオは、太陽に助けを求めます。

 

月が目を覚ますと、わずかに離れた位置はもとに戻っており、小さな星がそばに光っていました。

 

月は、わがままで無鉄砲な小娘のようなキャラです。(かわいいです)

 

小さな星に「とまれ!」と命令されて、
どーして止まらなくちゃいけないの?知ったこっちゃないし、七人のおねえさんたちと歌ったり踊ったりしたい!
「プリプリして言う」というところが、女の子っぽいです。

 

七人のおねえさまというのは、プレアデスの姉妹を思わせます。

 

身をよじって、去ろうとするたびに、地球は震えます。
「とまれ!」と叫ぶ、小さい星。

 

太陽に強い力を与えられているので、月もどうすることもできません。
(小さいのに強い強制力を持つこの星が、かっこよかったです)

危険な土星、わがままでかわいい月、流れ星に刻まれた詩、強い命令の力と、どれもとても魅力的なお話でした。

 

 

「大海ヘビ」は、虹のねっこにある宝物について、あこがれをかきたてました。
そしてジムが心からやさしいです。本当に優しい人です…。

「誰も愛してくれない」すすり泣く大海ヘビを、こころゆくまで撫でてあげるのですが、だんだん疲れてきます。
でも撫で続けます。

皆が慕うのもわかります。そういうお話です。

 

(またしても余談ですが、例の英語版のゴリゴリにマッチョなジムは、どれだけ撫でても疲れ知らずでありそうな筋肉でした。でもフィリップさんはここのエピソードが好きだったらしく、詳細までカラフルに塗っていました。大海ヘビも迫力満点です...)

 

「チンマパンジーとポリマロイ」は、この中で一番笑えるお話です!

この「チンマパンジーは誤植ではありません。

 

読んだことがある方なら、このチンマパンジーグヮグヮグヮのキーワードで大笑いしてくれるはず...。

子どもの頃、バナナを食べるときはしばらく「グヮグヮグヮ」と言うのがクセになっていました。

 

 

何か、挿し絵について色々言いましたが、英語版の本は、「ムギと王さま」からも何篇か抜粋して追加されています。
そちらの妖精やお嬢さまが出てくるお話の方は、とても綺麗でロマンチックな絵でした。(念のため)

子どもの本にとって、絵は大事だなと思いました。

 

今にして思えば、この三芳悌吉さんの絵のバージョンの「町かどのジム」はたいへん貴重だと思いました。
 

この三芳悌吉さんの挿絵バージョンの本、奇跡的にカバーが残っていました。

 

あんな子どもの頃から、あれほど読み返したのに...。
大事にしていたのと、それとやはり、カバーといえども、装丁がかなりしっかりしているのです。

 

このカバーに、当時の書評が載っています。

 

朝日新聞評:八才のデリー少年に、八十才の船乗りあがりのジム老人が物語る一連のホラ話を中心に、その語られる町かどのふんいきや、少年と老人のあたたかい心のふれあいが、いきいきと描かれている。

 

東京新聞評:現実と夢が巧みに組みあわされ、物語の奇抜さ、夢の大きな中に、あたたかい愛情が流れていいる。こどもの愛を育てることは創造の力を育てることに通じるが、幼児からおとなまで楽しめる。

 

朝日新聞ひどいです。ほら話なんてやめたげて~。

 

夢が壊れます。
わたし「大人ってこういう無神経な単語で夢を壊していくんだよね...。ほら話なんて。ホームレスだって本当はそんな書き方したくなかったわ!」
妹子「自分で書いておいて何言ってんの!?」

 

東京新聞はばっちりな書評です。
まさに、言いたいことをこの短い文章の中に組み込んで、完璧に表現しています。

 

 

ファージョンの作品は、世界のすべては美しい、と思えるのが特徴です。
美しさというのは、なかなか感想を表現できません。難しいです。

 

言葉にできないような、静けさ、あたたかさ、美しさ、ほのかなあこがれ、言葉に出来ないもの…。

 

 

 「ヒナギク野のマーティン・ピピン」の冒頭に飾られている詩を一度ご紹介しましたが、このような世界です。

 

whichbook.hatenablog.com

 

そういった、美しい文章、情景、また心に彩られながら聞く物語です。

 

ぜひ、読んでみていただきたいと思います😊

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ムギと王さま
エリナー・ファージョン (著), エドワード・アーディゾーニ (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

幼い日,本のぎっしりつまった古い小べやでひねもす読みふけった本の思い出―それはエリナー・ファージョンに幻想ゆたかな現代のおとぎ話を生みださせる母胎となりました.みずみずしい感性と空想力で紡ぎだされた,国際アンデルセン賞作家の美しい自選短篇集

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

銀のシギ
エリナー・ファージョン (著), E・H・シェパード (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

気だてはいいが食いしんぼうの粉屋の娘ドルが、小鬼のたくらみで王さまの妃になりました。妹のポルが銀のシギの助けを借りて、姉の危機を救います。素材は昔話の「トム・ティット・トット

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

リンゴ畑のマーティン・ピピン
エリナー・ファージョン (著), リチャード・ケネディ (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

恋人から引き離されてリンゴ畑の井戸屋形にとじこめられている少女ギリアンを,6人の娘たちが牢番として見張っています.陽気な旅の歌い手マーティン・ピピンは,美しく幻想的な6つの恋物語をくりひろげて娘たちの心を奪い,首尾よく牢屋のかぎを手に入れます.ファージョンが作家としての地位を確立した傑作

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ヒナギク野のマーティン・ピピン
エリナー・ファージョン (著), 石井 桃子 (翻訳)

ファージョン作品集5巻。

 

 

 

 

 

 

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大人が読む児童書「町かどのジム」 3 リアル・ポパイ系ジムの挿し絵の衝撃

大人が読む児童書。
「再読★児童書編」です。


この記事はネタバレもしていくことになりますので、未読の方はご注意ください。

 

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町かどのジム
エリノア ファージョン (著), エドワード アーディゾーニ (イラスト), 松岡 享子 (翻訳)

デリーが物心ついてからというもの、ジムはいつでも街角のポストのそばに座っています。むかし船乗りだったジムは、デリーにいろんな場所の話をしてくれます…。1965年学研刊の名作をアーディゾーニの挿絵で。

 

 

大人が読む児童書「町かどのジム」 1 ねことベーコン(のベーコン)

大人が読む児童書「町かどのジム」 2 ねことベーコン(のねこ)

 

 

ベーコンとねこの終わった後は、どれをとっても素敵なお話なのですが、あまり紹介しすぎるのもアレなので、さらっと注目ポイント(独断と偏見で)をお話します。

 

もくじ:

デリーとジム
男の子のパイ
みどり色の子ネコ
ありあまり島
ペンギンのフリップ
九ばんめの波
月を見はる星
大海ヘビ
チンマパンジーとポリマロイ
ジムのたんじょう日

 

 

「ありあまり島」

 

ファージョンの作品の魅力は、食べ物があふれるばかり出て来るところです!

 

ずいぶん昔に、エクセルが使えるようになってからまず最初に作ったファイルは
『「物語の中の食べ物」特集.xls』
というものでした。

 

(主にファージョンでしたが、ホッツェンプロッツ・クラバートからも入っていました。私の「児童書食べ物」チェックは、ファージョンとプロイスラ―だったようです)

 

数年前に消してしまったのですが、今となっては悔やまれます。

 

どうしてこんなに長々と食べ物の話をしているかというと、この「ありあまり島」は食べ物の描写が豊富に出て来るからです。

 

牛肉とニンジンのゆでたの、ブタの足のあげもの、マメのプディング、ブタ肉のパイに、ほしブドウのはいったゆでまんじゅう、マキガイにアイスクリームコーン、ニシンのくん製、みつのついたまるパン。そのほか、いちいち思いだせん。

 

「牛肉とニンジンのゆでたの」
こんな風に、もとの料理名を書いていない所がわりと好きです。

 

せっかくなので、情熱の限りを傾けて、初期のAmazon本家から輸入した英語版を引っ張り出してきました。

 

There was boiled beef and carrots, pigs' trotters and pease pudding, pork pies and spotted dog, winkles and ice-cream cornets, kippered herrings and treacle roll, and I don't know what all.

 

割と難しいです!
peaseは豆(pea)の古語のようです。
「spotted dog」とは何ぞ…?

 

いい時代です。こちらのブログに記載ありました。

ricorice.exblog.jp

 

 

食べ物の話でどんどん過ぎていくような気がしますが…。

 

訳者さまの努力もあって、とにかく美味しそうなイメージがどっと押し寄せてきます!

 

 

蛇足ですが、私の持っている「町かどのジム」の絵は、アーディゾーニではなくて、三芳悌吉さんです。
あたたかく、とてもイメージにあっていて、アーディゾーニ版に負けずおとらず好きな絵です。

f:id:WhichBook:20210120192410j:plain

三芳悌吉氏のジムです。

どうかこの、優しげなおじいさんの姿をよ~~~く刻み付けておいて下さい。お願いします。

 

さて「情熱の限りを傾けて、初期のAmazon本家から輸入した英語版」

こちらの挿し絵はというと…。

 

苦労して取り寄せたこの英語の本なのですが、開けてみたところ、私はショックを受けました。

 

f:id:WhichBook:20210120192659j:plain

リアル!リアルぅ~っ!
ポパイかよ!

 

筋肉!まだモリモリやん!
(Irene Mountfortさんというかたの挿し絵です)

 

しかし、しかしです。
改めて見るとこの挿絵…。


カラフルに手書きで塗られていて、(その落書きっぽいのも最初は何となくイヤでした)そこに名前が書いてあるではありませんか!

 

f:id:WhichBook:20210120192736j:plain

This book belongs to Philip Easion

 

遠く海を渡って、日本にまでやってきたこの本、子供の頃のフィリップさんは愛読していたんだろうなあ、と、なんとなくしみじみとしてしまいました。

 

当時、どえらくショックを受けて、「ポパイかよ!」「なんじゃこりゃあ!」となっていたときに、「いいじゃん、夢があるじゃん」、と言ってくれる人がいてくれたらなあ。

 

こんなにもずっと、本棚のなかに、お蔵入りになっていることもなかったかもしれないのに。

 

今、このブログに興味を持って読んでくれている方がたは、そう言ってくれるような気がします。

 

筋肉や、カラフルな落書きを気にせずに、いまもう一度手に取ってみられたので、このブログ書いてよかったなと思います。
(自己完結)

 

 

「ペンギンのフリップ」

 

妹子の大のお気に入りの回です。

 

ポッツ船長率いるジムたちが、ゆり木馬号で南極に行った時のお話です。
フリップとは?
この一文がすべてを物語っています。

 

「フリップってのは、わしのとくべつお気にいりのペンギンさ。 フリップのほうでも、わしが気にいってた。 まあ、いってみりゃ、わしは、フリップのおくさんだったんだ。」

 

ジムがペンギンのおくさん。

 

めちゃめちゃ気になりませんか!?

 

しかし、この二人(フリップとジム)の純愛…(友情と言うべきか…純愛と呼びたい…)は実にいじらしいです。
妹子がこの話を大好きなのもよくわかります。

 

 

「九ばんめの波」

 

この話で知ったので、海に行くときいつも、誰か人がいるとその人に「九ばんめの波が大きいんだって」と伝えてきたので、かなり伝播しているに違いありません。(忘れられてなければ)


セイコのアルバムに「The 9th Wave」というのがあるらしいですが、きっとこのお話から取ったに違いありません(無根拠・想像)

 

タラとの友情、これもまた胸をうつ絆ですし、タラがとても可愛いです。

 

ペンギンといい、タラといい、ここまで読んできてジムのやさしさに胸を打たれると同時に、ジム、ちょっと気が多いような気がしてきました。

 

優しいので仕方ないですね…。

 

おとなの再読ならではの感想です。

 

 

食べ物の話題で長くなってしまった気がするのですが…
明日は、
「月を見はる星」
からはじめたいと思います。

 

ファージョンの本について語るのがとても楽しいです💖
(ファージョンの美しい文章にふさわしくない、ろくでもない感想になっちゃっているような気がしますが…)

 

f:id:WhichBook:20210120193125j:plain



 

whichbook.hatenablog.com

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ムギと王さま
エリナー・ファージョン (著), エドワード・アーディゾーニ (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

幼い日,本のぎっしりつまった古い小べやでひねもす読みふけった本の思い出―それはエリナー・ファージョンに幻想ゆたかな現代のおとぎ話を生みださせる母胎となりました.みずみずしい感性と空想力で紡ぎだされた,国際アンデルセン賞作家の美しい自選短篇集

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

銀のシギ
エリナー・ファージョン (著), E・H・シェパード (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

気だてはいいが食いしんぼうの粉屋の娘ドルが、小鬼のたくらみで王さまの妃になりました。妹のポルが銀のシギの助けを借りて、姉の危機を救います。素材は昔話の「トム・ティット・トット

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

リンゴ畑のマーティン・ピピン
エリナー・ファージョン (著), リチャード・ケネディ (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

恋人から引き離されてリンゴ畑の井戸屋形にとじこめられている少女ギリアンを,6人の娘たちが牢番として見張っています.陽気な旅の歌い手マーティン・ピピンは,美しく幻想的な6つの恋物語をくりひろげて娘たちの心を奪い,首尾よく牢屋のかぎを手に入れます.ファージョンが作家としての地位を確立した傑作

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ヒナギク野のマーティン・ピピン
エリナー・ファージョン (著), 石井 桃子 (翻訳)

ファージョン作品集5巻。

 

 

 

 

 

 

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大人が読む児童書「町かどのジム」 2 ねことベーコン(のねこ)

大人が読む児童書。
「再読★児童書編」です。


この記事はネタバレもしていくことになりますので、未読の方はご注意ください。

 

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町かどのジム
エリノア ファージョン (著), エドワード アーディゾーニ (イラスト), 松岡 享子 (翻訳)

デリーが物心ついてからというもの、ジムはいつでも街角のポストのそばに座っています。むかし船乗りだったジムは、デリーにいろんな場所の話をしてくれます…。1965年学研刊の名作をアーディゾーニの挿絵で。

 

 

大人が読む児童書「町かどのジム」 1 ねことベーコン(のベーコン)

 

 

昨日はベーコンに熱が入りすぎて書けなかったのですが、パイというのに憧れが芽生えたのもこの頃です。
それはそれはたくさんの小麦粉を無駄にしてきました。

 

昔、お菓子作りを今より熱心にしていた頃、「呪われたショートケーキ」は何十回焼いてもうまくは焼けませんでしたが、執念の甲斐あって、パイ生地だけは何とかうまく焼けるようになりました。

 

もくじ:

 

デリーとジム
男の子のパイ
みどり色の子ネコ
ありあまり島
ペンギンのフリップ
九ばんめの波
月を見はる星
大海ヘビ
チンマパンジーとポリマロイ
ジムのたんじょう日

 

妹子はペンギンの話が好きらしいです。
お友達は「月を見はる星」です。どちらもわたしも大好きです。

 

 

「みどり色の子ネコ」

 

ジムとデリーは、お互いにお誕生日に何が欲しいかという話になります。

 

「おたんじょう日に、なにがいちばんほしい?」と、デリーがききました。
「海を見ることだよ。」と、ジムはこたえました。「ほかのなによりも、わしは海が見たい。青かみどり色の、いや、はい色でもいい。それに、あのにおいだ。あれをかぐことができたらなあ。」

 

ジムの海への想い、愛する気持ちがひとかたならぬものだと、伝わってきます。

 

デリーはジムに、子ねこをもらった話をするのですが、ジムはこれに対して聞いてきます。
「なに色の子猫だい?みどり色かい?」

 

実際は黒くて手が手と足の先だけ白い、いわゆる四つ白の子猫だったのですが(カワイイです…💖)、ジムはそこで、かつて海で見た、みどり色の子ねこの話をしてくれます。

 

ベーコンのお話の時は子どもだったジムですが、今回のお話では、船乗りになりたくて家を飛び出していました。
そこで、「ゆり木馬号」とポッツ船長に出会います。

 

ゆり木馬号。

 

船で木馬といえばホワイトベースです。
偶然とは思いますが、今回、こんな些細なことが気になってあれこれ調べてしまいました。
初版1965年、ガンダムの放映は1979年です。
(この話題は唐突ですがここで終わります。すいません。特に何の関係性も見出せなかったので…💦)

 

 

ポッツ船長の率いるゆり木馬号に乗り込んだ時、ジムは浜辺の水たまりで網いっぱいにエビを捕まえました。
船長の夜ごはんです。


その中にちっちゃな塊が入っていました。

 

小ちゃなかたまりは、つるつるしたみどり色のせなかを弓のようにまるくし、つるつるしたみどり色のしっぽをふり、つるつるしたみどり色の耳をつきだし、つるつるしたみどり色のはなにしわをよせ、そしてペッとつばをはいた。

 

こいつはねこです!

 

と思ったら、コックの大きな手からとびおりて、つめをたてて、わしのかたまでのぼってきた。そして、そこにすわって、わしのほっぺたに、やわらかいみどり色の頭をこすりつけた。
その小ちゃいかたまりは、なんとサンゴのようなピンクの目をした、ちっぽけな、みどり色の子ネコだったんだよ。

 

サンゴのような目に、みどり色をした子ネコ!
すごく神秘的です。

 

手足の白い黒い子ネコはすぐに想像できますが、これはもはや、妖精てきな何かです。

 

このねこちゃんは、すぐに船になれて、船のアイドルになります。

 

ねずみを撮るためにも、ねこを船で飼うのは一般的であったようなので、船にネコはおかしくはありません。
しかし、奇妙なことに、このゆり木馬号、この航海ではとにかく災難にばかり合いまくりす。

 

なぎにあった時、ジムはふたたびエビを採りに海に潜るのですが、そこにはかんかんに腹を立てたナマズの女王さまが…。

 

ファージョンは本当に描写が実に美しいのですが、このときの海のそこの描写もとてもきれいです。

 

サンゴにしんじゅに、金のまさご。小さな木ほどもある、きれいな海草。赤と銀の宝石みたいなマンボウにマンダイ。ゆかに花をしきつめたようにみえるイソギンチャク。金や朱にぬられた、王宮のようなちんぼつ艦。見えないものといえば、イセエビだけだった。

 

ナマズの女王さまのことを、ジムは「おくさん」と言っては怒らせるという、ユーモアたっぷりのやりとりが交わされるのですが、ここで明かされるのは

 

みどり色の子ねこは、海の王女さまだった!

 

という、衝撃の事実です。

 

これは、なぜ海の女王さまがナマズでそのむすめがねこなのかというと、英語で「ナマズ=catfish」というしゃれのようです。

 

まあでも、このねこちゃんはとくに擬人化などすることもなく、さいごまでかわいらしい子ねこのままです。

 

さて、ナマズの女王さまはむすめを帰してほしいので、ジムを捕虜として、子ねこと人質交換する提案をポッツ船長にすることになります。

 

ジムは船長にお手紙を書くのですが、ここで考えます。

 

わしは、ポッツ船長が、わしをとりもどすよりは、子ネコをもっていたほうがいいと思いはしないかと、ちょっとしんぱいした。もし、わしが船長だったら、そうしたかもしれん。
そこでわしは、のこる一生を、海のそこでくらすかくごをした。

 

特にジムがこの子ねこを猫かわいがりしていた描写など何ひとつないのですけど、このひとことだけで、どんだけ可愛かったんかということがよくわかります。

 

ポッツ船長は子ねこにそこまでの思い入れはなかったようです。
あっさりと人質交換に応じてくれたので、無事にジムは船に帰れることになりました。

 

なまずの女王と子ネコがウミャオウミャオと嬉しそうにしている様子もとっても、とっても、とっても、可愛いです。

 

ほんの何気ないお話のようなのですが、海の底の宮殿、ナマズの女王さま(絵がとても素敵でいかにも女王さまです!ナマズですけど…)、海の王女さまである子ねこ、などなど…。
夢が広がってすごく好きなお話です。

 

ベーコンとどちらが好きかと言われて、答えられないぐらい好きです。

 

最後のことばがまた素敵でした。
「貝を耳にあてると海の音がする」
わたしが貝を見つけるたびに耳にあてはじめたのは、これを読み終わってからのことでした。

 

ほら、わしのポケットにあるものをごらん。これが、わしがてがみを入れたポストのカイなのさ。わしは、二、三日してから、こいつが甲板の上にころがっているのをみつけて、それいらいだいじにもっていたのさ。いいカイだろう。それに、きれいなカイだ。
きょうは、おまえのたんじょう日だっていうから、これをあげよう。ジムからのおくりものだ。
そいつを耳にあててごらん。そうすりゃ、海の音がきこえるよ。けど、子ネコの耳にあてるんじゃないぞ。子ネコがみどり色にかわらんともかぎらんからな。そうなったら、やっかいなことになるよ。

 

 

 

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 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ムギと王さま
エリナー・ファージョン (著), エドワード・アーディゾーニ (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

幼い日,本のぎっしりつまった古い小べやでひねもす読みふけった本の思い出―それはエリナー・ファージョンに幻想ゆたかな現代のおとぎ話を生みださせる母胎となりました.みずみずしい感性と空想力で紡ぎだされた,国際アンデルセン賞作家の美しい自選短篇集

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

銀のシギ
エリナー・ファージョン (著), E・H・シェパード (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

気だてはいいが食いしんぼうの粉屋の娘ドルが、小鬼のたくらみで王さまの妃になりました。妹のポルが銀のシギの助けを借りて、姉の危機を救います。素材は昔話の「トム・ティット・トット

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

リンゴ畑のマーティン・ピピン
エリナー・ファージョン (著), リチャード・ケネディ (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

恋人から引き離されてリンゴ畑の井戸屋形にとじこめられている少女ギリアンを,6人の娘たちが牢番として見張っています.陽気な旅の歌い手マーティン・ピピンは,美しく幻想的な6つの恋物語をくりひろげて娘たちの心を奪い,首尾よく牢屋のかぎを手に入れます.ファージョンが作家としての地位を確立した傑作

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ヒナギク野のマーティン・ピピン
エリナー・ファージョン (著), 石井 桃子 (翻訳)

ファージョン作品集5巻。

 

 

 

 

 

 

 

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大人が読む児童書「町かどのジム」 1 ねことベーコン(のベーコン)

大人が読む児童書。
「再読★児童書編」です。


この記事はネタバレもしていくことになりますので、未読の方はご注意ください。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 

町かどのジム
エリノア ファージョン (著), エドワード アーディゾーニ (イラスト), 松岡 享子 (翻訳)

デリーが物心ついてからというもの、ジムはいつでも街角のポストのそばに座っています。むかし船乗りだったジムは、デリーにいろんな場所の話をしてくれます…。1965年学研刊の名作をアーディゾーニの挿絵で。

 

 

 

ファージョンの作品はどれも 紹介するのが難しいです。

 

個人的に一番好きだったのはストーリー性ゆたかな「銀のシギ」だったのですが、「町かどのジム」も負けず劣らず好きでした。

 

ファージョンの作品に思い入れがありすぎることも事実なのですが、この作者の物語から流れ出てくる、美しいさわやかな空気は、どう言葉を尽くしても説明することができません。

 

しかし、そんな作品集の中で、「町かどのジム」は、おすすめポイントをはっきりと言うことができます。

 

ねことベーコンです。

 

 

ジムは年取った船乗りです。

 

街角のポストのそばに置いてあるみかん箱にいつも座っているので、「町かどのジム」と呼ばれています。

 

子供が読んでいれば、あーそうなんだ、そういうおじいさんなのね、とすんなりと受け入れます。

 

ずっと街角に座っている。

 

一体どういうことなのだろう?と思っていましたが、大人になってみればこれがホームレスのおじいさんだったのだとわかります。

 

デリーは、ジムが、ひるまだけでなく、夜なかもずっとそこにいて、通りの番をしてくれているのだと思っていました。ジムさえかどにいてくれたら、通りへ出ても、うちの中にいるのとおなじようにあんしんでした。

 

ジムは、町のみんなに愛されています。
みんながジムに色々な物を分け与え、街によって生かされているという感じです。

 

デリーだけでなく、町の人々もこのジムをとても大事にしています。
ジムの帽子、ズボンはデリーのお父さんのものですし、手袋はデリーのお母さんが編んであげたものです。

 

デリーの家の隣の少佐は茶色のジャケット、上等のパイプをあげていますし、反対側の家の奥さんからはワイシャツをもらってます。
向かいの家にいる女中さんからは海のように青いハンカチをもらっています。
(「海のように青いハンカチ」すてきです…)

 

通りの人たちはみんなでジムを大切にして、ジムの面倒を見ています。
ジムは誰かが通るたびに挨拶をして、もらったものを嬉しそうに顔をほころばせて伝えます。

 

そんなわけで、ジムは、この通りにはなくてならぬ人でした。ここにすむ人みんなが、そう思っていました。だれでも、このかどをまがるときは、まるで、じぶんの一部が、ジムといっしょに、ミカンばこの上にすわっているような気がするのでした。

 

ファージョンの視点はいつもあたたかく、優しいです。
惨めさを描くよりも愛を描く作家です。

 

 

ジムは船乗りなので様々な所に行ったことがあり、色んなことを知っています。

 

ジムが話しているのが本当のことだというのは、お天気を必ず言い当てることができるということからも明らかです。(子供の視点からすれば)

 

お天気を教えてくれるとき、ジムはそのたびに、「ケープホーンの沖合」だとかニューファンドランドで氷山にぶつかった」とかそういう話を交えてきてくれます。

 

冒険家に憧れる子供にはたまらない魅力です。

 

もくじをご紹介します。

 

デリーとジム
男の子のパイ
みどり色の子ネコ
ありあまり島
ペンギンのフリップ
九ばんめの波
月を見はる星
大海ヘビ
チンマパンジーとポリマロイ
ジムのたんじょう日

 

最初にご紹介するねことベーコンは
・男の子のパイ(ベーコン)
・みどり色の子ネコ(ねこ)
の二話になります。

 

このお話の一番最初の「男の子のパイ」のお話が、とにかく子供の頃の私の心を捉えて話しませんでした。
最高に好きでした。

何といってもベーコンです。

 

 

「男の子のパイ」

 

このお話は、まだジムが子供で船乗りになる前の話です。

 

子供の頃のジムは豆畑を見張りをしていました。
豆ねらいの鳥たちが集まって来ると、ガラガラを鳴らして怒鳴ります。

 

とんでけ、とんでけ、悪党め、
さもなきゃ、パイにしてくっちまうぞ!

 

鳥の中に大きなカラスがいていくら脅してもなかなか逃げません。
それどころか馬鹿にしています。
近くに忍び寄っても決して逃げません。間一髪の所でからかうようにすり抜けます。
完全にナメられています。

 

いつか、とっつかまえてパイにして食ってやるぞ!
というのが、ジムとこの大がらすの攻防の毎日でした。

 

ジムはお弁当を食べ始めます。
出ました、これです。

 

そのべんとうっていうのが、わしのこうぶつでな、ぶあつい、ふたきれのパンのあいだに、ベーコンをはさんだものだった。ガブッとひと口やるには、口を大きくあけなくっちゃならない。が、そのとき、ベーコンのあじがジュウッと、したにしみて、なんともいえずうまかった。

 

この味のイメージに一番近いベーコンを売っていた肉屋さんが廃業してしまい、味を再現することができず困っています。

 

ちなみに絵によると、カスクルート系ではなくて、サンドイッチ系です。
そこはやはりイギリス。

  

あまりにも私がベーコンを食べたがるので母が困惑して、ベーコンというのはそんなに常に食べるものではないとたしなめられたぐらいでした。
(昭和時代の話です。高かったのかな?)

 

そしてベーコンを焼いて出してはくれるのですが、パンに挟みたいのだと主張すると、野菜やほうれん草などチーズを入れてくるのですが違うのです!
栄養はいいんです!
単純にベーコンだけ!を挟みたかった!です!

 

しかし大人になってみると、やはり栄養が気になって野菜をはさみ、チーズが美味しいのはわかっているのでチーズをはさみ…。
ままならない…。

 

お弁当を食べてからちょっと居眠りをするジム少年ですが、目が覚めていると畑の様子がおかしいです。
畑に揺れているのは、豆ではなくて薄く切ったパンとベーコンだったんです!
 

絵もちゃんとあるのですけど、つる植物にぶらぶらと豆のようにサンドイッチ的なものがぶら下がっています。

 

ジム、我慢できずに取って食べようとするのですが、これは間違いなく私も我慢できず取って食べると思います。

 

しかし、大男ほどもある大がらすが、あの「パイにして食っちまうぞ」の歌を歌いながら、ジムを追い払います。
つまり立場逆転。
ジムがどろぼうで追われる立場になってしまったわけです。

 

ベーコンの魅力が強烈すぎて、このどろぼうしてでも、何とかして食べたい気持ち…が、今までの私のベーコンに対する桁違いの情熱を読んでくださった方にはよく分かることと思います。

 

そりゃ食べたくなるわ!

 

あやうく男の子のパイにされる寸前で逃げ帰ってきた顛末はともかくとして、ジムは自分が鳥たちの立場になってみて、なぜこんなに追い払っても鳥たちがやってくるのか、よくわかりました。

 

食べたいのです!

 

畑の豆を食べさせるわけにはいきませんが、庭に鳥の餌やりの棚を作って行ったジム。

 

(私の偏執的ベーコンへの執着はともかく)最終的には、とてもやさしいお話です。

 

 

 

明日はこれまた大好きな、「ねことベーコン」のねこのお話をご紹介したいと思います。

 

 

 

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 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ムギと王さま
エリナー・ファージョン (著), エドワード・アーディゾーニ (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

幼い日,本のぎっしりつまった古い小べやでひねもす読みふけった本の思い出―それはエリナー・ファージョンに幻想ゆたかな現代のおとぎ話を生みださせる母胎となりました.みずみずしい感性と空想力で紡ぎだされた,国際アンデルセン賞作家の美しい自選短篇集

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

銀のシギ
エリナー・ファージョン (著), E・H・シェパード (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

気だてはいいが食いしんぼうの粉屋の娘ドルが、小鬼のたくらみで王さまの妃になりました。妹のポルが銀のシギの助けを借りて、姉の危機を救います。素材は昔話の「トム・ティット・トット

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

リンゴ畑のマーティン・ピピン
エリナー・ファージョン (著), リチャード・ケネディ (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

恋人から引き離されてリンゴ畑の井戸屋形にとじこめられている少女ギリアンを,6人の娘たちが牢番として見張っています.陽気な旅の歌い手マーティン・ピピンは,美しく幻想的な6つの恋物語をくりひろげて娘たちの心を奪い,首尾よく牢屋のかぎを手に入れます.ファージョンが作家としての地位を確立した傑作

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ヒナギク野のマーティン・ピピン
エリナー・ファージョン (著), 石井 桃子 (翻訳)

ファージョン作品集5巻。

 

 

 

 

 

 

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閑話 海外児童書ガチ勢の出番

閑話です。

 

Twitterで話題になっていました。

 

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納豆海外文学…🤔

 

個人的には、ドフトエフスキーも、納豆とまではいきませんが、かなり敷居が高いし読みにくいと思います。

 

ここはやはり、海外児童文学ガチ勢の出番では!?

 

海外文学初心者のかたは、子どものときに導入となるような海外児童文学を読んでいないのかも。

 

クリスマス・キャロル」だってディケンズの名作ですが、子ども向けに出されていますよね!?

宝島」なんて、人がバンバン死にまくります。(ワンピースよりもたくさん死んでます)

 

 

今日の一冊「クリスマス・キャロル」 

大人が読む児童書「宝島」1 やはり「船」は面白い

 

◇ 

 

というわけで、考えてみました。

 

・カッレくんシリーズ

秘密の花園

・クラバート

・モモ、はてしない物語

 

...あたりでしょうか?

 

トムは真夜中の庭で」など、フィリッパ・ピアスの作品はどれも十分におとな向きだと思われます。

 

アリスはクセがあるような気がします。
ナンセンス系ですし。
そういうのに慣れていない人には、何のこっちゃという感想になりそうな気がします。

 

子供っぽいなどということはまったくない!ということ、きっと読めばわかっていただけることでしょう。

児童書をおすすめしたいでーす。

 

 

 

特に、中でも「クラバート
これは、おすすめした人で、「面白くなかった」「途中で挫折した」と言った人がいなかった本です。

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

クラバート (日本語) 単行本 - 1980/5 オトフリート=プロイスラー (著), ヘルベルト=ホルツィング (イラスト), 中村 浩三 (翻訳)

ヴェンド人の少年3人組で村から村への浮浪生活をしていたクラバートは、ある時から奇妙な夢を見るようになる。「シュヴァルツコルムの水車場に来い。お前の損にはならぬだろう!」という声と止まり木に止まった11羽のカラスの夢。 その声に従って水車場の見習となったクラバートは、昼は水車場の職人として働き、金曜の夜には12羽目のカラスとなって、親方から魔法を習うことになる。(小山由絵)

 

 

すすめるなら「クラバート」
これまで何人も何人も紹介してきましたが、中でも忘れられない思い出があります。

 

お友達におすすめして、とてもすばらしかったと喜んでもらえたのですが、そのお友達が、ハリポタの二次創作をされてるかたに、また紹介したのだそうです。

 

すると、そのお友達のお友達もすごーくハマってくれたらしく!

なんと…

 

クラバートの薄い本を作って夏コミで販売されてたそうです!!

 

とても嬉しかったです。

これはとてもよい思い出で、ことあるごとに思い出します。

 

 

 

海外児童書ガチ勢のかたがた、子供に届けるにはまずおとなを攻略を合言葉にしてもらいたいです💞

 

 

 

 

 

 

 

クリスマス・キャロル
ディケンズ (著), 村岡 花子 (翻訳)

ケチで冷酷で人間嫌いのがりがり亡者スクルージ老人は、クリスマス・イブの夜、相棒だった老マーレイの亡霊と対面し、翌日からは彼の予言どおりに第一、第二、第三の幽霊に伴われて知人の家を訪問する。炉辺でクリスマスを祝う、貧しいけれど心暖かい人々や、自分の将来の姿を見せられて、さすがのスクルージも心を入れかえた……。文豪が贈る愛と感動のクリスマス・プレゼント。

 

 

名探偵カッレくん
アストリッド・リンドグレーン (著), エーヴァ・ラウレル (イラスト), 尾崎 義 (翻訳)

名探偵を夢見るカッレくんは、ある日エイナルおじさんの怪しい行動に第六巻を働かせ、捜査を始めます。宝石窃盗団に迫ったカッレくんは、仲良しのアンデス、エーヴァ・ロッタとともにお城の地下室に閉じこめられてしまいますが…。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

秘密の花園
フランシス・ホジソン バーネット (著), シャーリー・ヒューズ (イラスト), 山内 玲子 (翻訳)

遠いインドでいちどに両親を失ったメアリは、イギリスの田舎のおじさんの家にひきとられました。そのお屋敷には、入口の鍵がかかったまま、十年間誰も入ったことがないという「秘密の庭」がありました…。バーネットの名作。小学5・6年以上。(「BOOK」データベースより)

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

トムは真夜中の庭で
フィリパ・ピアス (著), スーザン・アインツィヒ (イラスト), 高杉 一郎 (翻訳)

知り合いの家にあずけられて,友だちもなく退屈しきっていたトムは,真夜中に古時計が13も時を打つのをきき,昼間はなかったはずの庭園に誘い出されて,ヴィクトリア時代のふしぎな少女ハティと友だちになります.「時間」という抽象的な問題と取り組みながら,理屈っぽさを全く感じさせない,カーネギー賞受賞の傑作です.

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

モモ
ミヒャエル・エンデ (著, イラスト), 大島 かおり (翻訳)

町はずれの円形劇場あとにまよいこんだ不思議な少女モモ。町の人たちはモモに話を聞いてもらうと、幸福な気もちになるのでした。そこへ、「時間どろぼう」の男たちの魔の手が忍び寄ります…。「時間」とは何かを問う、エンデの名作。小学5・6年以上。(「BOOK」データベースより)

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

はてしない物語
ミヒャエル・エンデ (著), 上田 真而子 (翻訳), 佐藤 真理子 (翻訳)

バスチアンはあかがね色の本を読んでいた――ファンタージエン国は正体不明の〈虚無〉におかされ滅亡寸前。その国を救うには、人間界から子どもを連れてくるほかない。その子はあかがね色の本を読んでいる10歳の少年―

 

 

 

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あばれはっちゃく どろぼう がっこう 本へのとびら
チョコレート・アンダーグラウンド 万葉集 ほか(大岡 信 著) だれも知らない小さな国
魔女モティ あなたのおへそ オズのまほうつかい

 

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今日の一冊「どんぐりむらのどんぐりえん」 理想的な子ども園のすがた

今日、ご紹介するのは絵本です。

 

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どんぐりむらのどんぐりえん
なかや みわ (著)

どんぐりえんの子どもたちは、近頃とてもはりきっています。もうすぐ年に一度の園行事・お店屋さん祭りがあり、家族や村のつぶたちをお客様として招待するからです。先生たちの見守る中で、のびのび育つ子どもたちの、楽しい園生活を描きます。

 

 

どんぐりたちのこども園での生活を描いた絵本です。
妹子が持ってきました。
最近、これは紹介したのか、あれはしているのかと、圧がすごいです…。

 

読んだ当時は、幼稚園か保育園か、そのあたりはあまり気にしていませんでした。

 

今読んでみると「おしごとにでかけていった」ので保育園でした。
泣いちゃっている子供も、安心して預けることができる園です。

 

このシリーズは、どの本もとにかく、絵がとても魅力なのですが、お話もまた魅力的です。

 

絵の魅力とお話の魅力がダブルで来る絵本というのはなかなかの名作です。
たぶん、どの園にも必ず一冊はそろっているのではないでしょうか?
そして(わたしが見てきた限りでは)常にボロボロです。

 

幼稚園にしろ、保育園にしろ、現実はまあ、色々ありまして、いいことばかりではありませんが、そんなネガティブな思い出など消してしまうぐらい、楽しい絵本です。
理想的な園の生活を描いています。

 

子どもたちも保育士さんたちも、(どんぐりですが)みんな頑張っています。
どんぐりなのをたまに忘れてしまいそうになるぐらい、保育園の生活そのままです。

 

お話は、楽しい園のお店やさんイベントに向けての日々をつづっています。
公園に遊びに行ったとき、ひとりの思いつきから次々に他の子に遊びが派生していく…。
とてもよくわかる場面です。

 

そのアイデアは、お店やさんイベントに生かされて、とても楽しい、大騒ぎの一日になります。

 

もう、保育園(幼稚園)生活あるあるですが、雨に降られるハプニング!
(どんぐりの)保育士さんたちが用意していた「かさやさん」ごっこで事なきを得ました。

 

かさの裏には、子どもたちの絵が…!

 

これを読むと、子どもたちも、ああ園に行きたいなあ!という気持ちがふくらみ、また卒園してしまったお子さんも親ごさんも、ああ、楽しかったなあ!という気持ち(もしくは、ああ、楽しかったときもあったなあ!)になり、とにかく素敵な絵本です。

 

イレギュラーな事態に備えて、遅くまで準備をする保育士さんがた…。
本当にお疲れ様です、いつもありがとうという気持ちになります。

 

今は頑張りすぎることが推奨される世の中ではないのかもしれませんが、感謝の気持ちには変わりありません。

 

たくさんシリーズが出ていますが、「どんぐりえん」のほかのわたしのお気に入りは、やっぱり「ほんやさん」です。

 

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

どんぐりむらのほんやさん
なかや みわ (著, イラスト)

どんぐりむらのほんやさんには、素敵な本がいっぱい!本の力で子どもを元気にした本屋さんの店長さん、入院中の子を笑顔にした店員のこなろう…。店員くるんも、「おはなし会」で頑張ります。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

どんぐりむらのぱんやさん
なかやみわ (著)

子育てしながら、人気のぱんやさんを切り盛りするどんぐりパパと、どんぐりママ。新しいパンを作ろうとがんばりますが、なかなかうまくいきません。それを見ていたのは、子どもたちのこっぺとくっぺ。パパとママを助けようと、こっそり新しいパンを作ろうとしますが…。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

どんぐりむらシリーズ既7巻
なかやみわ (著, イラスト)

どんぐりむらのお仕事いろいろ物語。『どんぐりむらのぼうしやさん』『~ぱんやさん』『~おまわりさん』『~どんぐりえん』『~ほんやさん』『~だいくさん』『~いちねんかん』のセット。仕事の楽しさや子どもたちとの関わり、思いやりなどを描くシリーズ。

 

 

 

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りんごかもしれない ぐるんぱのようちえん リラとわたし
ヤナギ通りのおばけやしき おそばのくきはなぜあかい 青い鳥
とぶ船 つみきのいえ そんなとき どうする? (日本語) 単行本 - 2016/8/5 セシル・ジョスリン (著), モーリス・センダック (イラスト), こみや ゆう (翻訳)

 

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大人が読む児童書「青い月の石」 4 読了 読め読め有効認定

大人が読む児童書。
積ん読・解消計画★児童書編」です。


この記事はネタバレもしていくことになりますので、未読の方はご注意ください。

 

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 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

青い月の石
トンケ・ドラフト (著), 西村 由美 (翻訳)

ヨーストはある暗い夜、家の外にあやしい黒い影を目にする。そして次の日、校庭の地面の下からぶきみな男が現れた。その名は地下世界の王、マホッヘルチェ! ヨーストは足あとを追っていくが……。それは月が青くなったときに始まった、少年と仲間のとくべつな冒険の物語。現実とおとぎ話が入り交じる、人気作家のファンタジー

 

 

大人が読む児童書「青い月の石」 1 異世界へ行く資格とは

大人が読む児童書「青い月の石」 2 天女の羽衣はカモ

大人が読む児童書「青い月の石」 3 たまに王子をビンタしたくなる

 

 

わたし「妹子!面白かったよ!とてもいい本だった」

 

ここからは、おすすめしてきた妹子との雑談です。
妹子は、題名が綺麗だと思って選んだそうです。

 

妹子「月の石で青い、ってすごく綺麗じゃない」

 

なるほど。宝石キーワードだったのです。
(妹子はからすのように、キラキラピカピカしたものが大好きです。)

 

わたし「でも青い月の石は、投げ込んで終わったね」
妹子「石があればまた冒険に出られたんじゃないの?月は二度と青くならないの?」
わたし「大丈夫。青い月って新月だから」

 

最後にヒヤシンタ姫が説明してました。

 

ならば、青い月は気付いていないだけで、誰のもとにも訪れているわけです。

 

新月の夜に何かが起きる。

 

ヨーストのおばあちゃんが言ってました。 

「月は、だれにも気づかれずに、青くなることがあるんだよ。」

 

 

これは、わたしは大人として読むからわかるのですが、妹子は(自分も…)、小さい頃に、お友達とたくさん空想ごっこをして遊んでいました。

 

わたし「ちぎれるほど振り回してリカちゃんとか、ほっぺちゃんたちが暴れまわってたの覚えてるかな?」
妹子「よく覚えてる」

 

特に面白かったのは、お金持ちのお嬢さまと居候の女の子の話でした。
親は外国に住んでるのでいません。

 

妹子「夜は変身するんだよ!それで怪盗なの」
わたし「金持ちなのに泥棒かよって思ったからよく覚えてる」

 

プリキュアの影響も大でしたが、おおむねオリジナルでした。

 

大きなほっぺちゃんを馬にして、空を飛んで戦うのですが、バトルにワイヤーアクションばりのスローモーションが入っていて、すごく面白かったです。

 

あれは、本当に起きたことだったと思います。

 

お友達たちは、もうそろそろ、記憶も薄れ、失いかけているような気がします。

 

特に女の子はグループを作りますから、いったん属してしまうと、そのグループの中での小さなルールでいっぱいになってしまいます。

 

お兄ちゃんのなご助のときですけど、グループの「影響力のある子」を嫌って、引き離したいと思う親御さんが、お受験を頑張らせ、塾づけに…ということもありました。

 

(そういう塾の先生がたがみな、口をそろえて「読解力!本本本!読書・読書!」と言ってきます。そして、「何の本を?」という所には答えがありません…)

 

 

妹子もこれからどうなるかは誰にもわかりません。

 

妹子、こんな風に聞いてきます。

「大人にならないといけないの?大人になったら忘れるの?」
「いや違うよ。大人になることと、それを失わないことは違うんだよ」

 

そんな「大人になったら忘れるの?」なんて問いかけを直接されたことがとても印象的でした。
そんな、お話の中で起きるような問いかけをされることなんて、なかなか出来る体験ではありません。

 

この話では、ヨーストが失いかけていましたが、それを取り戻したのが何と、強力な悪の力だったというところがすごい面白いなあと思いました。

 

それと、かごめかごめのような、歌いつがれてきた古い歌によってです。

 

古い歌と、悪の力が、物語の力を呼び覚ます。

 

古い歌には魔法が潜んでいるのです。

 

 

読め読めと言って言われて読んだよりも、「自分で探し当てて、自分で読んで感動したと思った」という感動はやはり、特別のものであるようです。

 

「こういう本に出会えて良かったね」
と言うと、こんな風に言ってきました。

 

「あのねフリーチェが姫を戻すところね、音がすーっと消えていって、まわりが透明になって声だけ本当に聞えたの」

 

ほお~。

 

ワスレナグサに身を変えてしまっていたヒヤシンタ姫を戻すのはフリーチェです。

 

好きな本を持っている方はみんなわかってもらえると思いますが、こういう体験は本当に貴重だと思います。

 

 

今回は、立場逆転で読め読め読めと言われて読んだわけですが、結果的にとてもよかったです!

 

今回、私が読め読めと言われて放置していたのは何と半年です。
どんだけ放置していたのか…。

 

本をおすすめするというのは難しいです。
好みもありますし、時期もあります。

 

しかし、自分がしぶしぶ読んでみて良かったので、やはり読め読めと言い続けることは無駄ではない、と思いました。

 

本との出会いは、人との出会いと同じような所があります。

 

自分好みの本に出会うには、まずたくさんの本を手にとってみて当たらなければなりません。
開いてみなければ、出会うこともないわけです。

 

結果的に、読まされた本が合わなくて
あ、そうか自分はやっぱり漫画だわ
とか
活字には基本むいてないわ。そういう人がいてもいいよね
という結論に達したとしても、それはそれでいいんだと思います。

 

名作に触れた経験は、決して無駄にはなりませんから。
それだけの力を持っている本だから、名作と呼ばれているわけです。

 

めちゃくちゃな言い方をするようですけど、どうせまだよく知らない時期に与えるなら、名作です☆

 

(と同時に、こどもが買って欲しいと言って来る本が自分の好みにあわず、下らないと思っても買ってあげて欲しいと思います💦)

 

 

蛇足

 

妹子「ひどい!泥棒じゃない!怪盗だから!泥棒とかちがう!」
わたし「うーんそうだったかな…」

 

妹子「ふでばこについてるきつねがとらわれてるからって、それを助けに行ってたの!泥棒じゃない!怪盗なのひどい!訂正して!」

 

わたし(うーんでもそのときは宝石を盗みに行くって言ってたのをわたしは覚えてるんだけどな…脳内のどこかで修正したんだな…)

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

王への手紙
トンケ・ドラフト (著, イラスト), 西村 由美 (翻訳)

騎士になるための最後の試練の夜、16歳の見習い騎士ティウリは、見知らぬ男に重要な手紙を託された。思いがけない使命を与えられ、大山脈のかなたの隣国へと向かったティウリの行く手には、陰険なスパイやさまざまな陰謀が待っていた。(「BOOK」データベースより)

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ふたごの兄弟の物語
トンケ・ドラフト (著, イラスト),  西村 由美 (翻訳)

そっくりだけれど、性格はまったくちがうふたごのお話。盗難事件にまきこまれたり、同じお姫さまを好きになったり…。いつも二人は、うりふたつであることを利用して、大かつやく!ふたごの大冒険がはじまります。小学5・6年以上。(「BOOK」データベースより)

 

 

 

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大人が読む児童書「青い月の石」 3 たまに王子をビンタしたくなる

大人が読む児童書。
積ん読・解消計画★児童書編」です。


この記事はネタバレもしていくことになりますので、未読の方はご注意ください。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

青い月の石
トンケ・ドラフト (著), 西村 由美 (翻訳)

ヨーストはある暗い夜、家の外にあやしい黒い影を目にする。そして次の日、校庭の地面の下からぶきみな男が現れた。その名は地下世界の王、マホッヘルチェ! ヨーストは足あとを追っていくが……。それは月が青くなったときに始まった、少年と仲間のとくべつな冒険の物語。現実とおとぎ話が入り交じる、人気作家のファンタジー

 

 

大人が読む児童書「青い月の石」 1 異世界へ行く資格とは

大人が読む児童書「青い月の石」 2 天女の羽衣はカモ

 

 

姫は魔法を駆使して地下世界の王マホッフヘルチェの裏をかきました。
手に手を取って逃げるイアン王子、ヒヤシンタ姫、ヨーストの三人です。

 

見守りながら待っていたヤンと、魔法使いのオルムと合流、熾烈な逃走劇が繰り広げられます。
(やっとヤンが合流できました!)


地下世界の王は、非常に力のある恐ろしい残酷な王さまなので、それはそれは怖いです。

 

ヨーストは皆を守るために、青い月の石を手放さなければなりませんでした。

 

地下世界の王は最後の最後に、逃亡者たちに呪いをかけます。

 

恐ろしいその呪いとは、イアン王子とヨースト、この二人が日が昇るまでの間に、「あること」をした瞬間に、相手を忘れてしまうというものでした…。

 

忠告されたにも関わらず、残念ながら二人ともすべてを忘れてしまいます。

 

イアン王子に忘れられて拒否された姫は、悲嘆にくれてワスレナグサに身を変えてしまいました。

 

 

さて何日もいなくなっていたヨーストとヤン。
親たちは気をもんでやきもきしています。

 

この物語では、不思議な魔法世界の出来事は、現実世界と平行線で完全につながっています。
境目のようなものがなく、また時間軸も同じです。

 

「あの世界では数ヶ月たったものがこちらの世界では数秒だった」ということがないのです。

 

なので、ヤンの親などはもう、それはそれは心配しています。
そして、ヨーストは全てを忘れ去っているので、覚えているのはヤンしかいません!

 

ヒヤシンタ姫を助けるにしても、とにかくヤン。
ヤンだけが頼りなのです!!

 

ここまで読んできての、
「お前だけだぞ~~!頼むヤン!」感はすごいです。

 

いじめっ子だったヤンがヨーストのバディとなって一緒に旅をして、あれほど辛抱強くヨースト主導の冒険を待っていた意味がここでわかりました。

 

ここからは、ヤンの奮闘と冒険に変わります。

 

おとなとして読んでいての意見ですが、作者はもしかすると、いじめっ子の子供にも、冒険に参加してそのワクワクする楽しさを味わって欲しかったのかもしれません。

 

作り話、うそつき、と言っていたはずのヤンが、今度は信じてもらえない苦しみを味わいます。
しかし、ヤンはつよいので…からかったらぶんなぐられる圧はあります…)

 

ここで、ヤンの助けとなってくれるのがあの女の子、フリーチェです。

 

第三部は、ヤンとフリーチェが奮闘の結果、ヒヤシンタ姫を助け、イアンとヨーストの記憶を取り戻す…というお話です。

 

もう、最後まで読まないと気持ちがおさまりきれません。

 

 

全部話してしまっては面白くないので、あらすじに関してはざっくり紹介でここまでにしておきますが、このお話の魅力は何といっても、ヒヤシンタ姫です!

 

魔法を自在にあやつり、美しくて優しいヒヤシンタ姫が実に魅力的です。

 

そして、若干、ヒヤシンタ姫ばかり頑張っているような感じがしなくもありません
あまりにもヒヤシンタ姫と、その魔法が素敵なので。

 

父王とも互角に渡り合っていますし、かっこよくもあります。
とにかく姫が頼りで、イアン王子はおんぶにだっこです。

 

第三部にいたっては、王子はいくら姫が訴えても忘れた忘れた、知らない人だと言い張りますので、
これほど頑張っていたヒヤシンタ姫を忘れた挙句にその態度はなにごとだ!
と、読んでいるこちらとしては、王子を往復ビンタしたくなります。

 

いや、グーパンチかな…。

 

もっと頑張らんかいおらぁ!

 

しかし、ラストでのカタルシスはそれはそれは突き抜けていてすっきりです。

 

たいていの人は信じないかもしれないけれど、人はみんな魔法の力を持ってるのよ。

 

 〆は、妹子に読了をご報告です。

 

 

 

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 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

王への手紙
トンケ・ドラフト (著, イラスト), 西村 由美 (翻訳)

騎士になるための最後の試練の夜、16歳の見習い騎士ティウリは、見知らぬ男に重要な手紙を託された。思いがけない使命を与えられ、大山脈のかなたの隣国へと向かったティウリの行く手には、陰険なスパイやさまざまな陰謀が待っていた。(「BOOK」データベースより)

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ふたごの兄弟の物語
トンケ・ドラフト (著, イラスト),  西村 由美 (翻訳)

そっくりだけれど、性格はまったくちがうふたごのお話。盗難事件にまきこまれたり、同じお姫さまを好きになったり…。いつも二人は、うりふたつであることを利用して、大かつやく!ふたごの大冒険がはじまります。小学5・6年以上。(「BOOK」データベースより)

 

 

 

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大人が読む児童書「青い月の石」 2 天女の羽衣はカモ

大人が読む児童書。
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 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

青い月の石
トンケ・ドラフト (著), 西村 由美 (翻訳)

ヨーストはある暗い夜、家の外にあやしい黒い影を目にする。そして次の日、校庭の地面の下からぶきみな男が現れた。その名は地下世界の王、マホッヘルチェ! ヨーストは足あとを追っていくが……。それは月が青くなったときに始まった、少年と仲間のとくべつな冒険の物語。現実とおとぎ話が入り交じる、人気作家のファンタジー

 

 

大人が読む児童書「青い月の石」 1 異世界へ行く資格とは

 

 

「月をもう一度青くしてほしい」
と望んだヨースト。

 

突然、ネコのペイルがフーッとうなり、ヨーストは不思議な人影が家の前に立っているのを見ます。

 

庭の垣根の格子戸のむこうに、だれかが立っていた。大きなぼうしをかぶり、コートを着た、ずんぐりした人だ。じっとつっ立ったまま、家を見ている。

 

その人は背中を向けて去ったのですが、また何かの気配がします。
そして、ヨーストの家のドアを叩く音…。

 

いつも訪問者を歓迎するおばあちゃんは「闇を中に入れないでおこう」と答えただけで、開きません。
(何かよくないものなの?わかるの?教えておじいさんおばあちゃーん!)

 

しかしまだ、ドアをたたく音はします。
おばあちゃんは様子を見にいきました。

 

ヨーストは、食卓にすわったままでいた。この家が黒い姿に囲まれてる、黒い影にとり囲まれてる…とつぜん、そんな気がした。気のせいか、舌足らずなささやき声が聞えるようにも思った。そして、玄関前の石段に、黒い影たちの指揮官が立っていそうな気もする…。

 

結局、ドアの外には誰もいませんでした。


このあたりは、ほん怖にもありそうな、すごくホラーな展開でした!
恐ろしいし、ドキドキするし、何か不吉な予感がします。

 

 


学校に行ったヨーストは、子どもたちが運動場で「マホッヘルチェ」で遊んでいるのを見ます。

この「マホッヘルチェ」は、要は「花いちもんめ」「かごめかごめ」のようなものです。
やはり、古い子どもたちの遊びのようです。

 

どこから来たの?
マホッフ、マホッフ、マホッヘルチェ
どこから来たの?マホッヘルチェ

 

あのたったひとりの心の救いである女の子、フリーチェがとても大きな役割を果たします。

最初になぜかヤンを指さしたフリーチェです。
そのあと、外から見ていたヨーストのことも誘ったので、仲間はずれだったヨーストはこの遊びに入ることができました。

 

どこから来たの? → 地面の下からやってきた

何を持ってきてくれた? → きらめく青い月の石だよ

そして、この遊びと、この歌声から、地下を支配する王が呼び出されるのを、ここで遊んでいた子どもたち全員が目撃することとなります。

 

 

このお話は、大きく分けて三部構成になっています。

 

第一部:マホッヘルチェ
第二部:地下世界の王
第三部:ワスレナグサ わたしを忘れないで

 

そして、前書きにも書かれていたように、「どこかで読んだことがある、おとぎ話」がベースになっています。

 

第一部は導入です。
地下の王、マホッヘルチェに出会い、魔法をかけられたイアン王子の冒険に付き合うまで。
何と、いじめっ子のヤンがバディになって冒険に付き合うことになります!

 

この導入がとても丁寧なので、お話に引きこまれていきます。

 

 

 

第二部は、地下世界の王にとらわれたイアン王子とヨーストが、王の末娘のヒヤシンタ姫の助けを借りて、マホッヘルチェ王の支配を抜けようとして奮闘する展開です。

 

イアン王子とヒヤシンタ姫の物語は、昔話にはよくあるパターンで、「課題婚」というのに分類されるやつです。

 

強力で邪悪な王に囚われますが、その娘と愛し合い、助けを借りて支配を抜けるお話です。

 

この「課題婚」

・お父さんの王が、明らかに殺す目的の無茶苦茶な無理難題を出す。

・娘がこっそりと解決方法やごまかし方を教える。

というのを、主に3回繰り返すのですが、女性の合意は絶対必要なんだろうな~、などと思います。

 

日本で言うなら、大国主のミコトと、スセリヒメのようなお話です。

芥川龍之介が「老いたる素戔嗚尊」(青空文庫)で、いい感じの短編を書いています。
(興味のある方はぜひ!)

 

 

イアン王子を助けるヨーストの活躍ですが、その裏で、バディのヤンが「魔法使いのオルム」とひたすら待っています。

 

「魔法使いのオルム」は、ヤンがうそつきと言ってヨーストをいじめていたときの、作り話に出てきた魔法使いです。

 

ヤンは物語に巻き込まれてしまい、もう信じるしかありません。
第二部と第三部のはじまりで、いったん二人はいつもの日常生活に戻りますが、ヨーストをいじめた連中をヤンはぶんなぐってやめさせます。

 

 

 

このお話の魅力は、何といってもヒヤシンタ姫です!

イアン王子との出会いは、「七夕のお話」の展開です。
つまり「天女の羽衣」です。

 

イアン王子は、魔法使いオルムの忠告にしたがって、末娘のヒヤシンタ姫の羽根の衣装を取るのですが...。
可愛らしいことに、このヒヤシンタ姫の羽衣、白鳥ではなくて、カモです。

 

カモの羽衣。
可愛い...♡

 

よちよち歩きのカモを想像しますけど、ヒヤシンタ姫はとても聡明で、美しくて、優しくて、とにかく非の打ち所がない女性です。

 

イアン王子はもうメロメロですが、読んでいる私もメロメロです。

何しろカモですし。

 

ヒヤシンタ姫は、イアン王子とヨーストがどうしたらいいのかを、実にことこまかに教えてくれます。

また、魔法も使えるので、このお話は読んでいるうちに、だんだん
父親の王の魔法と、娘の魔法の、化かし合い合戦の様相を呈してきます。

 

イアン王子はただの人間なので、正直力不足は否めません。
ここが、さっとレビューを一読した感じ、ちょっと情けない印象を与えるところもあるようでした。

わたしは気になりませんでしたが...。

 

ヨーストは、おばあちゃんの魔法や、過去の冒険から不思議なグッズを使うことができ、ヒヤシンタ姫と力を合わせてイアン王子を助けることができます。

 

芥川のスサノオは、乱暴者の中にもすずやかで健康的な精神を感じさせますが、この地下世界の王、マホッヘルチェはとにかく不気味です。

 

悪意に満ちていて、残酷で、力があり、そして非常にプライドが高いです。
それはそれは、威厳に満ちていて、支配を抜けるのは決して容易なことではありません。

 

バディのヤンは、ずっと地下世界の外で待ちぼうけなのですが、これが、なぜヤンがこのお話にいなければならなかったのかが第三部ではよくわかります。

 

必須人物です。

 

 

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 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

王への手紙
トンケ・ドラフト (著, イラスト), 西村 由美 (翻訳)

騎士になるための最後の試練の夜、16歳の見習い騎士ティウリは、見知らぬ男に重要な手紙を託された。思いがけない使命を与えられ、大山脈のかなたの隣国へと向かったティウリの行く手には、陰険なスパイやさまざまな陰謀が待っていた。(「BOOK」データベースより)

 

 

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ふたごの兄弟の物語
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そっくりだけれど、性格はまったくちがうふたごのお話。盗難事件にまきこまれたり、同じお姫さまを好きになったり…。いつも二人は、うりふたつであることを利用して、大かつやく!ふたごの大冒険がはじまります。小学5・6年以上。(「BOOK」データベースより)

 

 

 

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大人が読む児童書「青い月の石」 1 異世界へ行く資格とは

大人が読む児童書。
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この記事はネタバレもしていくことになりますので、未読の方はご注意ください。

 

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 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

青い月の石
トンケ・ドラフト (著), 西村 由美 (翻訳)

ヨーストはある暗い夜、家の外にあやしい黒い影を目にする。そして次の日、校庭の地面の下からぶきみな男が現れた。その名は地下世界の王、マホッヘルチェ! ヨーストは足あとを追っていくが……。それは月が青くなったときに始まった、少年と仲間のとくべつな冒険の物語。現実とおとぎ話が入り交じる、人気作家のファンタジー

 

 

 

 

さて次に何を紹介しようか。
悩んでいると妹子がこれをすすめてきました。
しかも今日は怒っています。

 

「なんでこれ紹介しないの!?」
「まだ読んでないんだよ」
「早く読んで!早く紹介して!いい本なんだから」
 

この本は妹子が自分で選んだ本です。

 

本屋さんの岩波文庫の棚から自分で選びました。

 

いつも読め読めと言っている親を喜ばせるためのポーズなんじゃないだろうか。
途中で放り出すだろうな。
とかなんとか、ろくなことを考えていませんでした。

 

しかし、あっという間にというわけではありませんでしたが順調に読み終わり、それからずっとおすすめしてきます。

 

時間がなかったのもありますが、読むなら腰を据えてきちんと読みたいなと思っていました。

トンケ・ドラフト。オランダの作家さんです。

 

「青い月の石」

「王への手紙」

は、図書館でもよく見かけます。

 

 

ぱらぱらっとめくった感じ、ちょっと薄気味悪く怖い冒頭です。

 

マホッフ・マホッフ・マホッヘルチェ

 

の文句が目に付きました。

主人公、ヨーストはヤンという子を筆頭にいじめられている様子。

心に苦しみを抱えた子が異世界へ行って冒険をするというのは、よくある内容なので、そういう感じなのかな?

 

というわけで、妹子のプレッシャーもあってしっかりと腰を据えて読み始めてみました。

 

普段、読め読めと言っている立場逆転です。

 

 

最初のページに、作者の前書きがあります。

最初は何となく読み飛ばしていたのですが、あとでとても重要だったと思ったので、書き留めておきます。

 

ずっと昔、わたしは、なんともすてきな、わくわくするおとぎ話を読みました。そ の後、それに似たおとぎ話にたくさん出会いましたが、どれを読んでみても、あれほどとくべつなお話はありませんでした。そこで、わたしは、あのお話を自分で書きとめることにしました。書いているうちに、それは、現実が重要な役割を果たす、とても長い冒険物語となりました。


そしてまた、人びとがわすれさった、古い古い歌に出てくる謎の人物 あのマホ ッヘルチェとは、いったい何者だったのかについて、わたしの考えを書くことになったのです。

 

似たようなおとぎ話にはたくさんであったけれど、どれを読んでもあれほどとくべつなお話はない──。

 

わたしにとって、先日ご紹介したオーノワ夫人の「青い鳥」などは、これにあたるかもしれません。

また、レアンダーの「沼の中のハイノ」なども...。

 

 

主人公は10歳の少年、ヨースト。
10歳というのは小学校4年生ぐらいでしょうか。

 

ただ無邪気に走り回って遊ぶ年令を抜けて、だんだん、クラスの中での人間関係は複雑になっていく頃です。

 

「すこし変わった子」ヨースト。

 

ヨーストには両親がいません。
おばあちゃんに育てられています。
このおばあちゃんは魔女ではないかと言われています。

 

ヨーストをいじめている子どもたちの筆頭はヤン。

 

それともうひとつ理由があり、ヨーストは「へんなやつ」「うそつき」「頭がおかしい」と言われています。
たくさんの不思議な話をするのです。

 

・自分の家の屋根に降り立った火の鳥、残っているその羽
・大きな森に住んでいる魔法使いのオルム
・不思議な呪文が刻まれたおばあちゃんのほうきの柄である棒

 

空想?おとぎ話?
でも、(このお話では)ヨーストは過去に実際に体験したということになっています。

 

これが、この本での、他のいじめられっ子たちが飛び込んでいくファンタジーとの大きな違いです。

 

いじめられている子…。

 

はてしない物語」、などもそうですが、私には、もともとファンタジーというのは、「現実の残酷さに苦しんでいる子どもたちの居場所になるところだ」、という意識があります。

 

物語の主人公になるには、それなりの資格がいるのだと。
その資格は、ランダムにふられるサイコロの目や、宝くじのように、いきなり飛び込んでくるのではなくて、それなりの理由がある、という風に考えています。

 

苦しみが開く、内部世界への扉です。
その内部世界は、思っているよりもはるかに広く、深く、多彩で、魔法と冒険に満ち満ちている…。

 

そして、このような物語を読んだ子がたとえ、幸せな子だったとしても、人生の中では何度も何度も、とても苦しい時が訪れることがあるはずです。

 

そんなとき、この「資格」が発動する!

 

というとちょっと変ですけれども、この「苦しいときに開かれる扉」というものの存在、その意味を知っておくことが、世の中のどんな人にとっても、助けとなるのではないか、そんな風に思っています。

 

 

 

過去にたくさんの冒険を重ねてきたヨースト。
しかし現実は残酷なので、ヨーストは苦しい学校生活を送っています。

 

たった一つの救いは、おさななじみで、一番の信頼をしている可愛い女の子、フリーチェです。
しかし一歳年下なのでクラスにはいません。

 

フリーチェの存在も、なんとなく、はてしない物語におけるバスチアンにおけるクリスタ的な位置づけを想像させます。


ヨーストが話している、うそと言われる話は、いじめっ子たちを恐れさせています。

 

ヤンたちは、ヨーストをいじめつづけた。だがじつは、ヤンたちも、心の奥底では、ヨーストの話がうそだと言いきれる自信がなかった。うそだと言いきれないでいるのは、不安だった!それで、ますますひどく、ヨーストをからかうようになった。

 

つらい毎日を送るうちに、次第に、自分自身の冒険さえ信じられなくなっていくヨースト。
次第に、夢なのか、おとぎ話なのか、空想なのか、それとも本当に起きたことだったのか…。
わからなくなっていきます。

 

おばあちゃんはなんと言ってたかな…?そうだ!「月が青くなったら、何かとくべつなことが起こる」って言ってた。

 

でも、しばらく青い月は現れていませんでした。

ヨーストは窓から祈ります。

「どうかもう一度、月を青くしてください!」

 

それがすべての始まりでした。

 

 

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 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

王への手紙
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