~珠玉の児童書~

~珠玉の児童書の世界~

学校で塾で、読解力を身に付けるには本を読め、と言われる。ではいったい、どの本を読めばいいのか?日本が、世界が誇る珠玉の児童書の数々をご紹介。

児童書ピックアップ【固定記事】

 

これまで書いた記事から、一部ピックアップでご紹介しています。

 

「今日の一冊」より(絵本多め)

今日の一冊「おねえちゃんってもうたいへん!」

今日の一冊「おおきな木」

今日の一冊「げんきなマドレーヌ」

今日の一冊「もっちゃう もっちゃう もうもっちゃう」

今日の一冊「だれも知らない小さな国」を皆に知らせたい

山室静氏編「世界昔話全集」(1)イギリス編

今日の一冊「めっきらもっきら どおんどん」

今日の一冊「小さなきかんしゃ」

今日の一冊「ヤクーバとライオン」

 

 

 

「大人が読む児童書」より

「チポリーノのぼうけん」 生きて泣いて笑う悪役

大人が読む児童書「町かどのジム」 1 ねことベーコン(のベーコン)

「きんいろきつねのきんたちゃん」~虚飾の世界への目~

大人が読む児童書「グリックの冒険」1

大人が読む児童書「ヤマネコ号の冒険」 1 空想と現実が交差する瞬間

大人が読む児童書「魔女ファミリー」 1 旧訳「ガラス山の魔女たち」

「昆虫すごいぜ」から、「みつばちマーヤ」

大人が読む児童書「砂の妖精」1

大人が読む児童書「ニワトリ号一番のり」1 ~読み始めるまでのハードル

 

 

 

 

「閑話」より

閑話 「みつばちマーヤの冒険」のレビューで連呼していた「マミる」とは?

 

 

 

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児童書の復権を(note記事)

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今日の一冊「おねえちゃんはしゃしょうさん」 2 笑いあふれるあたたかい昭和のユーモア

今日、ご紹介するのは絵本です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

おねえちゃんはしゃしょうさん
長崎 源之助 (著), 山中 冬児 (イラスト)

おねえちゃんがこんど、バスの車掌さんになりました。ゆきおくんはおねえちゃんのバスにそっとのりこみました。ところが、おねえちゃんはつぎの停留所の名前を思い出せないでいるのです。

 

 

「おねえちゃんはしゃしょうさん」 1 サザエさんとカツオとタラちゃんが出てきた

 

おねえちゃんは家でしゃしょうさんの練習をして、弟たちを付き合わせています。

 

なので、ゆきおくんは、公園で三輪車で遊ぶ時にも、バスのしゃしょうさんの真似をするようになりました。

 

しかし、おさがりの悲しさ、何せ古いので、この三輪車はきしむのです。
乗っていても、いつもきーきー言います。

 

作者は、このゆきおくんが感じていた、「おさがりばかりの悲しさ」を、さりげなくポジティブ方面に変換しています。

 

というのも、しゃしょうさんの真似をしているのを見たお兄ちゃんの友達(4年生)が、
「おまえ、いいもんのってるじゃん」
とばかりに、ちょっと貸してくれと言い出しました。

 

ときどき、面白そうだなと思ったとき、子供に帰って三輪車とか乗ってみたくなる4年生。

 

ちゃんと返してくれたし、おまけに、音がすることを褒めてくれました。

 

「おんがく付きだね、いいね」
「音がするから乗ったような気がする」

 

さあこうなると、新しい自転車に乗っていたおとなりの子は、うらやましくてなりません。

 

自分の新しい自転車に、すなをかけたり、水をかけたりして、何とかきしむ音を出そうとします。

 

ゆきおくん、大得意でうちに帰るのでした……。

 

古くったっていいじゃないか。
にんげんだもの

 

作者の心がとてもあたたかいです。

 

そういえば今思い出したのですが、実際、うちの自転車が鳴り出したときにも、妹子が
「おんがくつきだから!」
と言っていたのを思い出しました。

 

どこかで覚えていたのかもしれません。

 

 

生意気でいつも喧嘩ばかりしているおにいちゃんですが、何と車掌さんになったおねえちゃんの様子を見に、バスに乗る計画を立てていました。

ゆきおくんは、お兄ちゃんと連れだってバスに乗りに出かけます。

 

このためにおかしを買うのを我慢してバス代を貯めたというお兄ちゃん。
偉すぎます。

 

しかも言い方がこうです。

「おねえちゃんの やつ、どんなかおして、しゃべるかと おもうと、きになるじゃないか。したを かむ きけんを おかしても、なお みてやろうと おもうのは、きょうだいならばこそさ」

 

うんこれはカツオだな。間違いない。

 

 

二人は物陰から見張っていて、おねえちゃんが乗り込んだバスに何食わぬ顔で乗り込みます。

 

おねえちゃん、びっくりしますが、すましています。
(まあそうですよね)
ですが、まだ研修中の身のこと、内心バックバクで、超緊張していました!

 

これを読み返して再発見したのですが、車掌さんのお仕事はとても大変でした。
まったく読み飛ばしていましたが、狭い通路を行くときはぶつからないか前後を確認したり、後続車が付くと、「こうしゃ ついてます」とか言わないといけないらしいです。

 

気ばかり焦ってうまくいかないおねえちゃん、カーブの所で、ふらふらよろけて、何と倒れてしまいました!

 

それも、まずいことに、りっぱな きものを きた おくさんの ひざに すとんと、こしかける かっこうに なってしまったのです。

 

笑ってはいけないのでしょうが、笑ってしまいます。

 

f:id:WhichBook:20211025043532j:plain

 

 

しかも、申し訳ありませんと謝ろうとした瞬間、またバスが揺れました。

 

おねえちゃんは、あたまを さげたまま のめって、また そのおくさんの むねに ぶつかってしまいました。

 

f:id:WhichBook:20211025043545j:plain

 

 

絵がまたすごく良いのです!
山中冬児さんです。

 

まあテンションは完全にサザエさんなのですが
お話の中でみんな笑ってますし、読んでいるこちらも笑ってしまいます。

 

はじめはこわい顔をしていたおくさんも笑ってしまいました。

 

なごやかな、よい空気です。

 

 

もう焦るあまり、顔が(@_@)←こんなになってしまっているおねえちゃん、次の停留所の名前を言うことものできません。

 

そこでゆきおくん
「つぎは、いりえばし!」
大きな声で言ってしまいました。

 

毎日、しゃしょうさんの練習に付き合わされているうちに、覚えていたのです。
皆が大声で笑い、運転手さんまで笑っています。

 

なんだか胸がきゅうんとなるような、懐かしい、甘酸っぱい気持ちになります。
とにかくめちゃくちゃ可愛いです。

 

おとうとの機転に救われ、みなが笑って、ユーモラスに終わったこのお話。

 

最後は、厳しくて新人の仲間たちには嫌われていた先輩と、仲良くなれたというおまけつきです。

 

職業を紹介
働くということを教え
おさがりでかなしい心を逆転
失敗もユーモアに変えて笑いで終わる。

 

改めて読んで、本当によい作品でした。

 

絶版になってしまったのは、仕方ないことなのかなあ……。

 

フォア文庫の「ふとったきみとやせたぼく」も、ヘビロテの大好きな本でしたので、いつか必ずまた、紹介したいと思います。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ふとったきみとやせたぼく
長崎 源之助 (著), 古川 タク (イラスト)

体育のにがてなコロッケ君とエンピツ君には夏休みに特別な宿題がでました。子どもの成長をさわやかに描いた物語。小学校低学年~小学校中学年

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

むかしむかしゾウがきた
長崎 源之助 (著), 梶山 俊夫 (イラスト)

「かわいそうなゾウ」のお話を、昔話として再話したものです。

 

 

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今日の一冊「おねえちゃんはしゃしょうさん」 1 サザエさんとカツオとタラちゃんが出てきた

今日、ご紹介するのは絵本です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

おねえちゃんはしゃしょうさん
長崎 源之助 (著), 山中 冬児 (イラスト)

おねえちゃんがこんど、バスの車掌さんになりました。ゆきおくんはおねえちゃんのバスにそっとのりこみました。ところが、おねえちゃんはつぎの停留所の名前を思い出せないでいるのです。

 

 

 

 

わたし「次は何の本にしようかな」
妹子「おねえちゃんはしゃしょうさん」
わたし「えっ…?でももうあれ、古くない?すっごい昭和の本だよ?サザエさんの世界だと思うが」

 

内容も、もう令和の子にはウケないんじゃないかと思ってました。

 

妹子「あれはいい本。面白い。大好き」

 

 

というわけで、今日は「おねえちゃんはしゃしょうさん」にしました。

 

作者は長崎源之助さんという方です。

 

探してみると、やっぱり絶版で、「おねえちゃんはしゃしょうさん」は、古書価格1円で残り10冊。
1円ですよ、1円!
Amazonではの話なので、各地の古書店を探せばまだあるのでしょうね。

 

この人の本でやっぱり妹子が(わたしも)大好きなのは「ふとったきみとやせたぼく」です。

 

こちらはフォア文庫で現役じゃないか~!

 

こっちにすればよかった!
いずれ、ご紹介したいと思います。
大好きな本です。

 

 

そもそもからして、題名が「おねえちゃんはしゃしょうさん」

 

これは昔のバスで、切符を切ったりアナウンスをするために一台に一人乗っていた、女性の車掌さんのことです。

 

YouTubeにいかにも「懐かしの映像」という感じで載ってました。

 

 

 

「幼児~小学校初級向き」
この時代に880円。高い。それが1円……。
実業之日本社で、昭和48年初版発行です。

 

主人公はゆきおくん。
年齢は書かれていませんが、まだ幼年です。

 

しゃしょうさんになったばかりのおねえちゃん。
ずいぶん年が離れています。

 

高卒で就職したのかなあ。
この頃、女性の車掌さんは花形職業だったように記憶しています。

 

ゆきおくんとおねえちゃんの間に、もうひとりお兄ちゃんがいます。
小学校四年生。
また10さいだ~!
生意気な年ごろです。(トム・ソーヤと同じ年です)

 

三番目のとしおくんは年中~年長さんぐらいでしょうか。
五、六歳?

 

 

物語は、おねえちゃんがバス会社に就職したところからはじまります。
いきなり説明です。

 

大きな まちでは、ほとんど
ワンマンカーに なっていますが、
このへんでは、どうろも せまいし、
あぶない ところが おおいので、
まだまだ しゃしょうさんが、
ひつようだったのです。

 

幼年向けだけあって、読みやすいように配慮がされていますが、それなりに説明もキッチリしています。

 

この本、全部で55ページなのですが、わりと章立てもきちんとあって、説明、ゆきおくんのようちえんでの話、お兄ちゃんの話、おねえちゃんのバスに乗り込む、と、きちんとストーリーになっています。

 

幼年期の子に、「本」に馴染んでもらうには、とてもよい絵本だと思います。

 

小4のおにいちゃん、18歳(たぶん)のおねえちゃんをからかって、喧嘩になっています。
バスのことを、「やーい、ポンコツという風にからかって、家じゅうをぐるぐる追いかけっこをやらかします。

 

これは、まるでそのまんま、サザエさんとカツオです。

 

おっとり眺めている主人公のゆきおくんは、何となくタラちゃん的な位置づけです。
考えてみたら、あの年で甥のいるカツオってすごいですね。今更ですが。
タラちゃんのおじさんなんですよね。

 

 

ポンコツポンコツとからかうおにいちゃんですが、新しい自転車があったら、バスなんか追い抜いちゃうぜ!と威張っています。

 

ゆきおくん、自分の悩みを思い出しました。
「となりのよしおくん」が新しい三輪車を買ってもらって乗り回しているのですが、自分の三輪車はボロボロです。

 

というのも、ゆきおくんの持ち物はみんな、お兄ちゃんのおさがりなのです。

 

ようふく。ぼうし。おもちゃ。おべんとうばこ。さんりんしゃ。

 

ここまでおさがりだと、ちょっと確かにそれは何となく可哀相な気もするな。

 

お兄ちゃんは百点を五つ取ったら自転車を買ってもらえるという約束があるようです。

 

「だから、ぜつぼうなんだよ (略) ぼくの あたまで、百てんが、五つもとれると おもってるのかよ。」
おにいちゃんときたら、へんなところで、いばってみせました。

 

カツオだこれは……。
そのまんま、カツオの声で再生されました。

 

昔読んでいた時には、そんなこと思わなかったのですけど、今はもうカツオにしか見えません。
おねえちゃんもサザエさんの声で再生される。

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ふとったきみとやせたぼく
長崎 源之助 (著), 古川 タク (イラスト)

体育のにがてなコロッケ君とエンピツ君には夏休みに特別な宿題がでました。子どもの成長をさわやかに描いた物語。小学校低学年~小学校中学年

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

むかしむかしゾウがきた
長崎 源之助 (著), 梶山 俊夫 (イラスト)

劇団四季で今も演じられている劇の原作です。

 

 

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今日の一冊「とけいのほん」 記憶と結びついたシンプルな絵柄

今日、ご紹介するのは絵本です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

とけいのほん1 (幼児絵本シリーズ)
まつい のりこ (著)

ちび(短針)とのっぽ(長針)が散歩にでかけたら、どんぐりぼうやがとおせんぼ。どんぐりぼうやは、今何時か教えてくれたら通してくれると言いだします。ちびとのっぽは、協力してどんぐりぼうやに時間を教えます。「長い針が7のところにきたら、おでかけ準備をしようね」そんなやりとりから、子どもたちが時間を意識しはじめるころにぴったりな絵本です。楽しみながら、ちょうどの時間と半(30分)の時間がわかるようになりますよ。

 

大好きだった絵本です。

よく残っているなぁ~。

 

本屋さんでも並んで平置きされているのを見ると、本当に嬉しいです。
幼稚園のときに母が買ってくれました。

 

幼稚園の時のことなんて、ほぼ覚えていないはずなのですけど、この本は見た目の印象も内容も、とても強烈だったので、よく覚えています。

 

 

1巻目、Amazonの紹介ページで、見開きで中身が2Pほど紹介されているので、興味のあるかたは是非見てみてください。

 

表紙からもわかるように、実にシンプル。
キャラクター性もあまり濃くなくて、すうっと自然に入ってくる絵柄です。

 

キャラクターものは可愛いのですが、下手をすると子どもは絵ばかりに集中して、中身にあまり注目していないときがあります。

 

二巻のおばけが怖くてたまらなくて、でも可愛くて面白く、びくびくしながら読んでいた記憶があります。

 

内容としては、1巻目はごく一般的な
・6時・7時などの基本の読み方
・長い針と短い針
・30分という概念
などを教えてくれます。

 

 

まあ、大抵こちらは楽々クリアなのですが…。

 

問題はおばけの方の二巻です。

 

これに比べれば、1巻目は導入。
ジャブで様子見、まずは世界観に慣れてもらおうか、といった所です。


これ!これが厳しかった!

10じ17ふん

 

おばけの二巻の方、夜の空が背景になっています。
このおばけたち、とても可愛く、別に何をおどかすわけでもないのに、何が怖かったのかなあ。

 

このページは特によく覚えています。
時計と一緒に空のどこかに連れて行かれそうでした。

 

夜の青の色がとても美しいです。

 

まさに、説明文にも書いてあるとおり、プレゼントにもぴったり!です。
そして、何と言ってもハードカバー!
驚くほど丈夫な、子供むけの「本」です。

 

 

小さい頃、それこそ幼年時代に覚えているのは、
「おおきなおおきなおいも」、この「とけいのほん」、それから、「ぐりとぐらのおきゃくさま」あたりでしょうか。

 

(なぜか、フライパンでほっとけーきの基本の「ぐりとぐら」よりも、すさまじく大きいクリスマスのケーキのある、「ぐりとぐらのおきゃくさま」でした。)

 

記憶は本当は消えているはずなのですが、本は再販され続けて残っています。

 

 

その残っている本を見たとき、再販されたものであって、新しくてよごれやしみはなくても、その絵とことばと読んだときの印象がよみがえってきます。

 

その記憶に引っ張られて、深い深い沈んでいた情景が、網にかかったさかなのように浮かび上がってきます。

 


「おおきなおおきなおいも」を開いていたときの、園の板張り床の冷たさ、窓から入る光、大嫌いだったうんてい……。

 

遊びに誘う子どもたちの声まで聞こえるようです。

 

 

このとけいのほんと一緒に思い出すのは、

建て替える前の家のたたみとちゃぶだい。
そして、読んでいる横で、父が台所の上に棚をつくっていたこと。
母がいなくて(その頃、入院していました)
でも私はまったく平気で、木材の上で威張ってこの本を開いて読んでいました。

 

この頃、甲状腺のがんになった母は、幼いわたしを残してまだ死ねないと思って頑張ったと聞きましたけど、ついに3度の癌を乗り越え、87歳で亡くなりました。

 

私はかなり年を取ってから生まれた子でしたので、
「親に早く死に別れるね、不憫だね」
なんて言われてきましたけど、どうしてどうして……。

 

大往生だったと思います。

 

ひと昔古い、昭和の本や児童書に詳しいのは、やっぱり母の影響です。
年取って生まれたのも、あながち悪いことじゃなかった。

 

資産は何ひとつありませんが、児童書の山、たくさんの全集の山が、遺品であり、財産です。

 

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

とけいのほん2 (幼児絵本シリーズ)
まつい のりこ (著)

こんどはおばけがやってきて、時計の針と遊びます。「いま、なんじかおしえてね」(1)につづき、ここでは分の単位を視覚的にとらえ、何時何分までのよみ方を教えてくれます。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

とけいのほん2冊セット (幼児絵本シリーズ)
まつい のりこ (著)

どんぐりぼうやと時計の針がなかよく遊びながら、幼児に時計のよみ方をわかりやすく教えてくれる絵本。「何時」「何時半」までを教える(1)と、「何時何分」までを教える(2)をかわいいケースに入れてセットにしました。入園・入学のプレゼントにもぴったりです。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

おおきなおおきな おいも
(福音館創作童話シリーズ)
赤羽 末吉 (著)

楽しみにしていたいもほり遠足の日、雨が降って延期になってしまいました。残念がる子どもたちは大きな紙においもを描きはじめます。紙をつなげてつなげて、おいもの絵はどんどん大きくなります。大きなおいもは、ヘリコプターで幼稚園に運びます。プールに浮かべて船にしたり、かいじゅうにみたてて遊びます。たくさん遊んだあとは、天ぷら、焼きいも、大学いも、たくさん作っておいもパーティ! 大きなおいもをめぐる子どもたちの空想がつまった絵童話です。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ぐりとぐらのおきゃくさま
なかがわ りえこ (著), やまわき ゆりこ (イラスト)

森で雪合戦をしていたぐりとぐらは、雪の上に大きな足跡を見つけました。足跡は森をぬけ、原っぱを通り、ぐりとぐらの家まで続いていました。ドアを開けると玄関には大きな長靴、壁には真っ赤なオーバーと白いマフラー、そして赤い帽子がかかっています。

 

 

 

 

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ハナさんのおきゃくさま マキオのひとり旅 大雪
どんぐりむらのどんぐりえん ぐりとぐら ババヤガーのしろいとり
おまたせクッキー かぼちゃひこうせんぷっくらこ 宝島

 

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大人が読む児童書「子じか物語」読了 3 自然の厳しさ、現実の厳しさ、それでも……。

今日、ご紹介するのは児童書です。

 

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 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

仔鹿物語
マージョリー・キナン ローリングズ (著), 土屋 京子 (翻訳)

19世紀後半のフロリダ。人里での摩擦を避け、矮樹林が広がる土地で厳しい開墾生活を送るバクスター一家。ある日、父ペニーがとっさに撃ち殺した雌ジカの傍らに、母を失った仔ジカが立ち尽くしていた。息子ジョディは仔ジカに魅了され育てたいと両親に懇願する…。

 

 

「子じか物語」 1 途中から読んだってかまわない。いきなりネタバレから入る、トラウマのラストシーン
「子じか物語」 2 女性がらみのトラブルはここでも。土くさい西部劇の中で。

 

 

子じかを飼うことを許してくれたお父さんと違って、ジョディのお母さんは、徹頭徹尾、最初から子じかを飼うことに反対でした。

 

このお母さん、とても厳しい人です。
ジョディに対してもあまり、母親らしい愛情を示したりはしません。

 

母は、持っていた愛情や心づくしや興味を、残らず死んだ子どもたちにそそぎつくしてしまったようにみえました。

 

もともと、ジョディンの父母に次々に生まれた子どもたちは、みんな育つことが出来ずに死んでしまい、ジョディがたったひとり最後に生まれて育ったのでした。


ナウシカの漫画版の、ナウシカのお母さんも、こんな感じのキャラ設定だったような気がします)

 

このお母さん、読んでいるともう
親じゃなくて敵か?
と思ってしまうほど、イヤな感じです。

 

つねにガミガミ言ってますし、冗談を言っても喜びません。
母親らしい面など、ほとんど見せたことがありません。
(ちょっとはあります)

 

そして、最後に子じかフラッグを撃ち殺すのも、このお母さんなのです。

 

 

しかし、こうして大人の立場で読み返していると、このお母さんの気持ちが痛いほどわかります!

 

正直、あれほど可愛いと思っていた子じかフラッグを、冷静な目で見ることができません。

 

子供よりもはるかに早いスピードで、どんどん大きくなっていくしかの子は、トラブルの種でしかありません。

 

種を撒いても撒いても、新芽をすべてこの子じかが食べてしまうのです!

 

さつまいもは床にばらまいて、かじってしまいます。
それもあれこれかじったあげくに踏み荒らしているので、もうこちらは食べることができません。

 

お父さんは病気がちになってしまい、お母さんが代わりに働いています。
ジョディも一緒に働き、種を撒きますが、すべて子じかが食い荒らして無駄にしてしまいます。

 

子どもの頃の記憶では、大きくなったフラッグが食い荒らしてしまっただけだと思っていましたが、読み返してみると、わりと序盤からあれこれやらかしていました。

 

数少ない食料を無駄にされてしまう上に、たぶんお母さんはこの結末もわかっていたことでしょう。

 

だから言ったのに!
だから最初から反対したのに!

 

というお母さんの心の声が聞こえてくるような気がします。

 

 

何度も繰り返される、ジョディの嘆願と、それを無にする子じかのフラッグ──。

 

野生の生き物と人は、どうしても共存することは出来ないのだということ。

 

それは憎いとか嫌いだからでもなく、敵だからでもなくて、どうしようもないことなんだということを、いやというほど思い知らされます。

 

お父さんが、子じかを殺されて半狂乱になった挙句、疲れて家に戻ってきたジョディにしみじみと語るシーンがあります。

 

できるだけ長く、遊ばせてやりたかった。
あの子じかがどれだけ、慰めになっているか、さびしさが紛らわされているか、わかっていた。

 

「だがなあ、人間は、だれでもさびしいのだ。じゃあ、いったいどうしたらいいというのか。たたきのめされたとき、人間は、どうしたらいいというのか。そりゃあ、おまえ、それが自分の運命だとあきらめて、がんばっていくほかないさ。」

 

 

子じかとジョディの間に存在した仲間意識と愛情は、何よりも強く存在していました。

 

それは、「どうしようもないということがこの世には存在する」ということと同じぐらい強く、確かなものでした。

 

ジョディは子じかと一緒に、子供時代をさよならをします。

 

つらく厳しい仕事を皆引き受けてくれていたお父さんは病気で動くことができなくなっています。
遊び相手だったフラッグももういません。

 

かれは、自分が、これからさき、二度とふたたび、男にせよ女にせよ、また自分の子どもにもせよ、どんなものをも、あの一年子のしかをかわいがったようにかわいがることがあろうとは、思えませんでした。

 

でも、ジョディは、「自分ひとりでなんとかやっていけないことはあるまい」と思うのです。

 

 

しんみりとなったあとに、トム・ソーヤが待っています。
はじけるような明るさと元気なぼうけん!

 

お腹を抱えて笑える面白さ。

 

この「少年少女世界文学全集」の、子どもたちへの配慮を、また感じることができたのでした。

 

 

作者マージョリー・キナン・ローリングスは、この「子じか物語」でピューリッツァー賞をもらっています。

 

この厳しい物語を、子どもの時に読んでおいてよかったと思うし、やっぱり子どもたちにも、こういうお話は必要なんだと思います。

 

便利で豊かな時代、ネットで指先ひとつ押せば家に品物が届く時代に育っていればいるほど、こういう、土と作物と生きるということを知ってもらいたいと思います。

 

自分の身は自分で守り、時には厳しい決断を下さなければならない、それも自分ので手でするということ。

 

銃規制の進まないアメリカの中に、こういう時代を乗り越えてきたという自負の精神が息づいているということも、理解しなければならないと思います。

 

もちろん、それが先住民族を追いやり、黒人奴隷を酷使してのことであったことも、忘れてはなりません。

 

何ごとも、理由なく、歴史なくして、今があることなど一つもないのですから。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

子鹿物語 (こども世界名作童話)
マージョリー・キナン ローリングス (著)
まだらめ 三保 (著), 村井 香葉 (イラスト)

開拓地にすむジョディと子鹿のフラッグの成長と心の交流を、自然のきびしさ豊かさをとおして描きます。愛されつづける感動の名作。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

トム・ソーヤーの冒険
マーク トウェイン (著), T.W.ウィリアムズ  (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

ミシシッピ川沿いの小さな村を舞台に,わんぱくな少年トムが浮浪児ハックを相棒に大活躍するゆかいな冒険物語.因習にとらわれがちな大人たちの思惑をよそに,自然の中で自由にのびのびと生きる子どもたちを描く少年文学の名作.

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ハックルベリー・フィンの冒けん
マーク・トウェイン (著), 柴田 元幸 (翻訳)

今まで知らなかったハックがここにいる。原書オリジナル・イラスト174点収録。柴田元幸がいちばん訳したかったあの名作、ついに翻訳刊行。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

大草原の小さな家 ―インガルス一家の物語 2
ローラ・インガルス・ワイルダー (著), ガース・ウィリアムズ (イラスト), 恩地 三保子 (翻訳)

「大きな森」をあとにして、インガルス一家は新しい土地を求め、インディアン・テリトリイへ幌馬車で旅立つ。ローラ6歳から7歳までの1年間の物語

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

大草原の小さな家 ―インガルス一家の物語 2
ローラ・インガルス・ワイルダー (著), ガース・ウィリアムズ (イラスト), 恩地 三保子 (翻訳)

「大きな森」をあとにして、インガルス一家は新しい土地を求め、インディアン・テリトリイへ幌馬車で旅立つ。ローラ6歳から7歳までの1年間の物語

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

風の谷のナウシカ 全7巻箱入りセット
宮崎 駿 (著)

宮崎駿監督による不朽の名作!月刊「アニメージュ」に連載され、スタジオジブリ長編アニメーション映画「風の谷のナウシカ」の原作となった、コミックス全7巻のセット。

 

 

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大人が読む児童書「子じか物語」 2 女性がらみのトラブルはここでも。土くさい西部劇の中で。

今日、ご紹介するのは児童書です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

仔鹿物語
マージョリー・キナン ローリングズ (著), 土屋 京子 (翻訳)

19世紀後半のフロリダ。人里での摩擦を避け、矮樹林が広がる土地で厳しい開墾生活を送るバクスター一家。ある日、父ペニーがとっさに撃ち殺した雌ジカの傍らに、母を失った仔ジカが立ち尽くしていた。息子ジョディは仔ジカに魅了され育てたいと両親に懇願する…。

 

 

「子じか物語」 1 途中から読んだってかまわない。いきなりネタバレから入る、トラウマのラストシーン

 

 

今思えば、なぜこの子じか物語が選ばれ、「トム・ソーヤ」とセットで入っていたのか。

 

明らかに人気もあり、心を惹かれるであろう「トム・ソーヤ」がなぜ後になっていたのか。

 

トムを一度読んでしまえば、何度も何度も繰り返し手にとり、読んでしまうであろう子供ごころ。

 

あまりにも何度も読んで、ページを開いているうちに、次第に、こっちは何が書いてあるのかな?と興味を惹かれることを見越してのことではなかっただろうか。

 

そんな風に思えてなりません。

 

まんまとハマって、子じか物語を読み始めたのですが、それでも飛ばし飛ばし、断片的にあっちに行ったり、こっちに行ったりでした。

 

やはり、これは人それぞれであるようで、妹子は最初からガッツリ、キッチリ読まないと嫌なタイプです。

 

なので、子じか物語はまだ読んでいません。

 

 

さて、雌じかを殺して助かったジョディの父は、命を助けてくれたお礼と、ジョディが遊び相手がいなくてさびしがっているのを見て、慰めになるならと、子じかを飼うことを許してくれました。

 

荒くれ者のフォレスタ一家に一人だけ、病弱な弟、フォダ・ウィングという心やさしい少年がいたのですが、厳しい自然の中で亡くなってしまいます。

 

ジョディは本当にひとりぼっちでした。

子じかにフラッグという名前をつけてくれたのは、このフィダ・ウィングでした。
なので、二重、三重の意味で、フラッグはジョディにとって特別な存在だったのです。

 

 

大ぐまスルーフットと戦ったり、街へ行って食料品を買ったりしながら、開拓時代の話はすすみますが、ここでも、女性がらみのトラブルはしっかりついてきます。

 

どいつもこいつも…。

 

しかし、こちらの方がはるかにトム・ソーヤよりもさらにリアルです。

 

トム・ソーヤのゲスもリアルなのですが、こちらは、自分が小学生~高校生と、学生時代を過ごした時に見聞きしてきたり、感じたものと同じです。

 

(だいたい、十歳で元カノとか愛してるとか…)

 

ジョディは、街のユーラリという女の子が、同じくらいの年齢の女子では唯一の知り合いなのですが、お父さんにちょっと名前を言われてほのめかされただけで、激昂します。

 

言われたのが嫌なので、わざとじゃがいもをぶつけて悪さをしたりします。
こっちの方がありそうな話だ!

 

この、ヴォルシアという街は、バクスタ一家が買い物などしに立ち寄る場所ですが、めちゃくちゃ遠いです。
かなり旅をしなければたどり着けず、ここにいる子どもたちはジョディの遊び相手にはなれません。

 

それなのに、ユーラリがほかの見知らぬ男の子と遊んでいるのを見ると、何ともイヤな気持ちになるのです。
(まあ、トムと違って、特にだから何をするというわけでもなく、自分の感情の動きにとまどうぐらいです)

 

 

この街には、ハットウおばあさんという知り合いが住んでいるのですが、この人の描写が実に個性ゆたかで魅力的です。

 

おばあさんには、ふしぎに、男の人たちの気持をひきつけるところがありました。おばあさんの無遠慮なところがみんなの気に入るのでした。若い人たちは、おばあさんとあったあとは、なんとなく、身うちに勇気があふれるような気持になります。老人たちは、おばあさんの銀色の巻き毛に心をひかれました。おばあさんの身のまわりには、何か永遠に女性的なものがあって、それが、すべての男の人たちに、勇気をださせるのでした。ところが、その同じものが、すべての女の人たちには、気に入りませんでした。

 

このおばあさんの息子がまた、すごいイケメンです。

 

そして、このイケメン、あの荒くれ者のフォレスタ一家の中でも一番粗暴なレムという若者と、街中で大喧嘩をやらかしています。

 

ジョディは傍観者なのですが、もうそろそろ、理由がわかっています。
ツィンク・ウェザビという、街一番のすごい美人が理由でした。

 

このレムという若者は、ジョディの父ともけんかするし、粗暴だし、本当にロクな奴ではありません。

 

なのに、彼女のことを「人のものをぬすみに帰ってきたからだ」なんて、自分のもの扱いしています。
往年のアメリカ西部劇の映画にでもありそうな、激しくて粗野な恋愛模様です。

 

土っぽくて、汗と泥と血のにおいがします。

 

 

こんな生活の中で、子じかのかわいらしさはジョディのなぐさめです。
濡れた鼻を押し付け、大きな黒い目で見つめる子じかのかわいさ。

 

土っぽい匂いのする、リアルな西部劇を文字で読んでいるこちらとしても、この子じかのかわいさは救いです。

 

そして自然の美しさもまた、すばらしいです。

 

そんな中で、大ぐまのスルーフットは激闘の末にたおされ、上記の美人、ツインク・ウェザビは、晴れてイケメンの方と結婚することができました。

 

このような出来事を見聞きしていくうちに、ジョディは次第に大きくなっていきます。
が、それと同時に、子じかのフラッグも、「イヤリング=一年子」ではいられないのでした。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

子鹿物語 (こども世界名作童話)
マージョリー・キナン ローリングス (著)
まだらめ 三保 (著), 村井 香葉 (イラスト)

開拓地にすむジョディと子鹿のフラッグの成長と心の交流を、自然のきびしさ豊かさをとおして描きます。愛されつづける感動の名作。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

トム・ソーヤーの冒険
マーク トウェイン (著), T.W.ウィリアムズ  (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

ミシシッピ川沿いの小さな村を舞台に,わんぱくな少年トムが浮浪児ハックを相棒に大活躍するゆかいな冒険物語.因習にとらわれがちな大人たちの思惑をよそに,自然の中で自由にのびのびと生きる子どもたちを描く少年文学の名作.

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ハックルベリー・フィンの冒けん
マーク・トウェイン (著), 柴田 元幸 (翻訳)

今まで知らなかったハックがここにいる。原書オリジナル・イラスト174点収録。柴田元幸がいちばん訳したかったあの名作、ついに翻訳刊行。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

大草原の小さな家 ―インガルス一家の物語 2
ローラ・インガルス・ワイルダー (著), ガース・ウィリアムズ (イラスト), 恩地 三保子 (翻訳)

「大きな森」をあとにして、インガルス一家は新しい土地を求め、インディアン・テリトリイへ幌馬車で旅立つ。ローラ6歳から7歳までの1年間の物語

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

大草原の小さな家 ―インガルス一家の物語 2
ローラ・インガルス・ワイルダー (著), ガース・ウィリアムズ (イラスト), 恩地 三保子 (翻訳)

「大きな森」をあとにして、インガルス一家は新しい土地を求め、インディアン・テリトリイへ幌馬車で旅立つ。ローラ6歳から7歳までの1年間の物語

 

 

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大人が読む児童書「子じか物語」 1 途中から読んだってかまわない。いきなりネタバレから入る、トラウマのラストシーン

今日、ご紹介するのは児童書です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

仔鹿物語
マージョリー・キナン ローリングズ (著), 土屋 京子 (翻訳)

19世紀後半のフロリダ。人里での摩擦を避け、矮樹林が広がる土地で厳しい開墾生活を送るバクスター一家。ある日、父ペニーがとっさに撃ち殺した雌ジカの傍らに、母を失った仔ジカが立ち尽くしていた。息子ジョディは仔ジカに魅了され育てたいと両親に懇願する…。

 

 

先日まで紹介した「トム・ソーヤ」中途半端に終えてしまいましたが、このお話は、少年少女文学全集では、「子じか物語」とセットになっています。

 

この本では、子じか物語の方を先に載せていますし、扉絵も子じかです。

 

たぶん、子どもたちにとっては、間違いなくトム・ソーヤの方がウケるでしょうし、子じか物語の方が難しいんじゃないかなあ…。

 

それをあえて、先に持ってきているところが、読んで下さいね!!という編集の心が見えるようです。

 

わたしも、トム・ソーヤを10回ぐらい読み返したとすれば、子じか物語は2回ぐらいかもしれません。
それでも、このお話は本当に読んでよかったと思うし、読んでもらいたいなと思います。

 

 

トム・ソーヤよりも六十年ほどあとの時代に書かれた、アメリカの開拓時代を描いた作品です。

 

主人公は開拓地に住む一家の一人息子、ジョディ。
お父さんとお母さんと、ジョディの三人暮らしです。

 

トム・ソーヤとびっくりするほど、生活に違いがないことに驚きます。

 

アメリカは広いですから、土地によって雰囲気が違うと思われますが、トム・ソーヤの舞台はミシシッピ川沿いのミズーリ州ハンニバルというところだそうです。

 

 

子じか物語の方はフロリダ州
山間部の方の貧しい農民の生活を描いていると書かれています。(後書きを参照しました)

 

 

トム・ソーヤの方が豊かな生活であるように感じます。
村は小さいと書かれていますが、人が多く活力がありますし、学校に子どもも多いです。

 

子じか物語のジョディは、家と家がとても離れていて、周囲にはほとんど遊ぶ子どもがいません。
物資を買いに行く街は別ですが、一家は孤独な生活です。

 

この孤独が、ジョディと子じかの結びつきにもつながります。

 

西部開拓を描いた名作「大草原の小さな家」のインガルス一家は、ウィスコンシン州カンザス州・ミネソタ州サウスダコタ州のようですが、これらはすべて北米です。

 

広大なアメリカの大地を北から、インガルス一家、トム・ソーヤ、子じか物語のバクスタ一家、とほぼ縦に横断しています。

 

 

今、昔の名作アニメ「子じか物語」は見るのが困難らしく、NHKアーカイブでも公開されていません。

 

フィルムが残っているのかどうかもわかりません。

 

名作アニメの中でも、ラストシーンはトラウマと言われているようです。

 

わたしはアニメの方を見ていないのですが、最初から壮大なネタバレになってしまいますが、子じかは飼っていた一家の手で殺されてしまいます。

 

子どもの頃は可愛がって育てていても、害獣となってしまった若い鹿を、農地の開拓をする貧しい暮らしの一家が無視することはできなかったのでした。

 

この厳しい結末を、名作アニメできっちりやったことは、尊敬に値すると思います。
お話を読んでいれば、それ以外の選択肢がないことはよくわかります。

 

なら最初から飼うなよ!

という思いが出てくるのもわかります。

 

でも原作を読んでいれば(たぶん、名作アニメを見ていても)、飼うことになった理由も、子じかを可愛がって育てた過程も、結末も、すべて説得力をもって迫ってきます。

 

子どもも、現実の中に生きていることは間違いなく、苦い結末をしっかり目をそらさずに描きながらも、子どもの心に寄り添い、子どもの心を痛いほど理解して書かれている描写には胸を打たれます。

 

 

この本、いまは子ども用の訳本としても出回っておらず、光文社さんの大人向けの全訳しか出版されていないようです。

 

わたしが読んだこの「少年少女」バージョンは、5分の2ほどの抄訳になっているそうです。

 

それでも、手を抜かない「少年少女」バージョンのこと。
序盤はすべて、開拓時代のアメリカの自然描写に費やされます。

 

美しい自然の描写の中で、主人公ジョディはいずれ子じかフラッグの親になるであろう雌じかに会いますが、序盤はただひたすら開拓の中の生活の描写、描写なので、子どもにこれを頭からしっかり読めと言っても厳しいものがあるように思います。

 

自然描写が終わってからは、開墾地の人たちとの荒々しい交流です。
仲良しの一家もいれば、荒くれ者の兄弟一家もいます。

 

私はめくってはやめ、(トム・ソーヤに行き)、まためくっては(トム・ソーヤに行き)…とするうちに、興味を引かれた部分から読み始めました。

 

その興味のある部分とは、子じかを養うことになった原因の部分でした。

 

ちょうどページの最初にあります。

 

そのとき、まったくふいに、野ぶどうのつるの下から、一匹のがらがらへびが、ペニィ(ジョディの父)にとびかかりました。ジョディの目には、何かかげのようなものがさっとひらめいたようにみえました。それは、いわつばめよりも、もっとすばやく、おそいかかるくまのつめよりも、もっと正確なとびつきかたでした。

 

お父さんが毒蛇に噛まれたのです。

 

すごい臨場感です。
もう、目を離すことができませんでした。

 

へびを殺してから、傷口を調べるまで、静かでひたすら正確な描写が続きます。
そんな中で、お父さんがもらした「おれは、死ぬかもしれない」というひとことに、鳥肌が立ちます。

 

子どもであるジョディはどうすることもできません。
ただひたすら、見守るしかありません。

 

そんなとき、草むらをかきわけて、一頭の雌じかが現れました。

 

お父さんは、その雌じかを撃ち殺し、「ジョディに命じて、狩猟用のナイフで雌じかの腹を切り裂いて、肝臓を切り取らせました」
肝臓を傷口にあてると、毒を吸ってくれました。

 

肝臓は、みるみるうちに、どくどくしい緑色に変色していきました。
肝臓のつぎに心臓を、それから、さらにべつの新しい肉切れを、ペニィは、いくども、いくども、きず口にあてがいました。

 

「子じか物語」で最初にわたしが読んだのはここのシーンでした。

 

へびにかまれた所から、ここまで3~4ページ。
もうページをめくるしかなく、いったいどうなるのか、気になって気になって、先をどんどん読んでいきました。

 

ちょっと忘れられません。

 

読んでいくと、この危険な道の探索が、いなくなったぶたを探すためであったこと。
のぶたは、どうやら荒くれ者の一家が盗んだらしいこと。
盗んだ一家が、手をつくして助けてくれるところ。

 

などなど、どれも引き込まれるようにどんどん読んでいきました。

 

子じかがのこされて、大きな目を見張ってじっと見ています。

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

子鹿物語 (こども世界名作童話)
マージョリー・キナン ローリングス (著)
まだらめ 三保 (著), 村井 香葉 (イラスト)

開拓地にすむジョディと子鹿のフラッグの成長と心の交流を、自然のきびしさ豊かさをとおして描きます。愛されつづける感動の名作。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

トム・ソーヤーの冒険
マーク トウェイン (著), T.W.ウィリアムズ  (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

ミシシッピ川沿いの小さな村を舞台に,わんぱくな少年トムが浮浪児ハックを相棒に大活躍するゆかいな冒険物語.因習にとらわれがちな大人たちの思惑をよそに,自然の中で自由にのびのびと生きる子どもたちを描く少年文学の名作.

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ハックルベリー・フィンの冒けん
マーク・トウェイン (著), 柴田 元幸 (翻訳)

今まで知らなかったハックがここにいる。原書オリジナル・イラスト174点収録。柴田元幸がいちばん訳したかったあの名作、ついに翻訳刊行。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

大草原の小さな家 ―インガルス一家の物語 2
ローラ・インガルス・ワイルダー (著), ガース・ウィリアムズ (イラスト), 恩地 三保子 (翻訳)

「大きな森」をあとにして、インガルス一家は新しい土地を求め、インディアン・テリトリイへ幌馬車で旅立つ。ローラ6歳から7歳までの1年間の物語

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

大草原の小さな家 ―インガルス一家の物語 2
ローラ・インガルス・ワイルダー (著), ガース・ウィリアムズ (イラスト), 恩地 三保子 (翻訳)

「大きな森」をあとにして、インガルス一家は新しい土地を求め、インディアン・テリトリイへ幌馬車で旅立つ。ローラ6歳から7歳までの1年間の物語

 

 

 

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大人が読む児童書「トム・ソーヤーの冒険」読了 5 やっぱりその話でもちきりだ~ゲスのインパクトはすごかった

今日、ご紹介するのは児童書です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

トム・ソーヤーの冒険
マーク トウェイン (著), T.W.ウィリアムズ  (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

ミシシッピ川沿いの小さな村を舞台に,わんぱくな少年トムが浮浪児ハックを相棒に大活躍するゆかいな冒険物語.因習にとらわれがちな大人たちの思惑をよそに,自然の中で自由にのびのびと生きる子どもたちを描く少年文学の名作.

 

「トム・ソーヤーの冒険」を、初心に帰って読んでみようかなあという話
2 自分の子じゃない子供を育てるということ
3 関わるとろくなことが起きない。いぬやねこの受難。
4 冒険とあらし、その文章表現のすばらしさ

 

あらしが終わり、家に帰ってから、おばさんとトムは優しい仲直りをします。
妹子はまだ、余韻に浸っているようです。

 

妹子「この表現がすばらしすぎるわ。『あらし』ってここにでてくるまで書いてないんだよ!」

 

そもそも、トム・ソーヤの読み返しをしてみようと思ったのは、妹子がこのあらしの表現を読んで感動しているとき、こんな風に言ってきたからでした。

 

妹子「お母さんさあ、トム・ソーヤのあんなとこ(トムのゲス男なところ)ばかり書いて、もっとちゃんと紹介しないとだめなんじゃないの?」

 

ずいぶん、ベッキーとのやりとりにムカついていた妹子なのに、これはまた、意見が180度転換です。
それほど、ぼうけんとあらしの部分はすごかったということです。

 

妹子「あんなんじゃ薄っぺらすぎるわ。適当すぎるでしょ。ちゃんとレビューしなきゃだめでしょ!」

 

そうかそうか。
やっぱり、トムが最初から最後までゲスだと思っていたのはわたしくらいだったかな。

 

 

さて、仲直りをしたいベッキー、トムの周囲をウロウロしはじめます。
まあ、以前の記事でも書いたのですけど、トムは敏感にこのベッキーの心を察知しました。

 

これは、かれの心の中にあるいやしい虚栄心を、ひどく満足させた。だから、トムは心をひかれるどころか、ますます「気どって」しまい、いっそう、おまえなんぞ知らないよという態度をとるようになってしまった。

 

今読んでも、恋のかけひきや男性心理に関してもお手本教書みたいだなあと思います。
あらゆる人間模様が盛り込まれています。

 

ベッキーは、トムがエイミーとばかり話していることに気が付きます。
ベッキー、「胸がしめつけられ、かっとなり、おちつけなくなってきた」

 

確かに、妹子の言う通り、あらしを「あらし」と書かなかったように、「嫉妬」って書いてないな。

 

子どもにとって、はじめての感情、はじめて見る景色は、名前がついていないのかもしれない。
すごい!

 

ベッキーは力をふりしぼって、男子も女子も招待するピクニックを企画して周囲の注目を集めようとするのですが、トムはエイミーと話しながらまったく興味を示しません。

 

さて休み時間、引き続きベッキーに見せつけてやろうとして、トムがエイミーと仲良くしていると…。

 

あろうことか、ベッキーは校舎のうしろの小さいベンチに、アルフレッド・テンプルとなかよく腰かけて、いっしょに絵本を見ていたのだった──本の上に二つの頭をすりよせて、すっかり夢中になっているので、ほかのことは、なんにも気がつかないといったようすだった。

 

阿呆な虚栄心のため、ベッキーが作った仲直りのチャンスを自分でつぶしたトム。
エイミーと会話が何もかもいやになってしまいます。

 

トムは、エイミーにはもう我慢ができなくなり、「どうやったら厄介払いができるんだろう?」なんて考えています。


りっ…リアルぅ~……。

 

妹子「さいてい。やりすぎ。エイミーぬかよろこびやん」
わたし「そうなんだよ。わかってくれて嬉しいよ」
妹子「さっきまで素晴らしい文章に感動してたのに。さいていだわ」

 

ベッキーもあまり幸せではいられませんでした。トムが見にこなくなると、すべてがおもしろくなくなります。

 

妹子「おまえが最初にエイミーと見せつけしたんだから、ベッキーがだれと仲良くしちゃってもいいじゃん。今更なんなんだよ」

 

ベッキー「(あて馬くんに)あっちへ行ってちょうだい。かまわないで!あんたんあんて、きらい!」

 

妹子「ほんとにさいてい!きもちわるい!」
わたし「あて馬合戦だからね。誰も得をしないというみにくい争いだね…」
妹子「ベッキー、さいていやん。ひどすぎるわ。とどめをさしたやん」
わたし「ゲスな話だからこそ面白いともいえる」
妹子「まあ聞いてよ。(やきもちが)『まっかにもえてもうトムの血管をかけめぐる』だよ!?すごくない!?」

 

やっぱり文章には感心してるようです。

 

妹子「こんなに文章いいのに、なんて残念なおはなしなんだよー!!」
わたし「いや、トム・ソーヤはたくさん訳が出てるから、あれこれ読んでみてわかったけど、子ども向けはこのベッキーのやりとりはもっとふわっとしてる。トムとベッキーのゲスぶりを柔らかく隠すようにしてる。でもね、この人のように、忠実以上に、ゲスをむしろ強調して訳してるのが、かえっておもしろみをましているという、逆転現象が……」

 

妹子、すでに聞いていないです。
続きをガンガン読んでいます。

 

わたし「トム・ソーヤは途中のすてきな冒険がほんとに面白くてねえ。総合的にみて、ちりばめられたベッキーイベントがね」
妹子「ベッキーイベントとかいうな」

 

 

妹子「『あっちへ行ってちょうだい、あんたなんかきらいよ』だって。何て哀れな……。かわいそうすぎる」

 

まだそこを読んでたのか。
ていうか、もしかして読み返してる!?

 

妹子「エイミーはてんでばかだけど、アルフレッドは気付いたんだよ。あてうまだってこと!もうこれさ、フィクションじゃないもん。現実の恋愛だよ。ふたりのしっとと浮気がやばい」

 

トムとエイミーとベッキーとアルフレッドの愛と憎しみの軌跡を見せられて、大人の階段を一つあがってしまったのだろうか。

まるで海外ドラマの先が気になる四角関係展開みたいです。

 

トムとベッキーのこのお騒がせ迷惑カップルのふたりは、ベッキーの失敗をトムがかばうことによって復縁するのですが、妹子はぜんぜん感心してません。

 

妹子「そんでまたベッキーがさ、彼女になったら、別のかわいいおんなのこにいっちゃうんだよこいつ!」
わたし「それは思った。エイミーが捨てられたように、ベッキーもいつか捨てられるんじゃないかなって思った」

 

これは妹子には言いませんでしたが、なまぐさい話ですけど、ベッキーは、地方における実力者のお父さんが後ろ盾にいますので、そう簡単に捨てられそうにない気がします。

 

荒唐無稽な物語であるようでありながら、リアルすぎる恋愛模様を入れることで、ちょっと忘れることのできない作品となっています。

 

 

ここから二章ほど、トム・ソーヤにしてはあまり面白くはないけれど、面白さのレベルが高いのでそれだけでも十分に面白いエピソードがつづきます。

 

途中で、病気が流行り、皆の間を一種の熱病のような改宗騒動が起きるところなど、まるでコロナ騒動を見ているようでした。
恐れによる集団ヒステリーです。
(まだ終わっていないかもしれませんが)

 

たぶん、トムの物語はここから始まります。

 

すべての今まで張り巡らせていた伏線は回収され、心の重荷だった殺人事件の目撃も、実にドラマチックな法廷劇を経て、解決をみることになります。

 

逃げたインジャン・ジョーの影、宝さがし、鍾乳洞の洞窟──。

 

しかし、やはりトムのこの驚くべき楽しい物語を、ぜんぶ紹介してしまうのはよくないなと思うので、ここでいったん終わりにしておこうと思います。

 

最後の記事が、やっぱりトム♡ベッキーの紹介になってしまったのが、残念というか、さもありなんというか……。

 

ここまで紹介して、読んでみてもらえた人ならばわかると思うのですが、もうやめることなんて出来ません。

 

読み出して、最後まで突っ走るしかないのです。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

トム・ソーヤーの冒険
マーク トウェイン (著), 柴田 元幸 (翻訳)

ポリー伯母さんに塀塗りを言いつけられたわんぱく小僧のトム・ソーヤー。転んでもタダでは起きぬ彼のこと、いかにも意味ありげに塀を塗ってみせれば皆がぼくにもやらせてとやってきて、林檎も凧もせしめてしまう。海賊ごっこに幽霊屋敷探検の日々を送る中、ある夜親友のハックと墓場に忍び込んだら……殺人事件を目撃! 永遠の少年時代がいきいきと描かれた名作を名翻訳家が新訳。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

トム・ソーヤーの冒険
マーク トウェイン (著), T.W.ウィリアムズ  (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

ミシシッピ川沿いの小さな村を舞台に,わんぱくな少年トムが浮浪児ハックを相棒に大活躍するゆかいな冒険物語.因習にとらわれがちな大人たちの思惑をよそに,自然の中で自由にのびのびと生きる子どもたちを描く少年文学の名作.

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

トム・ソーヤーの冒険 (角川つばさ文庫)
マーク・トウェイン (著), ちーこ (イラスト), 中井 はるの (その他)

いつもはちゃめちゃなトムは、宿なしハックを相棒に、毎日いたずらざんまい。そんなある日、真夜中の墓場で事件を目撃してしまって!? 世界中があこがれた、冒険と小さな恋の名作が、つばさ文庫に登場!

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

トム・ソーヤの冒険 宝さがしに出発だ! (集英社みらい文庫)
マーク・トウェイン (原著), 亀井 俊介 (翻訳), ミギー (イラスト)

トムと胸のすく冒険の旅に出よう!いたずらをしたり、海賊になったり、宝探しをしたり……世界一のわんぱく少年トム・ソーヤが、親友のハックとともに冒険をくりひろげる。ワクワクがとまらない、トムの青春物語。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

トム・ソーヤーの冒険 (新装版) (講談社青い鳥文庫)
マーク・トウェーン (著), にし けいこ (著), 飯島 淳秀 (翻訳)

19世紀のアメリカの田舎町、セント・ピーターズバークを舞台に、わんぱく少年トムは所せましと、いたずらをして、みんなを困らせます。その毎日は冒険でいっぱい。 あるときは、家出をして、ジャクソン島でキャンプをして、あげくのはてに、自分たちの葬式に帰ってきたり、またあるときは、夜中の墓場にしのびこみ、殺人現場を目撃したり……。そして最後には、仲間のハックといっしょに洞窟で財宝を発見!

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ハックルベリー・フィンの冒けん
マーク・トウェイン (著), 柴田 元幸 (翻訳)

今まで知らなかったハックがここにいる。原書オリジナル・イラスト174点収録。柴田元幸がいちばん訳したかったあの名作、ついに翻訳刊行。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「プロジェクト・グーテンベルク」
http://www.gutenberg.org/ebooks/author/492

 

プロジェクト・グーテンベルクについて
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プロジェクト・グーテンベルク(Project Gutenberg、略称PG)は、著者の死後一定期間が経過し、(アメリ著作権法下で)著作権の切れた名作などの全文を電子化して、インターネット上で公開するという計画。1971年創始であり、最も歴史ある電子図書館

 

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大人が読む児童書「トム・ソーヤーの冒険」 4 冒険とあらし、その文章表現のすばらしさ

今日、ご紹介するのは児童書です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

トム・ソーヤーの冒険
マーク トウェイン (著), T.W.ウィリアムズ  (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

ミシシッピ川沿いの小さな村を舞台に,わんぱくな少年トムが浮浪児ハックを相棒に大活躍するゆかいな冒険物語.因習にとらわれがちな大人たちの思惑をよそに,自然の中で自由にのびのびと生きる子どもたちを描く少年文学の名作.

 

 

 

 

「トム・ソーヤーの冒険」を、初心に帰って読んでみようかなあという話
2 自分の子じゃない子供を育てるということ
3 関わるとろくなことが起きない。いぬやねこの受難。

 

 

現在、「第十三章 海賊団の出帆」になります。

 

トムは、親友のジョー・ハーパー、ハックルベリー・フィンと一緒に家出をしてミシシッピ川の中州のようになっている島に行くことになりました。

 

世をはかなんだトムですが、この原因になったのは、「恐ろしい犯罪を墓地で目撃したことを、黙っているという呵責」による鬱です。

 

しかし、同じぐらいトムのダウナーな気分に拍車をかけたのは、何とベッキーでした。

 

愛してる愛してないとか元カノがいたとかいないとかの騒ぎはまだ尾を引いていたのです。

 

トムは、自分が一番貴重で価値があると思っている宝物をあげたのですけど、突っ返されてしまいました。

 

それも、机の上に包んで置いてあるという返品扱いです。
この宝物とは、「炉の道具の頭についている丸い、しんちゅうのつまみ」だそうです。

 

十歳ってほんとうに石ころのようなものを宝物にしますよね。

 

これだけではなく、まだベッキーをあきらめられなかったトムは、とんぼ返りとか逆立ちとか、挙句の果てにベッキーすれすれに走り回るという行動に出るのですが
ベッキー「だれかさんてば、見せびらかして、あれで自分じゃすてきだと思っているんだわ。」

 

これがトムにとどめをさしてしまったのでした……。

 

 

親友のジョーの世をはかなんだ理由も語られます。
家出の冒険そのものが楽しいのはわかっているので、今注目するのはこういう箇所です。

 

ジョーは、お母さんにクリームをなめたという罪で責められ、むちで叩かれたらしいのですが、これが何と冤罪だったのです。

 

かれは、クリームなんて、なめたおぼえもなければ、そんなものがあることさえ知らなかったのだ。きっと、おかあさんは、ジョーがきらいになって、どこかへ行ってしまえばいいと思っているのだ。

 

かわいそうに(*^-^*)
子どもあるあるの悩みですね。

 

きっと、その何十倍も怒られてもたりないほどのいたずらや悪さをずっと繰り返してきていたのでしょうね(*^-^*)
たったひとつの冤罪に、鬼の首を取ったように無実を主張しまくるのですよね。

 

ですが、何十万の罪と、一つの冤罪とでは、これはまた別問題でもあるでしょうから、とにかくここで三人はぼうけん☆に出発しました。

 

南海の復讐鬼、トム・ソーヤ
兇状持ちのハック・フィン
海のかみなり、ジョー・ハーパー

 

最初に、復讐鬼と打とうとして、「服臭気」と変換されたのですが、前回のエピソードを見る限り、あながち間違いでもないような気がします。

 

 

ここのぼうけん☆の表現があまりにも面白く、楽しいので、これまでベッキーとの恋のかけひきにうんざりしていた妹子、すっかり夢中になりました。

 

最初に抜け出してから島でキャンプして、朝の目覚めの美しいこと!

 

川で水浴びをして、火をおこし、ベーコンと、釣った魚との朝食です。
(トムはハム、ジョーはベーコンの巨大なかたまりを持ってきました)

 

マーク・トウェイン氏によれば、淡水魚はとりたてを料理すればするほど風味がよく、戸外で眠り運動をすること、おなかがすくことがどれほど料理をおいしく感じさせるか、という風に書いておられます。

 

ああー、キャンプ行きたいな~。

 

 

このあたりの流れとしては、

 

・家出をして、キャンプする。
・町の人々が大騒ぎをして、三人を川ざらいして探しているのを島から見る。
・家を偵察して、みなが悲しんでいるところを見る。
・あらしに会う
・自分たちのお葬式の日に帰ることに決める(生きていた演出を最大限にするため)

 

という感じなのですが、家を偵察したときに、おばさんがトムのねこにたいするいたずらを引き合いに出して、泣き崩れてしまったところは、わたしがほろりときてしまいました。

 

ベッキーも、こんなことになるなら、あんなに冷たくするんじゃなかったと後悔しています。
あんなに意地悪するんじゃなかった。あの「しんちゅうのつまみ」を突き返すんじゃなかった。思い出になるようなものが何もない…と考えています。

 

 

ここで、「あらしにあう」と書いてあるところなのですが、妹子はここにすっかり魅了されてしまいました。

 

妹子「なんてすばらしい表現なんだろう…」
わたし「それはよかった」
妹子「聞いて!すごいんだよ!」

 

たえまなく天をこがす光りの下、すべてのものは、あざやかに、影もないほどにはっきりと、照らしだされた──風にしなう木、白くあわだって、もりあがる川、とびちるしぶき。とぶ雲のわれめと、機なぐりの雨をすかして見える、川向こうの高いがけのぼんやりとしたりんかく。大木は、つぎつぎに、このたたかいにやぶれ、地ひびきをたてて、若木の上へたおれていく。
訳:吉田甲子太郎

Under the ceaseless conflagration of lightning that flamed in the skies, everything below stood out in cleancut and shadowless distinctness: the bending trees, the billowy river, white with foam, the driving spray of spumeflakes, the dim outlines of the high bluffs on the other side, glimpsed through the drifting cloudrack and the slanting veil of rain. Every little while some giant tree yielded the fight and fell crashing through the younger growth;

 

妹子「しかもこれ字なんだよ!?絵じゃないの!」
わたし「そうだよねえ!すばらしいね」

 

こんな風に、文章で表現する、というすばらしさへの体験となってくれればいいなあ♡
……と思ったのですが、それだけでは終わりませんでした。

 

皆を驚かせるため、最大限のイベントにするために、自分たちのお葬式の最中にもどっていった三人。

 

このあとに、ベッキーとの恋のかけひき・ラウンド2がふたたびです。

 

妹子「(# ゚Д゚)」

 

 

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 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

トム・ソーヤーの冒険
マーク トウェイン (著), 柴田 元幸 (翻訳)

ポリー伯母さんに塀塗りを言いつけられたわんぱく小僧のトム・ソーヤー。転んでもタダでは起きぬ彼のこと、いかにも意味ありげに塀を塗ってみせれば皆がぼくにもやらせてとやってきて、林檎も凧もせしめてしまう。海賊ごっこに幽霊屋敷探検の日々を送る中、ある夜親友のハックと墓場に忍び込んだら……殺人事件を目撃! 永遠の少年時代がいきいきと描かれた名作を名翻訳家が新訳。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

トム・ソーヤーの冒険
マーク トウェイン (著), T.W.ウィリアムズ  (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

ミシシッピ川沿いの小さな村を舞台に,わんぱくな少年トムが浮浪児ハックを相棒に大活躍するゆかいな冒険物語.因習にとらわれがちな大人たちの思惑をよそに,自然の中で自由にのびのびと生きる子どもたちを描く少年文学の名作.

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

トム・ソーヤーの冒険 (角川つばさ文庫)
マーク・トウェイン (著), ちーこ (イラスト), 中井 はるの (その他)

いつもはちゃめちゃなトムは、宿なしハックを相棒に、毎日いたずらざんまい。そんなある日、真夜中の墓場で事件を目撃してしまって!? 世界中があこがれた、冒険と小さな恋の名作が、つばさ文庫に登場!

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

トム・ソーヤの冒険 宝さがしに出発だ! (集英社みらい文庫)
マーク・トウェイン (原著), 亀井 俊介 (翻訳), ミギー (イラスト)

トムと胸のすく冒険の旅に出よう!いたずらをしたり、海賊になったり、宝探しをしたり……世界一のわんぱく少年トム・ソーヤが、親友のハックとともに冒険をくりひろげる。ワクワクがとまらない、トムの青春物語。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

トム・ソーヤーの冒険 (新装版) (講談社青い鳥文庫)
マーク・トウェーン (著), にし けいこ (著), 飯島 淳秀 (翻訳)

19世紀のアメリカの田舎町、セント・ピーターズバークを舞台に、わんぱく少年トムは所せましと、いたずらをして、みんなを困らせます。その毎日は冒険でいっぱい。 あるときは、家出をして、ジャクソン島でキャンプをして、あげくのはてに、自分たちの葬式に帰ってきたり、またあるときは、夜中の墓場にしのびこみ、殺人現場を目撃したり……。そして最後には、仲間のハックといっしょに洞窟で財宝を発見!

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ハックルベリー・フィンの冒けん
マーク・トウェイン (著), 柴田 元幸 (翻訳)

今まで知らなかったハックがここにいる。原書オリジナル・イラスト174点収録。柴田元幸がいちばん訳したかったあの名作、ついに翻訳刊行。

 

 

 

公開されている「トム・ソーヤ」英語原文です。

www.gutenberg.org

 

 

 

 

「プロジェクト・グーテンベルク」
http://www.gutenberg.org/ebooks/author/492

 

プロジェクト・グーテンベルクについて
Wikiの説明ページ

プロジェクト・グーテンベルク(Project Gutenberg、略称PG)は、著者の死後一定期間が経過し、(アメリ著作権法下で)著作権の切れた名作などの全文を電子化して、インターネット上で公開するという計画。1971年創始であり、最も歴史ある電子図書館

 

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大人が読む児童書「トム・ソーヤーの冒険」 3 関わるとろくなことが起きない。いぬやねこの受難。

今日、ご紹介するのは児童書です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

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今日の一冊

 

トム・ソーヤーの冒険
マーク トウェイン (著), T.W.ウィリアムズ  (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

ミシシッピ川沿いの小さな村を舞台に,わんぱくな少年トムが浮浪児ハックを相棒に大活躍するゆかいな冒険物語.因習にとらわれがちな大人たちの思惑をよそに,自然の中で自由にのびのびと生きる子どもたちを描く少年文学の名作.

 

 

 

「トム・ソーヤーの冒険」を、初心に帰って読んでみようかなあという話

2 自分の子じゃない子供を育てるということ

 

さてトムは、「夢中で愛していると思っていた」エイミー・ローレンスを棄てて、ベッキーに鞍替えしてしまうわけですが、ここは別記事で説明したので省くとして、細かい所で、子どものあるある描写が続きます。

 

ちょっとおばさんが冷たくしただけで、スネまくり、今すぐ病気で死にかけたらおばさんは後悔して謝るだろうかと考えたり(あるある~~!!)

 

月曜日の学校がイヤで、体じゅう痛い所がないか調べてみて、病気のふりをしてみる。(あるある!!)

 

トムが顔を洗う所が傑作です。

 

まるでお面みたいで、きれいになっているのは、あごのところまでだった。それから下は、水をそそがぬ暗黒地帯のひろがりで、これが前のほうはずっと下まで、うしろのほうは首のまわりまでつづいている。

 

どんだけきたないんだ~!!

 

 

ベッキーにアピールするためのカード事件が終わった後で、牧師さんのお説教に入るのですが、これは、子どもたちにとっては「校長先生のお話☆」だなあ。

 

牧師は、聖書を取りあげ、ある題目について、つまらないお説教を始めたが、なんとも、だらだらしているので、あちらでもこちらでも、舟をこぎだす頭の数が多かった──

 

そのまんまです。

 

つまらなくなったトムは、どこから出してきたやら、箱に入れてあったかぶと虫で遊びはじめます。
「かみつき虫」という名前のとおり、このかぶと虫は出されるなりいきなりトムの指にかみついたので、ふりはなして虫は通路に飛んで行ってしまいました。

 

ここだけでも笑えます。

 

みな、(つまらないので)この虫に注目するのですが、「そこへ一匹のむく犬が、ぶらぶらやってきた」

 

いやな予感しかしない。

 

犬はそのかぶと虫の上に座り込んでしまいます。

 

とたんに、けたたましい悲鳴をあげて、むく犬は通路をかけだした。悲鳴はつづき、犬は走りつづけた。犬は、祭壇の前でまがり、べつの通路を、こんどは入口のほうへ向かって走った。

 

妹子も読んでもらった子たちも、みんな涙が出るほど笑った箇所です。

 

やがて、犬は、ただ一団の毛がはえた彗星となって、光りかがやき、まっしぐらに、その軌道を走りまわっていた。

 

妹子「この表現すごくない!?彗星となってだよ!?どんだけ走ってんの!どうやってこんな表現思いつくの?」
わたし「ひたすら犬がかわいそうだけど笑えてしまう。痛かっただろうね~」
妹子「彗星って……」

 

 

このあたりはベッキーを口説くやりとりが多いです。
犬が暴れたのも、日曜学校でベッキーにアピールしたあとでしたし、学校ではベッキー愛してるとか愛してないとか、エイミーの方を愛してるとか愛してないとか、キスしたとかしないとか、嫉妬とか涙とか、そういう話です。

 

妹子はすっかり呆れて、ここでいったん投げ出してしまいました。

 

妹子「こいつら一体何をしてんの?むちで叩かれるって書いてるけど、叩いていいと思うわ!そもそもベッキーもなんでこんなにすぐなびくの?ガムをかわりばんこに噛むって汚くない!?」

 

10歳のリア充生活はすっかりトムに対する印象を悪くしてしまいました。
しかし、それこそ!
それこそわかってほしかった所なので!
私はすごく満足しました。

 

いやいや、そうだよねー。こいつ何なの?って思うよね!

 

しかし、いったんベッキーと仲たがいをしてからがおもしろいので、そこも読んでもらわないと困ります。

 

ちゃおの漫画のように、これからもああだこうだとベッキーとの駆け引きが続くのだと思って腐っている妹子をなだめすかして、続きを読んでもらいました。

 

トムは、ベッキーがどうして怒っているのかさっぱりわかりません。

前カノがいたにしても、そっちは捨ててそっぽを向いて全力でベッキーに心を傾けているわけなのだから、何が悪いのかわからないというのです。

 

「世界じゅうでいちばんいいことをしてやったのに、ひどい扱いを受けた」とか書いてあって、また妹子が投げ飛ばしそうになりました。

 

ついにトムは、愛を棄てて、名誉の世界に生きることにしました。
軍人になって、英雄になるのだ!ということらしいです。

 

 

愛をあきらめて、友達と賑やかに英雄ごっこロビン・フッドでした)をして遊んだあとに、ハックルベリー・フィンと夜中の墓地に行く冒険がはじまります。

 

この、スパッと忘れて友達とゆかいに遊んだりするところがまた、微妙にムカつきます。

 

彼女と喧嘩した男性が、気晴らしに飲みに出かけてるようなイメージです。

 

しかし、この後にはとんでもなくろくでもない、大事件が待っていたのでした…。

 

夜中の墓地に行くのは、肝試しをするのではなくて(多少はその意図もあるでしょうが)、しんだねこを持って行き、いぼを取ってもらおうということのようです。

 

「悪魔は死がいについて行く。ねこは悪魔について行く。いぼはねこめについて行く。これでおしまい、縁切りだ!」

 

この墓地で、ハックルベリー・フィンとトム・ソーヤとは、殺人事件を目の当たりにしてしまうことになります。

 

死体を墓地まで持ってきた、医者のロビンソンさん、アル中のマフ・ポッター、そして、白人とインディアンの混血のインジャン・ジョーです。

 

殺されたのは医者のロビンソンさん。
インジャン・ジョーの逆恨みです。ずいぶん前に、冷たくされ、浮浪罪で牢屋に入れられたことがあるからとのことでした。
アル中でちょうど気絶していたマフ・ポッターに、罪がなすりつけられ、彼は逮捕されてしまいます。

 

このインジャン・ジョー、かつての名作アニメ版では「インディアン・ジョー」だったらしいのですが、だんなはこのジョーのことを、ガンバの冒険ノロイと同じぐらい、幼少期のトラウマとしておそれていました。

 

何やら、夢に出るぐらい怖かったらしいです。

 

この恐ろしい体験ですが、ずいぶんあとまで引っ張ります!
マフ・ポッターが冤罪で逮捕されてしまうのですが、牢屋に入ったまま、ずっと放置です。

 

トムはハックと、このことを誰にも話さないという誓いを立てるのですが、しばらく夜には夢でうなされます。

 

しかし、子供の適応力の速さよ…。
元気な少年がいつまでも、苦しめられたりはしていません。
これがまたリアルです。

 

もちろん、心のどこかには残っているのですが、日常生活とさまざま、思いつく遊びですぐに押し出されてしまうのです。

 

この陰鬱な気分を吹き払ってくれたのは、ねこです!

 

トムが陰鬱になって何かに苦しめられていることを心配したおばさん、変な鎮痛剤を処方してトムに飲ませるのですが、これがまた味が最悪だった(らしい)ので、トムは「床板の割れ目に治療をほどこして」いました。
(こっそり捨てていたんですね)

 

そこにねこがやってきて、いかにもほしくてたまらないような、ちょっとなめさせて欲しいようなしぐさをします。

 

もはや恒例。嫌な予感しかしない。


トムは一応、やめとけよと忠告するのですが、ねこがねだるので、口に流し込んでやります…。

 

ピーター(ねこ)は、二ヤードばかり空中にとびあがった。ときの声をあげ、部屋じゅうぐるぐるかけまわった。(略)部屋の中を、ものすごい、いきおいで走り回り、めちゃめちゃにひっかきまわし、あたるをさいわい、みなぶちこわした。ポリーおばさんがかけこんできたときは、つづけざまに、とんぼがえりをうち、さいごのばんざいを叫んで、あいていた窓から、まだ、残っていた植木鉢を足にひっかけて、とびだして行くところだった。

 

ね、ね、ねこ…!
かわいそうに…!!

 

いぬもねこも、とんでもない目にあってます。

かぶと虫に噛まれたいぬといい、死んだねこといい、いぬねこの扱いがひどいです。

でも笑ってしまいます!!

 

しかしおばさん、心から反省しました。
ねこにひどいことは、子どもにだってひどいことだったのだとわかったのでした。

 

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トム・ソーヤーの冒険
マーク トウェイン (著), 柴田 元幸 (翻訳)

ポリー伯母さんに塀塗りを言いつけられたわんぱく小僧のトム・ソーヤー。転んでもタダでは起きぬ彼のこと、いかにも意味ありげに塀を塗ってみせれば皆がぼくにもやらせてとやってきて、林檎も凧もせしめてしまう。海賊ごっこに幽霊屋敷探検の日々を送る中、ある夜親友のハックと墓場に忍び込んだら……殺人事件を目撃! 永遠の少年時代がいきいきと描かれた名作を名翻訳家が新訳。

 

 

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トム・ソーヤーの冒険
マーク トウェイン (著), T.W.ウィリアムズ  (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

ミシシッピ川沿いの小さな村を舞台に,わんぱくな少年トムが浮浪児ハックを相棒に大活躍するゆかいな冒険物語.因習にとらわれがちな大人たちの思惑をよそに,自然の中で自由にのびのびと生きる子どもたちを描く少年文学の名作.

 

 

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トム・ソーヤーの冒険 (角川つばさ文庫)
マーク・トウェイン (著), ちーこ (イラスト), 中井 はるの (その他)

いつもはちゃめちゃなトムは、宿なしハックを相棒に、毎日いたずらざんまい。そんなある日、真夜中の墓場で事件を目撃してしまって!? 世界中があこがれた、冒険と小さな恋の名作が、つばさ文庫に登場!

 

 

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トム・ソーヤの冒険 宝さがしに出発だ! (集英社みらい文庫)
マーク・トウェイン (原著), 亀井 俊介 (翻訳), ミギー (イラスト)

トムと胸のすく冒険の旅に出よう!いたずらをしたり、海賊になったり、宝探しをしたり……世界一のわんぱく少年トム・ソーヤが、親友のハックとともに冒険をくりひろげる。ワクワクがとまらない、トムの青春物語。

 

 

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トム・ソーヤーの冒険 (新装版) (講談社青い鳥文庫)
マーク・トウェーン (著), にし けいこ (著), 飯島 淳秀 (翻訳)

19世紀のアメリカの田舎町、セント・ピーターズバークを舞台に、わんぱく少年トムは所せましと、いたずらをして、みんなを困らせます。その毎日は冒険でいっぱい。 あるときは、家出をして、ジャクソン島でキャンプをして、あげくのはてに、自分たちの葬式に帰ってきたり、またあるときは、夜中の墓場にしのびこみ、殺人現場を目撃したり……。そして最後には、仲間のハックといっしょに洞窟で財宝を発見!

 

 

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ハックルベリー・フィンの冒けん
マーク・トウェイン (著), 柴田 元幸 (翻訳)

今まで知らなかったハックがここにいる。原書オリジナル・イラスト174点収録。柴田元幸がいちばん訳したかったあの名作、ついに翻訳刊行。

 

 

公開されている「トム・ソーヤ」英語原文です。

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大人が読む児童書「トム・ソーヤーの冒険」 2 自分の子じゃない子供を育てるということ

 

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トム・ソーヤーの冒険
マーク トウェイン (著), T.W.ウィリアムズ  (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

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「トム・ソーヤーの冒険」を、初心に帰って読んでみようかなあという話

 

このお話は、おばさんがトムの名前を連呼する所から始まります。
そこから、転じて家庭環境がまず大まかに説明されます。

 

というわけで、トムの家庭環境の基本をご紹介します。

 

トムを育てているポリーおばさんは、未亡人(多分)で、エイミーという娘がひとりいます。
もう老眼鏡が必要なぐらいの老婦人に描かれているのですけど、このトムのいとこになるエイミーは、まだ結婚してはいませんがかなりおねえさんです。

 

おばさんは、死んだ妹の子供、甥っ子のトムとシッドを育てています。
妹が亡くなり、何らかの理由でお父さんも亡くなっていると推察されます。

 

両親への言及はまったくありません。
トムどころか、シッドもですが、親がすでにいないことに対して何の違和感もなく、ゆかいに元気に暮らしています

 

全編を通して、おじさんの影も形もありませんから、これはおそらくポリーおばさんの夫も早くに亡くなり、おばさんは女手ひとつで十歳のトムとその弟のシッド、それなりに大きくなった娘と、三名を育てているようです。

 

無茶苦茶大変そうだなあ。

 

改めて読むと、弟のシッドは片親が違うようなのです。
ここに、異様に二人の心の距離があるわけがあるのでしょうか。
片親が違うというのが、どちらの親が違うのか書かれていないのでわかりません。

 

 

 

子供あるある。
呼んでも呼んでも返事をしない。

 

ポリーおばさんの独白で、おばさんはこのいたずらっ子のトムがかわいくて仕方なく、誤魔化しで笑わせられてしまうと怒れないが、甘やかすことは本人のためにも自分のためにもよくないと考えていることが語られます。

 

不思議なことに、子供のときはこのポリーおばさんのことを、超絶ウザい鬼ばばあぐらいに思っていたのですよね。
厳しすぎるし、もっと自由にさせて優しくしてあげればいいのにと。

これが大人になってしまったということなのか。

 

実際、トムもおばさんが自分を可愛いと思っていることを十分にわかっていて、若干図に乗っている様子があります。
おばさんは甘いぐらいですし、よくやってます。

 

改めて読むと、トムがこのおばさんの愛情いっぱいに受けてまっすぐ育っていることがわかります。

 

罰を与えるのも、怒るのも、本当に我が子同様、それ以上に親身になり、愛情をもって接しているからなのだとわかります。

 

ここがわかっただけでも、読み返してよかったような気分になってきました。

(はやい)

 

 

いい文章が出てきました。

 

トムは、おばさんに怒られてもケロリとすべて忘れてしまいますが、その部分がこんな風に書かれています。

 

それは、おとなの心配がおとなにおよぼす重苦しさやはげしさよりも、軽くちっぽけな負担だったからじゃない。 新しくて力強い興味が、そんなものをうち負かして、しばらくのあいだ、心の重荷をふるい落としてしまったからだ──

 

子供の悩みが大人の悩みに比べて軽いかどうかは、その物事が客観的に見て重いかどうかは関係ないのですよね。
子どもの悩みを聞いてみると、なーんだそんなことか、と思いがちですが、これは忘れないようにしたいと思いました。

 

・ジャムを盗み食いして、おばさんをごまかして逃げ出す。
・学校をサボって泳ぎに行き、シッドの告げ口でバレる。
・逃げ出した先で会った、新参者の少年にガンをつけて口争いから殴り合いの喧嘩に持ち込み、勝利する。

 

この喧嘩をするときの描写は、フーフー言い合った挙句、突然取っ組み合うねこそっくりです。
そして、「ああ!?」「おお!?」「何ガンくれとんじゃ、おら」という不良の言い合いにもそっくりです。

 

これはたぶん、全世界共通だった。

 

3、4ページも使って描写される、会話の掛け合い(ねこたちが毛を逆立ててナ~オ、ナ~オと言い合ってる部分に相当する)の間に、この二人の少年がお互いに

でっかい兄きに云い付ける
ぼくの兄きのほうがずっとでっかい

と言い合う場面が出て来るのですが、ここで作者の注が入り

(ふたりの兄は、どちらも架空の人物だった)

と書いてあるのが面白くていつも好きでした。

 

トムがこの少年にガンくれて喧嘩にもちこんだのは、相手の少年がこの村で見たことがない顔、つまり新参者だったことと、その服装が妙にぱりっとして「都会的」であり、ちょっと垢ぬけていたからというのが理由でした。

 

喧嘩に勝利したあと、後ろから石を投げられてカウンターをくらい、家まで追いかけるのですが、ついに親が出てきて怒られるという…。

 

背中からの石と、親に頼むという卑怯さによって、かろうじて引き分けに持ち込んだ状態の相手の少年です。

 

 

この喧嘩のあとは、罰としての「へいぬり」に入りました。
塀のペンキの塗り替えです。

 

ここはトム・ソーヤというお話の中では非常に有名な部分で、どんな抄訳でも改変されたアニメでも、絶対に入ってくる部分です。
塀のペンキをやりたくないがために、わざとすごく楽しんでやっているように見せかけ、友達たちの注意を引いて、代わりにやらせるという部分です。

 

このときの、トムが仕掛ける心理的駆け引きがみごとです。
首尾よくひっかかった友達が「ちょっとやらせてみて?」という所ですぐにホイホイ手渡したりせず、「いやいや、これは他人にはとてもやらせられないから」と引っ張ります。

 

値切りの駆け引きみたいです。
結果、トムは人にやらせるだけでなく、報酬まで獲得するという、まさに「寒い地域の人に冷蔵庫を売る」じゃないですけど、これに匹敵するようなビジネスマンのお手本のような行動です。

 

ここで、トムの家で使われている奴隷の黒人少年ジムが出てきます。
読んでもらえればわかりますが、本当にただの友達と何ら変わりのない扱いです。
「何らかの理由で雇われている下働きの男の子」という感じです。

 

おそらく、原書で読めば話し方や状況から、すぐに奴隷の黒人少年とわかるのでしょうが、こちらはそういう文化に馴染みがなく、肌の色も見えませんから、こちらは忘れてしまいます。

ほかの友達と区別がつきません。

 

 

妹子「ついにやるんだ」
わたし「そう」

 

「ついに」って何だよ…。

 

普通に読んでいたらとんでもなく長くなりそうなのと、トムの機転に満ちたいたずらを全部列挙していると、とんでもない悪ガキにしか見えてこないので、とても印象に残った部分だけを書いていきたいと思います。

 

(読んでいると、子供の気持ちに帰って、子供目線からだとすごい、天才!とだんだん尊敬する気分になってくるのですが)

 

読んでいると、マーク・トウェインの文章のうまさに驚かされます。
それともこれは、翻訳がすばらしいのでしょうか?

 

土曜日の朝がきた。夏げしきは、どこもかしこも、明るく、新鮮で、いきいきとした気分にみたされていた。だれの心にも、歌がわいた。そして、その心が若ければ、その音楽が、くちびるからほとばしり出た。
訳:吉田甲子太郎

SATURDAY morning was come, and all the summer world was bright and fresh, and brimming with life. There was a song in every heart; and if the heart was young the music issued at the lips.

 

なんて読んでいる間に、トムが「ドーナッツをひとつ、失敬した」と書かれているのですが、わたしもドーナツが食べたくなってしまいました。

 

この「失敬した」っていう言い方、ずいぶん久しぶりに読んだような気がしますが、わたしはこの言まわしが何だかちょっとユーモラスで楽しくて、好きでした。
よい思い出です。

 

 

whichbook.hatenablog.com

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

トム・ソーヤーの冒険
マーク トウェイン (著),  柴田 元幸 (翻訳)

ポリー伯母さんに塀塗りを言いつけられたわんぱく小僧のトム・ソーヤー。転んでもタダでは起きぬ彼のこと、いかにも意味ありげに塀を塗ってみせれば皆がぼくにもやらせてとやってきて、林檎も凧もせしめてしまう。海賊ごっこに幽霊屋敷探検の日々を送る中、ある夜親友のハックと墓場に忍び込んだら……殺人事件を目撃! 永遠の少年時代がいきいきと描かれた名作を名翻訳家が新訳。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

トム・ソーヤーの冒険
マーク トウェイン (著), T.W.ウィリアムズ  (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

ミシシッピ川沿いの小さな村を舞台に,わんぱくな少年トムが浮浪児ハックを相棒に大活躍するゆかいな冒険物語.因習にとらわれがちな大人たちの思惑をよそに,自然の中で自由にのびのびと生きる子どもたちを描く少年文学の名作.

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

トム・ソーヤーの冒険 (角川つばさ文庫)
マーク・トウェイン (著), ちーこ (イラスト), 中井 はるの (その他)

いつもはちゃめちゃなトムは、宿なしハックを相棒に、毎日いたずらざんまい。そんなある日、真夜中の墓場で事件を目撃してしまって!? 世界中があこがれた、冒険と小さな恋の名作が、つばさ文庫に登場!

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

トム・ソーヤの冒険 宝さがしに出発だ! (集英社みらい文庫)
マーク・トウェイン (原著), 亀井 俊介 (翻訳), ミギー (イラスト)

トムと胸のすく冒険の旅に出よう!いたずらをしたり、海賊になったり、宝探しをしたり……世界一のわんぱく少年トム・ソーヤが、親友のハックとともに冒険をくりひろげる。ワクワクがとまらない、トムの青春物語。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

トム・ソーヤーの冒険 (新装版) (講談社青い鳥文庫)
マーク・トウェーン (著), にし けいこ (著), 飯島 淳秀 (翻訳)

19世紀のアメリカの田舎町、セント・ピーターズバークを舞台に、わんぱく少年トムは所せましと、いたずらをして、みんなを困らせます。その毎日は冒険でいっぱい。 あるときは、家出をして、ジャクソン島でキャンプをして、あげくのはてに、自分たちの葬式に帰ってきたり、またあるときは、夜中の墓場にしのびこみ、殺人現場を目撃したり……。そして最後には、仲間のハックといっしょに洞窟で財宝を発見!

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ハックルベリー・フィンの冒けん
マーク・トウェイン (著), 柴田 元幸 (翻訳)

今まで知らなかったハックがここにいる。原書オリジナル・イラスト174点収録。柴田元幸がいちばん訳したかったあの名作、ついに翻訳刊行。

 

 

公開されている「トム・ソーヤ」英語原文です。

www.gutenberg.org

 

「プロジェクト・グーテンベルク」
http://www.gutenberg.org/ebooks/author/492

 

プロジェクト・グーテンベルクについて
Wikiの説明ページ

プロジェクト・グーテンベルク(Project Gutenberg、略称PG)は、著者の死後一定期間が経過し、(アメリ著作権法下で)著作権の切れた名作などの全文を電子化して、インターネット上で公開するという計画。1971年創始であり、最も歴史ある電子図書館

 

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大人が読む児童書 「トム・ソーヤーの冒険」を、初心に帰って読んでみようかなあという話

今日、ご紹介するのは児童書です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

トム・ソーヤーの冒険
マーク トウェイン (著), T.W.ウィリアムズ  (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

ミシシッピ川沿いの小さな村を舞台に,わんぱくな少年トムが浮浪児ハックを相棒に大活躍するゆかいな冒険物語.因習にとらわれがちな大人たちの思惑をよそに,自然の中で自由にのびのびと生きる子どもたちを描く少年文学の名作.

 

 

 

 

初心に帰って、ここで幼少期のわたしを夢中にさせた「トム・ソーヤ」を再読してみたいと思います。

 

以前から、トム・ソーヤのトムについて、いかにゲス男であるかを力説してきたのですが、もう一度頭からきちんと読み返してみたいと思いました。

 

whichbook.hatenablog.com

 

whichbook.hatenablog.com

 

再読するのは、こちらの少年少女文学全集の、吉田甲子太郎訳 版です。

 

何せ古いので、昭和29年発行。
1954年です。
前年には、朝鮮戦争終結を見、ビキニ環礁の水爆実験で第五福竜丸被爆ゴジラが公開され、マリリン・モンローが来日したという年です。

 

この少年少女文学全集は、あのノーベル文学賞作家川端康成大先生の肝いりで監修しているという、優れモノです。

 

これまで言及してきた記事です。

 

note.com

 

note.com

 

少年少女文学全集の児童書をもとに書いた記事です。

 

whichbook.hatenablog.com

 

whichbook.hatenablog.com

 

whichbook.hatenablog.com

 

これらの記事では、けっこう頻繁に引用をしていますが、もう50年をすぎ、絶版になっているので図書館でしか見ることはできません。
が、あまりにも古いので図書館からも姿を消しつつあるはずです。

 

いつか全部デジタル化して、発行元の創元社さんにお願いし、青空文庫で公開してもらうことが自分の夢です。

 

 

さて、このバージョンでのトム・ソーヤー。

 

妹子も発狂したり熱狂したり、なご助も無言ですがすらすらと最後まで読み進めてくれたこのトムを、序盤から丁寧に読んでみたいと思います。

 

何せ古いので(二回目)、作者の名前は「マーク・ツウェーン」です。

 

ただ丁寧なのもつまらないので、原書もひもといてみます。

 

グーテンベルクの英語テキスト。マーク・トウェインのページです。

Books by Twain, Mark (sorted by popularity) - Project Gutenberg

 

作者のページから、ダウンロード数を見ることができるのですが、ハックルベリー・フィンよりもわずかにダウンロード数が多いです。

 

f:id:WhichBook:20211015083805j:plain

 

最近、「トム・ソーヤ」は言及が少なくなって、「ハック・フィン」の方に押されがちだなと感じていました。

 

確かに「ハック・フィン」はすぐれていますが、トム・ソーヤも負けないぐらいですし、児童書としては、トムの方が絶対に子供が夢中になります。

 

インディアンや黒人差別表現のせいなんだと思うのですが、歴史的にその時代がそうであったことは現然たる事実なので、こんな名作を埋もれさせてしまうのは惜しいことだと思っています。

 

子どもの中に、刷り込みというか、イメージ固定を避けたいという意図が働いているのでしょう。
インディアンの血を引く人がいい気がしないだろう、という理由で名著を埋もれさせるなんて、おかしいです。

 

何よりも、この物語の悪役たちはあまりにも個性的なので、個人の問題だと子どもたちはわかってくれると思っています。

 

 

まえがきに、トムは作者が知っている三人の少年の性質をひとつにしたもの、とあります。

 

ゲスなトムがどの少年だったのか、それともほかの二人にも少なかれそういう傾向はあったのか、そのあたりを作者を問い詰めたい気分です。

 

さらに、いいことが書かれています。

 

この本は、主として、少年少女を喜ばせるために書かれた本です。しかし、だからといって、おとなの人たちが読んでくれなかったら、わたくしは残念だと思います。わたくしは、おとなの人たちにも、この本を読んで、自分が子どもだったときのことだの、そのじぶんには、どんなふうに感じたり、考えたり、話しあったりしたかということだの、また、どうかすると、自分たちがとんでもない冒険に夢中になったことだのを、楽しく思いだしてもらいたいというつもりもあって、この物語を書いたのです。
  ハートフォードにて、一八七六年 著者

 

トム・ソーヤはけっこう長大な大作で、何と35章もあります。

このもくじを読んでしまうと、ほぼ内容がわかってしまうのですが、昔の作品はネタバレもくそもなかったんだなと思う事がたまにあります。

(みつばちマーヤの目次もすごくネタバレでしたし…)

 

読み返しをやれるだけやってみたいと思います。

 

第一章 わんぱくトム
第二章 すばらしいへいぬり
第三章 愛の殉教者
第四章 日曜学校で
第五章かみつき虫
第六章 ベッキーにあう
第七章 だに遊びとなかたがい
第八章 海賊の夢
第九章 夜ふけの基地
第十章 犬の遠ぼえ
第十一章うなされるトム
第十二章 しろうと療法とねこ
第十三章 海賊団の出帆
第十四章 楽しいキャンプ
第十三章 わが家を偵察する。
第十六章 タバコとあらし
第十七章 自分の葬式
第十八章 夢のふしぎ
第十九章 愛情の値うち
第二十章 身がわりに立つ
第二十一章 天井からねこ
第二十二章 ハック・フィンも改宗
第二十三章 マフ・ポッター助かる
第二十四章 すばらしい昼、おそろしい夜
第二十五章 宝さがし
第二十六章 宝は、ほんもののどろぼうの手に
第二十七章 「第二号」をさがす
第二十八章 インジャン・ジョーの巣で
第二十九章 ハック、ダグラス夫人をすくう
第三十章 ほら穴に残されたトムとベッキー
第三十一章 暗やみの中で.
楽三十二章 「起きろ! 見つかったぞ!」
※三十三章 インジャン・ジョーの運命
第三十四章 金貸がざくざく
第三十五章 紳士のハック、山賊のなかまにはいる。

 

whichbook.hatenablog.com

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

トム・ソーヤーの冒険
マーク トウェイン (著), 柴田 元幸 (翻訳)

ポリー伯母さんに塀塗りを言いつけられたわんぱく小僧のトム・ソーヤー。転んでもタダでは起きぬ彼のこと、いかにも意味ありげに塀を塗ってみせれば皆がぼくにもやらせてとやってきて、林檎も凧もせしめてしまう。海賊ごっこに幽霊屋敷探検の日々を送る中、ある夜親友のハックと墓場に忍び込んだら……殺人事件を目撃! 永遠の少年時代がいきいきと描かれた名作を名翻訳家が新訳。

 

 

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トム・ソーヤーの冒険
マーク トウェイン (著), T.W.ウィリアムズ  (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

ミシシッピ川沿いの小さな村を舞台に,わんぱくな少年トムが浮浪児ハックを相棒に大活躍するゆかいな冒険物語.因習にとらわれがちな大人たちの思惑をよそに,自然の中で自由にのびのびと生きる子どもたちを描く少年文学の名作.

 

 

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トム・ソーヤーの冒険 (角川つばさ文庫)
マーク・トウェイン (著), ちーこ (イラスト), 中井 はるの (その他)

いつもはちゃめちゃなトムは、宿なしハックを相棒に、毎日いたずらざんまい。そんなある日、真夜中の墓場で事件を目撃してしまって!? 世界中があこがれた、冒険と小さな恋の名作が、つばさ文庫に登場!

 

 

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トム・ソーヤの冒険 宝さがしに出発だ! (集英社みらい文庫)
マーク・トウェイン (原著), 亀井 俊介 (翻訳), ミギー (イラスト)

トムと胸のすく冒険の旅に出よう!いたずらをしたり、海賊になったり、宝探しをしたり……世界一のわんぱく少年トム・ソーヤが、親友のハックとともに冒険をくりひろげる。ワクワクがとまらない、トムの青春物語。

 

 

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トム・ソーヤーの冒険 (新装版) (講談社青い鳥文庫)
マーク・トウェーン (著), にし けいこ (著), 飯島 淳秀 (翻訳)

19世紀のアメリカの田舎町、セント・ピーターズバークを舞台に、わんぱく少年トムは所せましと、いたずらをして、みんなを困らせます。その毎日は冒険でいっぱい。 あるときは、家出をして、ジャクソン島でキャンプをして、あげくのはてに、自分たちの葬式に帰ってきたり、またあるときは、夜中の墓場にしのびこみ、殺人現場を目撃したり……。そして最後には、仲間のハックといっしょに洞窟で財宝を発見!

 

 

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ハックルベリー・フィンの冒けん
マーク・トウェイン (著), 柴田 元幸 (翻訳)

今まで知らなかったハックがここにいる。原書オリジナル・イラスト174点収録。柴田元幸がいちばん訳したかったあの名作、ついに翻訳刊行。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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閑話 カイ・ニールセンの「太陽の東 月の西」 素敵な挿し絵の無料英語テキスト

閑話です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

太陽の東 月の西
アスビョルンセン (編集), 富山 妙子 (イラスト), 佐藤 俊彦 (翻訳)

山と森と湖の国ノルウェーに伝わる楽しい民話。トロルにさらわれたおひめさまを助けだす兵隊の活躍を描いた「青い山の三人のおひめさま」をはじめ、「北風をたずねていった男の子」「ちびのフリックとヴァイオリン」など18編。小学4・5年以上。

 

以前から、ときどきご紹介している、「プロジェクト・グーテンベルク」
版権の切れた古典作品を、世界中から集め、主に英語で無料公開しているサイトです。

 

ずっと以前に、
こいつは素敵だな!
と思って集めていた、イラストが素敵な、比較的簡単な英語のおとぎ話のページをご紹介します。

 

 

デンマークイラストレーター、カイ・ニールセンの幻想的な挿し絵で描かれた、おとぎ話集
「太陽の東 月の西」

これの英語版が、グーテンベルクで無料公開されています。

East of the Sun and West of the Moon: Old Tales from the North by Asbjørnsen et al. - Free Ebook

 

f:id:WhichBook:20211014024314j:plain

ずっと昔、図書館で読んだカイ・ニールセンの挿し絵本で、このイラストの説明に

「開かずの間から飛び出したのは、閉じ込められた青い月」

と書いてあって、とても魅了された記憶があります。

 

ここで、このイラストの内容の本が、ずっと親しんで来た岩波文庫の「太陽の東 月の西」だったのを知って嬉しかったです。

 

 

どちらかというと、英語本体には古めかしさもあるので(何しろ古典なので)、英語を習いたいという子どもよりは、マニアな大人向けという感じではありますが、興味のあるかたは是非挑戦してみて欲しいです。

 

f:id:WhichBook:20211014023725j:plain

 

「Read this book online: HTML」という箇所を押すと、普通にブラウザで読むことができます。
「Plain Text UTF-8」ですと、テキストファイルでダウンロードできますので、Wordなどのソフトで好きなように加工することも可能です。

 

わたしは、自分でブックレット風にして印刷してみたりして楽しんでいます。
そしてさらに、「More Files…」の部分には、絵本体の画像ファイルが保存されています。

 

「More Files…」を押すと…

f:id:WhichBook:20211014023745j:plain

 

さらに深く…

この場合は「30973-h/」を押します。

f:id:WhichBook:20211014023846j:plain

 

そして、「images/]

 

f:id:WhichBook:20211014023911j:plain

画像ファイルが格納されており、絵をそのままダウンロードして楽しむことができます。

 

f:id:WhichBook:20211014023926j:plain


カイ・ニールセン。幻想的で素敵です!

 

 

もう一作。

セギュール夫人のフェアリーテイルを、アメリカの挿し絵画家さんヴァージニア・フランシス・ステレットが、綺麗な挿し絵で飾っています。

 

Old French Fairy Tales by comtesse de Sophie Ségur - Free Ebook

 

f:id:WhichBook:20211014024620j:plain

しかしこちらは、セギュール夫人のフランス語版を英語にしただけあって、けっこう難易度が高かったです。

 

女王のことを皆、「マダム」って呼びますし。

 

 


 

わたしはブラウザはクロームを使っているのですが、たまにイタズラで、グーグル先生に「日本語翻訳」してもらうと、なかなか笑えて楽しいです。

 

PC版だと、右クリックで「日本語翻訳」しています。

残念ながらこのサイト、携帯とあまり相性がよくないのですが、この「翻訳」というので全文翻訳してくれます。

f:id:WhichBook:20211014025347p:plain

 

久々のヒットを見つけました。

 

f:id:WhichBook:20211014024702j:plain

 

蛙「あなたはついに私のドメインに入った、ちょっとばかだ」

 

かなり笑わせてもらいました。
楽しいです。

 

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

太陽の東 月の西
アスビョルンセン (編集), 富山 妙子 (イラスト), 佐藤 俊彦 (翻訳)

山と森と湖の国ノルウェーに伝わる楽しい民話。トロルにさらわれたおひめさまを助けだす兵隊の活躍を描いた「青い山の三人のおひめさま」をはじめ、「北風をたずねていった男の子」「ちびのフリックとヴァイオリン」など18編。小学4・5年以上。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

太陽の東・月の西―北欧伝説
カイ・ニールセン (イラスト), 岸田 理生 (翻訳)

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

幻想の挿絵画家 カイ・ニールセン
海野弘 (監修), マール社編集部 (編集)

世紀末アール・ヌーボー&アール・デコの時代を生きた最後のイラストレーター、カイ・ニールセンの挿絵画集。日本国内では入手しづらい図版や、ミニカットを含めた珍しいモノクロ図版も多数収録し、合わせて150点近くの名品イラストを集めた。また、挿絵の元となった物語の簡単なあらすじも楽しめる。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

北欧の挿絵とおとぎ話の世界
海野 弘

アンデルセンもニルスもムーミンもここから生まれた! 金髪のお姫様、妖精トロール、バイキングの勇気と真心、明るいユーモア… 深い森やみずうみ、フィヨルドなど美しい自然に囲まれて、独自の文化を築き、ゲルマンの伝統が今も根付く北欧の伝説やおとぎ話、挿絵画家を大公開!

 

 

 

 

「プロジェクト・グーテンベルク」
http://www.gutenberg.org/ebooks/author/492

 

プロジェクト・グーテンベルクについて
Wikiの説明ページ

プロジェクト・グーテンベルク(Project Gutenberg、略称PG)は、著者の死後一定期間が経過し、(アメリ著作権法下で)著作権の切れた名作などの全文を電子化して、インターネット上で公開するという計画。1971年創始であり、最も歴史ある電子図書館

 

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教科書名短篇 - 少年時代 ピクチャーペディア 海のおばけオーリー
ゆかいなかえる チリンのすず ふしぎなオルガン
家なき子 時の旅人 ひとまねこざる

 

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今日の一冊「おやゆびひめ」 スヴェン・オットーの美しい挿し絵と醜い人間模様

今日、ご紹介するのは絵本です。

 

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>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

おやゆびひめ
ハンス・クリスチャン アンデルセン (著)
スベン オットー (イラスト), 乾 侑美子 (翻訳)

おやゆびひめが赤いバラのはなびらをかけてねむっていると、一ぴきのヒキガエルがとびこんできて…。おなじみアンデルセンの名作を同じデンマークイラストレーター、オットーが美しい絵で飾った。

 

デンマークの挿し絵画家、スヴェン・オットーさんの絵が、とても綺麗で異国情緒にあふれています。

 

アンデルセンに忠実に、とても詳しく訳されているので、割と長いです。

 

基本の名作絵本などの簡易バージョンで知った後に、この本を読んでもらえれば、長くても大筋がわかっているからがあまり抵抗なく入ってくれることでしょう。

 

お子さんがたは、
「あーそれ知ってる(ドヤ顔)」
というのがよくあります。

 

しかし、翻訳の妙や抄訳の有無によって、また読んだ年齢にもよって、全然違うように思えるものなのだよ!諸君!

 

 

そしておとなとして読んでみると、これは…。

 

現実の世界そのままとは言いませんが、世間のあちこちでよく聞く話がそこかしこに盛り込まれているなと思います。

 

おやゆび姫は、女子の苦難をあらゆる面で一身に背負った存在です。

 

まずおやゆび姫がお母さんのところからさらわれてしまったのはヒキガエルのせいでした。
けど、ヒキガエル本人がおやゆび姫を奥さんにしようと思って触ったのではなくて、私の息子のお嫁さんにしようと企んだお母さんヒキガエルの仕業です。

 

息子は言葉すら持っていません。
「クワッ、クワッ、ケケケケー!」というだけです。

 

企んだのもさらってきたのも閉じ込めておく算段を立てるのも、全てお母さんヒキガエル
これは単なるマザコンで片付けられるような問題ではなくもっと根深いものを感じます。

 

ちなみにおやゆび姫は割といつも受け身の立場です。
流されるがまま泣いているおやゆび姫をお魚たちがかわいそうに思って睡蓮のくきをかじって逃がしてくれます。

 

 

次にさらわれたのは一匹の大きなコガネムシ
これもまたなんとも微妙なお話です。

 

コガネムシは、おやゆび姫をとても可愛いと思ってさらってきたのですけど、姫を見て、周囲の者たちが一斉に悪口を言い始めます。
しかもこの悪口を言っている集団。

 

①まず若い娘のコガネムシたち
②それから親世代のおばさんコガネムシたち

 

つまり自分のコミュニティに属していない存在の女性を一族の男子が連れてきたため、総スカンを喰らってしまったわけです。
これは、本当に可愛いかどうかは最早関係ありません。

 

ここからが問題です。
さらってきたコガネムシは周りが醜い醜いというのでついに自分も醜いと思うようになったというところです。
要は周囲の同調圧力に屈してしまったわけですが、まるで自分に暗示をかけるように本当は自分もそう思っていたかもしれないと思い込むところが恐ろしい。

 

そしてこの話は一切同調圧力などという言葉は使っていないので、より一層リアルと言うか……、こういう醜さ卑怯な弱さが存在するのを知っておくというのは大切なことなのではないかと思いました。



放浪生活を送るおやゆび姫はのねずみのおばあさんのところに身を寄せます。

 

イギリスのヴィクトリア朝時代のお話を読んでいると非常によく出てくる三つの存在、それは

 

独身男性(バチェラー)
付き人(コンパニオン)
家庭教師(ガヴァネス)

 

バチェラーという言い方はリアリティ番組で非常に有名になりましたが、ガヴァネスはもちろんジェーンエアで有名なアレです。
しかしこの何とも言えない微妙な存在。付き人(コンパニオン)というもの。
召使いよりは身分が高く、それなりに教養もあって、話し相手になったり本を読んであげたり、金持ちの独身女性には必ずといってもいいほどついている存在です。

 

イギリス文学を読んだのでこのコンパニオンという存在がなんとなく分かるわけですが、はっきり言って子供の頃はなんだかよく分かりませんでした

 

このコンパニオンというのは、貧乏な親戚の娘などがなる場合も多く、養子になれるかどうかは、いじわるばあさん次第というか…。
そういう感じで、この野ネズミは母親づらして勝手に金持ちのモグラと結婚を決めて強制してきます。

 

お隣さんのモグラが遊びに来ているうちに、おやゆび姫を好きになってしまい、保護者である野ねずみに先に結婚を申し込み、野ネズミの方がこのいい話を断るなんてありえないと強く結婚を強要した。
そういう話になっています。

 

 

さておやゆび姫は嫌なんですけど、そのもぐらのトンネルに死んだ鳥が横たわっていました。
ツバメです。

 

もぐらはここに来るまで、特に年取ってるとか醜いなどの他に、性格に難は見つからなかったのですが、このつばめを見ると足で蹴って、軽蔑したように悪口を言います。
なので、これはもともとイヤな上に、スーパー減点です。

 

醜い マイナス5ポイント
死んだものに対して冷酷 マイナス5ポイント
おひさまや青い空にさよならしないといけない マイナス10ポイント

 

みたいな感じです。

 

おやゆび姫は献身的な介護で死んでいると思われたツバメを生き返らせます。
ここが非常に長いので、この後の展開が非常に微妙になってきます。

 

さらに、結婚したくないと今更ながら、野ネズミにギリギリで訴えてみるんですが
「いうことをきかないと、わたしのこの白い歯で、おまえにかみつくよ!」
突然の暴力的脅迫。

 

元気じゃねえかお前。

 

この断らない理由というのが、台所と地下室が両方あるとか、とにかく金銭的に恵まれているというのが一番の理由になっています。

 

 

ツバメに連れられて逃げ出すシーンはとても美しく開放感に溢れています。

 

長い旅をしてたどり着いた花園、その花の中に妖精が座っていました。

 

この花の中から生まれる妖精と言うイメージはボンゼルスのみつばちマーヤにもありましたけど多分西洋では一般的なイメージなのでしょうね。

 

妖精の王様が結婚を申し込みめでたしめでたしとなるわけですが、羽をもらいます。

 

 

これが何とハエの羽なのです。
「一番美しいハエの羽だった」

 

うーん。スルーしよう。
(当然妹子は騒ぎました)

 

 

ここでかわいそうなのはツバメです。
後半ほとんどのドラマを一緒に過ごし、長いことおやゆび姫と一緒にいておやゆび姫を助け助けられ旅をしてずっと一緒にいたのに。
明らかにおやゆび姫が好きなのに。

 

彼女の幸せのためにぐっと我慢します。

 

しかし、このおやゆび姫の流され具合と自分の意志のなさ!

 

アンデルセンは自分でお話を作っているだけグリムよりも人間的で、風刺の意味合いが強いです。

 

人間世界の微妙なあれこれを眼前に展開された気持ちです。

 

しかし、スヴェン・オットーの挿し絵は本当に美しいです!

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

マッチうりの女の子
ハンス・クリスチャン アンデルセン (著)
スベン オットー (イラスト), 乾 侑美子 (翻訳)

身をきられるように寒く、暗い、雪の降りしきる街を一人の女の子が歩いていました。足ははだしで、すりきれたエプロンにはマッチの束を抱えて…。冬のデンマークの街の情感を背景に、格調高く描かれたオットーの絵本。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

かぼちゃひこうせんぷっくらこ
レンナート・ヘルシング (著), スベン・オットー (イラスト)
奥田 継夫 (翻訳), 木村 由利子 (翻訳)

2匹の仲良しクマが、不思議な種を見つけ庭に植えたところ、数週間で家以上の大きなかぼちゃができました。家がおしつぶされそうになったため、クマたちはかぼちゃの中に引っ越すことに。 あるとき嵐がきてかぼちゃの家は海に吹き飛ばされ、かぼちゃの家とクマたちの旅が始まります。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

灰かぶり
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・グリム (著)
ヴィルヘルム・カール・グリム (著), スベン・オットー (イラスト)

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

長ぐつをはいたねこ―グリム童話より
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・グリム (著),
ヴィルヘルム・カール・グリム (著), スベン・オットー (イラスト)

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

いばらひめ―グリム童話
ヤーコプ・ルートビッヒ・グリム (著)
ヴィルヘルム・カール・グリム (著), スベン・オットー (イラスト)

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

白雪ひめと七人のこびと―グリム童話より
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・グリム (著)
ヴィルヘルム・カール・グリム (著), スベン・オットー (イラスト)

 

 

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大人が読む児童書「ちびっこカムのぼうけん」 3 北斗のひしゃくに銀河の水が満ちるとき

今日、ご紹介するのは児童書です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

ちびっこカムのぼうけん
神沢 利子 (著), 山田 三郎 (イラスト)

カムは、湖のそばにたち、金のユビワを北にむかって、三ど大きくふりました。かあさんのびょうきをなおすイノチノクサをもとめて、火の山にすむ大オニ・ガムリイと対決するカム。リズム感あふれる文章でつづる、スケールの大きなファンタジー。(「BOOK」データベースより)

 

 

「ちびっこカムのぼうけん」 1 家庭用ゲーム機が広まるよりもはるか前に

「ちびっこカムのぼうけん」 2 広大な北の大地を、カムと一緒に旅をする

 

 

大ワシの巣におっこちたカムは、ひなたちと仲良くなります。
(ここのひなたちが、すっごく、すっごく、かわいいです)

 

ひなたちと仲良くなったことで、大ワシのおかあさんともうちとけたカム。
将を射んとする者はまず馬を………いや、何でもありません。

 

カムはオオワシから、黒い湖の魔法で白い花にされてしまったチャピナという女の子のことを聞きます。
でたヒロインー!

 

お父さんを助けるのも、チャピナを人間の姿に戻すのも、すべては、冒頭で出た、「ガムリイの金のユビワ」を手に入れることが肝心です。
(ガムリイがRPGシリーズ1のラスボスです)

 

カムは、とりあえず黒い湖へと向かって様子を見ることにします。

 

黒い湖のほとりで眠ってしまったカム、ユキフクロウたちが集まってカムの周囲でささやきます。

 

北斗の大ヒシャクに、銀河の水がみちるとき──
すべては670年前から定められていたこと──

 

カムは眠ってしまっていて聞けませんでしたが、白い花になってしまったチャピナは聞いていたのでした。

 

 

ちびっこカムは二部構成です。

 

「火の山のまき」
火の山のガムリイをやっつけて、チャピナやプルガを助けるまでが半分。
「北の海のまき」
ガムリイにはじかれ、南の海でシロクジラになってしまったお父さんを助けるまでが半分。

 

この、すごい速さでゲーム実況を見るように進んで来た、どんな極上のRPGにも負けないストーリーのちびっこカムの物語。

 

わずか60ページたらずで火の山のガムリイ(第一部ラスボス)のもとへたどりつきます。

 

はやい。

 

火の山に登って行くときの描写の美しいこと!

 

このとき、天をおおってたちのぼる、けむりのはしらが、風にへしおられて、さっとなびくと、それまでかくれていた、大空の星のすがたが、くっきりとあらわれました。
くらい夜空にかがやく、北の七つ星。北斗の大ヒシャクが、いま、この火の山のま上に、ぐっとかしいでいました。

 

これまで、交流を持ってきたNPCキャラクターたち、どうぶつたち、クマたち、オオワシたち、ジネズミも、みんな手伝います。

 

そして、カムは三日月にのぼって足をかけ、北斗のひしゃくにかけたロープをひっぱり、火の山の釜へ銀河のしずくを落とそうとする……。

 

ものすごいスケール、ものすごい迫力です。

f:id:WhichBook:20211012094951j:plain

 

それでまだ半分!
これで半分!

 

ゲーム実況でご紹介してきましたけど、ひとつひとつの動物たちのキャラ立ちぐあい、気持ちの揺れと、展開へのつながりが、余計なものは削ぎ落されたかのようにスムーズで、完璧に洗練されています。

 

子どもたちが目を止めてしまうことがありません。

 

これほど駆け足でいるようにありながらにして、魔のイバラのやぶが囁く恐ろしい歌や、プルガが石になってしまうときの描写は、まるで自分が石になってしまったかのように冷たく恐ろしいですし、大ワシのひなはたまらなく可愛いし、黒い湖を見て、しずかで黒いかあさんの目だと言うカムなど、随所随所がすばらしいです。

 

 

これからどうなったのか、それからお父さんを助けるためにゆく第二部、これまたすごい迫力なのですが、ぜひ図書館などで確認していただくとして…。

 

絵がまたとても素敵です。
かけつける子グマたち。可愛かったです。

f:id:WhichBook:20211012095041j:plain

 

ゴールデンカムイもそうですけど、お料理のシーンは魅力的です!

このカムの手つきが忘れられないです。シチューが好きになったのはこの絵からだったと記憶しています。

挿し絵の中でも、とてもちっちゃいひとこまです。

f:id:WhichBook:20211012095058j:plain

 

 

個人的にほぼ、確信しているのですが、日本がこれほどストーリー性にすぐれた名作RPGを次々に打ち出しているのは、黄金期のすばらしい児童書をお手本にしているからだと思います!

 

RPGがトールキンをお手本にしているというのはよく言われていることですが、いまパッと思いつく、RPGっぽいお話といえば

 

トールキン「ホビットの冒険」指輪物語シリーズよりも王道・基本のRPGっぽいです)」を筆頭にして

 

「プリデイン物語シリーズ」「宝島」「チポリーノの冒険」「ガンバの冒険シリーズ」「龍の子太郎」「銀のほのおの国」「エルマーのぼうけん」「大どろぼうホッツェンプロッツ」 などなど…。

 

ぱっと思いついただけなので、絶対にまだあるはずのですが…。

 

翻訳ものも訳文にすぐれていますし、国産ものも全然負けていません。

(「ガンバシリーズ」「龍の子太郎」「銀のほのおの国」が国産です)


文章がすばらしいのと同時に、構成がしっかりしていて、起承転結もわかりやすいです。

 

子どもたちを物語の世界のぼうけんに引っ張りだすために、どうすればいいか、細部にまで心をくだいているので、これほどまですばらしいのだと思います。

 

 

児童文学には、一話完結のエピソードをつらねているものと、1本の骨太なストーリーを追って一冊の本となっているものとありますが、RPGは後者の方に分類されるでしょう。

 

また、もっと昔をたどれば、昔話、神話の世界に行きつきます。
これらのお話のルーツとしてあるのは、「むかし話」の冒険譚です。

 

 

これらの物語のすぐれているところは、面白い面白いだけで終わらせない、人生哲学や、苦しい厳しい、つらい現実や、「子供の目線から見た大人たちの現実」の一面もきちんと描いている所です。

 

本を好きになって欲しいという一念が貫いて作られているので、「ゲームを買ってもらおう」というのとは少し違います。

 

しかし逆転の発想として、どんな時代でも人が「物語を求める心」というのは変わりませんから、ゲームから小説に行ったってぜんぜんいいわけです。

 

そのとき、かつてゲームのストーリーの運びのお手本となったすぐれた児童書がこんなにあります、というのが私の言いたいことなわけです。

 

本を読んで欲しいとき「ゲームっぽいよ」と言って与えるとか、ぜんぜんアリですよね!

 

 

「絵本から本へ→小説へ」という流れのもとにある児童文学というジャンルですが、神話、絵本、むかし話、大人の小説、これらのすべてをつなぐ中間点に存在します。

 

どの方向へでも進めるという、まさにキーとなり、歯車となって子どもたちへあらゆる方向性の道を示すものですので、大切にしていかねばならないと思うわけです。

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ホビットの冒険
J.R.R. トールキン (著), 瀬田 貞二 (翻訳)

ひっこみじあんで、気のいいホビット小人のビルボ・バギンズは、ある日、魔法使いガンダルフと13人のドワーフ小人に誘いだされて、竜に奪われた宝を取り返しに旅立ちます。北欧の叙事詩を思わせる壮大なファンタジー

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

タランと角の王(プリデイン物語1)
ロイド・アリグザンダー (著), 神宮 輝夫 (翻訳)

ロイド・アリグザンダーによるファンタジー小説プリデイン物語」第一巻。農場の生活に不満を抱く青年、タランはある日、予言の力を持つ豚ヘン・ウェンを追って、森の中でギディオン王子に遭遇する。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

宝島
R.L.スティーヴンスン (著), 海保 眞夫 (翻訳)

ジム少年は,トレローニさんや医者のリヴィシー先生とともに,海賊フリント船長がうめた莫大な財宝を探しに出帆する.ぶきみな1本足の海賊シルヴァーの陰謀にまきこまれ,はげしい戦いが始まる….手に汗にぎる海洋冒険小説の名作.

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

チポリーノの冒険
ジャンニ・ロダーリ (著), ヴラジーミル・スチェーエフ (イラスト), 関口 英子 (翻訳)

ここは野菜とくだものたちの暮らす国。玉ねぎ一家の長男坊チポリーノが、無実の罪で牢屋に入れられてしまった父チポローネを救いだそうと大活躍。仲間たちと力をあわせて、国をおさめているわがままなレモン大公やトマト騎士とたたかいます。語りの名手ロダーリの書いた明るくゆかいな冒険物語を、歯切れのよい新訳で。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ガンバの冒険シリーズ
単行本 斎藤 惇夫 (著), 薮内 正幸 (イラスト)

ガンバの冒険シリーズ 冒険者たち/グリックの冒険/ガンバとカワウソの冒険の三冊セットのなります。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

龍の子太郎
松谷 みよ子 (著), 田代 三善 (イラスト)

『龍の子太郎』(1960年、第1回講談社児童文学新人賞、1962年、国際アンデルセン賞優良賞)、

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

銀のほのおの国
神沢 利子 (著), 堀内 誠一 (イラスト)

よみがえったトナカイの首領はやてを追って、たかしとゆうこの旅は始まった。人はなぜ、他の生きものの命を奪わなければ生きられないのだろう。重たい問いを抱きながらふたりは、動物たちの国の壮絶な戦いに立ち会う。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

エルマーのぼうけん
ルース・スタイルス・ガネット (著)
ルース・クリスマン・ガネット (イラスト), わたなべ しげお (翻訳), 子どもの本研究会 (編集)

年取ったのらねこからどうぶつ島に囚われているりゅうの子どもの話を聞いたエルマーは、りゅうの子どもを助ける冒険の旅に出発します。どうぶつ島ではライオン、トラ、サイなど恐ろしい動物たちが待ちうけていました。エルマーは、知恵と勇気で出発前にリュックにつめた輪ゴムやチューインガム、歯ブラシをつかって、次々と動物たちをやりこめていきます。エルマーはりゅうの子どもを助け出すことができるのでしょうか?

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

大どろぼうホッツェンプロッツ(全3巻)
オトフリート・プロイスラー (著), 中村 浩三 (翻訳)

「大どろぼうホッツェンプロッツ」「大どろぼうホッツェンプロッツふたたびあらわる」「大どろぼうホッツェンプロッツ三たびあらわる」の全3巻完結セットです。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ゴールデンカムイ (全27巻)

『不死身の杉元』日露戦争での鬼神の如き武功から、そう謳われた兵士は、ある目的の為に大金を欲し、かつてゴールドラッシュに沸いた北海道へ足を踏み入れる。そこにはアイヌが隠した莫大な埋蔵金への手掛かりが!? 立ち塞がる圧倒的な大自然と凶悪な死刑囚。そして、アイヌの少女、エゾ狼との出逢い。『黄金を巡る生存競争』開幕ッ!!!!

 

 

 

 

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大人が読む児童書「ちびっこカムのぼうけん」 2 広大な北の大地を、カムと一緒に旅をする

今日、ご紹介するのは児童書です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

ちびっこカムのぼうけん
神沢 利子 (著), 山田 三郎 (イラスト)

カムは、湖のそばにたち、金のユビワを北にむかって、三ど大きくふりました。かあさんのびょうきをなおすイノチノクサをもとめて、火の山にすむ大オニ・ガムリイと対決するカム。リズム感あふれる文章でつづる、スケールの大きなファンタジー。(「BOOK」データベースより)

 

 

「ちびっこカムのぼうけん」 1 家庭用ゲーム機が広まるよりもはるか前に

 

 

病気のおかあさんを治すことができる、イノチノクサ。
火の山へ登っていって行方不明になったおとうさん。

 

思い立ったが吉日と、カムはさっそくイノチノクサを取りに出かけます。
ここまでわずか6ページ。

 

流れるようにすすみます。
ペースが早い!

 

どんな児童書であれ、好みはもちろんあって、これは面白かったけどあれはイマイチ、ということがあるものなのですが、
「ちびっこカムのぼうけん」
これだけは、子どもたちはほぼ、ぜったいに、面白い!と言って夢中になってくれます。

 

 

カムは元気で行動的な少年です。
その元気さが決して暴勇というのではなく、頼もしくて分別もあります。

 

昭和作品にはよくあることですが、頼りがいのある義侠心に富んだアニキに育つんだろうなという予感がする、そのあたりを暴れまわって遊んでいる元気な少年という感じがします。

 

動物たちの豊かなこと、次から次へと動物たちが出てきます。
あふれるほどの種類です。

 

次の展開、次の展開となるたびに、新しい動物が出てきて、ぐいぐい話は先に進んでいきます。

 

読んでもらえれば、RPGと言ったわけがおわかりになると思いますが、数ページでするすると物語は先へ先へと進んでいきます。

 

 

ノウサギライチョウが挨拶をします。

 

出かけてすぐにトナカイが追いかけてきました。
どうして置いて行くのかとなじるのは、きょうだいのように育ったプルガ。
「おこりんぼうとあわてんぼう」のこれも元気な、頼りになるバディです。

 

シロタカがジネズミを追いかけている所に遭遇 >フラグフラグ!あとで大きく関わってきます。

 

金ピカの大グマと子グマを中心に大勢のクマたちに出会い、おとうさんの行方を教えてもらう。

子グマも大グマも可愛いです。

 

ここで、カムのいなくなったおとうさんのエピソードが出てきますが、まあまあ煉獄さん並に強くて頼もしくてかっこいい、超マッチョな男っぽいおとうさんです。

 

おそろしい生きているようなイバラのしげみを通り抜け、トナカイのプルガが角を失ってしまいます。

 

プルガは、あの大きなトナカイの枝づのを失ってしまってかわいくなってしまうのですが、このときのイバラのエピソードはがなかなか恐ろしいです。

 

ホラーです。

 

愉快で元気なカムと対照的に、冷たい北方の風にふっとさらされるように、不気味で不吉な魔の影がさします。

 

山に行くと、イバラをよく見かけます。
昔のことなのでアレですが、カマやナタを持って切り払いながら歩いていたことを思い出します。
まさに昭和の思い出ッ!

 

そうでもしなければ、イバラがまとわりついてきてにっちもさっちもいかなくなってしまうのです。

 

関東地方では川沿いによくクルミが落ちていて面白く、よく見にいっては落ちているねと観察します。

(わたしは九州出身なのですが、九州では自生のクルミはあまり見ません)

 

クルミとイバラは相性がいいのか、クルミの木の周辺には必ずといっていいほどイバラが生えています。
一度からまるともう大変!

 

(脱線しましたが、ちびっこカムに戻りますと)イバラはカムとプルガの二人に巻き付きながら、不気味な歌を歌います。

 

 ─ガムリイがこわくないのかね、ちびっこや。
  ガムリイのツメは、わたしのトゲよりするどいよ。
  ほれ、きるがいい、ほれ、わたしのツメがおまえをひきさくよ

 

この気味の悪さや不吉さが、ちびっこカムのやんちゃで元気な安定感と、見事な対比を成しています。

 

 

大ヤギとけんかしたプルガをおさえようとして、崖下へ転落してしまうカム。
ここでバディのプルガとは別れ別れになります。

 

プルガは、カムが元気ではあるけれど、分別があるのとは違っていて、物語に欠かせない、「欠点をもったキャラ」です。
瞬間湯沸かし器ですぐに沸騰するし、おっちょこちょいでへまをやらかします。

 

すべてのキャラがしっかりと立っています。

 

悪役っぽく出てきた大ヤギ。
山なので、道が狭くて争いになるのですが、描写がすばらしいです。

 

のぼるうちに、やがて、ふたりは、たかいがけにそって、道らしいものにでました。上もがけ、下はきりたったぜっぺきです。目もくらむような、ふかい谷が口をあけ、氷のきしむ音、ど、どーん、とみねをふるわす、なだれの音が、ものすごくこだまします。

 

まるで映画をそのまま見ているような気持ちになります。

 

ヤギの住んでいる高い山がこんな風であれば、なるほど、「三びきのやぎのがらがらどん」が、トロルとけんかするわけです。

 

プルガ、がけに転落してしまったカムのため、黒い湖のほとりにあると言うイノチノクサを求めてと走ります。
だが、喉の渇きに耐え兼ねて、湖の水を飲んでしまった瞬間、冷たい石に変わってしまったのでした…。

 

(ここ、さらっと書きましたが、すっごいホラーです!思わず胸が痛くなるような気がします。)

 

 

引用した箇所を見るとわかるのですが、この本も幼児向けに、読点「、」がたくさんついています。
美しい描写も多すぎず、会話多めで、実に読みやすいです。

 

しっかりと文章による説明をして、描写が多いだけが、すぐれた児童書ではないのです。
会話多めで、ひらがな多め、ストーリーはテンポ早く、ぐいぐいと引っ張っていきながらも、たまに出て来る描写がおとなにも刺さるほどすばらしい。

 

この広大な自然の描写のダイナミックさは、神沢利子さんの本ならでは特徴です。
樺太(サハリン)で過ごした幼少期が、この見事な世界観を生み出したのでしょう。

 

樺太、かつてアイヌの人々とともにわたしたち日本人も確かにそこに住んでいて、生きていた記憶があるのだということを、この物語を通し実感として感じられます。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

三びきのやぎのがらがらどん
マーシャ・ブラウン (イラスト), せた ていじ (翻訳)

橋の向こう側の山で、たくさん草を食べようと考えた3匹のヤギ。小さなヤギ、中ぐらいのヤギ、大きなヤギ、みんな名前は「がらがらどん」。橋をわたっている途中に谷に住むトロル(おに)にでくわしてしまいます。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

タランの白鳥
神沢 利子 (著), 大島 哲以 (イラスト)

オホーツク海に浮かぶ北の島にタランと呼ばれる湖がある。その湖底に沈む青い玉、それはモコトルの父祖が退治した大トドの片目だという。「わしはタランの湖の底、泥に埋もれし青い玉。わしをさがし、ひろいあげてまつれ。さすればやがて大地の水もひき、タランの村によき日がおとずれよう」その役目が、いまモコトルに命じられた。美しい白鳥の化身した娘と暮らすタランに、よみがえったトド神の魔の手が忍び寄る。少年少女に送る愛と甦りの物語。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

流れのほとり
神沢 利子 (著), 瀬川 康男 (イラスト)

1931年夏、麻子の一家は、炭坑技師である父さんの赴任地、樺太に向かう。柳蘭の花咲く北の原野を汽車でゆられていったその先に、麻子を待っていたのは、きらきら光る川だった。北の自然と暮らしを描く回想の物語。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

オキクルミのぼうけん
萱野 茂 (著), 斎藤 博之 (イラスト)

この世に人間が生まれたばかりの頃、アイヌに生活のすべてを教えてくれたのはオキクルミの神だった。アイヌ語で語られたウパシクマ(故事来歴)を題材にした勇壮な絵本。1975年刊の新装版。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

風の神とオキクルミ
萱野 茂 (著)

ピカタカムイは風の女神。ある日、刺繍をしていた手を止めてふと人間の村を見た彼女は、人間を驚かそうと風おこしの舞を舞うが…。アイヌの神が語る物語の絵本。新装版。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

木ぼりのオオカミ
萱野 茂 (著), 斎藤 博之 (イラスト)

アイヌの人々は自分で作った四つ足で頭のあるものは魂が入っていると信じ、お守りにして肌身離さず持っているものだった。不思議な木彫りのオオカミのウエペケレ(民話)を題材にした力強い画風の絵本。1976年刊の新装版。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

カムイチカプ
藤村 久和 (著), 手島 圭三郎 (イラスト)

いつも村の平和を高い木のうえから見守っているシマフクロウの神を、若いシャチの群れが悪口を言い愚弄してしまう。怒りがおさまらないシマフクロウの神は、はげしい嵐を吹き散らし罰を与えると・・・。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ゴールデンカムイ (全27巻)

『不死身の杉元』日露戦争での鬼神の如き武功から、そう謳われた兵士は、ある目的の為に大金を欲し、かつてゴールドラッシュに沸いた北海道へ足を踏み入れる。そこにはアイヌが隠した莫大な埋蔵金への手掛かりが!? 立ち塞がる圧倒的な大自然と凶悪な死刑囚。そして、アイヌの少女、エゾ狼との出逢い。『黄金を巡る生存競争』開幕ッ!!!!

 

 

 

 

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