大人が読む児童書。
「再読★児童書編」です。
この記事はネタバレもしていくことになりますので、未読の方はご注意ください。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
おばあさんの大切なコーヒーひきが、大どろぼうホッツェンプロッツに盗まれてしまいました。大魔法使いツワッケルマンや妖精も登場して、少年カスパールとゼッペルの大活躍がはじまります。
ここで、主人公の二人組、カスパールとゼッペルの登場です。
このカスパールとゼッペルなのですが、関係性や家族構成が割と謎です。
そもそもこの物語の一行目から、「カスパールのおばあさんは」、で始まっているので、ここが祖母と孫であるという所は間違いないです。
妹子「あなた(ゼッペル)のご両親は?って思うんだよね」
ゼッペルはカスパールの親友です。
常に一緒にいてあれこれ何でも一緒にします。
しかし、カスパールのご両親もいません。
続編、続続編を読めば分かりますが、おばあさんとカスパールとゼッペルは、三人でおばあさんの家に住んでいます。
でもまあ、問題はそこじゃないので、読み進めます。
雰囲気です、ふんいき!
◇
オルゴールつきコーヒーミルに続いて、読み手にとって最高に憧れなのが、カスパールとゼッペルが、それなしで過ごすぐらいなら自らの力で大どろぼうを追うべしと決心するに至った、おばあさんの「あわだてた生クリームをかけたプラムケーキ」です!
おばあさんはコーヒーひきを盗まれたショックで作れなくなってしまいましたので…。
色々検索してみましたが、ドイツなので、プラムケーキといえどどちらかというと、ふわふわのスポンジではなくて、フルーツケーキのような、どっしりしたものではないでしょうか!?
カスパールと友だちのゼッペルは、パン屋にいって、メリケン粉を一ふくろに、イーストきんをしょうしょうと、さとう1キロを買いました。
注目!注目!
プラム入りのケーキを作るのにイーストを買ってます。
てことは、もしかするとこれはパンだ!!
妹子「これ、子どものおつかいかな?メリケン粉ってそうとう重いよ?お兄ちゃんにお米10キロのやつかってきてってお母さんが頼んだのぐらいだよ?」
さりげなく暴露しないでくれるかな!?疲れてたんだよ!!
牛乳屋によって美味しいクリームも買ってます。
このお話、とにかくもう、お食事が本当に美味しそうです。
ことあるごとに、食事についての記述が出てきます。
続編・続続編もグルメてんこもりです。
なので、続続編の結末で、ホッツェンプロッツが…おっと、誰か来たようだ。
妹子「カスパールとゼッペルさ、おばあさんのプラムケーキを毎日食べるために、コンスタンチープルの皇帝になりたいんだって言うけどさ!皇帝だったらもっと豪華なごはん頼めばいいのにね」
んっ?何か違和感が…。
コンスタン…?ちーぷる?
(このあと無茶苦茶笑いました)
よく考えたら毎週プラムケーキはちょっと飽きないかな?
妹子「私、毎週ちゃお読んで飽きてないから」
ちゃお=プラムケーキの衝撃。
◇
カスパール。ゼッペル、そしてかけつけたおまわりさんのディンペルモーザー氏が、気絶したおばあさんを発見します。
15分×12回、999数えた後の悲鳴を聞きつけました。
ディンペルモーザー氏「公務執行妨害だぞ!」
妹子「公務執行妨害ってなに?」
わたし「警察がどろぼうさんをおいかけてるとき、邪魔するとたいほされる。(いいかげんな教え方)」
妹子「あー、それは子供六法で見た」
ものすごく今更ですが、こうして読んでみると、ホッツェンプロッツが泥棒稼業で噂になりはじめたのは、この二年半ぐらいらしいです。
もう十年選手ぐらいの、ベテラン大泥棒かと思ってたんですが、ここ二年半ぐらいなのか~?
◇
カスパールとゼッペル、ホッツェンプロッツを捕まえる作戦を練ります。
頭がキレるリーダー格はどちらかというと、カスパールの方です。
ゼッペルの方が若干、素朴です。
重要な二人の特徴ですが、
カスパールは赤いとんがりぼうし。
ゼッペルはみどり色のチロル帽。
おばあさんが倒れているシーンで、二人の絵の所に親切にも名前が書いてありますが、これは非常に重要で、あとでこのぼうしを取り替えたり名前を入れ替えたりしますので、絶対覚えてないといけない情報です!
小さい頃の妹子は、まるで話の中の悪人たちのように、完全にこんがらがって混同していました。
ゼッペルはわりとひどいめにばかりあってます。
序盤から、カスパールの策にのっかって、白い砂を入れた「黄金注意!」と書いた箱を作らされ、「おやゆびを五十七回たたいて」仕上げてます。
この白い砂のあとをつけて、ホッツェンプロッツの隠れ家までたどりつこうというわけです。あったまいい~。
残念ながら、この計画はホッツェンプロッツにすぐバレてしまい、二人は大どろぼうの復讐を受けることになるのですが…。
◇
ふと気づいたのですけど、この本、修辞の入った描写がほとんどないです。
「湖がきらきらと輝いていた」とか「風がさっと吹きすぎて行った」などという、描写が極力、省かれています。
そのかわり、シンプルに動きのある、冗談を交えた力強いストーリーテリングで、ぐいぐい、読み手を引っ張っていって離しません。
◇
あと、訳者の親切からだと思うのですが、お話のところどころにちゃんと「ドイツ」「ドイツでは」って書いてありました。
妹子はそんな細かい所まで、ちゃんと読んでなかったか忘れていたようです。
アメリカじゃないからー!!
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