大人が読む児童書。
「再読★児童書編」です。
この記事はネタバレもしていくことになりますので、未読の方はご注意ください。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
おばあさんの大切なコーヒーひきが、大どろぼうホッツェンプロッツに盗まれてしまいました。大魔法使いツワッケルマンや妖精も登場して、少年カスパールとゼッペルの大活躍がはじまります。
あまりにも有名で、あまりにも人気なため、いいかな~なんて思ってましたが、リクエストがあったので、すごく久しぶりに読み返しがてら、紹介したいと思います。
今回は趣向を変えて、妹子と一緒に読んでみようかと思います。
本を、「一緒に読む」って可能なの?
という感じですが、可能です!
さまざまな条件が重なってのことだと思いますけど…。
そんな読み方はぜったいにいやだ、という人も(子も)、いると思います。
そして、こういうときやはり、児童書のハードカバーは本当に強いです!!
文庫だとこうはいきません。
この読み方は、気持ちが乗り切らない妹子を、見張りながら読ませるためにはじめました。
ものによりますが、200Pある本の、だいたい、10~20ページまでを一緒に読みます。
キャラを説明しながら、描写を目にとめながら
「あっここ好き!この文章、きれいじゃない?」とか
「この子はこの時代のここに住んでいるんだね」とかいう感じです。
まさに、このブログでやっているような感じです。
あーこれあとで出てくる超面白い展開の伏線なんだよな~とか
序盤をざっと紹介したりだとか。
そして、このブログで説明していない(するときもありますが)、後半の展開に入るときには、もう待ちきれなくなってバンバン先を読んでくれる、というわけです。
飽きたら、さくっとやめるようにしています。
逆に兄助(妹子の兄)は、「読んでおいて」とぽんと渡しただけでするする~と読んでくれました。
そして今は、自分が認めたものだけしか読んでくれない頑固者です…。
◇
さてもう、このホッツェンプロッツは、ほっといてもガンガン読んでくれるので、今更一緒に読むこともないのですが、お願いしたら快く一緒に読んでくれました。
まず、冒頭です。
おばあさんが庭でベンチに腰掛けて、コーヒー豆をひいてます。
庭でコーヒーを挽くのか…。
妹子が指さしました。
「このコーヒーひきが欲しい」
それは、読んだ誰もが思うことです。
もちろん、大どろぼうのホッツェンプロッツもそう思いました。
ハンドルを回すと歌を演奏する、つまりオルゴール形式のコーヒーミル。
すてきです。
かなでるのは、「五月はものみなあらたに」という歌だそうですが、これは調べてみると、童謡の「ちょうちょ」だそうです!
ちょうちょ、ちょうちょ、お花に止まれ~♪
かわいいです。
嬉しくて前の2杯もコーヒーを飲むようになったというのもおばあさんもかわいいです。
そこに、いかにも悪党という感じの男がやってきて…
「そいつをよこせ!」
カスパールのおばあさん「あなたはどうしてそんなことをおっしゃるのです?どうしてここへいらしたんですか?そんな大きな声をするのはよしてください」
このおばあちゃん、割と度胸があるというか、肝が据わってます。
妹子「この、いかにも悪そうな感じのピストル持ってる奴がよこせって言ってるのに、まったく怖がらないおばあさんってすごい。普通はピストル持ってるだけでガタガタ震えて、誰かー!誰か助けて!とか、なりそう」
ホッツェンプロッツっという名前に思い当たった途端におびえはじめました。
妹子「ピストルには驚かないけど、サーベルと短刀には驚くんだよ。アメリカの人って自分を守るためにピストルはつねに持ち歩いてるんでしょ。驚かないんだよ」
これアメリカじゃない、ドイツです…。
そっか、子どもは、わかんないですね。
アメリカとドイツの違いなんて、私も意識していなかったと思います。
そもそもアメリカやドイツと思って読んでなかったですが、一体どこから認識しはじめたんだろう?
それはやっぱり、長いこと、同じ本を何度も何度も、読み返しては読み返し、何十年も続けていくうちに次第に入ってきたことだなあと思います。
このホッツェンプロッツは、何十回も読み返し、何十年も付き合うのに足る本です!
◇
さてこのコーヒーミル。
何とカスパールとゼッペル二人の手作りです。
このいきなり出てきた泥棒さん、子供の手作りの、オルゴールつきコーヒーミルがほしいのです。
改めて読んでみると、何かかわいいな…。
妹子「かわいくない!このピストルだってでかすぎるから。本格的すぎ!見てこの大きさ?普通じゃないから」
昔はあんまり小型のピストルって作れなかったんだよ。
火縄銃のちっちゃいので。
確か銃身が長い方が弾の回転がたくさんかかって威力が増すんじゃなかったかな…って、これは子供にきかせる話じゃなかったな。
さてこのどろぼうさん、意外に親切です。
999までかぞえたら助けをもとめていい。許可を出してます。
おばあさんの絶望感がすごいです。
どろぼうはにげたのです。コーヒーひきもなくなったのです。
このコーヒーひきは、この世にたった一つしかない、宝物です。
何か高額な宝石とか盗まれるのじゃなくて、この手作り感のある特別なミルが何物にも代えがたいほどおばあさんが大切にしてるものだという感じがよく伝わってきました。
妹子「999って、60秒が一分でしょ。15分ぐらい?短くない?そう遠くまで逃げてないよね?」
わたし「12回やりなおすんだよ」
妹子「やり直してるから、けっきょくこいつ30分ぐらい待ったやん」
わたし「どこまでかぞえてから12回やりなおすのかによるけど…」
15×12で180分。だいぶ待ってます。
この調子で、読み続けられるんだろうか。
ちっちゃい頃よりも、あれこれ考えるようになってます。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
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