大人が読む児童書?「学研まんが人物日本史 源義経」 2 読了 鎌倉殿は三白眼
今日、ご紹介するのは児童書です。
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今日の一冊
源義経は、兄・頼朝を助け、平氏を壇ノ浦の戦いでほろぼした。しかし、のちに兄との対立が深まり、奥州藤原氏にかくまわれたが、藤原泰衡に攻められて自殺した。まんがで楽しく学べる一冊。
大人が読む児童書?「学研まんが人物日本史 源義経」 1 なんでそんなに来年の大河を楽しみにしているのか。
武蔵坊弁慶とテンプレの出会いを果たした、問題なくイケメンの義経。
次のページめくったら…出たー!
ものすごい悪人顔のお兄ちゃん!
超三白眼で、どう見ても悪人にしか見えない。
しかしそこは兄弟設定、悪人ではあるけど、まあ…まあまあ、イケメンと言えなくはない顔ではあります。
(どうしてそんなにイケメンにこだわるのか……)
このあたりでは清盛が病死、木曽義仲が戦っている間、はやる義経をおさえて、頼朝は慌てず急がず、鶴岡八幡宮の棟上げを行ないます。
鎌倉の地盤をまず固めているのです。
私は頼朝さん結構好きなので、この慎重さには好感が持てました。
が、悲しいことにこの話の中では超三白眼の悪役です。
頼朝は集まってきた御家人たち、皆の前で義経に馬をひかせます。
主従関係をはっきりさせるとともに、えこひいきはしない平等さをアピールしたのです。
戦いたがって心がはやる、若い英雄、義経。
しかし、思惑どおり木曽義仲は自滅!
じっと待っていた頼朝、ついに動きます。
なんか(この漫画での)政治センスすごいな。
かえって頼朝がまた好きになってきてしまいました。
三白眼だけど。
◇
後白河法皇が丸い頭の好々爺みたいなおじいちゃんだ。
そんなキャラでしたっけ。
頼朝以上の悪人だと思ってました。
来年の大河の主人公、義時くんもちゃんと出ています!
というわけで、この「学研まんが 義経」硬派な歴史の流れをすごくきちんととらえています。
その中に武蔵坊弁慶や、ひよどり越え、壇之浦での八艘飛び、那須与一や静御前など、押さえるべきところはすべて抑え、非常にバランスの取れている優れたれきしまんがです。
壇之浦の合戦で、義経の郎党、
妹子「なすのよいち?」
わたし「那須与一、大好き!」
平氏が舟を出して、立てた竿の先に扇を付けて、美しい女房が打ち落とせるかと招きます。
那須与一が見事に射落としたという話です。
源平合戦は、このあちこちでみやびなエピソードが出てくるところが大好きです。
◇
妹子「安徳天皇、飛び込んじゃった。徳子さんも」
わたし「いやこの人(建礼門院)生きているから」
妹子「マジで!?飛び込んだのに!?」
わたし「うん安徳天皇は死んじゃったけど、建礼門院徳子は十二単の服がぷかぷか浮いちゃって、熊手で引き上げられちゃったって書いてたよ」
義経本人は結局、頼朝に追われてしまいます。
かくまって育てたはずの奥州藤原氏が、とどめを刺すことになりました。
妹子「藤原氏の子供たちが裏切ったんでしょ?」
わたし「京都ならともかく、鎌倉はちょっと場所が近すぎたねえ……」
大河ドラマで、これまでとは違う解釈の歴史を見るにしても、それ以前の問題というのがあります。
「頼朝と義経の兄弟」と、「源平合戦」の基本のき、テンプレ中のテンプレを、まず知っておかなければ話になりません。
色々読ませて、鎌倉時代を妹子にアピールしてみたけど、これで大河ドラマに付き合ってくれなかったらどうしよう。
いや別に大河ドラマ見てほしいわけじゃないんだけどね(言い訳)
歴史の流れをね~知るにはね~。
◇
妹子はどうして義経が好きなのかな?
そういえば共通点があります。
源義経と藤原道長を書いた人、漫画家さんが同じです。
大倉元則さん。
妹子はこの手の顔が好きなのかな?
(超・昭和風ではありますが)整っていて安定的な、しかも内容も漫画的な、非常にバランスの取れた絵です。
じゃあ家康はどうなのかというと……福田三郎さんだ。違うじゃないか。
何が共通点なのかどうしても不思議で、この三人をひねくりまわして見ているうちに、ちょっとわかりました。
幼い時に苦労しているのです。
苦労人が好きなのかな。
そして後半になって、すごい勢いでのし上がっていく。
確かに、この立身出世の物語で相当に胸アツです。
それに小さい時に苦労して頑張れみたいな話は教育的にもいい気がします。
でもそこで秀吉ってならないんだな~?
妹子「秀吉嫌い。信長怖い」
もしかして家康は三つの選択肢の中の一つなんだろうか?
わたし「伊達は?」
妹子「派手なパフォーマンスする人嫌い!白装束とかわざとらしい!」
妹子は蒲生氏郷の生まれ変わりなのだろうか。
◇
妹子、義経をもう一度読み終わりました。
妹子「頼朝ひどい💢ほんときらい💢」
中央集権を図るため、カリスマがあり、軍の人気がある義経を放置しておくわけにはいかなかった。
わたし「でも結局、頼朝が死んだ後、鎌倉幕府はそっくり嫁さんの実家に乗っ取られるんだよ!」
それこそが北条一族。
そしてモンゴルから日本を守る。
次のテンプレは、元寇だー!
妹子「お嫁さんて政子でしょ。北条政子てメンヘラでしょ」
わたし「何を言う!メンヘラじゃないやい」
妹子「お母さん北条政子好きなの?」
わたし「大好き」
妹子「頼朝の恋人の家を壊したんでしょ?メンヘラじゃん」
わたし「なんでそれがメンヘラなのよ。普通壊すでしょ、あなた壊さないとでも言うの(真顔)」
妹子「そ…それは……壊すけど」
わたし「でしょ?だよね。ほらね」
母と娘そろってメンヘラを暴露してしまう結果になってしまった。
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紫式部は、一条天皇のきさき・彰子につかえ、日本文学の最高峰ともいわれる『源氏物語』のほか、『紫式部集』や『紫式部日記』など、平安時代を代表する作品を書いた。まんがで楽しく学べる一冊。
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邪馬台国の女王・卑弥呼は、巫女のふしぎな力で国を治め、たびたび中国へ使いを出し、『親魏倭王』の称号と金印をもらった。しかし、となりの国との戦いのなかで死んだ。まんがで楽しく学べる一冊。
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2022年の大河ドラマ主人公として注目される北条義時。平安時代の末期に生まれ、姉の政子が源頼朝と結婚したことから運命が動き出します。頼朝に仕えて平氏をたおし、鎌倉幕府でも活躍。さらに頼朝の死後、朝廷との争いである承久の乱に勝利します。明治時代直前まで続く「武士の世」を確立させた北条義時の生涯を、まんがでわかりやすく紹介します。
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まんがで読む 平家物語 (学研まんが日本の古典)
山野井 健五 (監修), 学研教育出版 (編集), 名古屋 裕 伊部 太朗 薙澤 なお
古典の名作「平家物語」をまんが化。話の流れがつかめるまんがと、まんがを補足説明したコラムで、楽しみながら内容や時代背景を知ることができる。初めて「平家物語」を読む人でもすらすらと読め、古典入門に最適。
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清盛の太政大臣昇進から壇の浦の決戦にいたる平家一門の栄枯盛衰を、無常観を主題に描いた軍記物語の最高傑作―。水滸伝、三国志などの中国戦記ものを長く手がけてきた巨匠・横山光輝が、中世日本の幕開けを告げる内乱の時代を活写する。平成九年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞受賞。
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御家人の粛清、公文所、問注所の設置、後白河法皇との熾烈な暗闘。鎌倉幕府開設への準備を着々と進める頼朝にとって、最後の障碍は、平氏追討に大功を立てた義経の存在だった―。御家人たちの動静をきめこまかに追いながら、九郎判官義経の悲劇的な最期を描く。平成九年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞受賞。
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戦の天才にして、悲運の武将・源義経! 源平合戦の英雄の、短くも激しい生涯を、現代的絵柄でコミック化! 監修の加来耕三先生による解説も必読!!
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東国に散った悲劇の武将、源義経。歴史的には不明な義経の少年時代のことや、人柄などを悲劇の主人公としてふさわしいように描き伝えた物語「義経記」を、まんがにした「古典文学館」の1冊。
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