閑話 読書の無理じいは、かえって子どもが本を嫌いになる?→答え「ものによる!」
閑話です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
「あたしねないからね!6じになっても7じになっても8じになっても9じになってもおめめぱっちりだし、10じ、11じ、12じになったって13じになったって、げんきもりもりなの」いもうとはねむたくなったことなんてないというのです。(「BOOK」データベースより)
妹子「おかあさんどうしたの」
わたし「今日ね、ひさしぶりの読み聞かせをやったのよ。小学校で」
妹子「なに読んだの?」
わたし「『ぜったいねないからね』を読んだ」
妹子「ほー!あれかぁ!ぜったい面白いやつ!」
わたし「そう思うでしょう」
妹子「だめだったの?」
わたし「シーーーン…としてた……」
妹子「だめじゃん」
わたし「そうなんだよ~。でもウケなかったというわけでもないんだよね。(負け惜しみ)はじまりのとき、下を向いて、つめをいじってた子が顔を上げてこっちを見始めたし、みんな凝視してたから」
でも、凝視なんです。
笑ってはくれなかったな~。
めちゃくちゃ真面目に聞いてました。
これ、今までウケなかった教室なかったんだけどな~。
自信喪失……。
でもっ!
そういう時もあります!
そういう時は、「聞いてくれた」「凝視してた」という、いいところだけを見て自分を励ますことにしてるのですが…。
何せ、久しぶりだったもので。
いちど紹介したのですが、こんど、もっと詳しく紹介してみたいと思います。
◇
読み聞かせの人たちと久しぶりにお話して
ちょうど三年生ぐらいの子どもにおすすめの本は?
という話題になっていました。
そのとき
「親が読ませようとすると、かえって嫌いになってしまうから、おすすめしたりは絶対しない」
というかたの意見が紹介されて、みんなうーんと考えこんでしまいました。
まあ、読み聞かせの中でも、学校にまで出かけて読もうという人は、もうアレですから(笑)
読ませようという心満々ですから……。
でもその意見はある意味真実ではあるので、
うーん。
となってしまったわけです。
親が読ませるとかえって読まない、というのは、ものすご~~~くよくわかります!
反発心もあります。
勉強も、家でするのと、塾で第三者から習うのとは全然ちがう、というのと同じだと思います。
しかし、しかしです。
それでも、私は思うのですが………。
どんなに無理矢理に読ませられて、嫌いになろうとしてもなれない。吸い付けられて読んでしまう。
そういう、「普遍的な面白さを持つ本」というのは、ぜったいに存在します!
それは、名作の中にあります。
というより、逆説的に、そういう本だからこそ、「名作」の称号を冠されてるわけです。
◇
そのお子さんに親ごさんがためしてみたと言われていた本は、最近ウケている、いわゆる「売り上げナンバーワン」みたいな児童書たちでした。
でも、それを
「おもしろくない」「見向きもしない」
という感覚に、どちらかというとわたしは、みどころを感じてしまいました。
その時代にウケている本に興味を示さない子。
そんなお子さんにこそ、名作古典をためしてみてはいかがでしょうかっ☆
怪しげな営業マンのノリで。
それで合わないなら合わないでよいので。
また、まったく別の方向性から、ラノベを試してみるとか。
思いもよらない硬派な本にしてみるとか。
(ラノベだって、文章力がすばらしいもの、たくさんあります!!)
以前、ほとんど読まない、本になんて興味ないと思ってた兄助のお友達が、唐突に「芥川龍之介に感動した!!」とアツく語ってきて、あれこれ全部すっとばして、いきなり芥川なんだ~、色々と(その子も芥川も)すごいな……。と思ったことがありました。
◇
大切なのは、とびらを閉じないことだと思うんです。
この子はもうあきらめた。
そういう心を持たないことだと思います。
その子の個性も、好みも、最大限に尊重しながら、あらゆる方面から、ひかえめに、でもアプローチは続ける。こころみる。
そのためには、自分が、親本人が、読書の間口を広める必要があるのではないだろうか?
と思いました。
どこが琴線に触れるか、その時期が人生のいつなのか、なんて、誰にもわからない。
でも、本の中には、目に見えない世界が広がっていますから。
そういう世界があって、いつでも待っている、ということだけでも、知ってもらいたいと思います。
◇
兄助「最近のガキはおもしろいのがわからないんだよ」
わたし「えっ!『ぜったいねないからね』なんて、あなた読んだのずいぶん前だと思うが、覚えてるの?」
兄助「ばかにしてんの?」
忘れるわけないだろ!!
と言ってくれたのが嬉しいなあ。
普段、ちっとも本を読んでいる姿なんて見せないので、そういう子が本に言及すると、いちいち重みがあります。
こどもたちが大きくなってくるとつくづく思うことですが、勉強もあり、することに追われて、ほとんど読書の時間など取れません。
でも、あのすばらしい名作の数々のことは覚えていてくれるんだ。
「くまの子ウーフ」のことは覚えているし、「そらいろのたね」のきつねはクソだというし、トム・ソーヤも、メアリー・ポピンズも、カッレくんも、やかまし村も……。いつまでも「チム・ラビット」は好きでいてくれるようだし。
読んでくれない子、そこにも、本ずきになるタネ、ポテンシャルは確かにひそんでいる、そう思います。
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チャーリーのいもうとローラにはきらいなたべものがたくさんあります。とくにトマトはぜったいいやなんですって。チャーリーは、なんとかしてローラにたべさせようとするのですが…?(「BOOK」データベースより)
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ぼくには妹がいて、これがなかなか世話のやけるやつなんだ。妹は言うんだ。「あたしは、まだ大きくなんかない。ほらね、まだ小さいの! 学校へ行ってる時間なんかないと思うの」 そこでぼくは言ったんだ…。シリーズ第3弾。(「MARC」データベースより)
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「くまの子ウーフ」の物語は、1969年の刊行以来、小学校の教科書をはじめ、さまざまな形で読み継がれてきたロングセラーです。卵を割ると、必ず卵が出てくることに感心し、自分が何でできているか真剣に考えるウーフ。子どもたちはウーフとともに考え、発見の喜びに目を輝かせてきました。また、命のふしぎと生きることの本質をあざやかに描いた物語は、幅広い層の読者の共感を集めてきました。時代を経てますます輝きを増すウーフの世界をたっぷり味わえる「くまの子ウーフの童話集」を、コンパクトなサイズにリニューアルしてお届けします。
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