大人が読む児童書。
「積ん読・解消計画★児童書編」です。
この記事はネタバレもしていくことになりますので、未読の方はご注意ください。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
両親が不在の屋敷にあらわれた家庭教師によって、ボニーといとこのシルヴィアは、次々と陰謀の渦に巻きこまれていきます。少年サイモンの助けで窮地を脱するのですが…三人の大冒険の結末は?波瀾万丈のシリーズ第1作、待望の新訳!
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大人が読む児童書「ウィロビー・チェースのおおかみ」2 海外ドラマもびっくり -
つづきです。
海外ドラマもびっくりの展開は続きます。
シルヴィアのこの不安な旅は終わり、目的地には何とか到着したのですが...ここでまた、!?ということが起きます。
電車の急停車と共に、眠っていたグリムショー氏、あみだなから荷物を下ろそうとして旅行カバンを落っことしてしまい、カバンは頭に激突して男は気絶してしまいました。
次から次へと、予想もつかないことが起きます。
窓から飛び込んだオオカミに、銃ぶっぱなしに、カバン激突で気絶。
海外ドラマもびっくりです。
シルヴィアは、ふるえあがった。
でしょうね。
◇
びっくり仰天しているシルヴィアの所にお迎えがあって、そこには、ボニーも来ていました。
気絶したグリムショー氏をそのままにはしておけないことですし、皆、相談の上、彼をウィロビー・チュースの屋敷に連れて行くことにしました。
んんん~??
いいのだろうか?これは怪しい展開です。
ボニーとシルヴィアの二人、初対面のようですがとてもお互いに感じがよいです。
元気なボニーに迎えられて、シルヴィアもやっとほっとすることが出来ました。
ボニーは明るくて元気いっぱいですし、シルヴィアは心強くなります。
そんな馬車の旅なのですが、外はオオカミが吠え、荒涼とした空気です。
夜の闇のなか、雪の香りをふくんだ風がほおをなで、はてしない高原や森が、四方に広がっている…。
やはり、本を読んでいての醍醐味は、こういう美しい描写にほれぼれとするときです。
こればかりは、どんなに美麗な絵も出せません。
ふっと周囲に向ける目、その描写の美しさ、ことばの運びの美しさというのを感じて欲しいです。
また、小さい頃は目を向けていなくても、面白くて慣れ親しんだ物語を何度も読み返すうちに、このような所のすばらしさも長じるにしたがってだんだん理解してくれるものと思います。
訳者のかたの尽力、力量は大きいです。
こだまともこさんは名訳です!
◇
お屋敷の生活は今までの極貧生活とは雲泥の差です。
シルヴィアはジェーンおばさまが心配でたまらないのですが、ボニーが慰めてくれます。
(でもボニーはすぐに体の弱いお母さんと別れなければなりません。)
誇り高いおばさまは、弟のサー・ウィロビーに困窮ぶりを話してほしくないだろうこともシルヴィアはわかっています。
このシルヴィアが、あの愛情深い気の毒なおばさまのことを忘れていないし、何とかして助けないといけない、と決心しているので私も嬉しいです。
サー・ウィロビーはあのイヤな家庭教師、スライカープ先生にあれこれ教えています。
留守の間、、土地や屋敷の管理までまかされる...?
どんだけやねん!
グリムショー氏ですが、何と記憶喪失になっています!!
しかも、部屋に子どもたちが入っていくと、書類をもやしています!
もうわけがわかりませんが、すべてがあやしさ大爆発なことだけは確かです。
◇
途中までですが、問題なく途轍もなくおもしろい、という感想です。
ふたりの主人公がそれぞれに序盤で出会った悪党たちは、どうやらウィロビー・チェースの乗っ取り計画をたてていたようです。オオカミに、銃ぶっぱなしに…(略)
映画になっていても全くおかしくない、次々に起きる動きのある展開と、貧乏なおばさまが心を尽くして縫ってくれた服だとか、うすっぺらいハムのお弁当だとか…、ひとつひとつがキャラだちというより描写だちしていて、心に残ります。
まだまだ序盤で、割と筆をさきました。
やっぱりお話の序盤の紹介こそが、本を読んでもらうにはいちばんだと思っています。
そういう感じなのかー。読んでみたいな!と思ってもらいたい所だと思いますので、細かく紹介しました。
物語が展開し、どんどん広がっていくにつれて、私もあまり紹介しないようにしている…つ...つもり...です。
(次回で終わります。読み終わりましたので総括です)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
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