~珠玉の児童書~

~珠玉の児童書の世界~

学校で塾で、読解力を身に付けるには本を読め、と言われる。ではいったい、どの本を読めばいいのか?日本が、世界が誇る珠玉の児童書の数々をご紹介。

今日の一冊「天からふってきたお金」 1

今日、ご紹介するのは児童書です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

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今日の一冊

 

天からふってきたお金―トルコのホジャのたのしいお話
アリス・ケルジー (著), 和田 誠 (イラスト), 岡村 和子 (翻訳)

むかし、トルコにナスレッディン・ホジャという名前のとんちのうまいおじいさんがいました。このナスレッディン・ホジャの出てくる短いお話を600ほど集めたものが"ナスレッディン・ホジャ物語"で、トルコでは何回も出版されています。

 

これは、勝手に私が選んで借りてきたものですが、妹子はちょっとしぶって手に取ろうとしませんでした。

 

妹子「だって アラーの神って書いてあるよ。これってイスラム教の話なの?イスラム教って何か怖い。ムハンマドの絵をかいたってだけで殺されちゃうんでしょ」
わたし「だからこそ、こういうの読んでほしいんだよ。こういうの読んでるとね、そういうのが偏見だってわかるんだよ」

 

著者のアリス・ケルジーさんは、「トルコに住んでいたことのあるアメリカの女優作家」さんだそうです。

 

アメリカの子供達の為に書いたと書かれています。
この本、一度英語を介しているということですね。

 

妹子「絵がしゃぼんだまの人だね」
わたし「そうだね、ぼくは王さまの和田誠さん」
妹子「『しゃぼんだま』でよくわかったね!」
わたし「すごいだろう」
妹子「ドヤってんじゃないYO!」

 

うちにある「ぼくは王さま」の本は和田誠さんの挿し絵の本です。


 

フォア文庫からは、和歌山静子さんの絵で出版されていて、こちらの方がなじみ深い方も多いのではないでしょうか。
どちらも、イメージを壊さずに、お互いにしっくり来ているところがすごいなと思います。


 

おっと、これは「天からふってきたお金」の話だった。

 

 

妹子「すごく面白かった。とっても頭のいい人だなって思った」
わたし「確かに、とんち系の話だよね。吉四六さん系」

 

最初、妹子の言葉を信じて
「空からふってきたお金」
と検索してみると、たくさん怪しげな検索結果が出てきました。

 

正確には、「天からふってきたお金」

 

ナスレッディン・ホジャは、日本語に訳すと、「ナスレッディン坊さん」となります。 ホジャは、むかしは、学校に住みこんで宗 教 教育にあたった人のことで、頭にはターバンをまき、そでもすそも長いきものをきていました。のちに、ホジャは、ただ「学校の先生」といういみになりましたが、このいみではいまも使っています。ナスレッディンは、日本でいえば「助左衛門」というような名まえです。

 

内容は よくあるとんち系のおもしろ昔話です。

 

ホジャは、王さまだからといって、ペコペコもしません。ひゃくしょうだからといって、いばるわけでもありません。そこで、王さまは、 ホジャといっしょにいると、気もちがせいせいして、ゆかいになるのでした。

 

豊臣秀吉も、曽呂利新左衛門と話している時は、そういう気持ちになったことでしょう。

 

しかしこのナスレッディン・ホジャ、割と失敗ばかりしています。

 

それを、超ポジティブシンキング、もはや屁理屈レベルと言えるほどのゴリ押しポジティブで、なんとかうまく切り抜ける、また運良くうまいこと言った、そういう系統のお話です。

なるほど~!と言うようなとんちは、それほどないです。

 

どちらかといえば、ノリの良いおちゃめさん。

 

そんな中でも印象に残った話をちょっと紹介してみようと思います。

 

 

「三つの金曜日」

 

ホジャというのがお坊さんのことだというとおり、モスクの壇の上に乗って、皆の前でアラーの神様の話をしなければならりません。

 

「金曜日は回教寺院に、信心深いモハメット教徒が行くので」

 

これは、「ムスリムがモスクに行く」と書かれてるのとは、随分イメージが違います。
言葉のイメージは大事ですね。

 

ずっとむかし、ホジャは僧院でべんきょうをしたことがあったので、金曜日になると、きまった時間に説教壇にのぼって、アラーの神さまの話をしなければならなかったのです。それも、なにか話すことがあるときは、へいきです。でも、ときには、ホジャの頭のなかも、ホジャのねずみ色の口パの頭のように、からっぽのことだって、あるのです。

 

「しなければならなかった」という言い方からして、
したくない・できない
何も思い付かない感が満載です。

 

ホジャはうまいことを思いつきました。

 

観衆に「何を話そうとしてるか分かりますか」と聞いて、「分かりません」という答えが返ったら、「では話しても無駄ですね」と言って帰ってしまいます。

 

2回目の時は、「何の話をするかわかりますか」と聞いて、この前わかりませんと答えたらホジャに帰られてしまった人々は、「わかります」と答えました。
「わかってるんだったら話さなくてもいいですね」と言って帰りました。

 

そろそろ観衆も気づけよという感じです。

 

3回目。
絶体絶命です。

 

これ、一週間に1回の話なので、3回サボったということは、およそひと月はほぼ、何も話さなかったということですね。

 

今度は何を考えているか、「分かる」という人と、「分からない」という人の、2通りに分かれました。

 

そこでホジャはこうです。

 

「わからない人は、わかっている人から聞いて下さい」

 

うまいな~。

 

空は、はれわたって、あたたかい日でした。鳥はさえずり、あたりにはサンザシのかおりがただよっていました。
ホジャはうきうきしていました。──なにしろ、来週の金曜日までは、なんのしんぱいもないのです。

 

花金に幸あれ!

 

どこかで、読んだ話だなと思って昔話集を引っ張り出してきましたので、つづきます。

 

 

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ぼくは王さま
寺村 輝夫 (著), 和歌山 静子 (イラスト)

 

 

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ぼくは王さま
寺村 輝夫 (著), 和田 誠 (イラスト)

王さまはたまごやきが大好き。朝も昼も夜も、いつもたまごやきを食べます。ある日、王さまはとびきり大きなたまごやきを作るために「ぞうのたまご」をとってこいと命令を出しますが…。ロングセラー児童文学のリニューアル版。(「MARC」データベースより)

 

 

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世界宗教といわれるものはすべてこの地域で発生し、砂漠あり氷河あり、人類の往きかよう十字路。おびただしくある説話から昔話のインド起源論が風靡したことさえあった。ともあれ、この地域が昔話の宝庫であることは間違いない。
<インド> 青い山犬 / 三人のいたずら者 / 他十二編 
<イラン> お百姓と三人のいたずら者 / アリ・ムハメッドのお母さん / 他五編 
<アラビア> ダマスクスの商人カシムの話 / 二人のごろつき / 他四編 
<トルコ> 笑いリンゴ泣きリンゴ / どろぼうの名人 / 他六編 
<イスラエル> 巡礼と彼のロバ / なまけ者の国 / 他五編

 

 

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