~珠玉の児童書~

~珠玉の児童書の世界~

学校で塾で、読解力を身に付けるには本を読め、と言われる。ではいったい、どの本を読めばいいのか?日本が、世界が誇る珠玉の児童書の数々をご紹介。

大人が読む児童書「チム・ラビットのぼうけん」 1 年長児向けの「しっかりした本型の本」

大人が読む児童書。
「再読★児童書編」です。


この記事はネタバレもしていくことになりますので、未読の方はご注意ください。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

チム・ラビットのぼうけん
アリソン・アトリー (著), 中川 宗弥 (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

子うさぎのチムの成長を温かくとらえた珠玉の童話を、名訳と流麗なさし絵でおくる。

 

結局、ずーっとご紹介したかった「チム・ラビット」にすることに決めました。

取り出してみても、やっぱり表紙が可愛いです。

 

 

イギリスの三大うさぎ作品と言えば、
(ぱっと思い出せる限り・しかも個人的感想)

 

ベアトリクス・ポターの「ピーター・ラビット」シリーズ
リチャード・アダムズの「ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち」

 

そしてこのアリソン・アトリーの「チム・ラビット」シリーズ、です 。

 

この三つ、うさぎと言えどもそれぞれに全く違っていて、それぞれの方向に突き抜けています。

 

ピーターラビットは何と言っても、です。
あの絵は芸術品です。

 

ウォーターシップ・ダウンは、卓越したストーリー性です。
緻密で神秘的、もうすでにあれはもともと大人向けでは?といえるほどです。

 

これらの本は、絵が、ストーリーが、子供向け、大人向けという枠を超えています。

 

そしてアリソン・アトリーの「チム・ラビット」は、明らかに小さなお子さんに向けた作品です。

 

チム・ラビットは子供にプレゼントするのに最適です。
何より、うさぎのチムがめちゃくちゃに可愛いです。

 

うさぎの児童書というなら、ベアトリクス・ポターの絵はとびきりの出来ですが、お話自体はけっこうシニカルです。
(そこがいいのですが)

 

おっとりとして可愛い童話なら、こちらの方がお話としてはおすすめです。

 

 

目次はこんな感じです。

 

1.チム・ラビット
2.チム・ラビット と はさみ
3.チム・ラビット の うん
4.チム・ラビット と かかし
5.チム・ラビット の いえの がらすまど
6.チム・ラビット と 三ばの カササギ
7.チム・ラビット の あまがさ
8.なぞなぞ かけた
9.チム・ラビット と あかちゃんぐつ

 

この目次、および中の文章ですが、「こどものとも」の絵本でよくあることですが、単語ごとにスペースが入っています。

 

そしてほとんどが、実にやさしい日本語で書かれており、ほぼ99%ぐらいがひらがなです。

 

とても簡単な、1年生で最初に習う程度の漢字に、ふりがながふられて使用されています。

 

これは小学校に上がる前の、年長さんぐらいの子供を想定して作られている、「しっかりとしたハードカバーの長い本」です。

 

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まだ幼いお子さんが、コントロールができない力で強く引っ張ったり、投げ飛ばしたりしても、ある程度耐えうるような強いつくりになっています。

 

しかも絵本ではない「本型の本」。

 

字は多いですが、行間は広く、ストーリーも一話完結で分かりやすい、けれど物語としてしっかりしており、描写も美しいです。
翻訳に違和感がまったくありません。

 

明らかに小学校入学前の子供を対象としているな、という本が昔はたくさんありました。

 

「ふらいぱんじいさん」
「くまの子ウーフ」
「エルマーのぼうけん」

 

などなど。

今もまだ、「モモちゃん」シリーズシリーズは売られ続けています。

 

全て、子供たちに本を好きになって欲しい、本を読む習慣をつけてほしい、本という存在になれてほしい、という願いを込めて作られた本です。

 

主人公となっているどうぶつたちの行動が、明らかに小学生まえの子どもたちそのままです。

 

子どもたちの心によりそい、日常に非常によくある景色を取り入れています。
それも、「絵ではなく、字で」表現しています。

 

日本語も実に素晴らしいものです。
表現が古いかというとまったくそんなことはありません。
なぜなら、子供向けに描かれているため、極限まで無駄を削ぎ落したシンプルな日本語だからです。

 

難しい表現がないので、昭和・平成・令和と言ったくせがないのです。
読み聞かせは、決して絵本だけが対象ではありません。

 

絵本は子ども本人に読んでもらい、そこから「ハードカバーの本」をおとなが読んでみせて、いっそう「字で表現する文章」というものに興味を持ってもらう。

 

そういう導き方も、あると思います。

 

 

冒頭はこんな感じです。

 

かぜが ひゅうひゅう うなり、雨が ざあざあ ふっていました。小さい うさぎのチム・ラビットは、目をはんぶんつぶり、あたまをさげて、かぜにむかって いっしょうけんめい はしっていました。

 

このうさぎくん、一体どうしたのか、とても気になります。
文章表現の教科書と言っても良いほどの、上手な惹きつける冒頭です。

 

がっちりと子供の心をつかみます。

 

いばらに ひっかかって、ずぼんは やぶれ、はりえにしだの やぶを とおるときには、うわぎが ちぎれました。はなが なにかに どんと ぶつかり、あごは すりむけました。けれども チムは、たちどまって なでたり していませんでした。

 

チムは何かから逃げています。
家に慌てて飛び込んで、お母さんに訴えたこわいもの、は、びゅうびゅううなる風でした。
お母さんが、「やきたての ぱん」をくれて、慰めてくれました。

 

この「やきたての ぱん」の文字のおいしそうなこと!

 

 

…つづきます。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

チム・ラビットのおともだち
アリソン・アトリー (著), 中川 宗弥 (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ピーターラビット全おはなし集
ビアトリクス・ポター (著, イラスト),いしい ももこ (翻訳)

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ウォーターシップ・ダウンのウサギたち
リチャード アダムズ (著), 神宮 輝夫 (翻訳)

「すごく恐ろしいことだ!近づいてくる。ぐんぐんやって来る」。予知能力のあるファイバーの言葉を信じて、十一匹のウサギが旅に出た。いったいどこに平和な土地があるのか!?小さなウサギたちの大きな冒険…世界中をとりこにした名作が、今、改訳新版でよみがえる。「BOOK」データベースより)

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ふらいぱんじいさん
神沢 利子 (著), 堀内 誠一 (イラスト)

たまごを焼くのが大好きなふらいぱんじいさん。新しい目玉焼きなべがきて、たまごを焼かせてもらえなくなってしまいます。そこで、ふらいぱんじいさんは旅に出ることにしました。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

くまの子ウーフ
神沢 利子 (著), 井上 洋介 (イラスト)

「くまの子ウーフ」の物語は、1969年の刊行以来、小学校の教科書をはじめ、さまざまな形で読み継がれてきたロングセラーです。卵を割ると、必ず卵が出てくることに感心し、自分が何でできているか真剣に考えるウーフ。子どもたちはウーフとともに考え、発見の喜びに目を輝かせてきました。また、命のふしぎと生きることの本質をあざやかに描いた物語は、幅広い層の読者の共感を集めてきました。時代を経てますます輝きを増すウーフの世界をたっぷり味わえる「くまの子ウーフの童話集」を、コンパクトなサイズにリニューアルしてお届けします。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

エルマーのぼうけんセット
ルース・スタイルス・ガネット (著),
ルース・クリスマン・ガネット (イラスト), 渡辺 茂男 (翻訳)

エルマー少年とりゅうの子の冒険物語3部作。ユーモアたっぷりのお話は、読むものの心を空想の世界に羽ばたかせながら、物語のリアリティーに引き込みます。幼年童話の最高峰として読みつがれているロングセラー。

 

 

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