~珠玉の児童書~

~珠玉の児童書の世界~

学校で塾で、読解力を身に付けるには本を読め、と言われる。ではいったい、どの本を読めばいいのか?日本が、世界が誇る珠玉の児童書の数々をご紹介。

大人が読む児童書「くまの子ウーフ」3 毛皮を換金しようとするくまの子

今日、ご紹介するのは児童書です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

くまの子ウーフ
神沢 利子 (著), 井上 洋介 (イラスト)

「くまの子ウーフ」の物語は、1969年の刊行以来、小学校の教科書をはじめ、さまざまな形で読み継がれてきたロングセラーです。卵を割ると、必ず卵が出てくることに感心し、自分が何でできているか真剣に考えるウーフ。子どもたちはウーフとともに考え、発見の喜びに目を輝かせてきました。また、命のふしぎと生きることの本質をあざやかに描いた物語は、幅広い層の読者の共感を集めてきました。時代を経てますます輝きを増すウーフの世界をたっぷり味わえる「くまの子ウーフの童話集」を、コンパクトなサイズにリニューアルしてお届けします。

 

 

「くまの子ウーフ」絵本から本へ

大人が読む児童書「くまの子ウーフ」1 反応が鈍くてトロいからって、傷付いていないわけじゃない

大人が読む児童書「くまの子ウーフ」2 イヤな子とどう付き合っていくか?永遠の命題

 

今更ですけど、「くまの子ウーフ」の目次です。

 

さかなには なぜしたがない
ウーフは おしっこでできてるか?
いざというときって どんなとき?
きつつきのみつけた たから
ちょうちょだけに なぜなくの
たからがふえると いそがしい
おっことさないもの なんだ
? ? ?
くま一ぴきぶんは ねずみ百ぴきぶんか

 

これらの9編でできています。

 

 

くまの子ウーフの中でも、特に面白いのが「落とさないものなんだ」です。
(まあ、ぜんぶ面白い話なんですけども)

 

いつものんびりおっとりしているウーフですけど、もちろん子供らしく欲にまみれる時だってあります。

 

こんな冬の寒い季節に紹介するにはどうなんだろうっていう、暑い暑い夏の日のお話です。

 

真夏の暑さ真っ盛り!
ウーフは暑くてたまりません。
(最近の、命の危険を感じる暑さとはちょっとまた違う気もしますが……)

 

それこそ、毛皮を脱いでしまいたいぐらい暑い日です。

 

何をしても、ただ座ってても厚い。昼寝しても暑いし、目が覚めても暑い!
暑いから疲れるけど暑いから体も休まらない。

 

空には、ソフトクリームのような雲……。

 

ウーフ「ソフトクリーム100こなめたい」

 

すると、誰かが木の上から笑います。
小鳥のピピでした。

 

そんなに厚い毛皮を着てるからだと言うのです。

 

「くまって、大きいくせに、みんな、おばかさんなのね。毛皮をぬいじゃえばすずしいのにね。人間なんか、夏ははだかんぼでおよいでるわよ。」

 

そして、急に声を低めたひそひそ声で、町のお店で、毛皮を売っているのを見たことがある、と言い出しました。
なんだか嫌な予感がします。
だいたい、急に声を低くしたひそひそ話というのは、ろくなことがありません。

 

案の定、恐ろしいことを言い出しました。

 

「毛皮をぬいで、売ったらどうお。お金もちになれるわよ。」

 

妹子「いやいやいやいや」
わたし「だめだめだめだめ」

 

妹子「ダメだって!このキツツキ、なんて恐ろしいこと言うの?ウーフをころすつもりなの?はっ!」
わたし「どうしたの?」
妹子「もしかして、こいつ、最初っかウーフを殺すつもりでここにいて、ずっと木の陰からチャンスを狙ってたんじゃ……」
わたし「いやいやいやいや」

 

 

ウーフは無邪気なので、涼しくなっておまけにお金持ちになれると聞いて、やる気になってしまいました。

 

妹子「まじかよ。死なないの?」
わたし「いや死ぬでしょ」

 

ウーフは、毛皮をシャツを脱ぐように引っ張りますけど取れません。

 

わかってなくて、本気で、しかも本人が、やってるところがすごくシュールです!

 

ピピ、「だめねえ、ウーちゃんはひとりで毛皮もぬげなんだから……」なんて言いながら、どこからともなく、ぴかぴかひかるはさみを……。

 

「さあ、もう、だいじょうぶ。せなかからきったげるわ。」
「気をつけてよ。ほんとに、毛皮だけきってくれよ。」
ウーフは、こわくなってたのみました。ピピはへいきよ、というようにかちかちはさみをならしました。

 

ホラー!ホラー!!

 

挿絵で見ると、これが実にうまく鳥の足ではさみをつかんでいるのです。

 

じゃっきん!
「あいたっ。」
ウーフは、とびあがりました。はさみが、がちゃんところがりおち、金色の毛が、ぱらぱらこぼれました。
「なによ。じっとしてなきゃ、だめじゃないの。」
ピピが、おこりました。
「せなかがつくんとしたよ。気をつけてったら。」
ウーフがどなりました。

 

 

妹子「え。くまって、毛皮取れるの?」
真顔で言い出した。

 

わたし「取れるわけないよ……」
妹子「え、じゃあどうやって毛皮を取るの?」
わたし「皮を剥ぐ……」
妹子「え、つら。エグ」

 

説明させられてるこっちの方がつらいわ!

 

しかしこの小鳥のピピ、悪気があるわけではないようなのですが、とりあえずウーフにこのことを話す以前に、町のお店で毛皮が売ってあるのを見て、
「わー高っ。毛皮ってあんなに値段するんだ」
ぐらいは思っていたかもしれません。

 

もちろん、皮をぬぐことができるはずもないので、ピピとウーフは喧嘩別れしてしまいました。

 

このときの挿絵の、怒っているウーフの顔がめちゃくちゃ笑えます。

 

お金持ちにはなれないし、暑いし、ウーフがお金持ちになりたいと泣いていると、コガネムシが慰めてくれました。

「落っことしたり無くしたりしないものだけ持ってればいい」

 

じゃあその落とさないものってなんだろう、というところで、考えながらウーフは家に帰って、お母さんに聞きます。

 

「なくさないもの」「自分」というものは、何だろう?

 

あどけないけれど真剣なやりとりに笑って、ゆかいな気持ちになったところで、ふっと大切なことを問いかける。

 

くまの子ウーフ、いつまでも子どもたちに(親たちに)愛されていて欲しいです。

 

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

そらいろのたね
なかがわ りえこ (著), おおむら ゆりこ (イラスト)

ゆうじが模型飛行機を飛ばしていると、きつねがやってきて「そらいろのたね」と模型飛行機を交換することになりました。そらいろのたねを植えて水をやると、なんと空色の家が生えてきたではありませんか! 空色の家はみるみるうちに大きくなり、たくさんの動物や鳥や子どもたちの楽しい遊び場になります。しかし再びやってきたきつねが、みんなを追い出して空色の家を独り占めしてしまいます。きつねが家にはいると、空色の家はさらに大きくなって……。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ちびっこカムのぼうけん
神沢 利子 (著), 山田 三郎 (イラスト)

カムは、湖のそばにたち、金のユビワを北にむかって、三ど大きくふりました。かあさんのびょうきをなおすイノチノクサをもとめて、火の山にすむ大オニ・ガムリイと対決するカム。リズム感あふれる文章でつづる、スケールの大きなファンタジー。(「BOOK」データベースより)

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ふらいぱんじいさん
神沢 利子 (著), 堀内 誠一 (イラスト)

たまごを焼くのが大好きなふらいぱんじいさん。新しい目玉焼きなべがきて、たまごを焼かせてもらえなくなってしまいます。そこで、ふらいぱんじいさんは旅に出ることにしました。

 

 

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銀のほのおの国
神沢 利子 (著), 堀内 誠一 (イラスト)

よみがえったトナカイの首領はやてを追って、たかしとゆうこの旅は始まった。人はなぜ、他の生きものの命を奪わなければ生きられないのだろう。重たい問いを抱きながらふたりは、動物たちの国の壮絶な戦いに立ち会う。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

はけたよはけたよ
神沢 利子 (著), 西巻 茅子 (イラスト)

たつくんは、ひとりでパンツがはけないんだよ。片足をあげると、どでん!と転んでしまう。「えい、パンツなんかはかないや。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「プロジェクト・グーテンベルク」
http://www.gutenberg.org/ebooks/author/492

 

プロジェクト・グーテンベルクについて
Wikiの説明ページ

プロジェクト・グーテンベルク(Project Gutenberg、略称PG)は、著者の死後一定期間が経過し、(アメリ著作権法下で)著作権の切れた名作などの全文を電子化して、インターネット上で公開するという計画。1971年創始であり、最も歴史ある電子図書館

 

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