今日の一冊「モモ」
今日、ご紹介するのは児童書です。
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今日の一冊
町はずれの円形劇場あとにまよいこんだ不思議な少女モモ。町の人たちはモモに話を聞いてもらうと、幸福な気もちになるのでした。そこへ、「時間どろぼう」の男たちの魔の手が忍び寄ります…。「時間」とは何かを問う、エンデの名作。小学5・6年以上。(「BOOK」データベースより)
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三年生で先生におすすめされるそうです。Amazonの解説には「5.6年以上」とあります。
みなさんはどうなのでしょう?
私も三年生で読みました。
人によっては、5年~6年でも難しいようです。
この話は、現代社会に忍び寄る時間泥棒のお話です。
漫画でも小説でも、平凡で弱い主人公が、特別な力を持っていて、その特別さが鍵になって物語が展開していく…のですが、このお話におけるモモの不思議な力。それは
「人の話を聴くこと」「耳を傾けること」
…豊かに、もっと豊かに!もっともっと!
休むことなくぎりぎりまで働き、稼いだお金を、子供の教育につぎ込み、その子供は休むことなく学び…疲れ果て、疲弊していく…。
余裕のない心が呼ぶ争いと虚無…心も体もむしばまれていく。
時間とは、人生とは何なのか?生まれる時間をどう使うか?
見た目の絵で、損をしている本の一冊なのではないのかなーと思うこともあります💦
読んでしまえば もうこの絵以外は 考えられないのですが...。
この表紙にある顔の見えないボロ服の黒いアイスクリーム頭が、主人公の少女、モモです😰
本の中ではその真っ黒なきれいな目が描写されていたりするのですが、なにしろ表紙の黒いアイスクリームがインパクトが強すぎて...💦
これはまだ、悟空がスーパーサイヤ人になるよりもずーっと前の話のこと
映画も作られて可愛い子役の女の子がモモ役をしましたが、その子はカーリーヘアでした。
kindle版(なんとドイツ語)の表紙ではいっそうわかりやすいです。
いったん読んでしまえば!!!
この服装、この恰好に意味があるのだとわかってもらえるのですが…。
時間泥棒である、灰色の男たちが序盤でフージーさんに数字を用いて熱弁します。
あなたは時間をむだにしている!!!
フージーさんへの説明を、灰色の男たちは鏡にえんぴつで書くことで行います。
読んでくれたお子さんのひとりに
「ここ、なぜ鏡に書いたの?おかしいよね?どうして鏡なの?」
と聞かれました。
「まるでタブレット画面のようだね」と私は答えました。
まるでセミナー会場でプロジェクターを用いて儲け方!稼ぎ方!を熱弁しているようです。
灰色の男が去った後はすうっと消えて、フージーさんには、ただ「時間を無駄にしている」ことへの焦りと衝動だけが残ります。
それが彼に何をもたらすのかも知らずに...。
子供たちにも、大人たちにも、読んでもらいたい本です。
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