~珠玉の児童書~

~珠玉の児童書の世界~

学校で塾で、読解力を身に付けるには本を読め、と言われる。ではいったい、どの本を読めばいいのか?日本が、世界が誇る珠玉の児童書の数々をご紹介。

今日の一冊「チロヌップのきつね」

今日、ご紹介するのは絵本です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

チロヌップのきつね

たかはし ひろゆき (著)

北海の孤島で平和に暮らすきつね親子にも戦争の余波が…詩情豊かなロングセラー絵本。

 

 

チロヌップの狐の話は、ごんぎつねと同じかそれ以上に号泣してしまうお話です。

 

全体的には、何となく筋立てのないまま、散漫といえば散漫にお話は進みます。
ちいさな子ぎつねを捕まえた老夫妻は、ちびこと名前をつけ、赤いリボンをつけてやってかわいがります。

しかし、島にも兵隊がやってきました。まずお兄ちゃんぎつねが撃たれ、それからちびこは罠にかかります…。

 

最後まで読んでみて、一体おじいさんとおばあさんは何だったんだろう?というような、一見つながらないし何の影響も及ぼさないように見えるストーリーでもあります。

 

このような、淡々とした事実だけを述べていくようなつくりの物語が、不思議な感動をもたらすことがあります。

 

都合よく上手に話にからんできたり、伏線回収したりしないからこそ、真実味が増すとでもいいますか…。
物語は綺麗に静かにひそやかに終焉を迎えます。

 

小さな赤い花は、そこにちびこが確かにいたこと、人とのかかわりがあったことを示唆しています。

 

大きな歴史の流れは変えられない。
ただ、北方の島々がかつてはアイヌの人々のすみかだったこと。
それが普通だったこと。人々のいとなみがあり、動物たちのいとなみもまた、あったこと。


そういう歴史を知らせる意味でもこのチロヌップの狐はとても 何度でも 読んでもらいたいお話だと思います。

 

 

 

 

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