大人が読む児童書「チベットのものいう鳥」1 読んだけど最悪だった?
大人が読む児童書。
「積ん読・解消計画★児童書編」です。
この記事はネタバレもしていくことになりますので、未読の方はご注意ください。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
自粛明けに図書館が開いたので、本を借りに行きました。
「グリックの冒険」など選んで、カウンターで聞きました。
「残っている本はありませんか?」
「こちらが一冊、残っています」
あれっ!?
以前、娘が借りていたのです!
怖い顔をして横目でにらんで、返却期限を延ばしていただきました。
帰ってから、本棚の中に混じってしまっているこの本を取り出しました。
「チベットのものいう鳥」を、まさか、借りていたなんて。
ずっとずっと、何度も何度も借りよう借りよう、読もう読もうと思っていた本です。
何と子どもの頃からです!!
これだけの年月が過ぎ去ってしまいました。
これは返す前に私が読まねばなるまい。
ついに、本懐を遂げるときがきたのだー!
「それ読むの?」
と娘に聞かれました。
「最悪だったよ」
ええっ!?
「え、最悪なの?面白くなかったの?」
「面白くないというより、最悪だった」
「でも読んだんだよね!?最悪なのに読んだの!?」
「読んだよ。読めばわかるよ」
なんだかすごく気になります。
「鳥が話すんだよ。たくさんのお話をするの」
それは、一応調べたので知っています。
昔話だとよくある形式です。
アラビアンナイトと同じ、と書かれていました。
「アラビアンナイトと同じ感じなのだ。そもそもアラビアンナイトとは」と説明しようとすると「知ってるし!」と遮られてしまいました。
「お姫様が殺されないために、王様に毎晩違う話をするんでしょ?」
…というわけで、読みはじめてみました。
まず、「ものいう鳥がたくさんのお話をする」「チベットの話」という以外はほとんど予備知識なく読み始めたので、その硬質な文体にびっくりします。
かまびすしい声は、一時に梁を振るわせ、殿上のほこりがふっとび、玉座の王の耳にまでひびきわたった。国王ははっと顔色を変え、ほこりの中でぬかずいているそれら烏雀どもを、怒りのまなざしで、にらみわたしてから、警備の兵に叫んだ。
「はやく、うたっている者を、呼んでまいれ」
うたっていたものは飄然と入ってきた。一人また一人と、七人の魔術師が、すうっと入ってきたのだ。彼らは歩くにも地面に足がついていなかった。
かまびすしい声は、一時に梁を振るわせ…
ぬかずいているそれら烏雀ども…
すごいです。
これは、チベットの昔話というよりは、中国の作品の翻訳だな?
伊藤貴麿氏の訳された「西遊記」を読んだ時と同じ感じがします。
花果山の石から生まれた孫悟空は,72通りの変化の術を使って,縦横無尽の大活躍.インドへ経典を取りに行く三蔵法師を助け,数かずの妖魔を退治しながら冒険の旅を続ける.〈改版〉
中国のお話は、修辞が独特で漢詩をそこかしこに盛り込み、歌うような流れがあります。
その雰囲気を壊さないよう、割と忠実に訳しているな!という印象です。
しかし、フラットに読み進められる感じではありません。
娘、難しかったから「最悪」と言っているのだろうか?
魔法使いなどが出てくる昔話のいい所は、たとえ文章が難しくても続きが気になるところです!
どうなるのか、と思って続きを探すうちに、だんだん文を読むことになれていく。
これはとてもありがたいことです。
「地面に足がついていないまま宮殿に入ってきた七人の魔術師」
これはすごく気になります。
大人の自分が面白いです。
(ちょっとキョンシー映画っぽいです)
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