今日の一冊「ふくろのなかにはなにがある?」
今日、ご紹介するのは絵本です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
ぜったいにふくろのなかをのぞくなよ!絵本の名手、ポール・ガルドンのあざやかで表情豊かな絵とむかしばなしの語り口がたのしい、読み聞かせにぴったりの絵本。
ポール・ガルドンの絵、この表紙からではわかりにくいかもしれませんが、とても素晴らしいです。
開くと、のどかな風景の中、小川に石橋がかかっていて、生垣には花が咲き、葉の多い樹々の中にしっかりと立つ、下生えに囲まれた小さな農家があります。
そこに赤ぎつねが、大きな袋を背負って杖をついてやってきています。
しっぽはふっさふさで、赤い毛皮がしだいに黒くなっていて、一番先っちょは白いです。
かわいい。
これは中扉の絵です。
「ふくろのなかにはなにがある?」と題名がついています。
非常に興味をそそられました。
◇
この袋に入っていたのはどうやら丸々と太った蜂でした。
キツネが木の根っこを掘っているときに捕まえたのです。
(土をたくさん、蹴上げています)
さきほどの樹々に囲まれた家にやってきたきつね、お掃除をしている「ちっちゃなおばさん」に袋を預かってもらいます。
すごく唐突な展開です。
が、この流れは、どこかのむかしばなしで見たことがあります。
あわてない、あわてない。
ちょっと用事があるんで~すいませんけど~と言って、袋を置いていったきつね。
キツネがいなくなった途端に、おばさんは袋を開けました。
まあ、そうするわな。
中から飛び出した、ふとったハチを、ニワトリがぱっくり食べてしまいました。
戻ってきたきつねは、原状回復は無理なので損害賠償を要求し、代わりにニワトリを袋に入れて立ち去ります。
◇
これは、後々でわかってくることですが、キツネは何らかのよくない意図があって、わざとやっています。
好奇心をくすぐって、たいしたことがないものを、何かもっと有用なものとすりかえようという手段です。
自作自演・わらしべ長者とでも言いますか。
ちょっと違うか。
送り付け商法で、封を切ったらリコールがきかないとかそういう感じの思考回路と似ています。
ということは、このきつねのやり方を子供のうちに学ぶということは非常にリスクマネジメントの観点からも有益ではないでしょうかっ!
◇
この送り付け商法がたちが悪いのは、「預けただけ」なのに、その信頼に背いて「勝手に開けた」という所で、預かった者も悪いので、文句を言うことができないというところです。
このやり方できつねは、ニワトリ→ブタ
ブタ→男の子
という風にして、ついに男の子をゲットしてしまいました!
最後の家では、おばさんが男の子のかわりにブルドックを入れました。
◇
このそれぞれの家の中の描写が、見ていてとても美しく、楽しいです。
壁に掛けるタイプの棚、つまりウォールシェルフがあり、そこに果実酒なのかジャムなのかわかりませんが、果物のつまった瓶がたくさん並んでいます。
その隣には、ねこが長々と寝そべっています。
狐は尻尾がピンと立って、しかも悪そうな顔をしているのですけど、どこかユーモラスです。
森の中の赤いキノコ、樹々のみどり。
最終的には、なるようになったのですが、何と、ジンジャーケーキで終わります!
なんて素敵なんだ。
むかしばなしを元にしているのは明らかな、とてもよい絵本でした。
◇
ポール・ガルドン。
たくさんの、昔話を下敷きにしたよい絵本をかいていますが、表紙だけだと、いつもどうぶつたちがどーん!と載っているだけで、この絵の素敵さが伝わらないのは残念です。
ぜひ手にとってみて頂きたいです。
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ガルドンのながぐつをはいたねこ
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もうすっかりおなじみの「3びきのくま」のお話を、ガルドンが新しい感覚の絵本に仕立てあげました。クマや女の子の性格を生き生きととらえたユニークな絵が魅力的です。
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ある日わにが、一匹のさるに目をつけて、捕まえて食べてやろうと決心しました。ところが、さるは…。インドの寓話集ジャータカ物語のお話を、ポール・ガルドンが絵本化。1976年刊の改訂新版。
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むかしむかし、ねこと犬とねずみとおとなしいあかいめんどりが、小さな家に住んでいた。ねこも犬もねずみも一日中寝てばかり。ごはんを作り、そうじをするのは、おとなしい赤めんどり。ある日小麦の種が見つかって…。
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ある日、めんどりペニーが落ち葉をひっかいていると、木からどんぐりが落ちてきて頭に当たった。「まあ大変、空が落っこってくる!」めんどりペニーの大さわぎが、仲間たちに広まっていって…。
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