閑話 神宮輝夫さんが亡くなられました。
閑話です。
児童文学翻訳者の、神宮輝夫さんが亡くなられました。
児童文学者の神宮輝夫さんがお亡くなりになりました。モーリス・センダック『かいじゅうたちのいるところ』をはじめ、英米の児童文学を多数翻訳。小社ではアーサー・ランサム『ランサム・サーガ』等、数々の名作を日本の子どもたちに届けてくださいました。謹んでお悔やみを申し上げます。
— 岩波書店 (@Iwanamishoten) 2021年8月13日
こちらの記事を書いたときにはまだお元気そうだったので、とても心強く思っていたのですが…。
昭和の児童文学を支えた翻訳者のかたが、また一人亡くなってしまわれました。
巨星落つ、という思いです。
たくさんの本をわたしたちに与えてくださったことを、感謝したいと思います。
◇
今までに書いた記事の中で、神宮輝夫さんの訳のものをピックアップしたいと思います。
声に出して読んでみるとわかるのですが、この本は本当に「声に出してテンポがいい!」とわかる本です。
リズム感があっておもしろく、もちろん原作もよいのですが、日本語の美しさが際立っています。
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やっぱりこれははずせない…。
神宮輝夫さんと言ったら、「ツバメ号とアマゾン号」を上げる方は多いと思います。
説明でも、
「現在でも根強いカルト的な人気を誇る」
「アウトドアの教科書」
なんて書かれていたりして、 そりゃそうです!
やはり、代表作と言ってもいいのではないかと思います。
ランサムのシリーズは、まだまだ12巻まであり、3巻まで紹介しました。
これからもまだ、紹介していきたいと思います。
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今となってはすでにはずかしい
と思う、かなりこのブログを作った初期に書いた紹介なのですが、懐かしいです。
このはじけっぷり、でも今読んでも、すべてに賛同します。
(自分が書いてるので当たり前なのですが…)
本当に、本当に、本当~~~~に、「ウオーターシップ・ダウン」は面白いです!
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これは、神宮輝夫さんの訳されたものではないのですが、たぶん神宮輝夫さんの訳でもっとも有名な「かいじゅうたちのいるところ」つながりでセンダックさんの絵本です
タランシリーズについても、さらっと触れていました。
「プリデイン物語」のタランシリーズも、必ず一冊ずつレビューしようと思っています。
雑誌の「飛ぶ教室」に、もう一度訳しなおしてみたいと書かれていたのを読んだので、残念でなりません。
こうして見ていると、わたしの紹介しよう!と思った児童書の中で、神宮輝夫さんのものがすごく多いです。
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昭和は児童文学の黄金期でした。
絵本よりも、「字の多い、本型の児童文学」、綺羅星のような名作が数多く出版された時代です。
もちろん、国産の児童文学もすばらしかった時代なのですが、とにかくこの頃のすばらしいのは、海外の翻訳の質も非常に高く、日本語としてすぐれていたことです。
海外の児童文学作品、特に子供が手に取り、読む海外ものというのは、本当に翻訳がこなれていないと、子供はすぐに違和感を感じ取ってしまいます。
子供はとてもシビアなので…。
さらに、訳者のクセが強すぎると、原作のよい所の色を消してしまいます。
また、おとな目線で
「大人世界に対する鋭い目」のような個所を
ここはちょっと忖度してぼやかしておいた方がいいだろうな?
というような意図によって消してしまったり、ということもよくあります。
抄訳だとなおさらです。
大人が考えがちな「子供らしいことばづかい」は割とつくられたものであったりもします。
まだ男女の境があいまいな子供たちは、おとなが思うよりももっと素朴で、直球で、無性なところがあります。(また逆もあり得ますが)
それを、これほどまでに正確に訳しながらも面白く、個性的に、また原作の魅力を消さず、よりいっそう引き立てるようなすばらしい翻訳は神宮輝夫さんならではであったと思いました。
「プロジェクト・グーテンベルク」
http://www.gutenberg.org/ebooks/author/492
◆プロジェクト・グーテンベルクについて
☞Wikiの説明ページ
プロジェクト・グーテンベルク(Project Gutenberg、略称PG)は、著者の死後一定期間が経過し、(アメリカ著作権法下で)著作権の切れた名作などの全文を電子化して、インターネット上で公開するという計画。1971年創始であり、最も歴史ある電子図書館。
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夏休み、ウォーカー家の4人きょうだいは、小さな帆船「ツバメ号」に乗って、子どもたちだけで、無人島ですごします。湖を探検したり、アマゾン海賊を名乗るナンシイとペギイの姉妹からの挑戦をうけたり、わくわくするできごとがいっぱい!
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ロイド・アリグザンダーによるファンタジー小説「プリデイン物語」第一巻。農場の生活に不満を抱く青年、タランはある日、予言の力を持つ豚ヘン・ウェンを追って、森の中でギディオン王子に遭遇する。
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「すごく恐ろしいことだ!近づいてくる。ぐんぐんやって来る」。予知能力のあるファイバーの言葉を信じて、十一匹のウサギが旅に出た。いったいどこに平和な土地があるのか!?小さなウサギたちの大きな冒険…世界中をとりこにした名作が、今、改訳新版でよみがえる。「BOOK」データベースより)
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かいじゅうの国をたずねよう。コルデコット賞を受賞し、世界中の子どもたちをひきつけてやまないセンダックの代表作。子どもの内面のドラマをみごとに描いて、今世紀最高の絵本といわれています。
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とてもすてきなわたしの学校
ドクター・スース (著), J・プレラツキー (著), レイン・スミス (著), 神宮 輝夫 (著)
学校のなまえはなんでもスクール。どこにでもある学校にみえる。ところが、それがちがっている。わたしたちはみんなこの学校がだいすき―。ゆかいな学校の先生たちのおはなしを韻文風に、ノンセンスに、そして楽しく語ります。
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