今日の一冊「かるいお姫さま」(「ふんわり王女」)
今日、ご紹介するのは児童書です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
魔女にのろいをかけられて、ふわふわ浮いてしまうお姫さま。〈重さ〉をとりもどせるただひとつの場所、湖も魔女のたくらみでしだいに干上がってゆきます。表題作のほか,幻想的な「昼の少年と夜の少女」を収録しました。
最初に読んだのはアール・ヌーヴォー風の挿絵がついたとても美しいものでした。
題名も違っていて、「ふんわり王女」というものです。
設定にもとてもひかれました。
こちらはとにかく、D.P.ラスロップ氏の絵が本当に幻想的で美しいです。
(今は中古品で5000円超のお値段がついています…)
訳自体にそれほど違いはありません。
どちらかというと、訳するのがなかなか難しい本だと思います。
「ふんわり王女」の方のすぐれている点はとにかく挿絵です。
さて内容はというと…。
王女誕生のお祝いに呼ばれなかった魔女の呪いによって、お姫さまは重さがなくなってしまいます。
単純に体重が軽くなってしまったというだけではなく、精神も軽くなり…。
要は「軽佻浮薄」という感じの人間になってしまいます。
ふわふわと風船のようにとぶ赤ちゃんのお姫さまを侍女たちがボールのように投げて遊んだりと、なかなかその「軽くなってしまった」特徴に対し、周囲も柔軟に対応していて面白いです。
しかし、大きくなってからも地に足のついていないおひめさま。
王子様が犠牲をもって姫を救うわけですが、命をかけなければなりません。
このお話、「問題解決出来たら結婚できる」わけではないのです。
ひと一人の命の重さ、その意味を王女が身をもって知るとき…。
その悲劇の重さが、王女を地に戻します。
このような、言葉遊びながらも象徴的な意味も色々と含めつつ、おとぎ話の大円団にもっていく。
マクドナルドの中でもとても好きな一作です。
こちらでも、D.P.ラスロップ氏の絵が見られますね!
右から二番目の、浮き上がった王女に王子が手を伸ばしている絵がすごく好きでした。
「かるいお姫さま」の原書は、グーテンベルクで読めます。
これはまだほとんど中学英語もあやしいくらいな状態の時に頑張って四苦八苦してよみ進めた、思い出深いテキストです。
「プロジェクト・グーテンベルク」
http://www.gutenberg.org/ebooks/author/492
◆プロジェクト・グーテンベルクについて
☞Wikiの説明ページ
プロジェクト・グーテンベルク(Project Gutenberg、略称PG)は、著者の死後一定期間が経過し、(アメリカ著作権法下で)著作権の切れた名作などの全文を電子化して、インターネット上で公開するという計画。1971年創始であり、最も歴史ある電子図書館。
マクドナルドの代表作と言えば、この「王女とゴブリン」です!
表紙は竹宮恵子さん!!
しかし中身はアーサー・ヒューズ氏の昔ながらのイラストです。
恐ろしいゴブリンの小人たちが,人里離れた館に住む愛らしいお姫さまを誘拐しようとたくらむ.お姫さまを救うのはだれ? イギリスの名作.(改版)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
アイリーンひめはひみつの部屋で自分と同じ名の若く美しいひいひいおばあちゃまと出会います。その日からゴブリンにねらわれたり、鉱山の少年と冒険したりと危険な毎日。やがて屋敷にせめこまれ…。
つばさ文庫の改訳はとても可愛いです!
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