「本好きは作るもの」読解力を身に付ける~珠玉の児童書~

「本好きは作るもの」~珠玉の児童書~

学校で塾で、読解力を身に付けるには本を読め、と言われる。ではいったい、どの本を読めばいいのか?日本が、世界が誇る珠玉の児童書の数々をご紹介。

大人が読む児童書 「砂の妖精」2 いきなりしっちゃかめっちゃか

大人が読む児童書。
積ん読・解消計画★児童書編」です。


この記事はネタバレもしていくことになりますので、未読の方はご注意ください。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

砂の妖精

イーディス ネズビット (著), H R ミラー (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

ロンドンから田舎に移り住んだ子どもたち4人。彼らは砂の中に棲んでいるサミアドという不思議な妖精に出会います。その魔法の力で空を飛んだり、巨人になったり…愉快な冒険物語。

 

閑話 ネズビットさん「砂の妖精」を読む前に - 

大人が読む児童書「砂の妖精」1 -

 

 

妹子の方が先に読み終わりましたので、「砂の妖精」のどこが面白かったのか、聞いてみることにしました。

 

まず最初にあげたのは、ここでした。
かなりの序盤です。

 

ロバートがこわれかけのぶらんこを見つけて、そこからおっこちて、頭に卵大のこぶをつくり、シリルが、うさぎ小屋らしい小屋を見つけて、その戸に出ているくぎで、指をいたくしたころには、いよいよすてきな家だということは、うたがう余地もなくなりました。

 

and when Robert had found the broken swing and tumbled out of it and got a lump on his head the size of an egg, and Cyril had nipped his finger in the door of a hutch that seemed made to keep rabbits in, if you ever had any, they had no longer any doubts whatever.

 

いやまさに、こういう感じです。卵大のこぶ。
ぶらんこが壊れていて落っこち、くぎが出ていて指は怪我するし、噴水は水も出ていない。
おかあさま目線からだと棚はないし、散々な家です。
だがそれがいい
子どもたちは大喜びです。

 

お父さんは仕事、お母さんはどうやら、具合が悪くなったかおばあさまの所に行かなければいけないようです。子どもたちはしばらく、ねえやと暮してやりたい放題遊べます!
今も昔も、介護によって出来る「隙」は子どもたちの遊ぶチャンスです。

 

途中で妹子が
「ねえやってなに?」
と聞いてきました。

 

確かに、現代にねえやという概念はないです…。
というか、自分が子供のときにもなかったです。
何だそれは?という感じです。

 

じいや、ばあやならまだギリわかります。
最近、テレビで、「祖父」のことを「じいや」と言っている芸人さんを見てちょっとそれはちがう、と思いました。
じいや、ばあやは使用人の立場であって、おじいさま、おばあさまとは区別されると思います。

 

ねえや。
説明が難しいです。
使用人、召使、という言い方は何となく抵抗があります。家政婦のミタゾノ?
メイドは、日本ではまったく違うイメージになってる気がします。
メアリーポピンズ的な乳母(ナース)とも、シッターとも違います。

 

色々と考えましたが、どうにもこうにも「ねえや」という言葉が一番ぴったりで、
家政婦のミタゾノ…の、おねえさん版…?」
と苦しまぎれに答えてみました。

 

しかしこの質問はどうでもよかったらしくて、妹子はさっさと先にすすんでいました。

 

ロバート、アンシア、ジェーン、シリル、ぼうやが、この田舎の家で本格的に行動を開始します。

 

そして砂利採取嬢のような砂地で、アンシアが何かを掘り当てます!
さみあどんだ~!!!
子どもたちは4人が実に個性があって、アンシアはなかなかしっかりしたお子さんです。
砂場を掘っていたとき、世界の向こう側まで掘ろう、などと色々と子どもは奇想天外なことを試みて、ほかの子たちは早々に諦めますが、アンシアはなかなかあきらめませんでした。
なので、最初に「へんな生き物」を掘り当てたのもアンシアです。

 

アンシアは穴の底にひざまずくと、犬が骨をうめてあるところをきゅうに思い出したときのように、両手でひっかきはじめました。

 

笑えます。

 

アンシアが掘り当てたのは、奇妙な、いかにもアニメ的な生き物「サミアド」。「茶色のころころしたもの」です。
NHKでさみあどんとして作られていたものよりも、はるかにキテレツな外見です。

 

その奇妙なものの目は、かたつむりのように、長い角の先についていて、望遠鏡のように、のびたりちぢんだりできるのでした。耳はこうもりの耳のようで、ずんぐりした胴には、まるでクモのおかなのように、厚い、やわらかい毛がはえていました。

 

Its eyes were on long horns like a snail's eyes, and it could move them in and out like telescopes; it had ears like a bat's ears, and its tubby body was shaped like a spider's and covered with thick soft fur; its legs and arms were furry too, and it had hands and feet like a monkey's.

 

こちらの最初の挿絵でほぼ正しいと思われるのですが、読んでいて「?????」という感じです。
かたつむりのように飛び出した目…?
かたつむりで、こうもりで、猿で、全身毛が生えている…???

 

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しかし、妹子は
なんでわかんないの!?すごくよくわかるじゃん!それで四つ足で毛むくじゃらなんだよ!!」
と言ってますので、子どもにはわかるんだと思います。

 

私は先に無駄な知識を仕入れてしまっていたので、もうさみあどんしか思い浮かびません…。(さみあどんはかたつむりの目じゃなかったし…)

ああ、子どもの時に読んでおけばよかった。

 

 

さてこのサミアドは、わかりにくい古めかしい言葉を連発しながらも、「日が沈むまでの限定ではあるが、何でも望みをかなえる」という属性があることを子どもたちに言います。
「I wish」から始まる願いです。

 

「I wish」は、英語の教科書などでは、「現実にはありえないことを示す仮定法過去・仮定法過去完了」などと言う風に説明されてますが、「砂の妖精」を読みながら、こういう風に覚えたかったなー!!!と思います。

 

この「I wish」のフレーズによって、とんでもない騒ぎが引き起こされることになります。
10章あるのですが、どれもマジでろくなことが起きません。

 

「I wish」とは、実現不可能なものは実現不可能なままにしておいたほうがいい望みである、というのを実践しているようなお話です。

 

妹子、もう夢中になってしまいました。
もう、自分なら何を願うか、をひたすら延々と考えています。

 

お風呂に入っても、ご飯を食べても、寝ようとしてても考えてます。
「私なら…そうだ!ええと…それから…ばかり話してます」
お友達も読んでくれて、この話が出来るといいなと思います。

 

「もし3つの望みが何でも叶うなら」→「一つ目は999個望みをかなえられるようにしてほしいにする」
子どもらの定番です。

 

とりあえず、この子どもたちが最初に願ったのは、「きれいになりたい!」という実に女の子らしい願いでした。
子どもたちが迷っている間に、おおいそぎでアンシアが言ってしまったのです。

 

さて、子どもたちは願ったとおりに美しくなったはいいのですが…。
まず、本人たちですら、お互いにお互いを認識できません。

 

挙句の果てにこうです。

 

「おい、ぼくも、きみたちくらいきれいかい?」
「まあ、あなたがシリルなら、あたしは、前のあなたのほうが好きだわ」と、アンシアがはっきり言いました。「そんな金髪で、まるで絵にある教会の聖歌隊の子みたい。きっと早死にするわ」

 

The wish has come off, after all. I say, am I as handsome as you are?' 
If you're Cyril, I liked you much better as you were before,' said Anthea decidedly. 'You look like the picture of the young chorister, with your golden hair; you'll die young, I shouldn't wonder. '

 

アンシア「きっと早死にするわ」
 

赤ちゃんである一番下の弟、「ぼうや」もまったく兄や姉たちを認識できません。

 

シリルが、ぼうやをだきあげようとすると、ぼうやは、ねこのようにひっかいて、牛のようにほえました。

 

'This is most truly awful,' said Cyril when he had tried to lift up the Lamb, and the Lamb had scratched like a cat and bellowed like a bull.

 

申し訳ないですが、めっちゃ笑えます。

 

 

 

「砂の妖精」原典(フリー)

Five Children and It by E. Nesbit - Free Ebook

 

「砂の妖精」音声ファイル

Five Children and It by E. Nesbit - Free Ebook

 

ネズビットさんの作品一覧

Books by Nesbit, E. (Edith) (sorted by popularity) - Project Gutenberg

 

 

 

「プロジェクト・グーテンベルク」
http://www.gutenberg.org/ebooks/author/492

 

プロジェクト・グーテンベルクについて
Wikiの説明ページ

プロジェクト・グーテンベルク(Project Gutenberg、略称PG)は、著者の死後一定期間が経過し、(アメリ著作権法下で)著作権の切れた名作などの全文を電子化して、インターネット上で公開するという計画。1971年創始であり、最も歴史ある電子図書館

 

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