今日の一冊「いたずらゴブリンのしろ」
今日、ご紹介するのは絵本です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
あるくにの、あるおかに、りっぱなしろが、ひとばんでできていました!おどろきながらも、おうさまたちがすみはじめると、ふしぎなことが、たびたびおこり…。(「BOOK」データベースより)
「いたずらゴブリンの城」は作者である青山邦彦さんが、文章も書き、絵も描かれています。
日本人が描いていながらにして、それはそれは完璧に、中世の雰囲気を表現できている素晴らしさ!
2007年発行です。
すごく中世の風俗について、よく勉強されているのではないかと思います。
そして筋立てがなかなか面白いです。
しっかり昔話を踏襲していて、いかにも中世のおとぎ話でありそうな感じです。
小さな国の王様が、隣国の脅威にそなえ、堅固なお城を建てようとしていた矢先のことです。
唐突にたった一夜で城が出来ていました!
どれとは言いませんが、「あの一夜城」みたいです。
この城は、実にしっかりとできています。
しかし…どこか変です。
気味悪いながらもおそるおそる住んでみたはいいのですが、料理は無くなるわ、部屋は荒らされるわ、いたずらを仕掛けられるわ…。
実はこの城を建てようとしていた丘は、もともとゴブリンが住んでいた丘だったのです。
絵が素敵です。ほのぼのとしていて絵本らしく、どこかなつかしいです。
こういう、輪切りで情報量の多い絵が子供が大好きです。
(もちろん私も大好きです。)
この輪切りにしたお城の絵がこの後何度も出てきますが、大騒ぎをしてゴブリンを探したり、敵が攻めてきてしっちゃかめっちゃかになったり、大宴会になったりと、どう変化したのかをじっくり最後まで眺めていくのが本当に面白いです。
絵と筋が二本立てで、この本の魅力をかき立てています。
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