今日の一冊「小さな小さな魔女ピッキ」 1
今日、ご紹介するのは絵本です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
目に見えないほど小さな魔女ピッキは、くさりにつながれた犬や、ひどい目にあっているクマや、まいごの男の子の耳の中に入りこんでささやきます…「くさりをちぎるのよ」「悲しまないで」と。そしてピッキは、人々を苦しめる悪い王さまと、対決することに…?オランダを代表する児童文学作家テレヘンによる昔話ふうの物語に、人気画家テルンクヴィストが絵を添えた、珠玉の大型絵本。オランダでもっとも優れた絵本に与えられる「金の絵筆賞」受賞作。「BOOK」データベースより
絵本なのですけど、二回に分けることにしました。
何とも言えない、すごい絵本でした。
絵がいいかな?と思ったのと、「オランダの金の絵筆賞」をもらっているというので借りました。
ページをめくってみてですが、見た目からしてあまり陽気な話ではありません。
自信をもって
これおすすめ~~!!!
と言えるかというとちょっと自信がないです。
しかし、記憶に深く残る絵本であることは確かです。
「マイマイとナイナイ」もそうでしたが、怖い本です。
それも、残酷さがじわじわと尾を引いて、あとできいてくる感じです。
読みなさいと言わなかったのですが、妹子がいつの間にか読んでました。
(本だと、うるさく言わないとなかなか手に取りませんが、やっぱり絵本はすぐに読みます)
妹子「これ、怖いんだけど」
わたし「まあ、そうだわね」
妹子「王様がかわいそう」
でも、他の本に混じって置き去りになり、ひょっと見てみると、ページが開かれており、また読んでいました~!
しかも、もうどんなにおススメしても、こちらの出した本なんてなかなか読んでくれなくなったお兄ちゃんまでが読んだ形跡があります。
これが不思議なところです。
怖いし陰惨だし、紹介もやめておこうかな。
返しちゃおうかな、と思う本でも、誰のどこに刺さるかわからないのです。
そして、残酷さというものに、ある種の魅力があるのも事実です。
◇
紹介をしてみようと思います。
この本、わりと大型(横33.5cm×30cm)なのに、かなり字が小さいです。
それもそのはず。
魔女ピッキのやらかしたあれこれは、「本型の本」にしたらかなりのページになるのではないかと思うほど、お話が長くて密です。
最近、「本型の絵本でございます~!」という、幼児向けの本を、あまり見なくなってしまったな~と思ってましたが、絵本がこうして頑張っています。
2006年発行です。
「小さな小さな」の題名のとおり、主人公の魔女ピッキは目に見えません。
絵にも出てきません。
ではどうするのかというと、頭の中に入って操ります。
まずは、犬の頭のなかに入って、犬を操ります。
「考えること」「気持ち」を操る、と書かれていますが…。
これは、ピッキという魔女そのものが、「考えること」や「気持ち」そのものの権化であるような気がします。
何かのリミッターをはずします。
ピッキは頭の中に入って、犬にあれこれ命令するので、犬はとにかくめちゃくちゃになります。
鎖はちぎるし吠えるし、走り回って人に噛みつきます。
ピッキはまず、自分の力を試しただけだったので、満足して犬からあっさり、するっと出て行きました。
犬はへとへとで疲れ果ててへたりこみます。
かわいそうなのは犬です。
一体何が起きてこうなったのか??
犬にはまったく理解できないです。
でもこの無茶苦茶さが、面白くなくも…ない…かも、しれません。う~ん。
飼い主のお百姓さんは、犬に鼻を食いちぎられたにも関わらず、犬を棒で叩いて鎖につなぎ直し、三日間ほど食べ物をあげなかっただけですませてます。
これが、犬が可哀想なのか、「鼻をかみきられて、これからは鼻なしで生きていかなければならなかったお百姓さん」にしては優しいのか、ものすごく微妙なところです。
次ニピッキがとりついたのははクマです。
どうにも、ろくなことが起きそうな気がしません。
(つづきます。2回で終了です)
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