大人が読む児童書「長くつ下のピッピ」 3 何から書けばいいやら…
今日、ご紹介するのは児童書です。
大人が読む児童書「長くつ下のピッピ」1 マッドパワー超人 -
大人が読む児童書「長くつ下のピッピ」2 時代を70年ほど先どりした最先端ファッション -
ここまで書いて、実はまだ「長くつ下のピッピ」1話目しか紹介していないのですが、このくらいでいいような気がしてきました。
こここそ、面白い、というところを書き連ねていると、「大人の読む児童書 長くつ下のピッピ20」とかになってしまって、ブログを開いた時の表示が、ピッピで埋め尽くされてしまうような気がします。
先ほども読み返していて、どうにもパンケーキを作っていたときの「おふろ用のブラシ」が気になって気になって仕方ありません。
お風呂用のブラシがなぜ台所にあるのか。
お風呂のかび対策はいったいどうしているのか。
パンケーキのねり粉は、こちらが想像しているよりも流動的ではないようだ。
ぶんなぐるあたり、パンのようだがどうなっているのか。
...などなど、きりがありません。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「あしながおじさん」にヒントを得て,作者リンドグレーンの小さい娘が,「ねえ,長くつ下のピッピって女の子のお話を作って」と母に頼んだ.そこで生れたのがこの世界一つよい少女の物語だった.自由ほんぽうに生きるピッピに,子どもは自分の夢の理想像を発見し,大人は愛さずにはいられない野育ちの永遠な少女を見出す.
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ここは例のごとく、気になった箇所を箇条書きにしてみたいと思います。
2話
・台所の床いっぱいにしきのばしたクッキー生地。
・もの発見家。
・地面にころがってる人をとっちまおう。
・ブリキ箱をかぶって倒れて運がいい。
・いじめっ子のトリセツ。力持ちエピソード。
・足をまくらに乗せ頭にふとんをかぶる。指を猛烈に動かす。
・おまわりさんと鬼ごっこ
・学校に行く。
ピッピがいじめっ子やおまわりさんと大立ち回りをやる回は、とてもわかりやすく面白いのですが、私はこの、「ピッピ、学校に行く」の巻が大好きです。
大塚勇三さんは、「かけ算の九九」のことを「竹さんの靴」と訳されていまして、わたしは この「竹さんの靴」が子どもの頃からとにかく大好きでした。
いま読んでいる妹子も大好きなので、やっぱり、「竹さんの靴」は、いま読んでいても、最高の訳だな!としみじみ思います。
学校の先生は、とてもやさしいステキな女性の先生なのですが、ピッピには何一つうまく教えることが出来ません。
問題を解いてもらおうとするとまぜっかえし、他の子に何か話そうとすると割り込み、横から話を取ってしまって、「インドで大蛇と戦った話」みたいなことにすり替えられてしまいます。
しかもその「インドで大蛇と戦った話」がまたあまりにも面白いので、みんな釘付けです。
「ある日、その大蛇がやってきて、デザートにわたしをたべようとおもってね、わたしのからだにまきついた、...…キューッとね。……でも、『船のりのつよいの、しらないか』って、わたしはいうとね、大蛇の頭をなぐったわ、……ボイーンとね。……そしたら、ヘビがないたわ、……ウーウーウーウー……そこで、わたしは、またなぐったわ、 ボイーン!……それで、……そうよ……ヘビは死んじゃった。それで、これが、『ウー』っていう字なの。ほんと、おもしろいわね!」
めっちゃ面白いです。(わたしが)
規律を学ばせなければならない先生には本当にやっかいな子だと思いますけど、困っている先生すら笑えます。
先生、算数がダメ、国語がダメなら、絵ならばなんとかなるんじゃないか(=際限のないおしゃべりを黙らせたい)と思って、絵を描かせてみたら…。
ピッピ、床いっぱいにリアルな馬の大きさで馬の絵を描いてます。
先生、ついに、「もう学校であなたはむりです」、と言わなければならないことになるのですけど、ピッピはあくまで明るいです。
最後に、ピッピが明るく子どもたちに「アルゼンチンの学校は」という、うそ話を話してきかせるのですが...。
これはあくまで、ピッピの願望というか、こういう学校なら楽しいわ!という代物なのですが、
・勉強は絶対に禁止
・こっそりかくれて勉強すると罰を受ける。
・算数なんてしない。
・国語があるのは金曜だけ。
それも、その日に、読む本があったら、という話よ。だけど、本があったことなんて、一ぺんもないの。
本もない!
矛盾するようですけど、感銘を受けました。
子どもたちの本音(では学校で何をするのか、というとキャンデーを食べてます)、子どもたちが本当にしたいこと...。
ピッピは、子どもという存在そのものです。
これぞ子ども、というのをつめこんでいます。
ピッピは、押さえつけることなんてできない、規格外で、発想豊かで、したいこと、やりたいこと、楽しいことではちきれそうな子どもそのものです。
秩序?礼儀?
それからまあ、これを言うのはちょっとアレですけど、読解力?(笑)
そんなの、すべて吹き飛ばしてしまう、子どもの持つ力、パワー、ポテンシャル...。
子どもという時代の持つパワーが、全編を通してあふれています。
つづく。
長くつ下のピッピ
アストリッド・リンドグレーン (著), イングリッド・ヴァン・ニイマン (イラスト), 菱木 晃子 (翻訳)
1941年の冬、病気の娘を元気づけるためにリンドグレーンが語り聞かせたのが、世界一強くて自由な赤毛の女の子の物語。世界中で愛されてきた「ピッピ」を、作者自身がお気に入りだったイングリッド・ヴァン・ニイマンによる挿絵と新訳でお届けします。ハチャメチャだけど心やさしくまっすぐなピッピの活躍から目がはなせません。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
世界一強くてお金もちでおもしろい女の子、ピッピがひっこしてきてから、おとなりのトミーとアンニカは毎日がわくわくの連続です!
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
こんにちは、長くつ下のピッピ
アストリッド・リンドグレーン (著), イングリッド・ニイマン (イラスト), いしいとしこ (翻訳)
お待たせしました! 世界一強い女の子『長くつ下のピッピ』の絵本が、ついに日本にやってきます! 「ピッピ」が生まれたスウェーデンで、60年近く経た今もなお、愛され続けているオリジナル版絵本。日本版には、かわいい『特別ふろくのきせかえ紙人形』がついています!
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牛も馬もどろぼうもおまわりさんも、ピッピがヒョイとかついでポイ!町はずれのボロ家にひっこしてきたのは、親がいない、学校も行かない女の子。大人たちはしんぱいするけど、大きなおせわ。だってその子、とびきり大金もちで力もちなんだもん! 世界一つよい女の子の物語
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すばしっこくて、世界一の力もち! 赤と青のへんてこな服にがぼがぼの靴、色違いの長くつしたをはいた不思議な女の子ピッピが大活躍。
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