今日の一冊「小さな乗合い馬車」
今日、ご紹介するのは絵本です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
細々と仕事をしてきた乗合い馬車が、悪者をつかまえます。やわらかな色合いのあたたかい絵本です。
「小さな乗り合い馬車」
今回借りて来た乗り物シリーズ、最後の一冊です。
乗り合い馬車くんが登場するのも遅く、意思を持つのはなんと後半も過ぎてかなりたってからですので、シリーズとして読んでいなければちょっととまどうかもしれません。
しかしなんとなくですが、お話として、この本が一番好きでした。
◇
小さな個人商店で食料品を扱っているポッターおじさん。
とても優しいおじさんで、みんなの悩みを聞いてあげたりと非常な人格者です。
ねこを三匹、またいじめられていた小馬を買い取って、裏庭で子供たちと遊ばせてあげています。
しかしある日、近くに大型店舗が出現しました。
あ~あ。
3匹の猫も出て行き(えさがないので…)残ったのは微妙な店員一人と、あめを買ってくれる子供たちだけでした。
(がっかりしてしっぽを垂らして出て行く猫の絵がえらくかわいいです)
小さな個人商店が、大型店に駆逐されるというのは、いつの時代もある話なのですね。
この大型店の配達の目玉は、非常に気取った二輪馬車です。
うまも気取っています。
舞台はロンドンなのですが、車とパトカー、有名なロンドンの二階建てバス、それと馬車が入り交じった、とても不思議な世界です。
さてここで、乗り合い馬車はまだぜんぜん出てきません。
◇
おじさんはガスの料金を止められるほどの困窮生活に追い込まれていました。
夢みたいなことが起きないか…そう考えていたとき、倉庫にひっそりと眠っていた、「乗り合い馬車」を発見します。
この乗り合い馬車、出してみたはいいけれど、ペンキもはげてみすぼらしく、子馬もおなかがすいて痩せているということなので、結局周囲の人には見向きもされません。
ですが、アーディゾーニの絵があまりにも素敵なので、「みすぼらしい」という設定がいまいち頭に入ってきません。
レトロでかわいく、天井にも観覧席のようなものがあります。
めちゃくちゃ素敵です。
こんな「馬で引くバス」みたいな、割と大きめで人がたくさん載れそうな「乗り合い馬車」ごというものがあったんだなあと興味深く見ました。
さて、気取ったイヤな大型店は、その頃指名手配の強盗犯ふたりに狙われていました。
…じゃなくて、まあお約束どおり、大型店、強盗犯に入られるのですが…。
ここです!
ここで、乗り合い馬車が突然目を覚ましました。
唐突に乗り合い馬車が話しはじめるので、ちょっと戸惑います。
馬と話し合ってますが、今まで、この馬のブランディすら、まったくしゃべってなかったからです。
逃走劇を繰り広げた結果、乗り合い馬車くんの
「後ろへ六歩さがれ。そして──、つっこむんだ!と つ げ き ィ !」
という合図で(訳がすてきです💕)、乗合馬車と馬は、悪人のアジトに扉をぶち破って突っ込み(はっきりいって突っ込んだのはほぼ馬です)、おじさんは賞金をもらえて大円団になります。
最後がとても良いのです。
おじさんは、前に、
「ゆめみたいなことを考えたって、どうなるもんか。」
と思ったことがありましたね。だけど、ほら、ページを開いてごらんなさい。
ここで、ぼやっとした夢のようなページが一枚はあって、ふと不安になります。
まさか、これは貧困にあえぐおじさんの夢オチだったのでは…?
開いてみると、
ゆめみたいなことが、ほんとうにおこることだってあるんですよ。
とあります。
とてもやさしい気持ちになれる絵本です。
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ロンドン空港で働く蒸気ローラーがギャングの一味をつかまえます。文、絵、訳ともにすぐれた絵本。
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『第三の男』などで有名な、イギリスの作家の初めての子どもの本。ちび機関車が冒険の旅に出ます。
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いかにもイギリスの田舎らしい風物の中で、小馬のトビーがひっぱる小さな消防車が活躍します。
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年をとってしまった機関車のやえもん。くず鉄にされる運命が待っていたのですが、ある日、交通博物館の人がゆずってほしいと申しこんできました。
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ムギと王さま―本の小べや〈1〉
エリナー ファージョン (著), エドワード・アーディゾーニ (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)
幼い日,本のぎっしりつまった古い小べやでひねもす読みふけった本の思い出―それはエリナー・ファージョンに幻想ゆたかな現代のおとぎ話を生みださせる母胎となりました.みずみずしい感性と空想力で紡ぎだされた,国際アンデルセン賞作家の美しい自選短篇集
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天国を出ていく―本の小べや〈2〉
エリナー・ファージョン (著), エドワード・アーディゾーニ (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)
幼い日,本がぎっしりつまった古い小べやでひねもす読みふけった本の思い出―それはエリナー・ファージョンに幻想ゆたかな現代のおとぎ話を生みださせる母胎となりました.みずみずしい感性と空想力で紡ぎだされた,国際アンデルセン賞作家の美しい自選短編集から,この巻には13編を収めます
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働き疲れた老機関車がこっそり夜のひとり旅に出かけます。機関車と少年の冒険と友情を描くほのぼのとしたファンタジー。
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ちいさな機関車のちゅうちゅうは、いつも客車や貨車を引いて小さな駅と大きな駅の間を走ります。ある日ちゅうちゅうは、みんなの注目を集めたくて、ひとりだけで走り出してしまいます。威勢よく走るちゅうちゅうに、まわりのみんなは驚き、怒り出します。やがて日が暮れて、石炭も水も少なくなり、古い線路に迷い込んでとうとう止まってしまったちゅうちゅう。そこに迎えに来てくれたのは、最新式の汽車にのった機関士でした。
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