今日の一冊「だいふくもち」 ふくらんだおまんじゅうが次々に子餅をうむ。不思議なお話。
今日、ご紹介するのは絵本です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
怠け者のごさくは、ある晩、自分を呼ぶ声に家の中をさがしてみると、床下に300年も住みついているという大福餅を見つけました。
図書館の「借り続けられている本特集」の第二弾です。
大・大・大好きだった絵本です。
名作です!
しかし、母がさすがにもう読まないだろうと、「こどものとも」の大部分を人にあげてしまいました…。
帰ってからないことに気が付いた私は、それはそれは騒ぎました。
中学生ぐらいになっていたと思うのですが、泣いたりわめいたり、なんであげるのかと問い詰めたり、取り返してこいと言ったり(無茶苦茶です)、母もあのときは困り果てたことと思います。
母「あのね、本は重いの!床が抜けちゃうの!これ以上は置けないし、もうあまりにも子どもっぽいのは読まないでしょう?」
わたし「読まなくなーーーい!あげないでーーーー!!」
という会話を、実はたった今まですっかり忘れていたのですが、この「だいふくもち」。
この絵を見て、鮮明にあのときのやりとりがよみがえってきました。
それが、図書館に今だに並んでいるのを見るのは、本当にうれしいことです。
(母はそれから、私の剣幕に参ってしまったのか、本を勝手に人に譲ることはなくなりました)
それからも、いとこに貸した「ホビットの冒険」が戻ってこないと、借りパクを異常に心配したり、(おばさんが私のあまりの心配ぶりに探して返してくれました)こと児童書に関しては、昔から執着が強かったな……と思います。
恥ずかしい黒歴史です。
◇
さて、そんな黒歴史を思い出させてくれた「こどものとも」で届いた絵本、「だいふくもち」。
田嶋征三さんの、パワーに満ち溢れた絵とともに、日本のむかしばなしを知ることができます。
この絵と話がぴったりとマッチしています。
大型本にもなって、今でもよく読み聞かせに使用されている「ふるやのもり」、「とべバッタ」などが有名です。
◇
この「だいふくもち」、とてもユーモラスな、それでいてちょっとこわい内容です。
毎日ぐうたらして過ごしている「ごさく」というおとこ。
ある、冬の夜に、だれかが名前を呼びます。
「ごさく はらが へったぞ。なんか おおせ」
床をめくってみつけた、「しろい まんまるい ひしゃげたもの」
ここの会話が方言をまじえ、非常にユーモラスです。
「おまん、おきつねさまじゃろ」
「いんげ」
「ほんなら たぬきかよ」
「いんげ」
「むじなかよ うみぼうずかよ」
「いんげ いんげ」
「ももんがあ しばてん げじげじなどかよ」
「いんげ。わしゃあ だいふくもちじゃあ」
「いんげ」という方言。高知でしょうか?
これを読みきかせ、難しそうだなあ~。
そして、「ももんがあ しばてん げじげじ」の説明を求められそうです。
げじげじはともかく、しばてんは芝天狗というらしいです。やはり高知あたりの妖怪です。
ごさくは、腹が減ったのであずきをくれという妖怪に、あずきを工面してきて(ごさくは無一文なので何も持ってません)乗せてやりました。
乗せてやった時の横長・見開きのページの、おいしそうなこと!
ふくふくの、まっしろなおまんじゅうが、あずきを吸い込んで、大きくて丈の高い肉まんのようにふくらみます。
横長の4コマになってますが、さいごのコマで「うまそうにかんでおるようだったが」
笑えます。
このふくらんだだいふくもち、何と、小だいふくもちを、産むのです!
ぽこんと こんまい だいふくもちを うんだ。
その産みかたも、吹き飛ばすようにというか、これはあまり言いたくなかったのですが、おしりの穴にも似ています。
しかし、真っ白なので変な感じはしません。
次々に小さいだいふくを吹くように産んでいく、大きなだいふくもち。
すごく、おいしそうです!
もう魅入られて、何度も何度も読みました。
どうしてこれをあげてしまうのか……💢
突然よみがえる過去の怒り。
絵本のうらみは、(あくまで私にとってはですが)何となく食べ物のうらみに似ています。
特にこれ、だいふくもちですし。
◇
ごさくは、このだいふくもちを商売にして、まあ要は、金のにわとりとおなじく、欲をかいたのがよくなかったというお話なのですが、最後が不思議な終わり方です。
いったい、だいふくもちとは何だったのか。
ごさくはどうなったのか。
これは、絵本史上最大のミステリーです。
もし、図書館など行かれる機会がありましたら、ぜひ読んでみてください。
◇
ほぼ日サイトに、田嶋征三さんの記事が載っていました。
「いのちのグリグリ」
パワーにあふれた、田嶋征三さんの絵にふさわしいことばだなと思いました。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
じいさんとばあさんが育てている子馬をねらって、泥棒と狼は、それぞれ厩に忍びこんでかくれていました。じいさんとばあさんが「この世で一番怖いのは、泥棒よりも、狼よりも“ふるやのもり"だ」と話しているのを聞いて、泥棒と狼は、どんな化け物だろうと震えていると、そのうち雨が降ってきて古い家のあちこちで雨漏りしてきて……。田島征三のデビュー作となった昔話絵本。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
恐ろしい天敵から身を守るため、小さな茂みに隠れすんでいたバッタが決心して、大空に向かって飛んでいった。力強く痛快な絵本。
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日本の民話ということで、柿の季節にぴったりです。 じろべえさんは酒飲みで怠け者、ということで、 る日酔い覚ましに柿を食べた時、うっかり種を飲み込んでしまったのです。 すると、頭に柿の木が生え、柿が豊作、ということで、 じろべえさんはそれを茶店で売って、飲み代にしてしまうのです。
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