今日の一冊「とべバッタ」
今日、ご紹介するのは絵本です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
恐ろしい天敵から身を守るため、小さな茂みに隠れすんでいたバッタが決心して、大空に向かって飛んでいった。力強く痛快な絵本。
この絵本を紹介したなと思っていましたけれど、最近、サバクトビバッタのニュースがあったりして、時流的にどうなのかな?と思いましたが…。
そんなの文学・芸術には関係ない!
と思い直したので、紹介することにします。
すばらしい絵本のさし絵を描かれる田島征三さんが、文・絵ともに書かれた絵本です。
田島征三さんの絵は、実に力強くて芸術的です。
その力強さがもっとも現れているのが、「とべバッタ」です。
内容は割と単純なのですが、絵も文も、入魂の一冊です。
捕食される立場にいるバッタに出来ることは、つかまらないことを祈りながらそっと隠れたままでいることです。
運の悪い仲間たちが食べられていくのをただ見ていることしかできません。
弱い立場の者として、教室でも社会でも、息をひそめて生きていくことがリスク回避の有効な手段であることを知ってしまっている、子どもも大人も身につまされる話です。
突然、バッタは、力の限りその足で跳ねて飛びます。
高く、高く。
しかし、跳ねて飛ぶ距離には限界があります。
落ちかけていくそのとき、バッタは自分に四枚の羽根があることにはじめて気付くのです。
今ある力をふりしぼって何か行動を起こした時に、気付かなかった自分の持っている力に気付く。
閉塞を打ち破り、新たな境地へ旅立つバッタ。
この絵が実にすばらしいです。
大型本だと、迫力満点、なおすごいです。
荘厳なほどで、実に胸をうちます。
バッタがどこへ向かったのか、どこに行きついたのかは描かれていませんが、それがまたよいです。
バッタの到る先は、未来だからです。
この絵本を読んだ各々がそれぞれ、思い描く未来なのだと思います。
じいさんとばあさんが育てている子馬をねらって、泥棒と狼は、それぞれ厩に忍びこんでかくれていました。じいさんとばあさんが「この世で一番怖いのは、泥棒よりも、狼よりも“ふるやのもり"だ」と話しているのを聞いて、泥棒と狼は、どんな化け物だろうと震えていると、そのうち雨が降ってきて古い家のあちこちで雨漏りしてきて……。田島征三のデビュー作となった昔話絵本。
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