「くまの子ウーフ」絵本から本へ
今日、ご紹介するのは児童書です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
あそぶことが大すき。たべることが大すき。そして、かんがえることが大すきな、くまの子ウーフ。ほら、きょうもウーフの「どうして?」がきこえてきます。(「BOOK」データベースより)
※今日のご紹介は、過去記事からの再録です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
教科書にも入っている「くまの子ウーフ」は、
ぜひご家庭で本として1冊持っていて損のない、すばらしい児童書です!
くまの子ウーフの朝ごはんは、パンとはちみつと目玉やきでした。
ウーフのおかあさんは、かた手でたまごをぽんとわって、フライパンでじょうずにやきました。
おさらにのせた目玉やきは、金色にかがやいています。
ウーフは、はちみつをつけて、パンをたべました。それから、おさじでたまごのきみをすくいました。
シンプルな文章の美しさ!!
いかにも食欲をそそられます。
このおいしそうな目玉焼き、視覚的な絵で表現していないのです。
このおいしさは、文字から、黒い点々の羅列から、湯気が出て、黄身があふれて、とろりと溶け出していくのです。
視覚からのアプロ―チはわかりやすいです。
まして、レシピも動画でスマホからいくらでも見られる世の中です。
ですが、文字を通じて目覚める感覚、想像力のはぐくみもまた、大切なことだと思います。
ウーフには、たくさんの微妙なお友達が登場します。
いやいやえんのえむちゃんほど凶悪ではないですが、ツネタはかなりムカつくクソガキです。(口が悪いですね、すみません)
それでも微妙に、まだ、お友達の範疇に入っていて、遊ぶこともあるし、縁を切りきれない。
ムカつくけれど、仲良く遊ぶこともある。避けるほどでもない。
…という、微妙なラインすれすれなところが、実にリアルです。
「悪人がいない」予定調和のお話が親世代には喜ばれる傾向がありますが、確かに誰も悪役がいないのはやさしい世界ですが、ものによっては毒にも薬にもならないこともあるでしょう。
悪人、ムカつく人、イヤなタイプはこの世には必ず存在しますし、わたしたちの心の中にも潜んでいるものです。
物語の中の悪役は、わたしたちのそういった傾向を第三者的な視線で見る訓練をしてくれます。
男の子は無神経にツネタのような行動をとりがちですし、そういう子がこの物語を読んだとき、ツネタのような行動をとることにちょっとだけ躊躇する力になるかもしれません。
それほどあまりにもツネタは自然であり、いかにもいそうな人物像です。
あるお子さんは、ツメで本のツネタの箇所をかじっていました…。気持ちは、わかります。
色々と空想することが好きなウーフ。
おかねもちになりたい。
この考えは、子供ならみな、一度は思う事でしょう。
買いたいゲームがあったり、魅力的なおもちゃを見つけたり。
自分の毛皮を売ろうと思いつき、小鳥のピピが、はさみで…ギャー!!
。。。じつに面白いのでぜひ、お読みください。
石井桃子さんが訳したA.A.ミルンのくまのプーさんは名著中の名著ではありますが、きちんと訳されたこの本は、案外字を追うことに慣れていなければ厳しいと思います。
クマのプーさん (岩波少年文庫 (008)) 作者: A.A.ミルン,E.H.シェパード,Alan Alexander Milne,Ernest Howard Shepard,石井桃子 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2000/06/16 メディア: 単行本 |
また別の機会にご紹介したいと思いますが、イギリスにくまのプーさんがいるように、日本にはウーフがいる!
と思ったりするのでした。
絵本から児童書へ。
ウーフはすばらしい本の世界へ子供をいざなうのにぴったりの、最高の本です。
シリーズで三巻、発売されています。
くまの子ウーフの童話集 全3巻 作者: 神沢利子,井上洋介 出版社/メーカー: ポプラ社 発売日: 2006/03 メディア: 単行本 |
神沢利子さんの前書きです。
ぼくは くまの子
うーふーって うなるから
名前が くまの子 ウーフ。
あそぶのが 大すき、
なめるのと たべるのが 大すき。
それから、いろんなことを
かんがえるのもね。
どんなことかって?
うーふー、
さあ よんでみてくれよ。
ぜひ、よんでみて下さい!
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