~珠玉の児童書~

~珠玉の児童書の世界~

学校で塾で、読解力を身に付けるには本を読め、と言われる。ではいったい、どの本を読めばいいのか?日本が、世界が誇る珠玉の児童書の数々をご紹介。

大人が読む児童書「くまの子ウーフ」1 反応が鈍くてトロいからって、傷付いていないわけじゃない

今日、ご紹介するのは児童書です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

くまの子ウーフ
神沢 利子 (著), 井上 洋介 (イラスト)

「くまの子ウーフ」の物語は、1969年の刊行以来、小学校の教科書をはじめ、さまざまな形で読み継がれてきたロングセラーです。卵を割ると、必ず卵が出てくることに感心し、自分が何でできているか真剣に考えるウーフ。子どもたちはウーフとともに考え、発見の喜びに目を輝かせてきました。また、命のふしぎと生きることの本質をあざやかに描いた物語は、幅広い層の読者の共感を集めてきました。時代を経てますます輝きを増すウーフの世界をたっぷり味わえる「くまの子ウーフの童話集」を、コンパクトなサイズにリニューアルしてお届けします。

 

 

「くまの子ウーフ」絵本から本へ

 

 

しんみりしたお話が続いたので、ちょっと面白い本を紹介したいです。

 

やはり、「笑わせる本」というのはすごく貴重です。
読んだらニコニコするようなもの。

 

ハラハラ・ワクワクは設定でも何とかなりますが、笑わせる!
これは本当に難しい。

 

こうして色々読んでもらっても、妹子も兄助も、お友達たちも、みんな好みが違っています。
本当に子供ってそれぞれだなあ!と思うのですが、それでも、
「全員が面白いと言う」
という本があるので、それこそ本当に、名作だと思います。

 

妹子「くまの子ウーフは?」
わたし「一度、ちょこっとだけ......」
妹子「なんで?なんで?なんでくまの子ウーフやらないの?ありえなくない!?」
わたし「だって教科書で出てるし~~」

 

妹子も兄助も、本当に「くまの子ウーフ」が大好きです。

 

 

ウーフの本を取り出してみると、

 

妹子「あっ!お兄ちゃん、すごい大きく名前書いちゃってる。これじゃ、この本、写真撮れないじゃん」
わたし「この本、兄助は大好きだったからね」
妹子「いやいやえんみたいじゃん」

 

ずっと昔に見つけた、ネット上に残っている「いやいやえん」のレビューを、妹子は未だに覚えています。
「煮ても焼いても食えないこ憎たらしいクソガキ」には、腹を抱えて笑わせてもらいました。

 

この書評を書かれた方は、兄助と妹子と同じく、兄と妹だったようなので、壮絶な奪い合い、争奪戦がとてもリアルに面白く感じたようです。

 

 

さて、「くまのこウーフ」。

 

レビューを書こうと思って読み返してみましたけど、この独特な、なんとも言えないゆったりとした雰囲気は、やっぱり読んでみないとわからないなと思いました。

 

言葉で説明するのが難しいです。

 

そもそも第1話目の題名が「さかなにはなぜしたがない」

 

なんて不思議!
子供しか思いつかない疑問です。

 

多くの児童書や絵本、少年漫画の主人公は、元気でやんちゃな、いわゆる「子どもたちが投影しやすいタイプ」になっていることが多いのですが、ウーフは本当におっとりして、動きも緩慢で、いつも何か空想していて、ワンテンポ遅いです。

 

 

寝転んでいたウーフ、木を見上げて、木っていいなあ、木になりたいなと思います。

でも、ウーフの空想はふらふら次から次へと揺れ動きます。

すぐに、みつがなめられるなら、ミツバチがいいかなと思って、ミツバチを追いかけて、川に入って……。

川でさかなを見て、さかなっていいなあと思います。

 

この、脈絡のない空想と行動の一連の中でも、ウーフはとめどなく何かを考えています。

行動は、その空想が外環へ向かって発露したものであり、何の矛盾もありません。

 

木を見て、ミツバチを見て、ミツバチが飛んで行ってしまったので、お魚です。

 

木っていいな木になりたいな
ミツバチがいいかな
魚っていいな、魚になりたいな

 

絵がたまらなく可愛いです。

 

転んだりパシャパシャやったりしていたウーフ、フナに話しかけられました。
何となく、意地悪な気配がします。

 

 

昔は、どうしてこのフナは、ウーフにこんなに意地悪なんだ?💢と思ってましたけど、魚は熊に食べられちゃうから、警戒していたのですね。

明らかに悪意をもって、からかっています。

 

毛皮を脱げとか、目を開けたまま水の中で寝ろとか、舌を引っこ抜くぞとか、おとなしくて素直な、おっとりとしたウーフには、酷な体験です。

 

もうこりごりだとウーフが逃げ出すと、
「これに懲りたらもう魚様を捕まえるなよ!」と呼びかける。

 

ウーフは、ちょっとトロいぶん、悪意に対してもトロいです。
反応が鈍いというか、そう簡単にカンカンになったり、メソメソしたりしないんです。

 

ふんわりと受け止めて、ボヨンと跳ね返すようなところがあります。
でも、傷付いていないわけじゃない。

 

魚の意地悪はウーフをひどいめに遭わせたので、逃げ帰ってお母さんに訴えます。
あたたかく包んで抱っこしてくれるお母さん。
落ち着いて優しく説明してくれます。

 

なぜ、さかなには、したがないのか。

 

それでウーフは安心して、
「よかったこぐまで。こうしてお母さんに抱っこすることもできる」

 

ななな、なんて可愛いんだ~~~!
本当に愛らしくて、胸がキュンとなります。

 

と、いうわけで、ちょっと珍しいおっとりとタイプのくまの子ウーフです。

 

もちろん教科書に載っている影響もありますが、子供たちには本当に絶大な人気です。

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

いやいやえん
中川 李枝子 (著), 子どもの本研究会 (編集), 大村 百合子 (イラスト)

元気だけど、わがままできかんぼうの保育園児のしげるが主人公の童話集。しげるたちが積み木でつくった船でクジラをとりにでかけるお話や、山のぼりで山の果物を食べすぎてしまうお話、赤いバケツをもって保育園にやってきた小ぐまの話など、全部で7つのお話がはいっています。表題作『いやいやえん』では、なんでもいやだ、いやだと駄々をこねるしげるが、「いやいやえん」に連れてこられます。「いやいやえん」とはいったどんな園なのでしょうか?

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ちびっこカムのぼうけん
神沢 利子 (著), 山田 三郎 (イラスト)

カムは、湖のそばにたち、金のユビワを北にむかって、三ど大きくふりました。かあさんのびょうきをなおすイノチノクサをもとめて、火の山にすむ大オニ・ガムリイと対決するカム。リズム感あふれる文章でつづる、スケールの大きなファンタジー。(「BOOK」データベースより)

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ふらいぱんじいさん
神沢 利子 (著), 堀内 誠一 (イラスト)

たまごを焼くのが大好きなふらいぱんじいさん。新しい目玉焼きなべがきて、たまごを焼かせてもらえなくなってしまいます。そこで、ふらいぱんじいさんは旅に出ることにしました。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

銀のほのおの国
神沢 利子 (著), 堀内 誠一 (イラスト)

よみがえったトナカイの首領はやてを追って、たかしとゆうこの旅は始まった。人はなぜ、他の生きものの命を奪わなければ生きられないのだろう。重たい問いを抱きながらふたりは、動物たちの国の壮絶な戦いに立ち会う。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

はけたよはけたよ
神沢 利子 (著), 西巻 茅子 (イラスト)

たつくんは、ひとりでパンツがはけないんだよ。片足をあげると、どでん!と転んでしまう。「えい、パンツなんかはかないや。」

 

 

 

 

「プロジェクト・グーテンベルク」
http://www.gutenberg.org/ebooks/author/492

 

プロジェクト・グーテンベルクについて
Wikiの説明ページ

プロジェクト・グーテンベルク(Project Gutenberg、略称PG)は、著者の死後一定期間が経過し、(アメリ著作権法下で)著作権の切れた名作などの全文を電子化して、インターネット上で公開するという計画。1971年創始であり、最も歴史ある電子図書館

 

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