今日の一冊「おねえちゃんって、もうたいへん!」
今日、ご紹介するのは、かなりしっかりしたページ数の多い、「本型の絵本」です。
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今日の一冊
お母さんの再婚で突然妹ができた小学1年生のココ。妹の名前はナッちゃん、3歳。大声で叫ぶし泣くし、ダンゴムシを大事な筆箱に入れてくるし…。「かいじゅうみたい」ってココは思いました。
ふっと書店で見かけると、ああ、これ好きなやつ!と思います。
おねえちゃんシリーズの1冊目です。
今や、ものすごく貴重な、「字が大きくて読みやすいけど、きちんとした本型になっている」という数少ない本です。
内容は大きな字でとても読みやすく、やさしくて、小さなお子さんにぴったりです。
「ふらいぱんじいさん」に代表されるような、しっかりした装丁の本らしい本に、小さい頃から触れるのはとても大事です。
「本を読む」ということに対して抵抗をなくし、慣れてもらえます。
活字文化の意地のために最適です!
ジーク・活字文化!
内容がよいのでよく平積みされてますし、推薦図書にもなっていますが、ずらっと並べられた推薦図書の中でも、目に見えて減っているのを見ると、嬉しくなります。
やっぱり面白いし、いいよね!と思って。
◇
妹をもったおねえちゃんの奮闘を描いています。
おねえちゃんになってしまった、ならざるを得なかったけれど、自分もまだちいさな女の子、ココちゃん。
葛藤があり、そう簡単に妹のナッちゃんを受け入れられません。
ママは甘いし、ワガママ言うし、邪魔だし…。
絵がまた面白いです。
この妹ちゃん、おねえちゃんの3倍ぐらいおっきいです。
ココちゃんは真剣なのですが、満面の笑みで3倍ぐらい大きい妹ちゃんをおんぶしたりしている図は、絵だけで笑ってしまいます。
おねえちゃん、妹ちゃんのことを「かいじゅう」と称しているのですが、無理もありません。
そのくらい存在は大きく、今までずっとひとりじめだったママと自分のあいだに立ちはだかっています。
妹かわいい、かわいいの良い子ちゃんのおねえちゃんじゃないところがとても良いです!
(いや、そういうおねえちゃんがいてもほのぼのしてて良いんですけども)
存在を受け入れられない葛藤。
お世話しなきゃならなない葛藤。
でも妹はおねえちゃんがだーい好き!
寄って来られてうっとおしい葛藤。
言葉が通じない葛藤…。
ある意味、子どもを持ったお母さんも、少しこの気持ちに共感するところがあると思います。
子どもはみんなかいじゅうですから、理性的に話も出来ないですし、困ったな、うっとおしいな、めんどくさいな、という気持ちが完全にゼロということはないはずです!
そういうおとなの気持ちから見ても、とても「よくわかる話です」。
…というお話です。
いつか紹介しようしようと思っていたのですが、ふと書店で見かけ、図書館で見かけ、タイムラインで見かけたので、これはもう紹介せずばなるまい、と思って書きました。
我慢に我慢をかさねて日々を送り、葛藤と戦いながらがんばっているココちゃんに幸あれ、です。
また、ナッちゃんのまったくめげない明るさもまた、とても良い感じです。
そしてもっともっと、「本型の絵本」が増えてくれればいいのになあ、と思います。
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