~珠玉の児童書~

~珠玉の児童書の世界~

学校で塾で、読解力を身に付けるには本を読め、と言われる。ではいったい、どの本を読めばいいのか?日本が、世界が誇る珠玉の児童書の数々をご紹介。

今日の一冊「マローンおばさん」

今日、ご紹介するのは絵本です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

マローンおばさん
エレノア・ファージョン (著), エドワード アーディゾーニ (イラスト), 阿部 公子 (翻訳), 茨木 啓子 (翻訳)

森のそばで、ひとり貧しく暮らしていたマローンおばさんのもとに、すずめや、ねこや、きつねたちが訪れ、おばさんは、貧しい中から彼らに必ず何かを分け与えた。読み継がれる有名な詩を邦訳して紹介する。

 

 

何となく、クリスマスの時期にふさわしいような気がしました。

ファージョンの「マローンおばさん」は、それほど長くはない一篇の詩です。
薄くて文庫サイズなので、読みやすいです。

 

ラストにファージョンの原文がついていますので、エリナー・ファージョンの美しい英語をそのまま見ることができます。

 

森の中に住んでいる貧しいマローンおばさん。
たったひとりぼっちで、誰にも気にかけられることなくその日暮らしをしています。

 

話し相手もなく、誰にも顧みられず、様子を尋ねる人もなく心にかけてくれる人もない。

 

孤独なマローンおばさんのもとに、ある寒い冬の夜、スズメが1羽やってきました。

よわりはて、まぶたは半分 ふさがって
くちばしも こおりついていた。

 

おつぎは、ねこが一匹です。

おなかをすかせ のどもかわき
棒きれのように やせこけて

 

次は母ぎつね。
なんと6匹も こぎつねを連れています

 

どの動物たちも、疲れてすっかりみじめな状態です。
次はロバ、次はなんと…熊!?

 

マローンおばさんは、いつでもすぐにあたたかく動物たちを迎え入れてやります。
暖炉のそばに、熊(割と小さめです)がまるくなって座っている所はとても可愛いです。

 

マローンおばさんはある朝、横たわったままで起きてきませんでした。
動物たちはのぞきこみ、「寝かせておこう」とお互いに言い合います。

 

それから、ロバの背中に乗せて運んでいきます。
野を越え丘をこえ、どこまでもどこまでも進みます。

 

たどり着いたのは天国の門でした。

 

いつでも天国の門番は第一弟子のペテロです。
(世界むかし話でもそうでした)

 

事情を聞く聖ペテロに、動物たちはおばあさんの優しさを口をそろえて訴えました。

 

そのとき、マローンおばさんここで目をさましてびっくり。
(ユーモラスです)
あれっ?ここはどこ?さあみんなうちにかえりましょ!

 

ペテロは門を開きます。

「母よ、入って王座のそばへ おゆきなさい。
あなたの居場所が
ここにはありますよ。マローンおばさん」

 

ずっと見捨てられたように森の中で、ずっとひとりで過ごしてきたマローンおばさんですが、神様のそばに永遠の居場所があると受け入れられたのでした。

 

 

あとがきに書かれています。

 

子どもの本を愛する人たちにとって、ファージョンの名前は特別な意味を持っています。

 

このひとことは、本当にその通りです。
私もまだ「エルシー・ピドック、ゆめでなわとびをする」ぐらいしか紹介できていません。

whichbook.hatenablog.com

 

ファージョンの世界は、うまく言葉では形容できません。
それは、訳された石井桃子さんの翻訳とあまりにもぴったり一体化して、深く広く、子供の世界と本の記憶に直結しています。

 

尽きない泉のような愛があって、冒険というよりも、ひとのこころがありました。

 

ファージョンも石井桃子さんも、生涯独身を通されました。
また他にたくさんの児童文学作家のかたが独身であったり、子どもがいなかったり、また若くして死別されたりしてしました。

 

あれほどの著作を残し、人々の心にとって、感動以上の体験となって心に刻み付けられている。
その本を愛する人たちによって語り継がれていくのを見るとき、独身、子なし、孤独死、そんなレッテルにいったい何の意味があるのかと思うことがあります。

 

少子化が語られる時、老後、孤独死、介護、年金、色んなことが言われますけど、社会のシステムや歯車の中で、人の心の大切さは忘れられてしまいがちです。

 

としよりを厄介者と断じ、安楽死の権利すら議論されるこの頃に、子供を持ち育てることだけが、本当にそれだけが、社会貢献で意義あることなのだろうか?と考えます。

 

マローンおばさんは薄くて小さな本ですが、 その姿はファージョン自身をうつしとっているようだとも書かれています。

 

わたしも、わたしの言葉を尽くして、ファージョンのすばらしさを必ず伝えていきたい、そう思いを新たにしました。

 

 

 

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