大人が読む児童書「宝島」 3 生きるか死ぬかに子どもかどうかは関係ない
今日、ご紹介するのは児童書です。
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今日の一冊
ジム少年は,トレローニさんや医者のリヴィシー先生とともに,海賊フリント船長がうめた莫大な財宝を探しに出帆する.ぶきみな1本足の海賊シルヴァーの陰謀にまきこまれ,はげしい戦いが始まる….手に汗にぎる海洋冒険小説の名作.
大人が読む児童書「宝島」2 本当に怖いのは、愛想がよくて感じのよい人
二枚舌の魅力的なシルヴァー船長。
ここからどんどん、悪人の顔を見せてくれます。
しかし、ジム少年…。
地図は横から取るわ、悪人どもの話は立ち聞きするわ、縦横無尽の活躍です。
はっきりいって、ジムがいなかったら全員、序盤で殺されて終わりです。
主人公の面目躍如!
そして、シルヴァー、最初からジム少年にはとても親切でフレンドリーです。
恐ろしいことに。
第三編 海洋の冒険(My Shore Adventure)
13 どうして、海岸の冒険を始めたか
ついに宝島に停泊。
海賊どもはもう隠しきれないです。
シルヴァーが抑えています。
先生たちは緊張緩和の目的で自分たちは船にこもり、海賊どもの上陸を許します。
ジムは残っても足手まといなので、ならばいっそと、ボートに隠れて一緒に島に上陸!
シルヴァーだけは、ジム少年の行動を目ざとく見つけています。
上陸したジム少年、海賊どもを吹っ切って逃げ出す(!)
14 第一撃
島で見たただの蛇だと思っていたのが、実はがらがら蛇だったりと、割と危ないです。
シルヴァー、海賊じゃなかった船員を仲間に引き入れようと説得するも失敗、殺害。
この一部始終を、草の影からジム目撃。
敵19 対 味方7 だったのが、実は正直者だったらしき船員がここで二人殺された。
海賊17 対 味方7
15 島の男
逃げ出したジム少年、島に置き去りにされた男ベン・ガンと会う。
フリント船長が宝を埋めた時の乗組員だった。
別の船にいたときに宝さがしをしようと誘ったが、宝が見つからなかったので仲間に置き去りにされた。
やぎといちごとかき貝でいのちをつないできた。
これ、言い換えてみると、ラム肉といちごとオイスターですよね。
割といいもん食べてるような…。
ベン・ガンを計算に入れて、
海賊17 対 味方8
第四編 とりでのさく(The Stockade)
16 どうして船を見捨てたか(リヴジー先生の話)
昔、フリントたちが作ったらしき小屋に立てこもる。
スモレット船長がシルヴァーの口車に乗って海賊になったひとりを説得。
海賊16 対 味方9
17 小型ボートのさいごの航行(医者のつづけた話)
海賊が船の大砲を使って小屋を攻撃。
さすがフリント、あたらない位置に作ってある。
今までいいとこなかったトリロニー氏、射撃の名手なので、ひとり倒す。(生死は不明)
なんとか全員、無事小屋へたてこもる。
18 一日めのたたかいのおわり(医者のつづけた話)
海賊一人が死に、こちらも味方の一人が死ぬ
海賊15 対 味方8
船長は航海日誌を克明につけ、ジム合流。
19 さくの守備隊(ふたたびジム・ホーキンズの始めた話)
ベン・ガンはまだ小屋には来ていない。
ベン・ガンにやるチーズの用意をする。
医者のリヴジー先生は、「沼地に夜営してる海賊は熱病か赤痢になるはず」と計算。
シルヴァーが休戦旗をあげる。
20 シルヴァーの使命
海賊はひとり死んでたので、海賊14 対 味方8
船長は人を怒らせるのがうまい。
話し合いは決裂。
シルヴァー、悪態をつき、馬脚をあらわす。
21攻撃
海賊との大乱闘。ここはすごく盛り上がるところです。
味方がひとり死亡。海賊は五人死亡。
船長負傷。
海賊9 対 味方7
(海賊は、船の負傷者者がひとり死亡、8 対 7)
◇
こうして、一人ひとり死んでいくのが恐ろしいです。
戦いの描写が、その場にいたんかい!というほどリアルです。
弾が飛んでくる音まで聞こえそうなほどです。
特に、トリロニーさんに仕えていた忠実な老人、トム・レッドルースの死は胸がいたみます。
こんな所に連れてこられなければ、今でもイギリスの田舎のマナーハウスで、のんきに猟場の番人をしていただろうに…。
最初、19対9などと言っていたのが、あっという間に海賊9とかに減ってしまいました。
これを読みながら思いましたが、荒くれ者はとにかく無秩序なので、ほぼ仲間割れと自業自得で死んでしまうのです。
◇
大五編 海の冒険(My Sea Adventure)
22 どうして、海の冒険が始まったか。
海賊と味方がひとりずつ死亡。
海賊8 対 味方6
ジム少年、味方にも内緒で基地にしていた小屋を抜け出す。
ベンガンの小舟を使い、海賊にとられた船のいかりづなを切って海賊を邪魔することを思い付く。
23 ひき潮
ぴんとはったつなをきれば反動でふっとばされるなど、ジム少年賢いです。
ゆるんだときに切って、船は漂いはじめます。
船には二名、残りは沼地で酒盛りなので、海賊2-6に分かれています。
船の二名は喧嘩中。
疲れでジム、小舟のなかで眠る。
24 ただようかわ舟
あしかが怖いシーンが可愛かったです。
巨大なぬるぬるした怪物──いわば、とほうもなく大きなかたつむりのようなやわらかいもの──が、岩石のひらたくなった上を、むらがってはいまわったり、ざぶんと高い水音をたてて、海中へとびこんだりしているのが見えた。──それは、五、六十もあろうか、ほえたてる声は、岩々にこだましていた。
(翻訳 西村孝次)
たしかに、今わたしたちは辞典を見たり、水族館やメディアであしかを知っていますが、いきなり見たらとんでもなく恐ろしい生物ですね。
のどがかわき、船に近付くジム少年。
扱いにくい船でのその努力と観察眼、決断力、行動力、思考能力がなみのものではないです。
第一斜しょうにとっつかまって船へ。
25 海賊旗をおろす
喧嘩してた一人が死んでるので、海賊7 対 味方6。
固パン、果物漬け、干しぶどう、チーズのごはんを食べる。(メニューは必ずチェック)
舵手の悪者、ハンズが残ってるが具合悪そう。
ジム少年、海賊旗をおろす。
ハンズの手当をして、船を島の北側へ。
26イズレール・ハンズ
ブランデーよりもワインの方がいいから取ってきてくれと言う海賊ハンズの言い分がおかしいというのが面白いです。
海賊はお行儀よくワインなんて飲まないものなんですね。
海賊ハンズとジム少年の一騎打ち。
これもすごい盛り上がりです!
隠れて見ていると、ハンズ、こっそりとナイフをゲット!
舵手ハンズの悪巧みをしらぬふりをして色々算段する、空恐ろしいこども、ジム少年。
船を停泊させてからが勝負。
岸に乗り上げたときに後ろを見ると、海賊が迫る!
ピストルがしめっていて打てず、ピンチの瞬間、船が揺れて二人とも転ぶ。
すごい緊迫感です。
マストにのぼり弾ごめをするジム少年。
海賊がナイフを投げて、肩を貫かれました。はずみでピストル発射!
事故で正当防衛とは言え、はじめての人殺しです。
海賊6 対 味方6。
◇
ついにタイとなりました。
この、怒涛の追い上げの決定的な一人をやっつけたのが、ジム少年本人であったことの意味は大きいです。
27 八銀貨
船を海賊から取り返したジム少年、月をたよりに小屋へ戻る。
夜だったのでみな、ねています。
こっそり寝床へ戻ろうとしますが、おうむの「はちぎんか!」がひびきわたります。
小屋を占拠していたのは、なんと海賊でした。
ジム、海賊に捕まってしまいます。
つづきます。
グーテンベルクで出ています。
グーテンベルクの「宝島」原書の絵ですが、ジムが割とでかいです。
こちらは、「世界少年少女文学全集」の方の挿し絵です。
どなたが描いたのか、書かれていないんですよね。
すごい臨場感で、上手いです。
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宝島 (10歳までに読みたい世界名作)
ロバート・ルイス スティーヴンソン (著), 横山 洋子 (監修), 館尾 冽 (イラスト), 吉上 恭太 (翻訳)
宝のうまった島の地図を手に入れた少年・ジムは、船乗りたちと宝探しの航海に出発します。しかし、海賊との戦いが待ち受けていて…。勇気と夢のつまった、心おどる冒険物語。さくさく読める世界名作シリーズ第14弾。
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港の宿屋「ベンボウ提督亭」を手助けしていたジム少年は、泊まり客の老水夫から宝の地図を手に入れる。大地主のトリローニ、医者のリヴジーたちとともに、宝の眠る島への航海へ出発するジム。だが、船のコックとして乗り込んだジョン・シルヴァーは、悪名高き海賊だった……。
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先生が慎重にその封をはがしてゆくと、ひとつの島の地図が現われた――。取り戻せ、冒険心。大人たちの胸を熱くさせてきた不朽の名作、待望の新訳。
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港の宿屋、ベンボー提督亭のジム少年は、海賊の泊まり客から宝の地図を手に入れる。信頼のおける仲間たちと船を仕立てて宝島へと向かう一行。その船を追う、悪名高き海賊の船長、一本足のシルバー。イギリス少年冒険文学決定版を完訳で。
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埋もれた宝、片足の海賊ジョン・シルバーの反乱、少年ジムの大活躍――冒険物語の永遠のテーマを見事に表現した、忘れようとしても忘れられない、児童文学の最高傑作です。
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入り江を見下ろす宿屋「ベンボー亭」に現れた老海賊。残された一枚の地図が少年ジムを思いもよらない冒険へ誘いだす。一本足の海賊ジョン・シルバー、隠された宝……。冒険小説の名作中の名作。
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19世紀後半に活躍したイギリスの小説家ロバート・ルイス・スティーヴンソンの海洋冒険小説。1881年から1882年にかけて連載。原題は「海のコック、あるいは宝島」だったが、後に「宝島」と改題。
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ジム少年は,トレローニさんや医者のリブシー先生と,海賊フリント船長がうめた宝を探しにいく.ぶきみな1本足の海賊シルバーの陰謀と,はげしい戦い.手に汗にぎる冒険小説の名作.
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ジム少年の両親が営む宿屋に、ある日、奇妙な客があらわれた。ほおに刀傷のある船乗りで、彼は船長と呼ばれるようになる。船長の突然の死――そして、のこされた荷物の中から宝島の地図が!ジムはリブシー医師や地主のトリローニさんとともに、宝さがしの航海に出発する。イギリスの作家スチーブンソンが描く冒険小説の傑作!
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宝島―Treasure island
R.L.スティーブンソン (著), Robert Louis Stevenson (著)
ジム少年はふとしたことから、海賊の宝のありかを示す1枚の地図を手に入れた。医者のリブシー先生と地主のトリローニさんとすぐさま旅にでるものの…。
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《宝島》へ向かうジムのスリリングな航海!宝島の地図を手に入れたジムたちの宝探しの旅は、海賊たちとのはげしい戦いのはてに、どのような結末を迎えるのか イギリス少年文学不朽の名作。
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「プロジェクト・グーテンベルク」
http://www.gutenberg.org/ebooks/author/492
◆プロジェクト・グーテンベルクについて
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