再読「エルマーのぼうけん」 1 面白いのに少し難しい導入
大人が読む児童書。
「再読★児童書編」です。
この記事はネタバレもしていくことになりますので、未読の方はご注意ください。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
エルマーのぼうけん
ルース・スタイルス・ガネット (著), ルース・クリスマン・ガネット (イラスト), わたなべ しげお (翻訳), 子どもの本研究会 (編集)
年取ったのらねこからどうぶつ島に囚われているりゅうの子どもの話を聞いたエルマーは、りゅうの子どもを助ける冒険の旅に出発します。どうぶつ島ではライオン、トラ、サイなど恐ろしい動物たちが待ちうけていました。エルマーは、知恵と勇気で出発前にリュックにつめた輪ゴムやチューインガム、歯ブラシをつかって、次々と動物たちをやりこめていきます。エルマーはりゅうの子どもを助け出すことができるのでしょうか?
幼児が本に親しむ一番最初の本。
前に「フライパンじいさん」をあげましたけど、「エルマーのぼうけん」は海外の本で親しめるのに一番最適な本です。
絵本はもう楽々読めるお子さん。
少し物心ついて、ひらがなを追えるようになったあたりでの、第二のブックスタート本です。
装丁がきちんとして、100ページ超ぐらいあり、いかにも「本を読んでいるぞ~!」と感じられます。
開くといきなり地図があります。
みかん島とどうぶつ島です。
…みかんと、どうぶつ。
再読してみて思ったのは、この作品、ぜんぜん高学年から大人までの鑑賞に十分にたえうるということです。
面白いです!
すごく鮮やかで芸術的な絵もすばらしいです。
この絵の魅力は大きいです。
何とこの絵、作者の義母さんが描かれているそうです!
これはすごく珍しいと思うのですが、どうなんでしょうか。
母と娘とか、父と息子とかは聞いたことがあるのですけど、嫁と姑の合作というのは、あまり例がないような気がします。
(仲が良いのは良いことです(*^-^*))
◇
最初の一章は
「ぼくのとうさん ねこにあう」
なのですが、ここの冒頭はなかなかすんなり頭に入ってきません。
主人公はエルマーだと思って読み始めたら、「ぼくのとうさん」
エルマーのとうさんかな?
違いました。
絵にある、猫に話しかけている子供がエルマーで、かつ、作者のお父さんだという情報がよくわかりませんでした。
(少なくとも私はそうでした)
ぼくのとうさんとねこは、すぐなかよくなりました。
昔は、この情報の混乱のまま、最後まで話が続いていくのだろうか、最後まで「ぼくのとうさんは」で行くのだろうかと、かなり心配になってました。
なので、小さい頃のわたしは、ねこを読み飛ばしていました。
(子供の頃の話です)
第二章になると、主人公も「エルマー」の第一人称になるので、すんなりと理解できたのです。
とりあえずこれは、書いてる人のお父さん、しかもそのお父さんが子供だった時の話なのです。
◇
おとななので、一章をしっかり読み直します。
読み返してみて思いますが、ここの冒頭はとても大事です!
この年とったねこが全ての始まりでした。
雨にぬれてみじめな状態だったのらねこに、「ぼくのとうさん」=「エルマー」は、しんせつに話しかけます。
「ぼくのうちにきてみませんか?」
ねこは驚きますが、礼儀正しく謙虚に「だんろのそばでミルク」を所望します。
「それにぼくのかあさんは、おさらに一ぱいぐらいのミルクならきっとわけてくれるよ」
しかしこれは安請け合いでした。
エルマーのおかあさんは、ねこぎらいだったのです…。
エルマー、迂闊だぞ。
そこは把握しておけよ…。
「一ど、やどなしののらねこにたべものをやれば、まちじゅうののらねこにたべものをやるようなことになっちまうんだからね」
これは、残念ながら一理あります。
わたしは野良猫が大大大好きですが、やはり、食べ物をあげるのは反則です。
写真を撮るだけにとどめます。
エルマーはがっかりしますが、こっそりねこにしんせつにしていました。(婉曲表現)
このねことの友情が、エルマーを不思議な冒険にさそうことになります。
ねこは、エルマーの「ひこうきをもちたい」という夢を聞いて、不思議な話をしてくれます。
もしかしたら、その夢、かなうかも。
それも大きくなってからじゃなくて、いますぐに。
つづきます。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
エルマーのぼうけんセット
ルース・スタイルス・ガネット (著), ルース・クリスマン・ガネット (イラスト), 渡辺 茂男 (翻訳)
エルマー少年とりゅうの子の冒険物語3部作。ユーモアたっぷりのお話は、読むものの心を空想の世界に羽ばたかせながら、物語のリアリティーに引き込みます。幼年童話の最高峰として読みつがれているロングセラー。
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エルマーとりゅう
ルース・スタイルス・ガネット (著), ルース・クリスマン・ガネット (イラスト), わたなべ しげお (翻訳), 子どもの本研究会 (編集)
「エルマーのぼうけん」の続編。ぶじ動物島を脱出したエルマーとりゅうが、「知りたがり病」という病気をめぐって大活躍。一度読みはじめたらやめられない抜群のおもしろさです。
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エルマーと16ぴきのりゅう
ルース・スタイルス・ガネット (著), ルース・クリスマン・ガネット (イラスト), わたなべ しげお (翻訳), 子どもの本研究会 (編集)
エルマーのお話の完結編。やっと家に帰りついたりゅうを捕えようと、人間どもがやってきます! エルマーは、りゅうの家族を救おうと、りゅうの家にやってきます。心躍る結末です。
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