大人が読む児童書「冒険者たち ガンバと15ひきの仲間」 3 読了しました。まず親が読んで!
大人が読む児童書。
「積ん読・解消計画★児童書編」です。
この記事はネタバレもしていくことになりますので、未読の方はご注意ください。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
大人が読む児童書
イタチと戦う島ネズミを助けに,ガンバと15ひきの仲間は、船で夢見が島に向いました。しかし、白毛のノロイがひきいる、どうもうなイタチの群れに追いつめられ、海岸の岩山で最後の決戦の時をむかえます。
実はこれを書いている時点で、読み終わってしまいました。
あまりに面白くて、徹夜してしまいました!!
やめられない、とまらないです。
Amazonプライムのガンバも見てみようと思っているのですが、とりあえず、読了後の雑感です。
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しかし、この画像☟
ノロイは非常にカリスマ性のある、悪魔的な悪役でしたが、ここまで怖いか!?と言われると、原作のノロイに関してだけは微妙な感じでした。
怖いは怖いのですが、普通に怖いです。
ノロイはていねい口調でした。
悪魔的で残虐ですがどちらかと言えば、力押しよりも頭脳派です。
声にも姿にも魅力がありますが、特に声の魅力はすごくて、魔法のように動物たちを広い所に誘い出してしまう力があります。
統率力もあり、基本単独行動であるイタチたちをまとめ、ノロイが呼び出して配下が殺す、という戦法を取っているようです。
何度もねずみたちを広い場所に誘い出そうとするのですが…。
歌試合、踊り試合、と続き、ねずみたちは負けません!
戦いの場に出て行かない、という消極的な戦い方です。
詩と歌をふんだんに使っています。
児童文学、よく詩が出てきます。
トールキンなどを読んだ方は、美しい瀬田貞二さんの訳をご存じかと思いますが、この作品にも、歌や詩がふんだんにちりばめられています。
精密な描写に加え、詩まで載せている…。
すごいです。
かわいいめすネズミが出てきます。
忠太のお姉さん、潮路です。
潮路とガンバのやりとりは、 非常に、非常に、考えさせられるものでした。
実に日本的だと思ったのですがどうでしょう?
この「日本的」という意味は、決して悪い者ではなくて、情緒と余韻にあふれていました。
私が見るところ、この「冒険者たち」のMVPは間違いなく潮路でした!
ここまでネタバレネタバレと言っておきながら、このあたりネタバレせずに巧妙に隠していますが、 やっぱり、読んでみて欲しいな~!!
これだけ面白いのだから!!
と思います。
おとなの方に意見聞きたいです。
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さてガンバの冒険、見終わったわけですが、実はルドルフとイッパイアッテナもまだ読んでないので、読むべきものはまだたくさんあります!
どこかの本を読む訓練についてのニュースにも書かれていたことでした。
「まず親が読んで」という一言が出てきました。
スマホ、スマホになってしまっている世の中です。
「まず親が本を読んでいる姿を見せなければ、子どもも読むことはない」
これは本当にそうだな、と思いました。
本を読むのにあまり慣れ親しんでいない大人のかたにも、児童書はぴったりです。
絵本ではなくて、ちょっと硬質で名前の売れている児童文学は「これ、子供が読めるの!?」と思うほどのクオリティです。
独自の進化を遂げて、今軽く読める大人向けの小説よりもはるかに芸術的で哲学的であったりします。
しかも読みやすいです。
「ともしびをかかげて」を読んだ時にも感じたことでした。
手を抜いていないな、と思うときがあります。
文章自体は平易で、わかりやすいながらも、子どもなんだからこの程度だろう、子どもなんだから、ここは省略してしまおう、という部分がありません。
「子どもに対するやさしい思い」や、「教えておきたい道徳」だけで終わらないのです。
それ以上に、大人になるまでに、どうしても伝えておかなければならないことを伝える、という。
この世のそのままの姿を、真実を、正確に伝える、という真摯さは痛いほどです。
読んでいるこちらも真剣に向き合わなければなりません。
思わず襟を正すようになるところがあります。
このすばらしき児童文学の世界を、ぜひ大人の方に味わっていただき、そして子どもに伝えていってほしいです。
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頑張り者のネズミ・ガンバは、相棒のボーボと一緒に、海を一目見ようと港町までやってくる。そこで出会った子ネズミの忠太が、自分たちの島の仲間を助けて欲しいと求めてきた。力自慢のヨイショや博学のガクシャといったネズミ仲間とともに、大海原へ乗り出すことを決意する。だが、目的の島には脅威の白イタチ・ノロイが待ち構える。小さなネズミ7匹が繰り広げる波乱に満ちた大冒険。他に類を見ない表現にドキドキハラハラの連続だ。(C)斎藤惇夫/岩波書店・TMS
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