~珠玉の児童書~

~珠玉の児童書の世界~

学校で塾で、読解力を身に付けるには本を読め、と言われる。ではいったい、どの本を読めばいいのか?日本が、世界が誇る珠玉の児童書の数々をご紹介。

再読「エルマーのぼうけん」読了 3 ハラハラするRPG展開。案外(かなり)ひどいどうぶつたち

大人が読む児童書。
「再読★児童書編」です。


この記事はネタバレもしていくことになりますので、未読の方はご注意ください。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

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今日の一冊

 

エルマーのぼうけん
ルース・スタイルス・ガネット (著), ルース・クリスマン・ガネット (イラスト), わたなべ しげお (翻訳), 子どもの本研究会 (編集)

年取ったのらねこからどうぶつ島に囚われているりゅうの子どもの話を聞いたエルマーは、りゅうの子どもを助ける冒険の旅に出発します。どうぶつ島ではライオン、トラ、サイなど恐ろしい動物たちが待ちうけていました。エルマーは、知恵と勇気で出発前にリュックにつめた輪ゴムやチューインガム、歯ブラシをつかって、次々と動物たちをやりこめていきます。エルマーはりゅうの子どもを助け出すことができるのでしょうか?

 

 

再読「エルマーのぼうけん」 1 面白いのに少し難しい導入

再読「エルマーのぼうけん」 2 ねこの説明、カラフルで芸術的な挿し絵の魅力

 

 

「エルマーのぼうけん」はおよそ100ページ。
短いようでいながら、 おそろしく濃い内容です。

 

読み返して、おとななのですが、ひとつひとつの文章をしっかり読んでいって、内容を受け取ることが楽しかったです。

 

何より、どうぶつたちが実にひどいです。

 

エルマー、りゅうを助けるために、かなりの危ない綱渡りをしています。

 

どうぶつたち、島じゅうを見張っているみたいです!

 

みかんの皮ひとつ、捨てることができません。
怪しいと言って、報告されてしまうのです。

 

エルマーは、どうぶつ島にわたるまえのみかん島で、かなりのみかんを入手しています。

かなり何度も読み返したのですけど、25個のピーナッツバターとゼリーのサンドイッチはどこで食べてしまったのか見つけることはできませんでした。

 

たぶん、6日6晩隠れていた船の中で、食べ尽くしてしまったのでしょう。

 

ゼリーのサンドイッチ…。
どう考えても、これはジャムなんじゃないかなと思うのですけど、もうその誤訳(?)すら、面白い味となっているので、絶対に変えてほしくないです。

 

全員がスパイとなっているような、どうぶつ島。

何一つ油断できません。

 

ここからはもう、わざわざあげつらって紹介することもない、おもしろ展開なので、ぜひ読んでいただきたいと思うし、持っている方ももう一度引っ張り出して読んでみて欲しいと思うのですが、

エルマー、持って行ったアイテムを何ひとつ無駄にしません。

 

これはおそらく、ねこのアイデアだったのかもしれないと思います。

それほど、(私が読み飛ばしていた)序盤で、ねことエルマーはしっかりと話し合いを行っていました。

 

どうぶつたちが、実に油断がならないので、 

 

チューインガムをかむとら。
つのをめちゃくちゃにこするサイ。
このユーモラスな表紙の状態になったライオン。

 

などなど、これは完璧な作戦でした。

 

読んでいて、いちばん油断がならなかったのが、イノシシでした。

見張りであり、情報網を把握していて、あらゆる所に目を光らせています。

 

アイテムが唯一きかなかったのも、このイノシシどもでしたし、断片的な証拠を拾って、侵入者の存在につなげていく...。


恐ろしい奴らです。

 

 

訳されたわたなべしげおさんは、「どろんこハリー」の名訳でも知られるかたです。

また、「ミス・ビアンカ」シリーズを訳されています。

 

 

whichbook.hatenablog.com

 

 

平易でユーモラスな、すばらしい語り口の翻訳者さんです。

 

 

  

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

エルマーのぼうけんセット
ルース・スタイルス・ガネット (著), ルース・クリスマン・ガネット (イラスト), 渡辺 茂男 (翻訳)

エルマー少年とりゅうの子の冒険物語3部作。ユーモアたっぷりのお話は、読むものの心を空想の世界に羽ばたかせながら、物語のリアリティーに引き込みます。幼年童話の最高峰として読みつがれているロングセラー。

 

 

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エルマーとりゅう
ルース・スタイルス・ガネット (著), ルース・クリスマン・ガネット (イラスト), わたなべ しげお (翻訳), 子どもの本研究会 (編集)

「エルマーのぼうけん」の続編。ぶじ動物島を脱出したエルマーとりゅうが、「知りたがり病」という病気をめぐって大活躍。一度読みはじめたらやめられない抜群のおもしろさです。

 

 

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エルマーと16ぴきのりゅう
ルース・スタイルス・ガネット (著), ルース・クリスマン・ガネット (イラスト), わたなべ しげお (翻訳), 子どもの本研究会 (編集)

エルマーのお話の完結編。やっと家に帰りついたりゅうを捕えようと、人間どもがやってきます! エルマーは、りゅうの家族を救おうと、りゅうの家にやってきます。心躍る結末です。

 

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どろんこハリー
ジーン・ジオン (著), マーガレット・ブロイ・グレアム (イラスト), わたなべ しげお (翻訳)

ハリーは、黒いぶちのある白いイヌです。なんでも好きですが、お風呂に入ることだけは、だいきらいでした。

 

 

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ミス・ビアンカ くらやみ城の冒険
マージェリー・シャープ (著), 渡辺 茂男 (翻訳)

優雅な貴婦人ねずみのミス・ビアンカ、勇敢な家ねずみのバーナード、ノルウェーの船乗りねずみのニルス。3匹は世界的なねずみの組織「囚人友の会」の任務で、とらわれの詩人を助けるために、地の果てのくらやみ城へ向かう。そこで彼らを待ちうけていたのは、おそろしく残忍なねこだった!ねずみたちの大冒険シリーズ1作目。

 

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子どもの本だな【広告】

雨月物語(佐藤 さとる 著) おしっこちょっぴりもれたろう 大どろぼうホッツェンプロッツ
こども六法 もっちゃうもっちゃうもうもっちゃう シートン動物記(青い鳥文庫)
ちょっとだけ ライオンと魔女と洋服だんす やまなし

 

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