~珠玉の児童書~

~珠玉の児童書の世界~

学校で塾で、読解力を身に付けるには本を読め、と言われる。ではいったい、どの本を読めばいいのか?日本が、世界が誇る珠玉の児童書の数々をご紹介。

大人が読む児童書 「トム・ソーヤーの冒険」を、初心に帰って読んでみようかなあという話

今日、ご紹介するのは児童書です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

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今日の一冊

 

トム・ソーヤーの冒険
マーク トウェイン (著), T.W.ウィリアムズ  (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

ミシシッピ川沿いの小さな村を舞台に,わんぱくな少年トムが浮浪児ハックを相棒に大活躍するゆかいな冒険物語.因習にとらわれがちな大人たちの思惑をよそに,自然の中で自由にのびのびと生きる子どもたちを描く少年文学の名作.

 

 

 

 

初心に帰って、ここで幼少期のわたしを夢中にさせた「トム・ソーヤ」を再読してみたいと思います。

 

以前から、トム・ソーヤのトムについて、いかにゲス男であるかを力説してきたのですが、もう一度頭からきちんと読み返してみたいと思いました。

 

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再読するのは、こちらの少年少女文学全集の、吉田甲子太郎訳 版です。

 

何せ古いので、昭和29年発行。
1954年です。
前年には、朝鮮戦争終結を見、ビキニ環礁の水爆実験で第五福竜丸被爆ゴジラが公開され、マリリン・モンローが来日したという年です。

 

この少年少女文学全集は、あのノーベル文学賞作家川端康成大先生の肝いりで監修しているという、優れモノです。

 

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これらの記事では、けっこう頻繁に引用をしていますが、もう50年をすぎ、絶版になっているので図書館でしか見ることはできません。
が、あまりにも古いので図書館からも姿を消しつつあるはずです。

 

いつか全部デジタル化して、発行元の創元社さんにお願いし、青空文庫で公開してもらうことが自分の夢です。

 

 

さて、このバージョンでのトム・ソーヤー。

 

妹子も発狂したり熱狂したり、兄助も無言ですがすらすらと最後まで読み進めてくれたこのトムを、序盤から丁寧に読んでみたいと思います。

 

何せ古いので(二回目)、作者の名前は「マーク・ツウェーン」です。

 

ただ丁寧なのもつまらないので、原書もひもといてみます。

 

グーテンベルクの英語テキスト。マーク・トウェインのページです。

Books by Twain, Mark (sorted by popularity) - Project Gutenberg

 

作者のページから、ダウンロード数を見ることができるのですが、ハックルベリー・フィンよりもわずかにダウンロード数が多いです。

 

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最近、「トム・ソーヤ」は言及が少なくなって、「ハック・フィン」の方に押されがちだなと感じていました。

 

確かに「ハック・フィン」はすぐれていますが、トム・ソーヤも負けないぐらいですし、児童書としては、トムの方が絶対に子供が夢中になります。

 

インディアンや黒人差別表現のせいなんだと思うのですが、歴史的にその時代がそうであったことは現然たる事実なので、こんな名作を埋もれさせてしまうのは惜しいことだと思っています。

 

子どもの中に、刷り込みというか、イメージ固定を避けたいという意図が働いているのでしょう。
インディアンの血を引く人がいい気がしないだろう、という理由で名著を埋もれさせるなんて、おかしいです。

 

何よりも、この物語の悪役たちはあまりにも個性的なので、個人の問題だと子どもたちはわかってくれると思っています。

 

 

まえがきに、トムは作者が知っている三人の少年の性質をひとつにしたもの、とあります。

 

ゲスなトムがどの少年だったのか、それともほかの二人にも少なかれそういう傾向はあったのか、そのあたりを作者を問い詰めたい気分です。

 

さらに、いいことが書かれています。

 

この本は、主として、少年少女を喜ばせるために書かれた本です。しかし、だからといって、おとなの人たちが読んでくれなかったら、わたくしは残念だと思います。わたくしは、おとなの人たちにも、この本を読んで、自分が子どもだったときのことだの、そのじぶんには、どんなふうに感じたり、考えたり、話しあったりしたかということだの、また、どうかすると、自分たちがとんでもない冒険に夢中になったことだのを、楽しく思いだしてもらいたいというつもりもあって、この物語を書いたのです。
  ハートフォードにて、一八七六年 著者

 

トム・ソーヤはけっこう長大な大作で、何と35章もあります。

このもくじを読んでしまうと、ほぼ内容がわかってしまうのですが、昔の作品はネタバレもくそもなかったんだなと思う事がたまにあります。

(みつばちマーヤの目次もすごくネタバレでしたし…)

 

読み返しをやれるだけやってみたいと思います。

 

第一章 わんぱくトム
第二章 すばらしいへいぬり
第三章 愛の殉教者
第四章 日曜学校で
第五章かみつき虫
第六章 ベッキーにあう
第七章 だに遊びとなかたがい
第八章 海賊の夢
第九章 夜ふけの基地
第十章 犬の遠ぼえ
第十一章うなされるトム
第十二章 しろうと療法とねこ
第十三章 海賊団の出帆
第十四章 楽しいキャンプ
第十三章 わが家を偵察する。
第十六章 タバコとあらし
第十七章 自分の葬式
第十八章 夢のふしぎ
第十九章 愛情の値うち
第二十章 身がわりに立つ
第二十一章 天井からねこ
第二十二章 ハック・フィンも改宗
第二十三章 マフ・ポッター助かる
第二十四章 すばらしい昼、おそろしい夜
第二十五章 宝さがし
第二十六章 宝は、ほんもののどろぼうの手に
第二十七章 「第二号」をさがす
第二十八章 インジャン・ジョーの巣で
第二十九章 ハック、ダグラス夫人をすくう
第三十章 ほら穴に残されたトムとベッキー
第三十一章 暗やみの中で.
楽三十二章 「起きろ! 見つかったぞ!」
※三十三章 インジャン・ジョーの運命
第三十四章 金貸がざくざく
第三十五章 紳士のハック、山賊のなかまにはいる。

 

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トム・ソーヤーの冒険
マーク トウェイン (著), 柴田 元幸 (翻訳)

ポリー伯母さんに塀塗りを言いつけられたわんぱく小僧のトム・ソーヤー。転んでもタダでは起きぬ彼のこと、いかにも意味ありげに塀を塗ってみせれば皆がぼくにもやらせてとやってきて、林檎も凧もせしめてしまう。海賊ごっこに幽霊屋敷探検の日々を送る中、ある夜親友のハックと墓場に忍び込んだら……殺人事件を目撃! 永遠の少年時代がいきいきと描かれた名作を名翻訳家が新訳。

 

 

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トム・ソーヤーの冒険
マーク トウェイン (著), T.W.ウィリアムズ  (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

ミシシッピ川沿いの小さな村を舞台に,わんぱくな少年トムが浮浪児ハックを相棒に大活躍するゆかいな冒険物語.因習にとらわれがちな大人たちの思惑をよそに,自然の中で自由にのびのびと生きる子どもたちを描く少年文学の名作.

 

 

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トム・ソーヤーの冒険 (角川つばさ文庫)
マーク・トウェイン (著), ちーこ (イラスト), 中井 はるの (その他)

いつもはちゃめちゃなトムは、宿なしハックを相棒に、毎日いたずらざんまい。そんなある日、真夜中の墓場で事件を目撃してしまって!? 世界中があこがれた、冒険と小さな恋の名作が、つばさ文庫に登場!

 

 

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トム・ソーヤの冒険 宝さがしに出発だ! (集英社みらい文庫)
マーク・トウェイン (原著), 亀井 俊介 (翻訳), ミギー (イラスト)

トムと胸のすく冒険の旅に出よう!いたずらをしたり、海賊になったり、宝探しをしたり……世界一のわんぱく少年トム・ソーヤが、親友のハックとともに冒険をくりひろげる。ワクワクがとまらない、トムの青春物語。

 

 

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トム・ソーヤーの冒険 (新装版) (講談社青い鳥文庫)
マーク・トウェーン (著), にし けいこ (著), 飯島 淳秀 (翻訳)

19世紀のアメリカの田舎町、セント・ピーターズバークを舞台に、わんぱく少年トムは所せましと、いたずらをして、みんなを困らせます。その毎日は冒険でいっぱい。 あるときは、家出をして、ジャクソン島でキャンプをして、あげくのはてに、自分たちの葬式に帰ってきたり、またあるときは、夜中の墓場にしのびこみ、殺人現場を目撃したり……。そして最後には、仲間のハックといっしょに洞窟で財宝を発見!

 

 

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ハックルベリー・フィンの冒けん
マーク・トウェイン (著), 柴田 元幸 (翻訳)

今まで知らなかったハックがここにいる。原書オリジナル・イラスト174点収録。柴田元幸がいちばん訳したかったあの名作、ついに翻訳刊行。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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