今日の一冊「オノモロンボンガ」 カメの見た美しい夢
今日、ご紹介するのは絵本です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
ずっと昔、まだ世界が若かったころ、まほうの木を目指し、1匹のカメが旅立ちました。木の名を言えたら、果物が食べられるのです。長い道のりを経て木にたどり着き、ややこしい名を言えるかな? ゆかいなアフリカ南部の昔話。
「うさぎとカメ」の話の、うさぎだけではない、さまざまなどうぶつも出てくるバージョンといったところでしょうか?
アフリカ南部のむかしばなしとのことですが、説明を見てみると再話したのはブルガリアのアルベナ・イヴァノヴィッチ=レア。
素敵な絵を書いたのはフランスのニコラ・トレーヴさんとのことです。
これは本当にアフリカ南部の昔話全くそのままなのかな?
再話されていくうちに、次第に形を変えてしまうこともありますし。
◇
とてもとても不思議な、美しいお話です。
まだこの世界がわかかったころ、雨が全く降らず、大地がひび割れ、みんなが食べ物に困ってしまう
そんなことが起きました。
そんな時ある晩、カメが不思議な夢を見ます。
「ふしぎな ゆめ」
「おおきな うつくしい 木」
という風に、ひらがなで書いてあるのが、絵本や児童書の耳を見た感じのとても好きです!
この「目で見た語感」を大切にしてくれている本は、嬉しくなります。
その木には、たくさんの見たこともない美味しそうな実がなっています。
カメは、シャーマンの女性に、どういうことなのか聞きに行きました。
「なんでも しっている おばあさん」
です。
するとおばあさんは、そのまほうの木は本当に存在する、正しい名前を言って挨拶すれば実をもらうことができる、ということを、カメに教えてくれました。
その名前が、この本の題名なのですが、教えられるのは一回だけとのことです。
さてカメは、忘れないようにその名前を口の中で何度もつぶやきながら歩いて行きました。
◇
行く途中で様々な動物たちに会いますが、
最初はライオン。
次はぞう。
次はガゼル、
みんな、お前みたいなのろいやつ、といってカメをばかにします。
そして、自分の方が強かったり速いのだから、自分が行ってやる!と、カメに教えてもらって行こうとするのですが……。
ことごとく、失敗します。
アリ塚に頭をぶつけてしまったり、すべってころんでしまったり。
その失敗もユーモラスですが、名前を忘れてしまったときに、あれだったかな?これだったかな?と思い出そうとしてつぶやく
似てるけどソレジャナイ感。
とにかく、それでだけはない感。
が、笑えます。
「一度しか教えることができない」という不思議さです。
口伝のようなものでしょうか?
昔は大切なこともすべて口伝、暗記で、師匠の前ですべてそらでうまく言えるようになったら免許皆伝だったらしいですが。
この、一人だけで終わってしまう伝言ゲーム。
カメは、冷静に見ていて、こりゃだめだと、首をふり、マイペースに旅を続けます。
しっかりと着実に、ゆっくりと歩をすすめるうちに、ついに木にたどりつきました。
木の前では、噂を聞いた動物たちがみんな揃って待っていました。
マラソンの走者を迎える群衆のように、沿道の皆に迎えられます。
世界にさまざまなくだものが、満ちることになった由来譚です。
◇
アフリカ南部の昔話の再話なので、イメージとしては「キリクと魔女」。
絵が鮮やかで美しいですが、アフリカの原色よりも少しパステル調になっていて目に優しく、スタイリッシュです。
動物たちの顔も表情があって、とてもユーモラスです。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
アフリカのある村で、一人の赤ん坊キリクが自分の意志で生まれる。村は魔女カラバの魔力によって泉は涸れ、男たちはむさぼり食われ、困窮しているという。キリクは赤ん坊ながら、その超人的な働きで、魔女の手から村人を救い、魔女に立ち向かってゆく。母に助けられ、幾多の冒険の末に「お山の賢者」から知恵を授けられたキリクは、魔女に決戦を挑むが、その行く手には思いもかけない運命が待ち受けていた……。 © 1998 / LES ARMATEURS - FRANCE 3 CINEMA
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
おによりつよいおれまーい(サトワヌ島民話)
(「こどものとも」人気作家のかくれた名作10選)
土方 久功 (著, イラスト)
サトワヌ島は南太平洋のミクロネシア諸島の中の小さい島です。おれまーいは島の男の子。ものすごく強い子で、誰もかないません。あんまり乱暴なので、こらしめに他の島へやってしまいますが……。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
小舟をこぐ猟師は、川をのぼって鹿猟に出かける。鴨が飛び立ち、魚が跳ねる。猟師は、牝鹿に耳を舐められていた幼い頃の甘い思い出にひたる。父さんも祖父さんもここで鹿を獲った。母さんも祖母さんも焚火を囲んで笑っていた。だがいまは、あちらとこちらの別の世で暮らしている……。児童文学者の神沢さんが北方民族への深い思いをこめた作品を、シベリア在住の「ロシア人民芸術家」である画家パヴリーシンさんが渾身の力で表現した。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ある日、男が市場へうまを買いにいきました。ところが、お金が足りなくてかわりに馬のたまごを買いました。さて、そのたまごから、かえったのは…? 次から次へと動物たちが登場する、奇想天外なベンガル地方の民話。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
むかし、アメリカに住むインディアンは、男たちは、野牛をとり、女たちは、いもを掘って暮らしていました。あるとき、小さな村に、ひとりのおばあさんがやってきて、「ここに ひとばん とめてくださらんか」とたのみました。インディアンの若者は、こころよくおばあさんを泊めてあげました。つぎの日、大人たちが、狩りやいも掘りに出かけてしまうと、おばあさんはテントの中で、なにやらおいしそうなものを作りました。それは、今まで見たこともないパンでした。みんなで食べてみると、とてもおいしいのです。「やぎゅうでも、いもでもない。なんだろう、このおいしいものは」と聞くと、「それは、とうもろこしというもんだよ」とおばあさんは、答えてくれました。でも、どこで手に入れたかは、どうしても教えてくれませんでした。ふしぎに思った若者は、ある日、狩りに出かけたふりをして、戻ってくると、こっそりテントの中をのぞいてみました。すると、中ではおばあさんが……。 とうもろこしは、どのようにして、インディアンに伝わったのでしょうか? アメリカ・インディアンに伝わる不思議なお話を、お楽しみ下さい。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
昔、猟師に子どもを殺された母トラが、憎しみのあまり、夜ごと村をおそうようになった。困りはてた王に、国の占い師が予言する。王子をトラにさしだせば、国に平穏がおとずれると。王は、幼い王子ウェンを森の奥におきざりにするが・・・?2005年ドイツ児童図書賞受賞。
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閑話 読書の無理じいは、かえって子どもが本を嫌いになる?→答え「ものによる!」
閑話です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
「あたしねないからね!6じになっても7じになっても8じになっても9じになってもおめめぱっちりだし、10じ、11じ、12じになったって13じになったって、げんきもりもりなの」いもうとはねむたくなったことなんてないというのです。(「BOOK」データベースより)
妹子「おかあさんどうしたの」
わたし「今日ね、ひさしぶりの読み聞かせをやったのよ。小学校で」
妹子「なに読んだの?」
わたし「『ぜったいねないからね』を読んだ」
妹子「ほー!あれかぁ!ぜったい面白いやつ!」
わたし「そう思うでしょう」
妹子「だめだったの?」
わたし「シーーーン…としてた……」
妹子「だめじゃん」
わたし「そうなんだよ~。でもウケなかったというわけでもないんだよね。(負け惜しみ)はじまりのとき、下を向いて、つめをいじってた子が顔を上げてこっちを見始めたし、みんな凝視してたから」
でも、凝視なんです。
笑ってはくれなかったな~。
めちゃくちゃ真面目に聞いてました。
これ、今までウケなかった教室なかったんだけどな~。
自信喪失……。
でもっ!
そういう時もあります!
そういう時は、「聞いてくれた」「凝視してた」という、いいところだけを見て自分を励ますことにしてるのですが…。
何せ、久しぶりだったもので。
いちど紹介したのですが、こんど、もっと詳しく紹介してみたいと思います。
◇
読み聞かせの人たちと久しぶりにお話して
ちょうど三年生ぐらいの子どもにおすすめの本は?
という話題になっていました。
そのとき
「親が読ませようとすると、かえって嫌いになってしまうから、おすすめしたりは絶対しない」
というかたの意見が紹介されて、みんなうーんと考えこんでしまいました。
まあ、読み聞かせの中でも、学校にまで出かけて読もうという人は、もうアレですから(笑)
読ませようという心満々ですから……。
でもその意見はある意味真実ではあるので、
うーん。
となってしまったわけです。
親が読ませるとかえって読まない、というのは、ものすご~~~くよくわかります!
反発心もあります。
勉強も、家でするのと、塾で第三者から習うのとは全然ちがう、というのと同じだと思います。
しかし、しかしです。
それでも、私は思うのですが………。
どんなに無理矢理に読ませられて、嫌いになろうとしてもなれない。吸い付けられて読んでしまう。
そういう、「普遍的な面白さを持つ本」というのは、ぜったいに存在します!
それは、名作の中にあります。
というより、逆説的に、そういう本だからこそ、「名作」の称号を冠されてるわけです。
◇
そのお子さんに親ごさんがためしてみたと言われていた本は、最近ウケている、いわゆる「売り上げナンバーワン」みたいな児童書たちでした。
でも、それを
「おもしろくない」「見向きもしない」
という感覚に、どちらかというとわたしは、みどころを感じてしまいました。
その時代にウケている本に興味を示さない子。
そんなお子さんにこそ、名作古典をためしてみてはいかがでしょうかっ☆
怪しげな営業マンのノリで。
それで合わないなら合わないでよいので。
また、まったく別の方向性から、ラノベを試してみるとか。
思いもよらない硬派な本にしてみるとか。
(ラノベだって、文章力がすばらしいもの、たくさんあります!!)
以前、ほとんど読まない、本になんて興味ないと思ってた兄助のお友達が、唐突に「芥川龍之介に感動した!!」とアツく語ってきて、あれこれ全部すっとばして、いきなり芥川なんだ~、色々と(その子も芥川も)すごいな……。と思ったことがありました。
◇
大切なのは、とびらを閉じないことだと思うんです。
この子はもうあきらめた。
そういう心を持たないことだと思います。
その子の個性も、好みも、最大限に尊重しながら、あらゆる方面から、ひかえめに、でもアプローチは続ける。こころみる。
そのためには、自分が、親本人が、読書の間口を広める必要があるのではないだろうか?
と思いました。
どこが琴線に触れるか、その時期が人生のいつなのか、なんて、誰にもわからない。
でも、本の中には、目に見えない世界が広がっていますから。
そういう世界があって、いつでも待っている、ということだけでも、知ってもらいたいと思います。
◇
兄助「最近のガキはおもしろいのがわからないんだよ」
わたし「えっ!『ぜったいねないからね』なんて、あなた読んだのずいぶん前だと思うが、覚えてるの?」
兄助「ばかにしてんの?」
忘れるわけないだろ!!
と言ってくれたのが嬉しいなあ。
普段、ちっとも本を読んでいる姿なんて見せないので、そういう子が本に言及すると、いちいち重みがあります。
こどもたちが大きくなってくるとつくづく思うことですが、勉強もあり、することに追われて、ほとんど読書の時間など取れません。
でも、あのすばらしい名作の数々のことは覚えていてくれるんだ。
「くまの子ウーフ」のことは覚えているし、「そらいろのたね」のきつねはクソだというし、トム・ソーヤも、メアリー・ポピンズも、カッレくんも、やかまし村も……。いつまでも「チム・ラビット」は好きでいてくれるようだし。
読んでくれない子、そこにも、本ずきになるタネ、ポテンシャルは確かにひそんでいる、そう思います。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
チャーリーのいもうとローラにはきらいなたべものがたくさんあります。とくにトマトはぜったいいやなんですって。チャーリーは、なんとかしてローラにたべさせようとするのですが…?(「BOOK」データベースより)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ぼくには妹がいて、これがなかなか世話のやけるやつなんだ。妹は言うんだ。「あたしは、まだ大きくなんかない。ほらね、まだ小さいの! 学校へ行ってる時間なんかないと思うの」 そこでぼくは言ったんだ…。シリーズ第3弾。(「MARC」データベースより)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「くまの子ウーフ」の物語は、1969年の刊行以来、小学校の教科書をはじめ、さまざまな形で読み継がれてきたロングセラーです。卵を割ると、必ず卵が出てくることに感心し、自分が何でできているか真剣に考えるウーフ。子どもたちはウーフとともに考え、発見の喜びに目を輝かせてきました。また、命のふしぎと生きることの本質をあざやかに描いた物語は、幅広い層の読者の共感を集めてきました。時代を経てますます輝きを増すウーフの世界をたっぷり味わえる「くまの子ウーフの童話集」を、コンパクトなサイズにリニューアルしてお届けします。
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大人が読む児童書「山のむこうは青い海だった」 4 たとえコロナの時代であっても、心に旅を
今日、ご紹介するのは児童書です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
ピンクちゃんとあだなをつけられた気の弱い少年次郎が、尊敬する高杉晋作にならい、決心して一人旅に出かける。軽快なテンポのユーモアで’60年代を代表する児童文学の名作。再刊。(「MARC」データベースより)
大人が読む児童書「山のむこうは青い海だった」 1 児童書は「その時代の子供の物語でなければならない」ということはない
2 1000円があったら何がしたい?往復切符を買って、行ったことのない場所へ
次郎が、お母さんにも言わず、この旅をしようと思ったきっかけ。
「はずかしがりやのピンクちゃん」というあだ名を返上したかった理由のほかにもう一つ、井山先生が話してくれた高杉晋作のエピソードがきっかけになっています。
次郎はこのことを昭代ちゃんのお父さんにも話し、高杉晋作の伝記を貸してもらったりしています。
今江祥智さんは高杉晋作推しに違いありません。
おもしろきこともなき世におもしろくすみなすものは心なりけり
の辞世の句もちゃんと紹介されています。
高杉晋作のエピソードは三つほど披露されていますが、どれも、今江祥智さんの再話の語り口がおもしろく、私もこれで高杉晋作にすごく興味を持って調べてみたりしました。
◇
次郎が高杉晋作の伝記(大人向け)を四苦八苦して読んでいる横で、昭代ちゃんは「夜は千の目を持つ」というミステリ本を読んでいます。
調べてみたら、今でも読まれている名作のようです。面白そう!
昭代ちゃんのお父さんが次郎くんに貸してくれた高杉晋作の伝記は横山剣道という人の書いたものらしく、多分これのことではないかな?と思います。(えらい値段なので、探すとしたら図書館ですね)
◇
悪役がわのチンピラ少年、五郎太が心を変える(?)きっかけになるイブ・モンタンのエピソードも心にすごく残っています。
青い大きな海の前、潮風の中で笑う男、長い労働の日日がきざみつけられた深いしわ、まじめで暖かい眼、人生のどんな苦しみでもかみくだく健康な歯をもち、どんな重荷でもらくらくと運べるがっしりしたのっぽの男。
長新太さんの絵が素晴らしく、実際のイヴ・モンタンは実はその後も良く知らないまま、ここまで来ているのですが、このフレーズとこの絵はいつまでも心に残っています。
それから、谷川俊太郎のこと、「若い詩人」て書いています~!
──<青空をみつめていると
ぼくにはかえるところがあるような気がする……>
「62のソネット」に入っている詩だそうです。(リンクを貼ったのは二か国語版です)
このように、 この「山のむこうは青い海だった」 という作品には、 子供たちへ向けたたくさんの「気づき」への導きがあります。それも物語に完全にとけこんでいて、実に自然です。
ビリー・ザ・キッド、ジャンヌ・ダルクについてもありました。
「中学生になったばかりの新1年生」ぐらいの子どもたちに、そろそろ長めのお話、小説を読むことになれてもらいたい。という、明確な意図をもって描かれた作品のように思います。
昭和期の珠玉の児童書を書かれた児童文学作家さんはみな、すべてそうだと思います。
◇
わたし「妹子さんもしかして読み返してる!?」
妹子「だって肝試しのところ好きだったんだもん。墓石を倒すのがすごく好き」
そこは倫理的にどうかと思ってあえて言わなかったんだけど、やっぱり好きだよね。私も好きだもん。岡田くん超かっこいい。
このあたりで、6人のチンピラが登場しています。
わたし「悪役だけどね」
妹子「わたし悪役すきよ」
チンピラさんたちは、やくざという言葉を使ってません。
物語構成も、ああなったり、こうなったり、大騒ぎあり、さらわれたり、逃げ出したり、大変なことが次々に起きます。
まるで情報の多すぎる映画を観ているようです。
妹子「このお話、すっごい、いろいろつまってるけどパンクしてないんだよね」
◇
後書きで解説しているのは、ゲド戦記の清水真砂子さんだ~!
あんなに読んだはずなのに、そこはわからなかったのか。改めて読んでみて良かった……。
この本の紹介には、昔の誰が言ったのか分かんないような「都合が良すぎる」なんて批判があるらしいですけど、そんなの昔の名作なんて一体どうなっちまうんだよって思います。
小公女なんて成り立ちません。
解説によると、笑わせるポイントを数えた人がいるらしいです。
それによると「『笑い』の描写は七十を超す。」
昔の人もたいがいわけのわからない研究しているな。
グッジョブ!!👍👍👍
笑いといっても、関西のユーモアが実に上品なので、関西圏以外のおこさんにもまったく違和感ありません。
とにかく視点がやさしい!
これは作者の人柄でしょう。
この本を読むといつも新鮮な気持ちで、まるで中学一年生のように、自分のことは自分でしましょうとか言われたらはい!って気持ちになるし、背筋がピンと伸びる気持ちになります。
ふんわりした優しさに包まれて、とにかく素直になれるのです。
そんなあたたかさのなかに、すっと短く入ってくる、印象的なシーンがあります。
その夜の夢のなかで、高杉晋作はユカクの女の子と何やら笑いながら話して歩いていた。その女の子はどうやら昭代ちゃんらしいや、と思うと、いつか高杉の刀に蛙が五、六ぴきもぶらさげてあり、それに気づいて、あはは、と笑うと、晋作がきっとしてふりむいた。その目が鋭く、緑いろにもえる炎のようなのにびっくりして目をさました。
ユーモアあふれるあたたかさの中、ところどころに挿し込まれるするどさ。
強烈なインパクトを残して奥深さを与え、この物語をちょっと忘れられない作品にしています。
◇
最後に、この物語のタイトルとなった詩が、井山先生から語られます。
むこうの山にのぼったら
山のむこうは村だった
田んぼのつづく村だった
つづく田んぼのその先は
ひろいひろい海だった
青い青い海だった
小さい白帆が二つ三つ青い海にういていた
遠くのほうにういていた
戦前の教科書に書かれていたものであるらしく(これは読書メーターの方にそう書かれていたのですが)誰の作品なのか分かりません。
(読書メーターのかた、ありがとうございます)
きっと戦前の作品だったら
向かふの山にのぼつたら
とか
遠くのはうにうひてゐた
とかいう風に書かれているんじゃないでしょうか。
この詩は、いわば、「知らない土地、見知らぬ世界が君たちの前に広がっている」というような、小学生から中学生という一つの垣根を超えた子供達に対して未来のイメージを眼前に提示しています。
この本を、もっともっと、今の新中学生たちにも、そうじゃない子たちにも読んでもらいたいと思います。
たとえコロナの時代であっても、思うように旅が出来なくても、心に旅を持てるように……。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
突然の父の死。祖母の死。そして戦争がはじまった。日々の暮らしのなかで何が変わり、何がなくなっていったのかを、多感な時期を迎える“ぼんぼん”・洋の目をとおして語る。さまざまな人間模様、危険なできごと、淡い恋心――。力強く生きぬく少年の姿を、大阪弁にのせて、ていねいに描いた作者の代表作。(解説=山田太一)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
昭和46年度から平成12年度までの定評のあった、国語教科書のお話を、あざやかな挿絵そのままに、児童書にしました。時計の中に住んで時を告げているチックとタックの2人が、夜中にこっそり抜け出して、わさび入りのおすしを食べて「ジッグ、ダック」時計が鳴るようになった千葉省三「チックとタック」(第1巻)を皮切りに、50代~60代の方にも懐かしい翻訳作品「小さい白いにわとり」(第3巻)など、すでに絶版で他では読むことのできないまぼろしの名作の数々を収録。
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星のふる晩、青年刑事ショーンは川に身を投げようとしている娘を救った。事情を尋ねると、彼女は悲嘆にくれた理由を語る。正確きわまりない予言をしてきた謎の人物に、信じがたい状況で父親が死ぬと宣告されたというのだ。実業家の父親を狙った犯罪を疑うショーンの要請で、警察は予言者の捜査を始める。予言に翻弄される人々を映し出す巧みな心理描写と、途切れることのない圧倒的な緊迫感。サスペンスの巨匠の真骨頂を示す不朽の名作!
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未発表36篇を含む青春の詩を、二ヵ国語版で。現代詩の巨人・谷川俊太郎の第二詩集を、日英の二ヵ国語版で文庫化。22歳の著者が詠んだ、祈りにも似た愛と生へのほめうた。半世紀を超えて読み継がれる青春の書の決定版!
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xはたの(も)しい | 新編 世界むかし話集(6)ロシア・西スラブ編 | エルシー・ピドック、ゆめでなわとびをする |
こひつじまある | ねずみのとうさん アナトール | ジム・ボタンの機関車大旅行 |
大人が読む児童書「山のむこうは青い海だった」 3 幼なじみ女子の家に泊るという高いハードルを楽々クリア
今日、ご紹介するのは児童書です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
ピンクちゃんとあだなをつけられた気の弱い少年次郎が、尊敬する高杉晋作にならい、決心して一人旅に出かける。軽快なテンポのユーモアで’60年代を代表する児童文学の名作。再刊。(「MARC」データベースより)
1 児童書は「その時代の子供の物語でなければならない」ということはない
2 1000円があったら何がしたい?往復切符を買って、行ったことのない場所へ
妹子が心配していた通り、次郎君は泊るところでつまづきました。
まあ、中学生になったばかりの数か月前まで小学生なんてこんなものですよね。
それも、お父さんのお墓がある墓守の家に泊まらせてもらおうとしていたのですが、あっさり断られてしまいました。
お母さんの実家、つまり二郎君のおばあちゃんの家に泊まったのでは「ひとり旅の趣旨に反する」と考えた次郎くん、ここで何と!
幼馴染の女の子の家に泊まらせてもらいに行きます!
な、な、なんですと~~!
幼なじみヒロイン登場~!!
いやいやいやいや、自分のおばあちゃんちと、幼なじみの女の子の家では、泊めてもらうハードル違い過ぎるだろ!!……と言いたくなるところですが、これはお話なので☆
読んでる方としてはウッキウキです☆
◇
今江祥智さん、けっこうロマンチックで、よくヒロイン枠の女子を出してくるのですけど、また本当に魅力的なんですよね。
古田足日さんのヒロイン同様、元気で物怖じをしらない、はっきりしたタイプなのですが、何となく数割増しで女の子らしさがあります。
そのしとやかなところも、女の子っぽいところも、男性向けの漫画系には出てくるような美人でしっかり者で優等生で……というような、読んでいるこちらからするとこんな女子いねーわ!妄想だよ!というようなのと違って、いてもおかしくない、リアルにかなりありそうなタイプです。
そういうのが「写楽暗殺」では、男女逆転するという面白さがあったのですが……。
子供向けの児童文学を書いている人は、やはり先生だったり保育士さんだったり、(今江祥智さんは先生でした)子供を身近に見ているからか、本当の子供がそこに生きているように感じます。
半分は夢が入ってるかもしれませんが、なんだかまだ、そんな事を恥ずかしいとか思う境目にいるような感じもあります。
まあとにかく、次郎くんは
この野郎!
◇
昭代ちゃんの素敵さは、ぜひ読んでもらって確認してもらいたい……と思うのですが、昭代ちゃんの周辺の人々もまたとても個性的です。
特に、同級生たちは強烈です。
たくさんいるのですが、わたしは女子では松村さん、男子では岡田くんが好きです。
次に紹介された子はとてもふとっていた。しかしそのことをあんまり気にしていなかった。象よりもずっとスマートだわ、と思っていた。そのかわり力はあった。めずらしい女の子だった。
次郎が紹介されておじぎをすると、
──あら、古いわして。あくしゅよ。
といった。にぎられた手がつぶれそうだった。
岡田くんは昭代ちゃんの学校の生徒会長。ちびっ子なのに力は強いし、肝っ玉もある少年です。
とつぜんの妹子「したんかい、ってなに?」
わたし「?(そんな言葉あったかな?)ああ、大阪弁ね?」
妹子「え?」
わたし「え?」
わたし「ちょっと見せて」
そんな言葉出てたんだー!
読み返したのに、そこだけは読み飛ばしていたのかなあ。
わたし「肝試しのことだよ」
妹子「うえ!大嫌い!」
こんな古典的な肝試しを怖がる小学生がまだいるなんて。
もしかしたら、古典的な方がウケるのかもしれないな。
これは後輩を驚かそうとする先輩たちの奮闘ですが、ぬれたぞうりをはいてあとからピタピタ音を立てながらつけたり、糸につけたコンニャクを、首にぺたっとくっつけたりです。
とても古典的です。
ところが岡田君はぜんぜん平気でのこのこ歩きつづけて、コンニャクは糸からちぎってしまった。
好き。
このお話、非常に登場人物が多いのですが、一度出たら絶対に忘れません。
すごいことだと思います。
キャラ立ちも無理がない感じです。
イメージを強調させようとして、あとから考えてつくったような設定がありません。
ありのまま、生き生きとした姿そのままが個性的です。
これはやっぱり、作者の筆の冴えに違いありません。
◇
昭代ちゃん本人も、川に入って蛙釣りしてるような元気な女の子です。
(魚ではなくて、蛙です)
それにしても、田舎の設定なのに、実に子供が多い!
みんなバイトをしたりして、一生懸命お金を稼いでいるのですが、それはガラス張りの円形図書館を作るための募金活動を行っていてその一環としてのカエル釣りなのです。
次郎君も感心するけど、読んでるこっちも感心します。
──うれしいわ、わたしたち、来年からうんと本がよめる!……昭代が言った。
妹子は何も言いませんでしたけど、こういう台詞って微妙に心に刺さってくると思うんですよね。
声で読んでいると、あっという間に消えてしまう、そして薄れ忘れていく言葉というもの。
印刷して、書いた文字は、目に映る視覚とともに残ります。
目に焼き付くのが、そのまま脳や、もしくは心臓に焼き付いている感じです。
これが面白ければ、何度も読み返しますから、そのたびに上書きされて焼き付けられていきます。
──うれしいわ、わたしたち、来年からうんと本がよめる!
細かいところで止まってしまいましたけど、どの大人も子どもたちも、登場人がみんな魅力的です。
元気そのもので生き生きとしています。
夏休みに田舎に行って、ひと夏の思い出、肝試しがあって、花火があって、そんなの、語り尽くされたテンプレのようでありながら、(きっと短い説明を付けるなら、そういう感じになるのではないかと思います)全く違います。
読んでもらえれば分かると思うのですが、ほんとうにぜんぜん違っていて、すごく目に(?心に)新しいのです。
妹子「すごいよなあ。ガラス張りの図書館か」
今頃言い出した。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
突然の父の死。祖母の死。そして戦争がはじまった。日々の暮らしのなかで何が変わり、何がなくなっていったのかを、多感な時期を迎える“ぼんぼん”・洋の目をとおして語る。さまざまな人間模様、危険なできごと、淡い恋心――。力強く生きぬく少年の姿を、大阪弁にのせて、ていねいに描いた作者の代表作。(解説=山田太一)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
昭和46年度から平成12年度までの定評のあった、国語教科書のお話を、あざやかな挿絵そのままに、児童書にしました。時計の中に住んで時を告げているチックとタックの2人が、夜中にこっそり抜け出して、わさび入りのおすしを食べて「ジッグ、ダック」時計が鳴るようになった千葉省三「チックとタック」(第1巻)を皮切りに、50代~60代の方にも懐かしい翻訳作品「小さい白いにわとり」(第3巻)など、すでに絶版で他では読むことのできないまぼろしの名作の数々を収録。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
貧困、いじめ、勇気、学問…。今も昔も変わらないテーマに、人間としてどう向き合うべきか。時代を超えた名著、新装版で再び。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
くじらのような、イルカのような大きな飛行機が海に浮かんでいます。大勢の猫たちがそれに乗り込み、「ごろごろにゃーん」と出発です。「ごろごろにゃーん」と、飛行機は飛んでいきます。魚を釣りながら「ごろごろにゃーん」。くじらにあっても「ごろごろにゃーん」。山を越え、街をながめ、飛行機はにぎやかに「ごろごろにゃーんごろごろにゃーん」と猫たちをのせて飛んでいきます。長新太の真骨頂! 斬新で愉快な絵本です。
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猫 (中公文庫)
大佛 次郎 (著), 有馬 頼義 (著), 尾高 京子 (著)
谷崎 潤一郎 (著), 井伏 鱒二 (著), 瀧井 孝作 (著),
猪熊 弦一郎 (著), クラフト・エヴィング商會 (編集)
猫と暮らし、猫を愛した作家たちが、思い思いに綴った珠玉の短篇集。半世紀前に編まれたその本が、クラフト・エヴィング商會のもとで、新章“忘れもの、探しもの”を加えて装いも新たに生まれかわりました。ゆったり流れる時間のなかで、人と動物の悲喜こもごものふれあいが浮かび上がる、贅沢な一冊。
「プロジェクト・グーテンベルク」
http://www.gutenberg.org/ebooks/author/492
◆プロジェクト・グーテンベルクについて
☞Wikiの説明ページ
プロジェクト・グーテンベルク(Project Gutenberg、略称PG)は、著者の死後一定期間が経過し、(アメリカ著作権法下で)著作権の切れた名作などの全文を電子化して、インターネット上で公開するという計画。1971年創始であり、最も歴史ある電子図書館。
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おんがくねずみジェラルディン―はじめておんがくをきいたねずみのはなし | 宝島 | 新訳 飛ぶ教室 |
一寸法師 | おめでたこぶた | 森のおくから: むかし、カナダであった ほんとうのはなし |
森は生きている | かいじゅうたちのいるところ | リトル プリンセス 小公女セーラ |
今日の一冊「おじさんのかさ」 100万回生きたねこの、佐野洋子さんの傑作ナンセンス絵本
今日、ご紹介するのは絵本です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
雨の日におじさんが出会った素敵なできごと。りっぱなかさがぬれるのがいやで、かさをさそうとしないおじさん。ある雨の日、子どもたちの歌をきいたおじさんは、はじめてかさを広げてみました。すると……。厚生省中央児童福祉審議会推薦文化財/全国学校図書館協議会選定図書/日本図書館協会選定図書
「100万回生きたねこ」の佐野洋子さんの絵本です。
なかなか変わった話です。
絵本で幼児向けにも関わらず、主人公はおじさんです。
子供も全然出てきません。
いやあ、これは変わってる!
妹子も、いきなり惹き付けられて真っ先に開いていましたし、ナンセンス度はかなり高めです。
しかし、大変な肩書の本です。
厚生省中央児童福祉審議会推薦文化財/全国学校図書館協議会選定図書/日本図書館協会選定図書
このかさを持つおじさんにふさわしい肩書です。
Amazonで「佐野洋子」で検索しても、この本は上位に出てきません。
しかし、個人的には、「100万回生きたねこ」に匹敵するインパクトをもった本です。
◇
おじさんはとても立派な傘を持っており、ほぼ命よりも大事にしていると言っても過言ではありません。
出かける時は、常に、この傘を持って出かけます。
そしてこの傘を一っ切、使いません。
ほとんど偏執狂レベルです。
最初は少しくらいの雨なら濡れたまま歩きました、とあるのでい、まあ、じゃザーザー降りの時にしか使わないのかな~と思ったのですが、そんな程度の問題ではありませんでした。
もう少したくさん雨が降ると雨宿りして、雨が止むのを待ちます。
急ぐ時はかさをしっかりと抱いて走ります。
絵がめちゃくちゃシュールです。
傘が大事すぎて、傘のために生きてるんじゃないか?と錯覚するほどです。
雨が止まない時は人の傘に入ります。
大雨の日には外へ出かけません。
ここまで来ると、この傘はおじさんにとってアイデンティティの一つであり、こうまでして固執する理由があるものなのだろうなと推測されてきます。
その偏執ぶりに引くというよりは……なんだかちょっと分かるような気がします。
人は誰でも、こういうものを心に一つ抱えているのじゃないかなと思います。
例えば私にとっては積読です。
読まないのに持っているし、ほぼ命よりも大切にしていて、雨の日なんかには外に持っていきません。
そしていつも眺めています!
しあわせ!!!
読まないのにとっておいてとか言わないで!
あるのが!そこにあるのが!しあわせ!なの!
……という、気持ちです。
このお話の中で、おじさんが重大な転換期を迎えるのですが、とても可愛らしい転換期ですが、しかしこのおじさん最後までブレません。
確かにね、さしたよ。かさを。
確かに使った。
そしてすごく楽しそう。
よかったねおじさん。
でも帰ってみたら、その雨に濡れた風情のかさをめでて、観察して、傘立てのかさを時々見に行く~!!
凄まじい変態だ。
かさならどれでもいいというわけではなく、そのかさでなければならないのだろうな。
この話、ちっちゃな白猫が出てくるのですが(お話には関係なく、単なる飼い猫です)顔を洗っていたら膝に乗っていたりなかなか良いアクセントです。
何となく、胸に刺さるお話でした。
凄まじく自分のかさを愛するおじさんのお話です。
ナンセンスを楽しみながらも、もちろん子供達にとっても、こういう「誰でも何かに対してもっている、偏執的なこだわりのようなもの」というのは、どこかわかってもらえると思います。
◇
妹子「す……すごいやつだな……どんだけじぶんのかさだいじにしてんだ……(゜o゜)」
強烈すぎて、妹子もなかなか忘れそうにありません。
間違いなく、記憶に残る一冊です。
妹子「子どもが、このおじさんの変態さをからかうのかと思ったらちがったわ」
わたし「そこは、ほのぼのだからいいんだよ」
ほのぼので楽しそうだったから、おじさんの心を溶かすことができたんだよね!
子ども用の絵本なのに、最初から最後までおじさんの話であるのが、とてもよい!と思いました。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
読むたびにちがう気持ちになる、りっぱなとらねこの、ふしぎな物語。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ちいさなかさ! きいろいかさ!ばくさんも、きりんさんもはいったふしぎなかさ!大好きな黄色のかさを買ってもらって、はじめてひとりで散歩にでかけた女の子の、新鮮な感動をさわやかに描きます。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
4歳から5歳ごろまで。「いじわる」がテーマの絵本
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
『100万回生きたねこ』の佐野洋子が描く、がんばりすぎてしまうライオンのお話。あるところに、とてもりっぱなライオンがいました。毎日やってくるネコのために、空にとびあがってえものをとってきます。やがてライオンはだんだんつかれてきて、おきあがれなくなってしまい、そして……。がんばっている、すべての人へ贈る、佐野洋子の絵本。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
まだ、かさのない村から、生まれてはじめて町へでかけたキリ・ママおじさんは、「なんてきれいで、べんりなものだろう」と、よろこんでかさを買って帰りました。ところが、村に帰って、お店でコーヒーを飲んでいるうちに、かさは、だれかにぬすまれてしまいました。何度かさを買って帰っても、ぜんぶぬすまれてしまったおじさんは、どろぼうをつかまえてやろうと思い…?スリランカを代表する絵本作家が、小さな村を舞台にのびのびと描く、ユーモラスで楽しいお話です。(「BOOK」データベースより)
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七つの人形の恋物語 | おねえちゃんはしゃしょうさん | くわずにょうぼう (こどものとも傑作集) (日本語) 単行本 - 1980/7/31 稲田 和子 (著), 赤羽 末吉 (イラスト) |
海底2万マイル | でんせつの きょだいあんまんを はこべ | 卑弥呼 まぼろしの女王 |
わかったさんのショートケーキ | はじめてのキャンプ | エーミールと探偵たち |
大人が読む児童書「山のむこうは青い海だった」 2 1000円があったら何がしたい?往復切符を買って、行ったことのない場所へ
今日、ご紹介するのは児童書です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
ピンクちゃんとあだなをつけられた気の弱い少年次郎が、尊敬する高杉晋作にならい、決心して一人旅に出かける。軽快なテンポのユーモアで’60年代を代表する児童文学の名作。再刊。(「MARC」データベースより)
大人が読む児童書「山のむこうは青い海だった」 1 児童書は「その時代の子供の物語でなければならない」ということはない
アンガーマネジメント。
時代を50年くらい先取りです。(正確には43年前)
時代を先取りしてるだけではなくて、この一息ついて「いや、まあ、待て」というのは、このお話の中で怒りだけに特化したものではなく、ちょっと慌ててしまった時、パッと駆け出そうとした時、様々な時に使っています。
アンガーマネジメントなん言葉でくくってしまうと、そこから広がらなくなってしまいますよね~。(さりげなくディスってる?)
このユーモラスな先生に、「100円あったら何がしたいか」という題名を出された子どもたち、しきりと考えます。
この100円、何と「お札」です!!
さすがに今の時代だと、1000円というところでしょうか。
「1000円あったらなにがしたい?」
一億円よりぜんぜん夢があります!
それに、子どもたちにも手がとどきそう。
妹子「やっぱり、鉛筆の先っちょはかむんだね」
わたし「!?」
妹子「海外の本でも日本の本でも、みんな、鉛筆のさきを噛むんだよ」
わたし「それは多分ね昔を鉛筆の質がそれほど良くなくて、濃さの種類もそれほど多くなかったから、薄くて色が出なかったんだろうね」(根拠なし)
◇
次郎はこんな風に書きました。
「百円で往復キップを買います。
行く先は知らない土地、行ったことがないところをえらびます。
着くとおりて、できるだけそのあたりを歩きまわります。山があるとのぼりますが、なければ川をさがしてそれにそって行きます。
おべんとうをたべてもう一度そこを歩き、よく見て、帰ってきます。
ただし、おべんとうは百円の中にはいりません。母さんに寄附してもらいます。
1F 山根次郎」
うーん、素敵!
最高!!
旅に出る展開のお話は多々あれど、こんなすてきな夢のある、しかも具体的な展望を眼前に展開されたら、みんな旅に出たくなってしまうと思います。
先生もほめ、皆はからかうのですが、次郎くんは赤くなってしまいます。
「ピンクちゃん」なんてからかわれています。
妹子「さとみくんだ」
わたし「だまって」
(ストプリねたです)
◇
このホームルームでの話がきっかけとなって、次郎くんという、12~13歳の少年はひとり旅をはじめます。
中学生になりたての小学生だった子には、ものすごい大冒険だろうなあ!
行先は亡くなったお父さんのお墓参り、電車に乗って少し遠方の設定になっています。
妹子「おかねあんのか。どこにとまるんだ。ほんとに大丈夫なのか」
怒涛の心配です。
年が近いからなのでしょうけど、親近感を抱いている様子です。
旅そのものは主眼ではなく、割とすぐに終わって、着いた場所でのおさななじみの少女や、その友達との交流、起きるドタバタやミステリーが本筋なのですが、この旅の描写がとてもていねいで、そしてとてもすてきです!!
◇
・次郎君、老人に席をゆずる。
妹子「『近頃の若い者は、などと申すまじく
わたし「『まじく』が否定形だな。『
妹子「『近頃の若い者はなんて言っちゃだめだなあ』ってことか」
・亡くなったお父さんの思い出。お母さんのお兄さん、つまり次郎の叔父さんが、戦死して骨箱となった思い出。
妹子「粟おこしってなに?」
ああ!
わたし「食べたことないかもね!関西圏では一般的でよく売られてるんだけどね」
関東でだって売ってるかもしれません。
と思って検索してみたら、一発目で「関東で粟おこしが手に入る場所」なんて出てきました。
わたし「かなり固いしざらざらしてる。ポンポン菓子を飴状の砂糖で固めてるよいうな感じ(説明難しい)」
妹子「そんなもんおにぎりにいれんなよ」
次郎の戦死したおじさん、いたずら者で、次郎くんのお母さん(つまり妹)のおにぎりに、粟おこしを入れていたことがあったのです。
骨箱にはお骨ではなく石が入っており(「この世界の片隅に」の鬼いちゃんと同じですね)、しんみりとしながらも、「戦争はダメだー!!」というわけでもなく、楽しい思い出を描いています。
◇
・席を譲った老人との交流。
このお爺さんは花火師なのですが、どうやら復員兵であることが何となく語られます。
もと将校のようで、かつての部下たちを雇って仕事しているようです。
「昔の戦友や上官と部下が集まって商売していることはよく聞く」という記述もあとで出てきました。
・家で次郎の家出?が気付かれる。
ちょうど家庭訪問?にやってきた井山先生と、次郎の友達たち、そして次郎のお母さんが次郎の旅に気が付きました。
(次郎は手紙を残しています)
・電車の中で念仏をとなえるおばあさんのエピソード。
これは「山のむこうは青い海だった」の中でも、屈指の印象的なシーンです。
戦後の電車は、どこもかしこもいたんでいて、脱線、転覆があたりまえだった。
運よく満州から生きて帰ることができたおばあさんの一人息子は、年取ったお母さんのためによろこんで闇米を運び、二度目の転覆事故で死んだ──。
昭和54年に出版されていますが、おじさんが戦死していたり、復員兵が集まっていたり、戦争の余波が生活にとけこんでいる感じがします。
それが押しつけがましくなく、あからさまな反戦の空気もなく、実に自然で、物悲しさ、悲哀も(たとえば粟おこしのエピソードのように)ユーモラスな日常に彩られ、一体となっています。
青空は、死んだ人の魂の上にも、生きている人間たちの上にも、同じように明るく澄んでいた。
◇
妹子「こんなかなしいことってある?」
わたし「そこはお母さんも何度読んでも泣いたわ」
妹子さん、すこし黙ってましたけどまたしゃべりはじめました。
妹子「長岡の花火ねえ、先生が言っていたけど、ブルーシートしいてねころんで見るだけで六千円だって。花火ってあれ、おかねかかってるんだよねえ」
色んなこと、この本から吸収してるんだなあ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
突然の父の死。祖母の死。そして戦争がはじまった。日々の暮らしのなかで何が変わり、何がなくなっていったのかを、多感な時期を迎える“ぼんぼん”・洋の目をとおして語る。さまざまな人間模様、危険なできごと、淡い恋心――。力強く生きぬく少年の姿を、大阪弁にのせて、ていねいに描いた作者の代表作。(解説=山田太一)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
昭和46年度から平成12年度までの定評のあった、国語教科書のお話を、あざやかな挿絵そのままに、児童書にしました。時計の中に住んで時を告げているチックとタックの2人が、夜中にこっそり抜け出して、わさび入りのおすしを食べて「ジッグ、ダック」時計が鳴るようになった千葉省三「チックとタック」(第1巻)を皮切りに、50代~60代の方にも懐かしい翻訳作品「小さい白いにわとり」(第3巻)など、すでに絶版で他では読むことのできないまぼろしの名作の数々を収録。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
貧困、いじめ、勇気、学問…。今も昔も変わらないテーマに、人間としてどう向き合うべきか。時代を超えた名著、新装版で再び。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
くじらのような、イルカのような大きな飛行機が海に浮かんでいます。大勢の猫たちがそれに乗り込み、「ごろごろにゃーん」と出発です。「ごろごろにゃーん」と、飛行機は飛んでいきます。魚を釣りながら「ごろごろにゃーん」。くじらにあっても「ごろごろにゃーん」。山を越え、街をながめ、飛行機はにぎやかに「ごろごろにゃーんごろごろにゃーん」と猫たちをのせて飛んでいきます。長新太の真骨頂! 斬新で愉快な絵本です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
猫 (中公文庫)
大佛 次郎 (著), 有馬 頼義 (著), 尾高 京子 (著)
谷崎 潤一郎 (著), 井伏 鱒二 (著), 瀧井 孝作 (著),
猪熊 弦一郎 (著), クラフト・エヴィング商會 (編集)
猫と暮らし、猫を愛した作家たちが、思い思いに綴った珠玉の短篇集。半世紀前に編まれたその本が、クラフト・エヴィング商會のもとで、新章“忘れもの、探しもの”を加えて装いも新たに生まれかわりました。ゆったり流れる時間のなかで、人と動物の悲喜こもごものふれあいが浮かび上がる、贅沢な一冊。
「プロジェクト・グーテンベルク」
http://www.gutenberg.org/ebooks/author/492
◆プロジェクト・グーテンベルクについて
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プロジェクト・グーテンベルク(Project Gutenberg、略称PG)は、著者の死後一定期間が経過し、(アメリカ著作権法下で)著作権の切れた名作などの全文を電子化して、インターネット上で公開するという計画。1971年創始であり、最も歴史ある電子図書館。
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太平記 | ソクラテスの弁明・クリトン | 雨月物語 |
どろぼう がっこう | おたまじゃくしの 101ちゃん | こいぬとこねこのおかしな話 |
こども論語 | 完訳版 シャーロック・ホームズ全集 | 大食いフィニギンのホネのスープ |
大人が読む児童書「山のむこうは青い海だった」 1 児童書は「その時代の子供の物語でなければならない」ということはない
今日、ご紹介するのは児童書です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
ピンクちゃんとあだなをつけられた気の弱い少年次郎が、尊敬する高杉晋作にならい、決心して一人旅に出かける。軽快なテンポのユーモアで’60年代を代表する児童文学の名作。再刊。(「MARC」データベースより)
私事ですけど、転職して新しい職場に変わりました。
今のところ、いい感じなのですけど、やっぱりものすごく緊張します。
次は、「山の向こうは青い海だった」にしよう!と思って、取り出し、例のねこカバーをつけました。
しっかりしている紙質です。
私の持っているのはフォア文庫版なのですが、ちょうどフォア文庫の所に黒いぽちマークがついているではありませんか。
この、ねこが!ついてる。
わたしにはこのねこがいる、京都に行ったんだぞ!
と繰り返して自分を励ましてました。
ブログ見ていてくれる人たちだっている!
大丈夫!失敗しても胸を張って辞めよう!(ちがう)
何かあれば尻に帆をかけて逃げ出すつもりで行きました。
いや、でもこういう気持ちって大事ですよね?逃げ方を想定しておくことって……。
バス通勤に変わったので、バスで開いて読んでいました。
40ページ程度でもう泣きそうになったので一旦とじました。
(はやい)
◇
妹子がするするっと読んでくれたので感想を聞いてみました。
わたし「妹子さん何かコメントないの?」
妹子「うーん難しい」
わたし「うむ」町のお店で毛皮売ってるのは見たことがある
妹子「こうだね!って言えない。ただただ、ずっと読んじゃった。感動とも違うしすごいとも違う……」
割と読むのに時間のかかる子が、あんなに手が止まらずに読んだのに。
今、まだ紹介したいのにしきれていない大好きな本は、そういうのが多いです。
難しい!
良さをうまく表現できないです。
「山のむこうは青い海だった」
確かに、けっこう出てくる登場人数も多いし、ドラマ仕立ても複雑です。
246ページ。
そして、何がどう面白い?と言われても難しい。
一言ではとても言えない、複雑な世界観とひとびとと魅力があります。
人間群像とも違うし、旅をしますけど、ロードムービーとも違う。
ひと夏の思い出……と言えばそうなのかもしれませんが、ぜんぜん、ひと夏で終わる感じがしません。
この体験も、出会った人も、これからも人生すべてに関わるだろう、という予感がします。
そして何より、おもしろい!
すごい登場人物の数ですが、どれがどの人か迷うことはないです。
キャラ立ちというより、それぞれが強烈すぎて忘れることがありません。
そして、さまざまな知識や体験へつながる、配慮の多さを感じます。
それぞれは小さいのですが、例えば高杉晋作についてのエピソードだとかです。
これは以前「写楽暗殺」について書いた時にも思いましたが、それぞれの狂言や江戸時代の人々への造詣をちりばめ、興味を持つ道筋になっています。
◇
戦後少したった頃の子供たちが主人公です。
20年まではたっていないのじゃないかな?という感じがします。
戦後の大混乱がだいぶ落ち着いてきたころ。
出兵、戦死、闇市などが、少しずつ、むかしがたりになりかけたころ。
このお話が出版されたのは、1979年なので、昭和54年です。
終戦は1945年(昭和20年)なので、これはまったく根拠のない、わたしの 想像ですが
(たぶんもっと、ちゃんと研究されている論文とかがあるような気がしますけど)
書かれた時に、すでにかなり昔を時代背景として想定しているような気がします。
昔と言うほどの昔じゃないのが微妙なところですけど。
昭和54年の子供達が読むにも、 若干古い情報 であるという、 へえ~昔はそんなことがあったんだという印象を与える。
そういう感じがします。
◇
児童書は、「その時代の子供の物語でなければならない」ということはないと思うんです。
そんなこといったら、宝島だってありませんし、トム・ソーヤだっていつの話、となります。
当時の子供たちだって、 さすがに 昭和54年 ぐらいの子供たちで このお話に出てくるように 復員兵の人たちが 身近でウロウロしているようなことはなかったと思うんですよね。
◇
冒頭からいきます。
主人公は、中学生になったばかりの新1年生。
教室でカチカチになって緊張している子どもたちからはじまります。
カワイイ……。
次郎くんです。
あとで、山根次郎というフルネームが分かりますが、それよりも先に担任の先生の名前の方がガツンと出てきます。
大文字です。
井山先生。
(黒板書きで説明をしたのです)
痩せていて(マッチ棒が背広を着たような)、井山のいやまてで、「いや、まあ、待て」が口ぐせ。
先生が自己紹介をしているところ、とてもユーモラスで愉快で目がとまりません。
とても怒りんぼだったというのですけど、こんな感じです。
子どものときからやせっぽちで、そのせいだったかもしれん。やせっぽちは今でもかわらんが、おこりんぼのほうはかわった。そのことを話そう。
とにかくぼくは子どものころ、すごくおこりんぼだった。友だちとかたっぱしからケンカした。
いつも勝ったんだけど、とうとう相手がなくなっちまった。ぼくはひとりむすこだから家の中で兄弟げんかをやるわけにもいかん。ぼくはひとりぼっちになった。そのとき考えたんだ。
いや、まあ、待てよ、とな。
おこるまえにちょっと待ってみる。口のなかで十かぞえるんだ。たいていのことはこれでガマンできる。
それからぼくはかわった。はじめは信じられんふうだったが、そのうち「井山のいやまて」は有名になった。
こ、これは、よく言われるところのアンガーマネジメントではありませんか~~!
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
突然の父の死。祖母の死。そして戦争がはじまった。日々の暮らしのなかで何が変わり、何がなくなっていったのかを、多感な時期を迎える“ぼんぼん”・洋の目をとおして語る。さまざまな人間模様、危険なできごと、淡い恋心――。力強く生きぬく少年の姿を、大阪弁にのせて、ていねいに描いた作者の代表作。(解説=山田太一)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
昭和46年度から平成12年度までの定評のあった、国語教科書のお話を、あざやかな挿絵そのままに、児童書にしました。時計の中に住んで時を告げているチックとタックの2人が、夜中にこっそり抜け出して、わさび入りのおすしを食べて「ジッグ、ダック」時計が鳴るようになった千葉省三「チックとタック」(第1巻)を皮切りに、50代~60代の方にも懐かしい翻訳作品「小さい白いにわとり」(第3巻)など、すでに絶版で他では読むことのできないまぼろしの名作の数々を収録。
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くじらのような、イルカのような大きな飛行機が海に浮かんでいます。大勢の猫たちがそれに乗り込み、「ごろごろにゃーん」と出発です。「ごろごろにゃーん」と、飛行機は飛んでいきます。魚を釣りながら「ごろごろにゃーん」。くじらにあっても「ごろごろにゃーん」。山を越え、街をながめ、飛行機はにぎやかに「ごろごろにゃーんごろごろにゃーん」と猫たちをのせて飛んでいきます。長新太の真骨頂! 斬新で愉快な絵本です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
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猫 (中公文庫)
大佛 次郎 (著), 有馬 頼義 (著), 尾高 京子 (著)
谷崎 潤一郎 (著), 井伏 鱒二 (著), 瀧井 孝作 (著),
猪熊 弦一郎 (著), クラフト・エヴィング商會 (編集)
猫と暮らし、猫を愛した作家たちが、思い思いに綴った珠玉の短篇集。半世紀前に編まれたその本が、クラフト・エヴィング商會のもとで、新章“忘れもの、探しもの”を加えて装いも新たに生まれかわりました。ゆったり流れる時間のなかで、人と動物の悲喜こもごものふれあいが浮かび上がる、贅沢な一冊。
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マチルダばあや、ロンドンへ行く | アンデルセン童話集 | ふたごの兄弟の物語 |
モグラ原っぱのなかまたち | くしゃみ くしゃみ 天のめぐみ | うみぼうやとかぜばんば |
ヒナギク野のマーティン・ピピン | 源氏物語―マンガ日本の古典 | ぼくがぼくであること |
今日の一冊「ぐん太」「おんみょうじ」 夢枕獏さんの迫力満点の絵本
今日、ご紹介するのは絵本です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
夜なき石。それはかつて誰も持ち上げることができない石だった。少年ぐん太はその石を持ち上げることに挑み、誰よりも修行し誰よりも強くなる。しかし、それでも石は持ち上げられなかった。石を持ち上げるのに必要なのは、負けを知り、悔しさを覚え、人を許し、好きになる心で持ち上げるのだとわかったその時、ぐん太は初めての体感を得る!
以前、読みきかせの集会に参加したとき、珍しく男性の方が参加されてました。
その時に読んでいられたのがこの作品です。
夢枕獏さん、絵本も書いていたんだ!とびっくりしました。
力強い物語です。
男性の声の読み聞かせにとても向いていました。
不吉な気配を振りまく「夜泣き石」
誰も持ち上げることができない石でした。
ぐん太のお父さんも、持ち上げようとして、下敷きになってしまいました。
夜泣き石は、どことなく「殺生石」を思わせる存在です。
ぐん太は、いつか必ず強くなって、あの石を持ち上げてやると誓います。
強く、大きくなるぐん太ですが、どうしても夜泣き石を持ち上げるまでには到りません。
夢にお父さんが出てきて語ります。
いったい、何が足りないのかを……。
そのうち、ぐん太も年を取りました。
たくさんの経験をしました。
ぐん太という名前、繰り返しの擬音を多用した、力強いことば。
人の一生を通じて大切なことを問いながら、夢のような、神話のような、不可思議な世界をが広がっていました。
とてもすばらしかったです。
◇
いやー、夢枕獏の絵本…びっくりだよ。
絵本を書いていたなんて!
しかも、すごかった!
……と思って家に帰って、数日前に先日借りた絵本を見直していたら、その中に入ってる一冊は夢枕獏!
すごい偶然だ~!
おんみょうじ 鬼のおっぺけぽー
2015/4/17 夢枕 獏 (著), 大島 妙子 (著)
そらには ほそい
ねこの めのような
つき
というところが好きでした。
ちゃんと、子ども用に単語と単語の間に空間をあけていて、改行するタイミングも好きです。
そばかす(もしくはにきび)のある、安倍晴明というのも珍しいです。
これは確か、とても有名な安倍晴明の逸話をもとにしていると思います。
百鬼夜行に行き合わせた、師匠の鴨野忠行と幼い安倍晴明。
師匠が居眠りをしているので、安倍晴明は呪文を唱えて姿を消します。
大島妙子さんのすごい絵の妖怪が、それこそ百鬼夜行で、ぞろぞろと出てくるのが大変な迫力です。
うまく切り抜けられそうになった時、牛が大声で鳴いてしまいました。
牛は食べられてしまいました。
ええ~……。
陰陽師お約束の式神を放ったり、安倍晴明が人間的だったり、でも神話にふさわしい超人さもあり、こわく楽しい絵本です。
最後の開設で、夢枕獏本人が、陰陽師についてアツく語るというおまけつきです!
この絵本二冊、これは、とても嬉しい発見でした。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
舞台は平安京――羅城門へ向かう牛車の前を歩くのは、まだ子どもの陰陽師・安倍晴明。そこへなにやらあやしい雲が近づいてくる。雲のなかからやってきたのは鬼のむれ、百鬼夜行だった。「ひとは おらぬか おっぺけぽー。いたら くっちゃえ くっぺけぽー」。どうしよう、このままではみんな鬼に食われてしまう。「しっ」。晴明は呪(しゅ)を唱えて結界をはり……。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
いやなやつ、いるよね。なんでもできる、きれいなあのこ。きらいなあいつ。いじめっこ。これをかぶると、ひとをのろうことができる。なんでもできる、このおめん。すごいぞ、すごいぞ。夢枕獏と辻川奈美が、だれにもひそむ心の闇を描き出す。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
平安時代。闇が闇として残り、人も、鬼も、もののけも、同じ都の暗がりの中に、時には同じ屋根の下に、息をひそめて一緒に住んでいた。安倍清明は従四位下、大内裏の陰陽寮に属する陰陽師。死霊や生霊、鬼などの妖しのもの相手に、親友の源博雅と力を合わせ、この世ならぬ不可思議な難事件にいどみ、あざやかに解決する。映画、舞台、漫画にもなった超人気シリーズの記念すべき第一作。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
はじまりは、ちいさな ちいさな ちいさな芽。ちいさな芽がぐんぐんのびて、おおきな おおきな木となり…。生命が生まれ育まれる誇らかさ、また、世界が育ち広がっていく豊かさ、膨らんでいく欲望が互いをほろぼすむなしさなど、壮大な物語を、リズミカルな語りと細密なイラストで描かれます。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
料理の数だけ、物語がある。舌と脳天を直撃する、究極の五十食を堪能あれ!作家が本当に美味しいと思った食べものとの出会いを、下品に、はしたなく、エロティックに書き下ろす。
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たすひくねこ | くまのがっこう ジャッキーのうんどうかい | エラと『シンデレラ』 |
ともしびをかかげて | 落窪物語 | タランとリールの城 |
映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ | 長くつ下のピッピ | 北極のムーシカミーシカ |
閑話 長新太さんのねこのブックカバーを探して 2
閑話です。
まいどなニュースのねこカバーの記事で、今江祥智さんから長新太さんへの流れの大筋知ってはいたのですが、実際に耳で聞くのとは大違いです。
生きた生の声で!リアルボイスで!
今江さんが文祥堂さんを気に入ってよく足を運ばれていた、とお聞きします。
ふっと、文祥堂さんの祥の字と、今江祥智さんの祥の字がおなじだなと思いました。
遮りたくなくて黙ってたのですけど、言えば良かった~~。
後悔先に立たず。
◇
忘れたくないので、覚えているうちにいそいで箇条書きにしますと
・この本屋さんではなくて、そのへんの(お店から南東の方を指されてました)よそで飼われている黒ねこが、いつもこのお店にやってくる。
・それで、猫用の椅子を「このあたり」に置いていた。(レジよりの、かなり店の中心部でした)
・今江さんが入ってきて、「おお、おるおる、今日もおるわ」と言って、猫を撫でた。
(ご主人の手付きでは、さらさら撫でるよりも、ぽんぽんと軽く叩く感じでした)
・あとから長新太さんが入ってきて、「なんやなんや」と聞いた。
・「このねこ、いつもここにおるんや」と今江祥智さんが答えた。長さん「ほーう、そうか」と、本当に何気ない会話だった。
・数日後に、文祥堂さんにねこのブックカバーの原版が届いてびっくりした。
・残念ながら原版のありかがわからず、それがあれば増版できるのだが、もう今ある分だけしかない。
・ねこカバーは、だいぶ少なくなりかかっている。
◇
今江祥智、長新太、どちらも児童書界ではレジェンドなので、お二人の顔は写真で知っていますが、
「今江さんがこう……、長さんがこう」
と、小さな店の中に立って、南側から入る光の中に、ねこがいた場所のすぐそばのレジ前で、ご主人の話を聞いていると…。
ぞっと鳥肌が立つように
ここに、本当にいたんだ!
生きて動いてられたんだ!
と思うと、(あたりまえなのですが)ちょっとあの時の感動は忘れられません。
「児童書、絵本が好きなかた、読み聞かせされるかたは、そう言ってくれますね」
とご主人言ってくださいました。
妹子はじいっと聞いてるだけでしたけど、いつも大はしゃぎの子が黙って静かにしてるのが不思議なくらいでした。
◇
次に紹介する本どうしようかな!と迷っていたのですが、「山のむこうは青い海だった」にしようと思います。
ずーーっと持っていて、飽きるほど読み返してもまだ飽きないほどの愛読書でした。
今江祥智さんの本は、どれもワクワクして大好きでしたが、一番読んだのは「写楽暗殺」と、「山のむこうは青い海だった」
この二冊が筆頭です。
今江祥智さんの本、何となくですけど、店頭、図書館からも次第に消えつつあるように思います。
というのもやはり、子供というのは時代によって環境の変化があって、その時代時代における児童書というのがあるのが望ましいです。
こどもたちの気持ちに寄り添うものをとなると、その時々において新しい物語が必要とされるところがあります。
子供用として考えたとき、昭和時代の本は、環境が違いすぎるので古いのではないか……。
と思われてしまっているのが、消えつつある理由なのかもしれないと考えています。
でも、残しておきたい輝かしい名作、普遍的な感動というのは絶対にあるので!
こんな名作をそのままにしといていいわけがない!
名作というのは、残したい!残すべき!と思った人が散々アピールしまくった挙句に残って行くものだと思っているので、そこは読み手としても不断の努力が必要のはずです。
絵本でなく、「文章で表現された分厚い児童書でしかも面白いもの」はずいぶん数が減ってしまい、あまりない気がしています。
昭和期の名作には、ゲームアニメも及ばないほどの深さ、おもしろさ、躍動感、世界感、表現の美しさがありました。
絵本の新刊は、きっとたくさんのレビューがあると思うので、わたしは消えつつある名作本に特化してご紹介しようと思っています。
有限会社文祥堂書店さんはこちらです。
◇
蛇足ですが、京都の写真です。
(名所の写真などほとんどなく、個人的なフォトです…)
京都駅でおむかえしてくれたペンギン
雪化粧のの貴船神社
建仁寺の龍の襖絵
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
突然の父の死。祖母の死。そして戦争がはじまった。日々の暮らしのなかで何が変わり、何がなくなっていったのかを、多感な時期を迎える“ぼんぼん”・洋の目をとおして語る。さまざまな人間模様、危険なできごと、淡い恋心――。力強く生きぬく少年の姿を、大阪弁にのせて、ていねいに描いた作者の代表作。(解説=山田太一)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
昭和46年度から平成12年度までの定評のあった、国語教科書のお話を、あざやかな挿絵そのままに、児童書にしました。時計の中に住んで時を告げているチックとタックの2人が、夜中にこっそり抜け出して、わさび入りのおすしを食べて「ジッグ、ダック」時計が鳴るようになった千葉省三「チックとタック」(第1巻)を皮切りに、50代~60代の方にも懐かしい翻訳作品「小さい白いにわとり」(第3巻)など、すでに絶版で他では読むことのできないまぼろしの名作の数々を収録。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
くじらのような、イルカのような大きな飛行機が海に浮かんでいます。大勢の猫たちがそれに乗り込み、「ごろごろにゃーん」と出発です。「ごろごろにゃーん」と、飛行機は飛んでいきます。魚を釣りながら「ごろごろにゃーん」。くじらにあっても「ごろごろにゃーん」。山を越え、街をながめ、飛行機はにぎやかに「ごろごろにゃーんごろごろにゃーん」と猫たちをのせて飛んでいきます。長新太の真骨頂! 斬新で愉快な絵本です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
猫 (中公文庫)
大佛 次郎 (著), 有馬 頼義 (著), 尾高 京子 (著)
谷崎 潤一郎 (著), 井伏 鱒二 (著), 瀧井 孝作 (著),
猪熊 弦一郎 (著), クラフト・エヴィング商會 (編集)
猫と暮らし、猫を愛した作家たちが、思い思いに綴った珠玉の短篇集。半世紀前に編まれたその本が、クラフト・エヴィング商會のもとで、新章“忘れもの、探しもの”を加えて装いも新たに生まれかわりました。ゆったり流れる時間のなかで、人と動物の悲喜こもごものふれあいが浮かび上がる、贅沢な一冊。
【e-hon】 ─ ネットで予約、本屋さんで受け取れる e-hon サービスで本屋さんを応援しよう📚️
子どもの本だな【広告】
とべバッタ | ヘンリーくんとアバラー | かしのきホテル |
フランクリンの空とぶ本やさん | おにたのぼうし | シートン動物記セット |
はじめてのおつかい | 11ぴきのねこ | ゆかいなかえる |
閑話 長新太さんのねこのブックカバーを探して 1
閑話です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
ピンクちゃんとあだなをつけられた気の弱い少年次郎が、尊敬する高杉晋作にならい、決心して一人旅に出かける。軽快なテンポのユーモアで’60年代を代表する児童文学の名作。再刊。(「MARC」データベースより)
数週間前のことなのですけど、去年の話です。
去年のことですが
「今年こそは、かねてから念願の、長新太さんデザインのねこブックカバーを手に入れよう!」
と思っていましたが、思うように予定が取れませんでした。
だんなから、「おまえだけずるい!京都なんて自分も行きたい!反対!反対!絶対反対ー!!……でも、行くなら今しかないんじゃない?」
という話が出たのが、12月26日のこと。
すごい勢いでその日にあれこれとホテルなど欲望のままに予約しまくり、翌日27日の早朝に家を飛び出しました。
妹子と一緒に。
(妹子は、こういうとき、すごく喜んでどこまでもついてきてくれます。)
OKが出た翌日に家を飛び出す。
こんな無茶苦茶な旅は、これまでほとんどしたことがないです。
プチ家出のようでとても楽しかったです。
◇
しかし、大雪の予報が出ているのに、大雪地方(天橋立)に予約を入れてしまいました。
当日に「すみません……無理そうですね……」と電話をする、超ヘタレ客。
だんな「宿にとっては手間だけ増えて邪魔でしかない」
雪!雪なんて!
人生でほとんど見たことがないから、雪の予報があっても注目してなかったんじゃよ~!!
などというハプニングに見舞われつつ…。
ついに!
手に入れました!!
長新太さんデザインのブックカバーです!!
京都河原町通三条下ル
文祥堂書店さんです。
小さな店舗で、新刊本と雑誌
入って一見、品が少ないように見えるかもしれませんが、これだ、ほしかったと思う本三冊、みな置いてありました。
この!ねこ!
予想以上にカワイイです。
思っていたよりずっと質感とインパクトがあって、丸みもたまらないです。
さすが長新太さんだ!と思いました。
◇
経緯を軽くお話しますと、
27日天橋立が大雪でキャンセル⇒貴船神社へ変更。
28日金閣寺から嵐山へ。今回は少し郊外の方に足を延ばしました。この日は、ねこカバーのお店「文祥堂さん」に駆けつけるも、間に合わず。
29日は、妹子を休ませつつ、ゆっくりゆっくりと文祥堂さんへ。
寺町通りという所から、何気ない路地をふっと入った所にあるのですが、この寺町通りがすばらしかったです。
古書店が多く、それもとてもめずらしい古文書が100円単位で売られていたりします。
28日に、妹子が和綴じで墨書きの「孟子」を欲しがったのですが、そのときはやめておきました。
これは大失敗、翌日の29日にはお休みになってしまっていました。
歩いているだけで面白く、本好きさんにはたまらない通りだと思います。
◇
その、「何気ない路地をふっと入ったところ」
文祥堂さん、一見してあまり本の数が多くない本屋さんのように見えます。
本がぎっしり並んで、目に美しい文房具で華やかな大型店舗ばかり見慣れている妹子、「これは本当に本屋さん?」と疑いの目をわたしに向けました。
実際、グーグルマップには何か低い点数とコメントがつけられていて、たいへん気分をわるくしたのですが、これは普通の本屋さんと思ってはいけないように感じました。
店頭の外に箱入りで安値で売られいる古い文庫本……。
品揃えが面白いです!
いわゆる、通好みというやつです。
◇
ガラス越しに中を伺うと、新刊の雑誌が並んでいますが、ちょっと普通のただ新刊を並べている棚とぜんぜんちがいます。
これはおそらく常連さん向けではないでしょうか?
中に入って、並んでいる本を見ていくと、最近評判になっていた本の中で、気になっていたもの2冊発見です。
この在庫数で、2冊の読みたい本、それも新刊本があるというのは、やはりこれは、常連さん向けの、通好みの本屋さんです!
(自分が欲しいと思うものがあって通だなんて言うのも業腹ですけど~どんだけ~!)
なんだかすごく、京都そのものという感じがしました。
◇
妹子がぎゅっと私の手を掴んで、「ある!ある!ねこ!ねこ!」とささやきました。
入って真正面の棚に、猫カバーの説明と、猫の本発見です。
パラっとめくってみると、えっ?
大佛 次郎 、井伏鱒二、谷崎潤一郎!?
そうそうたる名前ばかり並ぶ猫の本、こ、これは買いだ~っ!
この猫の本、あとで読みましたが素晴らしかったです。
現代の価値観でいうペットではなくて、人間がそれはそれは苦労しながらも、猫と共生していく。
猫と人の葛藤と争いと愛が描かれていました。
◇
ねこカバーについて、おそるおそるお聞きすると、息子さんでしょうか?
レジにおられて丁寧に教えてくださる後ろから!
まさに!
まいどなニュースの画像で見たまんまの、ご主人がニコニコしながら出て来られました。
こちらは、勝手な想像でお年寄りと思っていたのですが、ぜんぜんそんなことはなく、とてもお元気で、そして何ともいえない穏やかな優しい雰囲気のかたでした。
「描かれたのは長新太さんなんですがね、うちの店に来られてたのはそもそもが今江祥智さんなんですよ」
その名前に胸がドキンです。
少し長くなってしまったので、明日に続きます。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
猫 (中公文庫)
大佛 次郎 (著), 有馬 頼義 (著), 尾高 京子 (著)
谷崎 潤一郎 (著), 井伏 鱒二 (著), 瀧井 孝作 (著),
猪熊 弦一郎 (著), クラフト・エヴィング商會 (編集)
猫と暮らし、猫を愛した作家たちが、思い思いに綴った珠玉の短篇集。半世紀前に編まれたその本が、クラフト・エヴィング商會のもとで、新章“忘れもの、探しもの”を加えて装いも新たに生まれかわりました。ゆったり流れる時間のなかで、人と動物の悲喜こもごものふれあいが浮かび上がる、贅沢な一冊。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
突然の父の死。祖母の死。そして戦争がはじまった。日々の暮らしのなかで何が変わり、何がなくなっていったのかを、多感な時期を迎える“ぼんぼん”・洋の目をとおして語る。さまざまな人間模様、危険なできごと、淡い恋心――。力強く生きぬく少年の姿を、大阪弁にのせて、ていねいに描いた作者の代表作。(解説=山田太一)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
昭和46年度から平成12年度までの定評のあった、国語教科書のお話を、あざやかな挿絵そのままに、児童書にしました。時計の中に住んで時を告げているチックとタックの2人が、夜中にこっそり抜け出して、わさび入りのおすしを食べて「ジッグ、ダック」時計が鳴るようになった千葉省三「チックとタック」(第1巻)を皮切りに、50代~60代の方にも懐かしい翻訳作品「小さい白いにわとり」(第3巻)など、すでに絶版で他では読むことのできないまぼろしの名作の数々を収録。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
くじらのような、イルカのような大きな飛行機が海に浮かんでいます。大勢の猫たちがそれに乗り込み、「ごろごろにゃーん」と出発です。「ごろごろにゃーん」と、飛行機は飛んでいきます。魚を釣りながら「ごろごろにゃーん」。くじらにあっても「ごろごろにゃーん」。山を越え、街をながめ、飛行機はにぎやかに「ごろごろにゃーんごろごろにゃーん」と猫たちをのせて飛んでいきます。長新太の真骨頂! 斬新で愉快な絵本です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「プロジェクト・グーテンベルク」
http://www.gutenberg.org/ebooks/author/492
◆プロジェクト・グーテンベルクについて
☞Wikiの説明ページ
プロジェクト・グーテンベルク(Project Gutenberg、略称PG)は、著者の死後一定期間が経過し、(アメリカ著作権法下で)著作権の切れた名作などの全文を電子化して、インターネット上で公開するという計画。1971年創始であり、最も歴史ある電子図書館。
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名探偵カッレ 城跡の謎 | 星の林に月の船 | 魔女モティ |
マーシャとくま | ジャングル・ブック | ガルドンのながぐつをはいたねこ |
ちいさなあなたへ | か わ | だるまちゃんとてんぐちゃん |
大人が読む児童書「くまの子ウーフ」3 毛皮を換金しようとするくまの子
今日、ご紹介するのは児童書です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
「くまの子ウーフ」の物語は、1969年の刊行以来、小学校の教科書をはじめ、さまざまな形で読み継がれてきたロングセラーです。卵を割ると、必ず卵が出てくることに感心し、自分が何でできているか真剣に考えるウーフ。子どもたちはウーフとともに考え、発見の喜びに目を輝かせてきました。また、命のふしぎと生きることの本質をあざやかに描いた物語は、幅広い層の読者の共感を集めてきました。時代を経てますます輝きを増すウーフの世界をたっぷり味わえる「くまの子ウーフの童話集」を、コンパクトなサイズにリニューアルしてお届けします。
大人が読む児童書「くまの子ウーフ」1 反応が鈍くてトロいからって、傷付いていないわけじゃない
大人が読む児童書「くまの子ウーフ」2 イヤな子とどう付き合っていくか?永遠の命題
今更ですけど、「くまの子ウーフ」の目次です。
さかなには なぜしたがない
ウーフは おしっこでできてるか?
いざというときって どんなとき?
きつつきのみつけた たから
ちょうちょだけに なぜなくの
たからがふえると いそがしい
おっことさないもの なんだ
? ? ?
くま一ぴきぶんは ねずみ百ぴきぶんか
これらの9編でできています。
◇
くまの子ウーフの中でも、特に面白いのが「落とさないものなんだ」です。
(まあ、ぜんぶ面白い話なんですけども)
いつものんびりおっとりしているウーフですけど、もちろん子供らしく欲にまみれる時だってあります。
こんな冬の寒い季節に紹介するにはどうなんだろうっていう、暑い暑い夏の日のお話です。
真夏の暑さ真っ盛り!
ウーフは暑くてたまりません。
(最近の、命の危険を感じる暑さとはちょっとまた違う気もしますが……)
それこそ、毛皮を脱いでしまいたいぐらい暑い日です。
何をしても、ただ座ってても厚い。昼寝しても暑いし、目が覚めても暑い!
暑いから疲れるけど暑いから体も休まらない。
空には、ソフトクリームのような雲……。
ウーフ「ソフトクリーム100こなめたい」
すると、誰かが木の上から笑います。
小鳥のピピでした。
そんなに厚い毛皮を着てるからだと言うのです。
「くまって、大きいくせに、みんな、おばかさんなのね。毛皮をぬいじゃえばすずしいのにね。人間なんか、夏ははだかんぼでおよいでるわよ。」
そして、急に声を低めたひそひそ声で、町のお店で、毛皮を売っているのを見たことがある、と言い出しました。
なんだか嫌な予感がします。
だいたい、急に声を低くしたひそひそ話というのは、ろくなことがありません。
案の定、恐ろしいことを言い出しました。
「毛皮をぬいで、売ったらどうお。お金もちになれるわよ。」
妹子「いやいやいやいや」
わたし「だめだめだめだめ」
妹子「ダメだって!このキツツキ、なんて恐ろしいこと言うの?ウーフをころすつもりなの?はっ!」
わたし「どうしたの?」
妹子「もしかして、こいつ、最初っかウーフを殺すつもりでここにいて、ずっと木の陰からチャンスを狙ってたんじゃ……」
わたし「いやいやいやいや」
◇
ウーフは無邪気なので、涼しくなっておまけにお金持ちになれると聞いて、やる気になってしまいました。
妹子「まじかよ。死なないの?」
わたし「いや死ぬでしょ」
ウーフは、毛皮をシャツを脱ぐように引っ張りますけど取れません。
わかってなくて、本気で、しかも本人が、やってるところがすごくシュールです!
ピピ、「だめねえ、ウーちゃんはひとりで毛皮もぬげなんだから……」なんて言いながら、どこからともなく、ぴかぴかひかるはさみを……。
「さあ、もう、だいじょうぶ。せなかからきったげるわ。」
「気をつけてよ。ほんとに、毛皮だけきってくれよ。」
ウーフは、こわくなってたのみました。ピピはへいきよ、というようにかちかちはさみをならしました。
ホラー!ホラー!!
挿絵で見ると、これが実にうまく鳥の足ではさみをつかんでいるのです。
じゃっきん!
「あいたっ。」
ウーフは、とびあがりました。はさみが、がちゃんところがりおち、金色の毛が、ぱらぱらこぼれました。
「なによ。じっとしてなきゃ、だめじゃないの。」
ピピが、おこりました。
「せなかがつくんとしたよ。気をつけてったら。」
ウーフがどなりました。
◇
妹子「え。くまって、毛皮取れるの?」
真顔で言い出した。
わたし「取れるわけないよ……」
妹子「え、じゃあどうやって毛皮を取るの?」
わたし「皮を剥ぐ……」
妹子「え、つら。エグ」
説明させられてるこっちの方がつらいわ!
しかしこの小鳥のピピ、悪気があるわけではないようなのですが、とりあえずウーフにこのことを話す以前に、町のお店で毛皮が売ってあるのを見て、
「わー高っ。毛皮ってあんなに値段するんだ」
ぐらいは思っていたかもしれません。
もちろん、皮をぬぐことができるはずもないので、ピピとウーフは喧嘩別れしてしまいました。
このときの挿絵の、怒っているウーフの顔がめちゃくちゃ笑えます。
お金持ちにはなれないし、暑いし、ウーフがお金持ちになりたいと泣いていると、コガネムシが慰めてくれました。
「落っことしたり無くしたりしないものだけ持ってればいい」
じゃあその落とさないものってなんだろう、というところで、考えながらウーフは家に帰って、お母さんに聞きます。
「なくさないもの」「自分」というものは、何だろう?
あどけないけれど真剣なやりとりに笑って、ゆかいな気持ちになったところで、ふっと大切なことを問いかける。
くまの子ウーフ、いつまでも子どもたちに(親たちに)愛されていて欲しいです。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ゆうじが模型飛行機を飛ばしていると、きつねがやってきて「そらいろのたね」と模型飛行機を交換することになりました。そらいろのたねを植えて水をやると、なんと空色の家が生えてきたではありませんか! 空色の家はみるみるうちに大きくなり、たくさんの動物や鳥や子どもたちの楽しい遊び場になります。しかし再びやってきたきつねが、みんなを追い出して空色の家を独り占めしてしまいます。きつねが家にはいると、空色の家はさらに大きくなって……。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
カムは、湖のそばにたち、金のユビワを北にむかって、三ど大きくふりました。かあさんのびょうきをなおすイノチノクサをもとめて、火の山にすむ大オニ・ガムリイと対決するカム。リズム感あふれる文章でつづる、スケールの大きなファンタジー。(「BOOK」データベースより)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
たまごを焼くのが大好きなふらいぱんじいさん。新しい目玉焼きなべがきて、たまごを焼かせてもらえなくなってしまいます。そこで、ふらいぱんじいさんは旅に出ることにしました。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
よみがえったトナカイの首領はやてを追って、たかしとゆうこの旅は始まった。人はなぜ、他の生きものの命を奪わなければ生きられないのだろう。重たい問いを抱きながらふたりは、動物たちの国の壮絶な戦いに立ち会う。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
たつくんは、ひとりでパンツがはけないんだよ。片足をあげると、どでん!と転んでしまう。「えい、パンツなんかはかないや。」
「プロジェクト・グーテンベルク」
http://www.gutenberg.org/ebooks/author/492
◆プロジェクト・グーテンベルクについて
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プロジェクト・グーテンベルク(Project Gutenberg、略称PG)は、著者の死後一定期間が経過し、(アメリカ著作権法下で)著作権の切れた名作などの全文を電子化して、インターネット上で公開するという計画。1971年創始であり、最も歴史ある電子図書館。
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子どもの本だな【広告】
おまたせクッキー | 仔鹿物語 | 新編 世界むかし話集(3)北欧・バルト編 |
いたずらきかんしゃちゅうちゅう | ブレーメンのおんがくたい | ウエズレーの国 |
もうねんね | さかさ町 | あのころはフリードリヒがいた |
今日の一冊「おばけのバーバパパ」 自然現象で生まれたけど生まれた時からパパなのはこれいかに
今日、ご紹介するのは絵本です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
姿を自由に変形できるおばけのバーバパパは火事場で大活躍して、町の人気者になります。世界各国で愛読された軽妙な傑作絵本。
フランソワくんが庭の花に水をやっていると、なにかが地中の中で大きくなっていました。
自然現象で生まれたのに、最初からパパって名前なのはこれいかに。
◇
バーバパパというと、あの素敵な黒いママと、たくさんの子供たちがいるイメージだったけど、全然最初の話は普通の一人で最初から最後まで一人だった。
公式サイトによると、「バーバパパ」とは綿あめのことらしいです。
なるほど、それでか!
パパという名前が先にあって、それで、パパならママもいるかも、というわけで二話、三話ができていったんだな。
なるほど、なるほど……。
◇
フランソワとバーバパパは仲良くなったけど、お母さんは
「うちにおいておけません!」
まあそうだよね。
動物園から逃げ出したのに、見つけた園長さんは追い出してしまうと命令する。
わたし「なんかおかしくない」
妹子「おかしいよね、もう1回捕まえろよ」
兄助「世にも奇妙な物語」
珍しく、兄助が参加してる。
文句を言いつつも、優しい、コミカルな色合いと、素敵な街並みを堪能しながらすすみます。
いろんな形に変わることができるバーバパパ、でもなかなか理解されません。
友達が、欲しかっただけなのに…。
街をさまよい、寂しい生活を続けます。
火事の人々を助け、動物園から逃げ出したひょうを捕まえて、人気者になるバーバパパ。
わたし「ひょうは戻されてるのにバーバパパは出て行けって…」
最後に、フランソワのうちでも、大喜びで迎えてもらえました。
うん?
最初に出ていけって言ったのに、人気者になったら受け入れる!こ、これは…!手のひら返し……。
そこにツッコミを入れるような話でもないので!
(真面目に考察すると、たぶん何らかの評価を受けたとき、周囲の人の見る目も変わるというのは、ポジティブに捉えてもいいと思うのです)
柔らかくて優しい絵柄で、やっぱり美しい街並みです。
そして、バーバパパが、今度は何に姿を変えるのかな、と楽しみになります。
◇
二作目、三作目と読んでみると、探したにもかかわらず、ママも自然現象で生まれていたんですね!!
実は彼らは、綿菓子風の植物なのか…謎です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
なんにでも変身できて、やさしいバーバパパ。でも、バーバパパには家族がいなくてさみしいのです。そこで、バーバママになるひとをさがしに世界旅行に出発します。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
バーバパパとバーバママが結婚して、7人の子どもたちができました。みんなで暮らせる新しい家をさがしますが、なかなか見つかりません。
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子どもの本だな【広告】
ぽんこつ | オズの魔法使い | 新イラスト版 だれも知らない小さな国 |
トムは真夜中の庭で | ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集 | トキメキ夢文庫 少女ポリアンナ |
風にのってきたメアリー・ポピンズ | オデュッセイア物語 | ロボット |
今日の一冊「とうもろこしおばあさん」 あまりにもシュールな展開をみごとに絵で表現している
今日、ご紹介するのは絵本です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
むかし、アメリカに住むインディアンは、男たちは、野牛をとり、女たちは、いもを掘って暮らしていました。あるとき、小さな村に、ひとりのおばあさんがやってきて、「ここに ひとばん とめてくださらんか」とたのみました。とうもろこしは、どのようにして、インディアンに伝わったのでしょうか? アメリカ・インディアンに伝わる不思議なお話を、お楽しみ下さい。
この話、知っている!と思って借りました。
とても記憶に残る珍しい話だったのです。
ムーミンの訳者、山室静さんの「新編 世界むかし話集」に入っていたお話ではないだろうか。
「新編 世界むかし話集(10)アメリカ・オセアニア編」に入っています。
素晴らしく彩色豊かな絵がついています。
絵がとてもいいと思いました。
ティーピーテントの建ち並ぶ緑の大地、バッファロー。
馬に乗ったインディアンの若者たちは弓に矢をつがえ、空をかけて髪を長くなびかせています。
バッファローのことを「やぎゅう」と書いてるのもいいなと思いました。
◇
アメリカインディアンに広く食べられている とうもろこしの起源説のお話です。
ある村に、一人のおばあさんがやってきて、一晩泊めてくれと言います。
おばあさんは三回村を訪ねて、二回までは断られるのですが、若干絵本の方が柔らかい。
(山室静さんの昔ばなし集の方ではかなりきつい言い方でけんもほろろに放り出されています)
三番目のアリゲーター族の村では、優しく迎え入れてもらうのでした。
そしておばあさんは大人が狩りに出かけている間子供たちと過ごすのですが、子どもたちはおばあさんからとてもおいしい食べ物をもらってお腹いっぱいになります。
ある若者がこっそりとおばあさんがどこからその食べ物を手に入れるのか見ていると、おばあさんは、服をたくしあげ、自分の腿を掻いています。
そこからはぽろぽろとトウモロコシの粒が落ちていました。
こ、これは…。
垢ですね?
日本における古事記や日本書紀に入っている
世界昔ばなしのお話の流れはちょっと違っていて、おばあさんが突然姿を消してしまったのでその食べ物忘れられない若者がおばあさんを探しに行ったということになっています。
絵本の方が数割増しシュールです。
◇
しかし!
垢ぐらいでびっくりしていてはどうしようもなく、(そもそも、日本神話ではゲロ吐いてますし)、ここからがこの物語一番強烈だったところなのですが、このおばあさんを「使って」とうもろこしが栽培できるようになる、その過程が凄いです。
念のため書いておきますと、おばあさんが自らそうするように命じたのですが
「野焼きをして、焼跡の上でおばあさんの髪を掴んで、縦横十文字に引きずりまわす」
ということをしなければならないのです。
むかし話の方では、絵がないので、なんとなく象徴的です。
文字で読んでる分には、「ああ、昔話によく出てくる、よくわからないとんでもない描写なんだな。そんな不思議なこともあるんだな」と思うのですが、絵本の方ではガッツリ引きずり回しています。
しかしこの絵ですので、おばあさん、特に「あーれー」と言う感じでも何でもなく、
(そもそも自分がそうしろと言ったのだし)
おとなしく引きずられちゃっています。
◇
このおばあさんの髪の毛、絵でいかにもとうもろこしのからはみ出ているあのフサフサだなという感じに描かれていますので、伝説をこうして見事に絵に転化しているこの絵本はすごいなと思いました。
頭で考えれば「トウモロコシを擬人化(神格化)し、それをタネとして撒いている状態を示しているのだな」と思うのですが……しかし、おばあさんをひきずりたおす…。あまりにもシュールです。
一度読んだらちょっと忘れられないお話です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
新編 世界むかし話集(10)アメリカ・オセアニア編 (現代教養文庫ライブラリー) Kindle版 山室静 (編集) 形式: Kindle版
アメリカ・インディアンや大洋州原住民の民話。素朴なものが多いが、それだけに従来の昔話を読みなれた人にとっては、思いがけない発想や急展開があり、楽しいおどろきが多い。ヨーロッパ人による蒐集や研究の厚さにもおどろくほかない。
<北アメリカ> インディアン/エスキモー/白人系/黒人系/ハワイ
<南アメリカ> インディオ/ヨーロッパ系
<オーストラリア> 南太平洋諸島/オーストラリア
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
モヒカン族の最後
ジェイムズ・フェニモア クーパー (著),
ニューエル・コンヴァース ワイエス (イラスト), 足立 康 (翻訳)
北米大陸でイギリス軍とフランス軍が戦争をしていた頃、父親の救出に向かった美しい姉妹が護衛のインディアンに裏切られ、壮絶な戦いに巻き込まれる大冒険物語。現在唯一の完訳本。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
夏休み。アメリカ・ロスアンゼルスへやってきたサトルは、初対面のおじいちゃんとふたりきりでのこされてしまう。おじいちゃんがおんぼろ車でつれていってくれたのは、千八百キロも離れた、インディアンの村だった。小学上級から。(「BOOK」データベースより)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
インディアンの哲学が味わえる、詩と散文と絵の本 英語原文も完全収録
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4日間、飲まず食わず、ひとりきりで山にこもるワカンタンカ(大いなる不思議なもの)からのメッセージを得るインディアンの儀式を体験した著者が、夜中に突然の豪雨に見舞われた。雨を避けようと四苦八苦したが、激しくなる雨に「どうにでもなれ!」と、のどの渇きを癒すため雨を飲み始めた。いつのまにか心地よく眠り、目覚めた空には美しい満天の星空があった。宇宙の叡智を感じた著者がインディアンの「全てのものは繋がっている」という意味を絵本に記した。
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あるひ、おじいさんが まごたちをあつめて おなはしをしました。「よいかな、ひとの こころのなかには にとうの おおかみが すんでいるのだ」「その にとうの おおかみは、 わしの こおろのなかでも つねに たたかいを くりひろげている」(本文より)二頭のおおかみとは? そして、そのおおかみの戦いの結末は?大人から子どもまで、深い感動と気づきをもたらしてくれる、インディアンが大切に伝えてきた、心を育てるための物語。
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アメリカ・インディアンの詩は、動植物や人間に具わる尊厳さを知るものだけがもつ、深い慈しみの心に満ちている。かれらにとって詩とは、一種の「実用」の道具であり、アリス・フレッチャー(人類学者)は、「アメリカ・インディアンの詩とは、人間と、宇宙のなかの、眼に見えない存在との間に交わされる伝達の手段なのだ」と説明している。17編の心に響く詩と力強く繊細な絵が、かれらの世界観をダイナミックに伝えてくれる。
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大人が読む児童書「くまの子ウーフ」2 イヤな子とどう付き合っていくか?永遠の命題
今日、ご紹介するのは児童書です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
「くまの子ウーフ」の物語は、1969年の刊行以来、小学校の教科書をはじめ、さまざまな形で読み継がれてきたロングセラーです。卵を割ると、必ず卵が出てくることに感心し、自分が何でできているか真剣に考えるウーフ。子どもたちはウーフとともに考え、発見の喜びに目を輝かせてきました。また、命のふしぎと生きることの本質をあざやかに描いた物語は、幅広い層の読者の共感を集めてきました。時代を経てますます輝きを増すウーフの世界をたっぷり味わえる「くまの子ウーフの童話集」を、コンパクトなサイズにリニューアルしてお届けします。
大人が読む児童書「くまの子ウーフ」1 反応が鈍くてトロいからって、傷付いていないわけじゃない
やっぱりウーフを語る上では外せない存在。
それはツネタです。
以前、「そらいろのたね」でも言及しましたけど、妹子と兄助のツネタの嫌いっぷりは度を越しています。
◇
ツネタ初登場回は、第2話。
ウーフは おしっこでできてるか?
これまで、変わった題名です!
冒頭で出てくる、パンとはちみつと目玉やきの素晴らしさ。
ウーフのお母さん、片手で卵を割ってます。
おさらにのせた目玉やきは、金色にかがやいています。
ウーフは、はちみつをつけて、パンをたべました。それから、おさじでたまごのきみをすくいました。
この、たまごのきみの美味しそうなこと!
子供たち、実は卵の黄身が苦手なのですが(実はわたしもです)それはそれは一生懸命食べようとしてくれるようになりました。
◇
卵の黄身を食べながら、相変わらずいろんなことを考えているウーフ。
今度は、たまごって何からできているんだろう?と考えています。
なんていい疑問なのでしょう。
ウーフのお父さんもそう考えたみたいで、とつぜん会話に参加して、熱心に夫婦に説明しています。
卵は黄身と白身からできている。
おさじはステンレス。
パンはこむぎこ。
椅子、座布団、いろんなものがいろんなものからできている。
ウーフはすっかり嬉しくなってしまいました。
「へえ、ぼく、なにがなんでできてるか、すっかりわかっちゃった。よし、きつねのツネタくんにも教えてやろう。」
◇
途中でめんどりに会いました。
ウーフは、ちゃんといつもたまごをもらっているお礼の挨拶をする、よい子です。
自分の考えたいろんな空想でめんどりを煙に巻いてしまうウーフ。
びっくりしてめんどりは卵をうみおとし、ウーフはそのたまごをもらいます。
うみたての、ほかほかのたまごです。
ここで、ツネタ登場です!
「おはよう、ウーフ。どこへいくの。」というのが、このツネタの第一声なのですが、読み聞かせのとき、私はいつも、感じ悪く読んでしまいます。
とにかくこの子は、なんとも感じが悪いのです。
◇
ウーフは天真爛漫に、さっきまでの「何が何でできているか」という話をツネタにしてみせるのですが、こいつはウーフの言うことを、頭からてんでバカにしている感じです。
逆に聞き返して来ました。
ウーフは一体何でできているのかと。
困ってしまったウーフ。
パンとはちみつと、たまご……?
なんて可愛いー!
なんて純真な子なんだー!!
ツネタは馬鹿にしたように言います。
「めんどりはたまごをうむ。けれど、ウーフはうまないよ。うまないかわりに、からだからだすのはおしっこさ。はは、ウーフはね、おしっこでできてるのさ。じゃ、このたまご、もらってくぜ。ばいばい」
さっとウーフの手からたまごもひったくって取って走って去っていくというおまけつき。
妹子「は?泥棒」
新たな発見、気付きをもたらしそうな、そういう所から化学に興味をもちそうな、「この世のものは何でできているのか?」というウーフの純粋な問い。
それらをぜんぶ、このイヤミなことばと行動で、何もかも、一瞬で無にするツネタ!
第一話に出てきたフナも、こういう感じで感じが悪かったのですが、フナはまだ「くまに対して警戒心を持っており、捕食される側である」という前提があります。
まあ言ってみれば、イヤなことを言う理由があるとでも言いましょうか
しかしツネタはそんなの何もないんです!
しかも、一番近所に住んでいて、年も近く、日々交流しているお友達っぽいのです。
こいつはただ単に意地悪なんです!
意味もなく。
◇
いま大人の立場から言うと、まあ、先生方ほどたくさんの子供たちを見てきたわけじゃないにしても、やっぱり思うのはツネタこそ子供、そのままの姿、ということです。
ウーフのおっとりした、ぼわんとした所が、頭も口もまわるツネタのような子にはちょっと目ざわりで気に入らないんですよね。
ムラムラッと、いじめてみたくなる。
言っても響かない様子だから、強いことばで傷付けて、ぶちこわしにしたくなる。
おっとりタイプのお子さんのお母さんて、こういう姿を、よく園でも公園でも、家で遊んでいるときでも、見ることがあると思います。
そういうとき、ママさんたちは、見ていることしかできないので、本当につらいみたいです。
第三者的に見ていても、相当にイヤな感じなのに、当事者だととても冷静ではいられなさそうです。
◇
ウーフは、ツネタを追いかけている間にころんでしまい、泣きながら立ち上がりましたが、あれっと思いました。
自分からは、おしっこだけじゃなくて、血も出る詩、なみだも出る。
ウーフは、足をひきずりながら、歩きだしました。
きんぽうげの花は、きらきらかがやき、野原を気もちのいい風がふいていきました。
美しい周囲の景色が、次第にウーフの気持ちを変えていきます。
ウーフは、青い空を見ながら草原をころがって帰ることにしました。
「足がいたくたって、へいきだい。ころころころころ、おもしろいや。ぼくは、ウーフさ。くまの子ウーフはいたいと思ったり、たべたいと思ったり、おこったり、よろこんだりするんだ。おしっこなんか、そんなことかんがえっこないさ。ころがってかえるなんてすてきなこと、なみだも、ちも、かんがえつかないさ」
なんて偉いんだろう。
自分で立ち直って、そして、想像する力も失わない。
むしろ、あれこれと想像することがウーフを立ち直らせたのだともいえる気がします。
◇
しかし、残念ながら兄助や妹子のようなタイプには、まったくこのような、内省によって到達するような境地には至らず、
このありさまです。
写真ではよく撮れなかったのですが、ツネタの顔が、めちゃくちゃにツメでかじられてます。
これ、二話目のつぎの、三話目の表紙なのです。
二話があって、次の話はどうかと思って開いたら、どかんとツネタがでっかく出てきたもんですから、それで、この野郎!出やがったな!という気持ちが抑えきれずに、がりがりにひっかいたらしいのです。
その憎しみが、かえってそこなっているというか……自分の世界を持つウーフのつよさ、しなやかさ、やわらかいすてきなところをもっと思い出して欲しいのに………。
ここまでしても、破れなかったこの本の装丁はほんとにすごいなと思いました。
◇
そう思いながらも、ここまでこの本が、子どもたちの心をとらえて離さないのは、やっぱりツネタの存在がものすごく本質を突いているというか、痛いところに刺さるからではないか、と思いました。
ありのままの子どもの真実を、えぐるほどするどく、描き出しているからではないでしょうか。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ゆうじが模型飛行機を飛ばしていると、きつねがやってきて「そらいろのたね」と模型飛行機を交換することになりました。そらいろのたねを植えて水をやると、なんと空色の家が生えてきたではありませんか! 空色の家はみるみるうちに大きくなり、たくさんの動物や鳥や子どもたちの楽しい遊び場になります。しかし再びやってきたきつねが、みんなを追い出して空色の家を独り占めしてしまいます。きつねが家にはいると、空色の家はさらに大きくなって……。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
カムは、湖のそばにたち、金のユビワを北にむかって、三ど大きくふりました。かあさんのびょうきをなおすイノチノクサをもとめて、火の山にすむ大オニ・ガムリイと対決するカム。リズム感あふれる文章でつづる、スケールの大きなファンタジー。(「BOOK」データベースより)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
たまごを焼くのが大好きなふらいぱんじいさん。新しい目玉焼きなべがきて、たまごを焼かせてもらえなくなってしまいます。そこで、ふらいぱんじいさんは旅に出ることにしました。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
よみがえったトナカイの首領はやてを追って、たかしとゆうこの旅は始まった。人はなぜ、他の生きものの命を奪わなければ生きられないのだろう。重たい問いを抱きながらふたりは、動物たちの国の壮絶な戦いに立ち会う。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
たつくんは、ひとりでパンツがはけないんだよ。片足をあげると、どでん!と転んでしまう。「えい、パンツなんかはかないや。」
「プロジェクト・グーテンベルク」
http://www.gutenberg.org/ebooks/author/492
◆プロジェクト・グーテンベルクについて
☞Wikiの説明ページ
プロジェクト・グーテンベルク(Project Gutenberg、略称PG)は、著者の死後一定期間が経過し、(アメリカ著作権法下で)著作権の切れた名作などの全文を電子化して、インターネット上で公開するという計画。1971年創始であり、最も歴史ある電子図書館。
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大人が読む児童書「くまの子ウーフ」1 反応が鈍くてトロいからって、傷付いていないわけじゃない
今日、ご紹介するのは児童書です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
「くまの子ウーフ」の物語は、1969年の刊行以来、小学校の教科書をはじめ、さまざまな形で読み継がれてきたロングセラーです。卵を割ると、必ず卵が出てくることに感心し、自分が何でできているか真剣に考えるウーフ。子どもたちはウーフとともに考え、発見の喜びに目を輝かせてきました。また、命のふしぎと生きることの本質をあざやかに描いた物語は、幅広い層の読者の共感を集めてきました。時代を経てますます輝きを増すウーフの世界をたっぷり味わえる「くまの子ウーフの童話集」を、コンパクトなサイズにリニューアルしてお届けします。
しんみりしたお話が続いたので、ちょっと面白い本を紹介したいです。
やはり、「笑わせる本」というのはすごく貴重です。
読んだらニコニコするようなもの。
ハラハラ・ワクワクは設定でも何とかなりますが、笑わせる!
これは本当に難しい。
こうして色々読んでもらっても、妹子も兄助も、お友達たちも、みんな好みが違っています。
本当に子供ってそれぞれだなあ!と思うのですが、それでも、
「全員が面白いと言う」
という本があるので、それこそ本当に、名作だと思います。
妹子「くまの子ウーフは?」
わたし「一度、ちょこっとだけ......」
妹子「なんで?なんで?なんでくまの子ウーフやらないの?ありえなくない!?」
わたし「だって教科書で出てるし~~」
妹子も兄助も、本当に「くまの子ウーフ」が大好きです。
◇
ウーフの本を取り出してみると、
妹子「あっ!お兄ちゃん、すごい大きく名前書いちゃってる。これじゃ、この本、写真撮れないじゃん」
わたし「この本、兄助は大好きだったからね」
妹子「いやいやえんみたいじゃん」
ずっと昔に見つけた、ネット上に残っている「いやいやえん」のレビューを、妹子は未だに覚えています。
「煮ても焼いても食えないこ憎たらしいクソガキ」には、腹を抱えて笑わせてもらいました。
この書評を書かれた方は、兄助と妹子と同じく、兄と妹だったようなので、壮絶な奪い合い、争奪戦がとてもリアルに面白く感じたようです。
◇
さて、「くまのこウーフ」。
レビューを書こうと思って読み返してみましたけど、この独特な、なんとも言えないゆったりとした雰囲気は、やっぱり読んでみないとわからないなと思いました。
言葉で説明するのが難しいです。
そもそも第1話目の題名が「さかなにはなぜしたがない」
なんて不思議!
子供しか思いつかない疑問です。
多くの児童書や絵本、少年漫画の主人公は、元気でやんちゃな、いわゆる「子どもたちが投影しやすいタイプ」になっていることが多いのですが、ウーフは本当におっとりして、動きも緩慢で、いつも何か空想していて、ワンテンポ遅いです。
◇
寝転んでいたウーフ、木を見上げて、木っていいなあ、木になりたいなと思います。
でも、ウーフの空想はふらふら次から次へと揺れ動きます。
すぐに、みつがなめられるなら、ミツバチがいいかなと思って、ミツバチを追いかけて、川に入って……。
川でさかなを見て、さかなっていいなあと思います。
この、脈絡のない空想と行動の一連の中でも、ウーフはとめどなく何かを考えています。
行動は、その空想が外環へ向かって発露したものであり、何の矛盾もありません。
木を見て、ミツバチを見て、ミツバチが飛んで行ってしまったので、お魚です。
木っていいな木になりたいな
ミツバチがいいかな
魚っていいな、魚になりたいな
絵がたまらなく可愛いです。
転んだりパシャパシャやったりしていたウーフ、フナに話しかけられました。
何となく、意地悪な気配がします。
◇
昔は、どうしてこのフナは、ウーフにこんなに意地悪なんだ?💢と思ってましたけど、魚は熊に食べられちゃうから、警戒していたのですね。
明らかに悪意をもって、からかっています。
毛皮を脱げとか、目を開けたまま水の中で寝ろとか、舌を引っこ抜くぞとか、おとなしくて素直な、おっとりとしたウーフには、酷な体験です。
もうこりごりだとウーフが逃げ出すと、
「これに懲りたらもう魚様を捕まえるなよ!」と呼びかける。
ウーフは、ちょっとトロいぶん、悪意に対してもトロいです。
反応が鈍いというか、そう簡単にカンカンになったり、メソメソしたりしないんです。
ふんわりと受け止めて、ボヨンと跳ね返すようなところがあります。
でも、傷付いていないわけじゃない。
魚の意地悪はウーフをひどいめに遭わせたので、逃げ帰ってお母さんに訴えます。
あたたかく包んで抱っこしてくれるお母さん。
落ち着いて優しく説明してくれます。
なぜ、さかなには、したがないのか。
それでウーフは安心して、
「よかったこぐまで。こうしてお母さんに抱っこすることもできる」
ななな、なんて可愛いんだ~~~!
本当に愛らしくて、胸がキュンとなります。
と、いうわけで、ちょっと珍しいおっとりとタイプのくまの子ウーフです。
もちろん教科書に載っている影響もありますが、子供たちには本当に絶大な人気です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
元気だけど、わがままできかんぼうの保育園児のしげるが主人公の童話集。しげるたちが積み木でつくった船でクジラをとりにでかけるお話や、山のぼりで山の果物を食べすぎてしまうお話、赤いバケツをもって保育園にやってきた小ぐまの話など、全部で7つのお話がはいっています。表題作『いやいやえん』では、なんでもいやだ、いやだと駄々をこねるしげるが、「いやいやえん」に連れてこられます。「いやいやえん」とはいったどんな園なのでしょうか?
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カムは、湖のそばにたち、金のユビワを北にむかって、三ど大きくふりました。かあさんのびょうきをなおすイノチノクサをもとめて、火の山にすむ大オニ・ガムリイと対決するカム。リズム感あふれる文章でつづる、スケールの大きなファンタジー。(「BOOK」データベースより)
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たまごを焼くのが大好きなふらいぱんじいさん。新しい目玉焼きなべがきて、たまごを焼かせてもらえなくなってしまいます。そこで、ふらいぱんじいさんは旅に出ることにしました。
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よみがえったトナカイの首領はやてを追って、たかしとゆうこの旅は始まった。人はなぜ、他の生きものの命を奪わなければ生きられないのだろう。重たい問いを抱きながらふたりは、動物たちの国の壮絶な戦いに立ち会う。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
たつくんは、ひとりでパンツがはけないんだよ。片足をあげると、どでん!と転んでしまう。「えい、パンツなんかはかないや。」
「プロジェクト・グーテンベルク」
http://www.gutenberg.org/ebooks/author/492
◆プロジェクト・グーテンベルクについて
☞Wikiの説明ページ
プロジェクト・グーテンベルク(Project Gutenberg、略称PG)は、著者の死後一定期間が経過し、(アメリカ著作権法下で)著作権の切れた名作などの全文を電子化して、インターネット上で公開するという計画。1971年創始であり、最も歴史ある電子図書館。
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