~珠玉の児童書~

~珠玉の児童書の世界~

学校で塾で、読解力を身に付けるには本を読め、と言われる。ではいったい、どの本を読めばいいのか?日本が、世界が誇る珠玉の児童書の数々をご紹介。

今日の一冊「ともしびをかかげて」

今日、ご紹介するのは児童書です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

ともしびをかかげて〈上〉

ローズマリ サトクリフ (著), チャールズ・キーピング (イラスト), 猪熊 葉子 (翻訳)

衰退したローマ帝国は、450年にわたるブリテン島支配に終止符をうつ。地方軍団の指揮官アクイラは、悩んだ末に軍を脱走し、故郷のブリテン島にとどまることを決意したが…。意志を貫いて生きることの厳しさ、美しさを描く。中学生以上。(「BOOK」データベースより)

 

 

これはお恥ずかしながら、 ずーーっと読んだことがなくて、最近になってやっと読みました。
おとなでも読み応えのある、すばらしい作品でした!


現代の大人向け小説の中でも、ここまで重厚で、歴史の中で動く人の運命と、そして生きることの意味を、これほどしっかりと扱っている作品はない気がします。

 

ものによっては、「小学校三、四年生」と書かれていたりします。
Amazonのおすすめでは中学生以上になっていました(^-^;
わたしも、中学生以上かな?と思います。

 

これを小学校三、四年生で読破したら(出来る子ももちろん、いるとは思いますが)相当のものです。

 

忙しくても図書館に行っといて良かったです。

サトクリフに再挑戦。
子供のころ、シリーズのひとつは読み終わり、苦戦したけど面白かった記憶はある…ような…気がするのだけど、記憶にない…。

絶対にもう一度読んでやるぞと幾星霜
修行をこなして宿命の敵に向かう気分でいざ勝負!です。
(そこまで!?)

 

妹フラビアがとても可愛いですが、それなりに知っているので暗澹となります。
いきなり政治情勢の話がリアルすぎ複雑すぎて厳しい(これ中高生向きなの…)

そして
ん~!?

王子アンブロシアスは、アーサー王のおじさんよね?🤔
サラッと書かれてるウタって、ユーサー・ペンドラゴン(アーサーの父)のこと?🤔

 

 

岐路に立たされたとき、どちらかを選ばねばならなくなったとき、ひとりで決断してどう行動するのか、その覚悟と結果を描いています。

帰属していた組織を抜け、慣れ親しんだ家族が壊れるとき…。
特に家族の破壊の傷は大きく、最後まで引きずります。
アクイラの模索、苦悩。

青年のほぼ半生を描きながら、許すこと、許されることの意味にまで踏み込むとは。

大人が読むべき作品です。
児童文学の棚だけに置いておくのはもったいない!

 

 

whichbook.hatenablog.com

 

子どもの本だな【広告】

青い月の石 真夜中のパーティー 新訳 赤毛のアン
14ひきのあさごはん てぶくろ もりのなか
十五少年漂流記 ながい夏休み スーホの白い馬 かたあしだちょうのエルフ

 

にほんブログ村 本ブログ 絵本・児童書へ
にほんブログ村


児童文学ランキング

 

本屋さんでおばあさまに話しかけられました(雑談)

とりあえずと言っていいのでしょうか。
緊急事態宣言が解除されました。
\(^o^)/
とは手放しで喜べないのですが…。

 

子供はいま、鬼滅の刃にハマっているので、「それほど売り切れと評判の20巻が置いてあるのかどうか見て見たい」と言います。
(うちは買ったので持っています)

 

本屋ウォッチのために、さっそく、あいている本屋さんに子供を連れて行ってみました。

 

子どもは鬼滅の刃をチェックした後は、女子のコミックスの棚に移動し、わたしは隣接した児童書の棚を見ていました。

 

すると、通りかかったおばあさまが、うちの子をじーーっと見ています。 
そして話しかけられていました。

 

「あなた、何年生?」

(!?)

「小学生高学年の女の子って、今どんな本を読むかしらね?教えてくれない?わたし、ぜんぜん、わからなくて...」

 

子どもは固まって答えられずにいましたので、おばあさまは「いいのよ、ごめんね」と言って去ろうとされてしまいました。

 

思わず、呼び止めてしまいました。

しかし、呼び止めてみたはいいものの、私も頭が回りません…。

 

「こ、こ…こんなのはいかがでしょうか?」

 

 

映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ (角川つばさ文庫)

サンエックス (原著), 角田 貴志(ヨーロッパ企画) (著), 芳野 詩子 (著)

喫茶すみっコにいたすみっコたちは、ボロボロのとびだす絵本に吸いこまれ、たどり着いたのは物語の中!?そこで出会ったのは、ひとりぼっちの「ひよこ?」。

 

すみっコぐらしのノベライズです。

「すみっコぐらし!好きよ、あの子!持ってる!」 

いい感じです。
お孫さん、映画は見たようですがノベライズは持っていないようで、手に取ってくれました。

 

ノベライズならこちらもだ。

 

 

 

アナと雪の女王2 (小学館ジュニア文庫)

デイヴィッド ブレイズ (著), 代田 亜香子 (翻訳)

待望の映画『アナと雪の女王2』の完全ノベライズ!エルサの魔法の力にかくされた秘密とは----?ジュニア文庫だけのオリジナルシール&ミニポスターつき♪

 

「ああ、これも好きねーあの子!!」

ノベライズばかりではどうなんだろう!?
えーと、えーと…。

 

 

 

誕生日のおひろめドレス (王女さまのお手紙つき)

ポーラ・ハリソン (著), ajico (イラスト),

中島万璃 (イラスト), チーム151E☆ (その他)

 

これはいかにも最近の子が好きそうです!!(超偏見)

すると、うちの子が「それ、友達が何人も読んでるよ!」と言ってくれました。
ナイスです。
しかし、ちょっと年齢層が低めな気がする…。

 

ええい、売れ筋の銭天堂だっ!
これなら間違いはあるまい!

 

 

ふしぎ駄菓子屋 銭天堂

廣嶋 玲子 (著)

ふしぎな駄菓子屋で売っているふしぎな駄菓子が持つパワーとは?女主人紅子が、きょうもお客さんの運命を駄菓子で翻弄する。

 

「ありがとう、見て見るわ」
買われたのかどうかは確認できませんでしたが、私として精いっぱいの、ものすごく今どきのチョイスをしたつもりです。

 

ああ、楽しかった…。

 

帰り際に子どもからきかれました。

「どうしてブログで紹介してるような本にしなかったの?」
「だめかな?」
「いや、みんな読んでるしすっごく面白いよ!!って言ってるのだから、いいと思うけど、ママはちがうのを選ぶかと思った」
「いや~、ははは…」

 

名作系がその時、ちょっと棚に見当たらなかったといいうのもあります。
せめて、つばさ文庫の名作シリーズがあれば…。

 

と思いながらも…。

こちらのブログでおすすめしているような本を、喜んで手に取って読んでくれるかどうか、というのはやはり、お子さんのキャラによるのです。

 

全員が全員、絶対喜んでくれるというわけではないんです。
地味そうだし、古っぽい感じです。

 

そこで、でも「普段から本が好きで、あれこれと手を出しているお子さん」はやっぱり、そこで「…?」と興味を持ってくれるんです。

 

今まで、手に取らなかったタイプの本だぞ、どんなものだろう…と。
そして、これは本当に面白い、私がおすすめするのは間違いない、と言ってくれます。

 

こういうお子さんが、読みきかせボランティアの原動力のすべてです。
何よりの励みです。

 

あの時の本、をいつまでも覚えていてくれて、あれが好きだった、面白かったと名前を上げて言ってくれるとき。
あのとき紹介してくれたおかげで本が好きになりました、と言ってくれるときです。
何よりも嬉しいことばです。

 

今回は本ずきなお子さんかどうか確認できませんでしたし…。

 

私がこのブログでおすすめする本というのは、

「今どきのお子さんが喜びそうな本10冊」に、「プラスαでこそっと一冊」

のバランスが一番よい本、なのでした。

 

お子さんが欲しいという本こそ、買ってあげて欲しいなと思います。

コミックスは20冊。
今どきの本を10冊。
そして、ここのブログでおすすめしているような本を1冊。

 

量は決して悪いことではありません!
読めば読むほど、物語の奥深さにどんどんハマっていきますし、そうすればするほど、少しずつ物足りなくなってくるものです。

 

もっと面白いものを、もっと…となった時に、「何度も繰り返して読める本」「かめばかむほど味が出る本」「いつまでも残る本」の差に気付いてくれはじめます。

 

とにかく活字を!
活字に慣れてもらいたいな、とやっぱり、結論はそこに戻ってきてしまいますが、子どもたちに文章のすばらしさをなんとかして、少しでも届けたいな…と、思います。

 

今日は本当に楽しかったです。
おばあさまに感謝です。

 

こういうことを、したいんだ…。と改めて思いました。
本屋をうろついていて、どの本がいいかしらね?と毎日、聞かれたいです。

 

 

 

 

whichbook.hatenablog.com

 

子どもの本だな【広告】

ぜったいたべないからね アラビアン・ナイト〈上〉 ちいさいモモちゃん ルウのおうち
あのころはフリードリヒがいた いないいないばあや ハンカチの上の花畑
ぐるんぱのようちえん かにむかし はれときどきぶた

 

にほんブログ村 本ブログ 絵本・児童書へ
にほんブログ村


児童文学ランキング

 

今日の一冊「コッペパンはきつねいろ」

今日、ご紹介するのは児童書です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

コッペパンはきつねいろ

松谷 みよ子 (著), 山中 冬児 (イラスト)

高原の山小屋に住んでいるノンちゃんは、子ギツネのコンとしりあいになり、森の動物たちの<ダケカンバの祭り>にもぐりこみます。

 

「モモちゃん」シリーズを書いた、松谷みよ子さんの「幼児用の児童書」です。

 

こうして見ていると、昭和時代には実に数多くの「幼児用児童書」が作られていました。

モモちゃんシリーズも、もちろんそうですが、「ももいろのきりん」「ぼくは王さま」「ふらいぱんじいさん」のように…。

 

「おしいれのぼうけん」を幼保で読みきかせをよくしますが、このあたりの「物語への入り口」を皮切りとして、このようなすぐれた「本型の児童書」に少しずつ慣れていってもらう。

 

絵の方がずっと少なく、内容も多岐にわたっていて、①牧歌的でもあり、②冒険的でもある、③ことばが美しく、④ワクワクする非常にすぐれた「本」です。

 

幼児用絵本 → 幼児用児童書 → 児童書 → 本

 

すぐれた名作による導きがたくさん、張り巡らされています。

 

 

さて「コッペパンはきつねいろ」ノンちゃんとこぎつねコンの、たいへん可愛らしい友情のお話なのですが、コッペパンも美味しそうですが、はちみつをかけ、バターのとけかけた黄金色のホットケーキがあちこちに出てきます!(文字で)

 

そろそろホットケーキミックスも店に戻ってくる頃でしょうか?
昨日はまだ売り切れでした。

 

ふかふかの、湯気の立つおいしそうなホットケーキ…。
かわいいこぎつねコンと、勇敢でおてんばなノンちゃんとのワクワクするお話です。
地味につながりながらも、基本は一話完結方式ですので、お子さんは読みやすいはずです。

逆に本になれた小学生頃のお子さんにも、ふりかえりで読んでもらうととてもハマってくれます。

 

なにしろ、こぎつねのコンが可愛くて色が美味しそう(あっ…)なのです。

 

 

whichbook.hatenablog.com

 

子どもの本だな【広告】

不思議の国のアリス おとうさんの庭 ムーミン谷の冬
魔女ファミリー くまのパディントン おしいれのぼうけん
闇の左手 いないいないばあや サムのおしごと

 

にほんブログ村 本ブログ 絵本・児童書へ
にほんブログ村


児童文学ランキング

 

今日の一冊「魔女のひつぎ」

今日、ご紹介するのは児童書です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

魔女のひつぎ (講談社 青い鳥文庫 Kシリーズ)

ゴーゴリ (著), 佐竹 美保 (イラスト), 那須 辰造 (翻訳)

「魔女のひつぎ」「白い服の女」「へび女ののろい」など、おそろしい幽霊の話、しみじみとしたロマンチックな話の数々8話を収録。世界中の怪談・奇談を紹介する。「MARC」データベースより)

 

他にたくさん、名作の小説がいっぱいあるのに、今日は唐突にホラーを紹介してみたくなりました。

超お気に入りのホラー本です。

 

冒頭にはこのような紹介文がついています。

夜の闇には悪意がひそんでいる。魔女が長いつめを光らせ、幽霊たちがうろつきまわる。へびにすがたをかえておそいかかるのろいの女もいる。だが、すがたが見えるものはまだいい。見えない悪魔が人を地獄へとさそいこむ。だから、背なかでいやな風を感じてもふりかえってはいけない。

 

古今東西の世界のさまざまなホラーを集めていますが、いちばん最初にゴーゴリの「魔女のひつぎ」という作品が乗っていました。

それで、「おっ?」と思って、(すでにおとなでしたが)自分のために購入した作品です。

 

さて持ち帰り読んでみれば...。
その怖いこと怖いこと!!

 

さすがゴーゴリ
世界で評価されている人の描くホラーはちょっと怖さも突き抜けています。

その怖さを彩るのがじつに上手な文章と描写です。
文章が美しいので、怖さも5割増しぐらいのマシマシになってそれはそれは怖いです。

 

ニコライ・ゴーゴリは「世界文学全集」などに名前が載るロシアの文豪です。ドフトエフスキ―に影響を与えたと書かれています。wikiに)

「死せる魂」「検察官」などが有名で、「検察官」はロシアのドタバタコメディです。
しかし鋭く社会風刺をきかせていて、げらげら笑いながらもあなどれないぞ!と思う、そんな作品でとても好きでした。

 

風刺をきかせるのがうまいゴーゴリらしく、主人公はろくでもないパリピヤンキーの学生です。何と神学校の生徒です。
がらがら声の大騒ぎ、盗み、ケンカ、大騒ぎ、ろくでもなさがすごくリアルに描かれます。

 

キエフの神学校から騒ぎつつ、休暇に家に帰るのですが...。
途中で発見した一軒家のおばあさんに嫌な顔をされながらなんとか泊めてもらいます。
おばあさんも神学校の生徒のヤンチャさをよく知っているようです。

 

夜にギーッととびらが開いて、泊めてもらった学生のひとり、プルートの部屋におばあさんが入ってきます...。
ぎらぎら目を光らせ、ひとことも口をききません。腰をかがめ、手を開いて...。

 

怖いのは、この不良学生の恐ろしい体験と運命の話の合間合間に、「美」が絶妙にはさみこまれているところです。

 

細い月が照らす広い野原、真っ黒な森、すきとおった水がどこまでも広がる湖水、わかい、この世のものとは思われない美しい女の人...。

 

この美しさと、相反して腰を抜かしてしまいそうな怖さとがダブルで襲ってきて、ちびりそうなぐらい怖いです。

 

ロシアの魔女のお話なのですが、絵本で慣れ親しんだババ・ヤガーや魔女たちよりも、数割増しでリアルっぽく本気で怖いです。

 

他の作品も選書が非常に良いです!

怖さはこの最初にあるゴーゴリの「魔女のひつぎ」がトップですが、しっとりとした不思議な作品あり、日本の蛇女伝説ありですばらしいです。

 

 

実はこの本は絶版のようで、e-honなどで検索してみても「現在お取り扱いがありません」になってしまいます。
そして、何とAmazonでは古本で2500円もの値段がついています!

レビューもないのに、どうしてこんな値段なのか不思議ですが、私はこのお値段は妥当と思います。

 

ホラーものは子どもたちに絶大な人気を誇りますが、そんな子どもに「これは一味も二味も違うぞ!」というのを見せてやりたい、という時に本気でおすすめしたい本です。

 

 

www.e-hon.ne.jp

 

 

 

子どもたちに人気のちょい怖の売れ筋本、銭天堂です。

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ふしぎ駄菓子屋 銭天堂

廣嶋 玲子 (著)

ふしぎな駄菓子屋で売っているふしぎな駄菓子が持つパワーとは?女主人紅子が、きょうもお客さんの運命を駄菓子で翻弄する。

 

  

 

whichbook.hatenablog.com

 

子どもの本だな【広告】

おしいれのぼうけん 太平のカメ日記 ナルニア国全7冊セット
小川未明童話集 ふしぎなオルガン よるくま
からすのパンやさん ともだちは海のにおい シャーロットのおくりもの

 

にほんブログ村 本ブログ 絵本・児童書へ
にほんブログ村


児童文学ランキング

 

今日の一冊「くいしんぼうのあおむしくん」~エヴァンゲリオンが言いたかったこと

今日、ご紹介するのは絵本です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 *この記事は「くいしんぼうのあおむしくん」及び「エヴァンゲリオン」のネタバレを含みます。

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

くいしんぼうのあおむしくん

槇 ひろし (著), 前川 欣三 (イラスト)

ある日まさおの帽子についていたのは、何でも食べる青虫くん。最初は紙屑やごみを食べていたのですが、それだけでは足らず、家や船、まさおのパパやママ、町や国まで飲み込んでしまい、ついにはまさおのことまで食べてしまいます。ところが、青虫くんのおなかの中で、まさおが見たものは……。著者が絵画教室の子どもたちに語っていたお話の中から生まれた、奇想天外な絵本。

 

あおむしくんはあおむしくんでも、もう今更言及するまでもないほど有名な「はらぺこあおむし」ではなくて、むかしこどものともで発表された「くいしんぼうのあおむしくん」の復刻版です。

 

これは傑作ですので、復刻されていたことが嬉しいです!

説明にもありますが、まさに奇想天外な絵本です。

奇想天外な上に、ちょっとこわいです。
だがこわすぎない...。ユーモラスさとの絶妙のバランスです。

 

最初のページがこんな感じです。

f:id:WhichBook:20200525085044j:plain

おや?
これは なんだろう。

最初のページからして、子どもは興味を惹きつけられます。 

 

ぼうしとあおぞらが一体になったかのような...。
穴?

これが、あおむしくんです!

 

そらと おなじいろをした へんなむしが、まさおの ぼうしを たべていました。

 

まさおくんに対してむしは、自分で自己紹介をしますが、割とフレンドリーでいつも「ごめんね...」と謝っています。

くいしんぼうのむしでした。 
まさおくん、家に連れ帰って飼うことにしたのですが、とにかく、くいしんぼうです。
なんでもペロリです。

 

まさおの おやつの ぱんも ちょこれえとも みんな ぺろり! おまけに かみくずまでたべて、まだ
「おなかが すいたよう!」と うるさいのです。

 

あおむしはどんどん育ち、食欲もエスカレートしていきます。
おもちゃも絵本も食べてしまい、まさおくんも叱ります。
あおむしくん、いつもすごく反省してすまなさそうな顔をしています。

 

とうとうパパとママにも怒られてしまいました。
捨ててこいと言われて、涙を流すあおむしくん。

 

まさおくんは、あおむしくんの食欲を有効利用するプランを立てます。
街じゅうのゴミをたべさせ、街はきれいになりました。

 

ところが、あおむしくんの食欲はおさまりません…。
でも、こわい感じではないです。
あおむしくん、実に子供らしい感じです。

 

「おなかがすいたよう。しにそうだよう」と あおむしくんは、だだを こねはじめました。

 

まさおくん、明日は別の町に連れて行ってやる、となだめるのですが、次の日の朝、起きてみると…!?

 

街がなくなっています!
あおむしくんが食べてしまいました。パパとママごと。

 

まさおくんだけはともだちだから食べなかった、と言います。
ちょっと背筋が冷える展開です。
まさおくん、砂漠みたいな場所でふとんを敷いて寝ていました。(あとは食べられたので)
ものすごくシュールです。

しかし、まさおくんが怒ると、あおむしくんは「ごめんね、ごめんね」と言いながら泣き出すのです。
なんだか顔も可愛いし...。
これは...

 

わがままを抑えきれない子供...?
自分の欲求を抑えきれない...。
自我の肥大...。

 

そんな風に連想します。(おとななので)

 

さて、まさおくんとあおむしくんは旅に出ます。
あおむしくん、あらゆるものを食べながら進みます。

森を食べて山ははげあたまになりながら、街があれば街をたべながらすすみます。

 

まさおくんは「やめろ!やめろ!」と止めますが、あおむしくんは「たべはじめるとなんにもわからなく」なってしまいます。

我に返ってから、しかられたことにはべそをかきます。

 

海に入れば船をたべ、工場をたべ...
ちょっと面白いことに、環境破壊を憂う団体のようなものに歓迎されるのですが、もちろんあおむしくんは…、という展開です。

 

最後がすごいです。

もう なんにも ありません。

 

からっぽの大地です。
もうどうすりゃいいのかわからないディストピア感はんぱないです。

 

こんな展開に放り込まれていったいどうオチをつけるつもりなのか、読んでるこっちもわかりません。

ひとりぼっちになったまさおくん、パパとママをかえせ(いまさらです)、とあおむしくんを泣いてなじります。

涙をため、あやまるあおむしくん...、なんとあおむしくん...。

 

まさおくんまで飲んじまいました!

 

(まっくらやみに落ちていくまさおくん、しかし悲壮感はなくてなんとなくちょっと笑った感じでユーモラスです)

 

あおむしくんのおなかの中には...。
あおむしくんがのみこんだ世界のすべてが広がっていました。

 

だから、そらはあおむしくんいいろ、あおくすきとおったおなかのなかのいろなのです。

 

こどものとも」は、もうお話が終了したさいごのページによく、「後日譚」的なことばのない絵のひとこまが書いてあり、今回は普通にパパとママと食卓にすわるまさおくんで終わっています。

 

絶望の果ての、まるで夢オチのようでもあり、そうでもないようでもあり…。

こんなシュールな展開、奇想天外な裏をかくストーリー、だれも思いつきません。

 

今回、「相変わらず強烈だな~」と思いながら読み返していて、 なんとなくエヴァンゲリオンを連想しました。

 

 

 

 

 

(ここから先は、エヴァンゲリオンを見たことがないかたにはどうでもいいお話です!)

 

エヴァンゲリオンの考察でよく言われるのが、「肥大化する自我」というキーワードです。

 

ヤマアラシのジレンマ」を引用しながら、ATフィールドで表現される他人と自分を分け隔てる壁と、侵入して来ようとする使徒との争いの果てに、TV版のラストでは...(作るのが間に合わなかったからのようですが...)線画になって世界は崩壊し、主人公のシンジくんは「ぼくはここにいていいんだ」と受け入れられたことをやっと実感して終わります。
映画版では世界はすべてとけてしまい、「LCLの海」とやらになっていました。

 

肥大化する自我...。
あおむしくんの止められない食欲とわがままは、幼児のもつそれであると考えられます。
それは世界をのみこむほど大きく、反省もするし涙も流すけど、衝動は制御できなく(こどもなので)とめようとしてもとめられない。

ついには自分すら飲み込んでしまう...。
しかし、極限までわがままをばくはつさせた果てに、一種の生まれ変わりを体験し、死と再生を経てひとつ成長する...。

 

この絵本、エヴァンゲリオンがあれだけのシリーズをかけて表現したかったことが、わずか30ページの中に完璧につめこまれている、と思います。

 

 なんだか自分でも言ってることがよくわからなくなってきましたが、とにかく「くいしんぼうのあおむしくん」はスケールが大きいにもかかわらず、完璧にまとまっていてオチもきちんとつけている。
笑えるし怖すぎない。
子どもも夢中になって読む。
それはそれはすごい話なのです。

 

 

 

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

はらぺこあおむしの「英語でもよめる」バージョンです。

 

英語でもよめるはらぺこあおむし

エリック カール (著), Eric Carle (原著), もり ひさし (翻訳)

 

 

 

 

 

 

whichbook.hatenablog.com

 

子どもの本だな【広告】

強くしなやかなこころを育てる! こども孫子の兵法 世界むかし話集7インド・中近東編 がんばれヘンリーくん
ジェイン・エア(上) ハンカチの上の花畑 世界むかし話集2ドイツ・スイス編
少女イス 地下の国へ たのしい川べ 魔女ファミリー

 

にほんブログ村 本ブログ 絵本・児童書へ
にほんブログ村


児童文学ランキング

 

今日の一冊「太平のカメ日記」

今日、ご紹介するのは児童書です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

太平のカメ日記

別司 芳子 (著), 岡本 順 (イラスト)

太平は、生き物係の春菜ちゃんが見つけてきた三本足のカメを家で飼うことになり、ブログで観察日記をつけはじめる。ある日、ブログに「なおリン」という女の子からのコメントがきていた。太平はブログを通して、カメのことにとても詳しい「なおリン」と仲良くなるが…。(「BOOK」データベースより)

 

 

子どもたちが熱心に読み、好きな本です。

 

これは読書感想文の推薦図書で子供が自分で選んだ作品でした。
推薦図書で名前を見た 本も、最近は一年も経たずに 見かけなくなってしまいます。

 

これは大人向けの小説の大賞作品もそうなのですが、読書人口の減少とともに、文庫や小説のエリアはどんどん縮小され、小さくなって行っています。

それでも本屋さんは置き続けてくれています。
ああ良い本だなと思ったら、発売されてからかなり経つのに本屋さんの棚の中に見かけます。
これは本当に嬉しいことです。

 

 

このカメ日記は大人よりも 子供にわかる本かもしれません。
子供たち、どの子も熱心に読んでくれますし、よかったよかったと口をそろえて言ってくれます。
(「...」という子ももちろんいるのですが💦)

 

大人が読むと、ちょっとドキッとするような箇所がたくさんあります。

 


太平はひょんなことから、1本脚のないカメを飼うことになり、テンションをあげるために飼育日記をブログではじめます。

ブログって言ったら今は古いって言われちゃうのかなあ?
でも、そんなこと置いておいても、よい作品です。

 

周囲の子どもたちの描写がこまやかです。
あこがれの子、微妙なヤツ、さまざまですがこれは教室の中の出来事だな、と思います。子どもを知っている人が書いた本です。

 

さてそのブログにコメントを残してくれた元気な「なおリン」
どんな女の子だろう?と太平がワクワク想像したのとは全く違っていて、、なおリンちゃんは見た目も少し「普通」とは違うダウン症のお子さんでした。

 

さらに、なおリンの妹ちゃんは、太平のクラスメイトの女の子だったのですが…。妹の実花ちゃんは、お姉ちゃんのことを知られたくなかったのです。

見た目が少し普通とちがうお姉ちゃんを持つ妹さんの苦しい叫び、「おねえちゃんが生まれつきの変人だからだよ!」ということばが目に…耳に、刺さります。

 

こちらはどんどん、どきどきしてきます。


特に子ども向けの推薦図書で、マイノリティやポリコレに配慮した作品はたくさんあります。
それは決して悪いことではなくて、子どもたちにこそ伝えなければならない大切なことなのです。

 

人は異質なものを許さない、という原則があって、調和を乱すものを無意識的に排除しようとする傾向は子どもの方が強いです。
だからこそ子どもに伝えようとする努力は大切なのですが…。
押しつけがましくなると一気に嘘っぽくなってしまう。


ダウン症…障がい…?

 

こうして筋立てだけ並べてみると、この本も差別に対する啓発を書いているのではと思われるかもしれませんが、そういうことではなくて、世の中にはいろんな人がいて、いろんな考え方があって、成長もまたひとそれぞれ、ということを実に自然に伝えています。

 

太平のカメは一本足がありませんが、成長にしたがって段差を乗り越えることもできるようになります。

 

知識で「そういう人がいる、差別されている」と習うよりも「なおリンという女の子」のことを知るほうが、ずっと多くのことを子どもに伝えることが出来るのだと思います。

 

そして、まったくそんなおとなの思惑や配慮関係なく、太平の気持ちに入って楽しんで読んでくれる子どもたちのためにある本なので、大人もこの本をすすめてあげて欲しいな~、と思います。

 

 

 

whichbook.hatenablog.com

 

子どもの本だな【広告】

おまたせクッキー ナルニア国全7冊セット 五月三十五日
おかあさんは魔女 かえりみち 名前を見てちょうだい
長い長いお医者さんの話 こども論語 若草物語

 

にほんブログ村 本ブログ 絵本・児童書へ
にほんブログ村


児童文学ランキング

 

今日の一冊「しごとをとりかえたおやじさん」とバター撹拌機

今日、ご紹介するのは絵本です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

子どもがどうぶつの森をやっていた時、 アイテムを手に入れました。

 

こ...これは、
こどものともで読んだ
「しごとをとりかえたおやじさん」が使っていた
あこがれの

バター撹拌器!

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

しごとをとりかえたおやじさん

山越一夫 (著), 山崎英介 (イラスト)

いつもおかみさんのやりかたが気に入らないと、怒っているおやじさんがいました。ある日、あまりにも文句を言うおやじさんに、おやおかみさんが、お互いの仕事を取り替えようとします。

 

2011年に、「こどものともセレクション2011」が発売されました。

名作ぞろいの絵本です。

その中に、「しごとをとりかえたおやじさん」がセレクトされていました!

 

このお話、ノルウェーの昔話がもとになっているそうで、「仕事を取り替える」というのは昔話で割と見かけるモチーフです。
男は男!女は女!というのが保守的な伝統かというと、まったくそんなことはなく、割とおおらかだったことがうかがえます。

 

さらに、「仕事から帰ってきて、家の中のちらかり具合にダメ出しするだんなさんに切れる子育て中の奧さん」というのは、 今はやりのエッセイ漫画でも非常に非常に非常~~~~によく見かけます。

どうやら今も昔も変わらない光景のようです。 

 

文句があるならてめぇでやってみろ

 

...という、この絵本のテーマ自体はそれほど珍しいものではないのですが、この絵本のは展開も面白いですがとにかく、絵がじつにユーモラスです!

まず、表紙からしておやじさんの顔がいかにもへんくつじじです。

 

 

だんなさんが文句をつける奧さんの家事といえば、こうです。

f:id:WhichBook:20200522231101j:plain

すばらしい食卓です!!!
こんなお料理、食べてみたい!!!


さて、しごとをとりかえることになったおやじさん、上機嫌なのですが。
まずすることと言えば、バターです。

 

このバター、非常に重要で、「ごはんをつくるのにバターがなければ話にならない」ということになっています。

 

出たっ!!

f:id:WhichBook:20200522231253j:plain

 

これです!!

f:id:WhichBook:20200522231622j:plain

 

いや~。感慨深いです。
というわけで、この本の紹介はおしまいです。(おいおい)

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

というのは冗談として...。

このバター撹拌機が、とにかくこのがんこもののおやじさんを悩ませます。

 

最初に、ちょいと酒でも飲みながらやろうと考えたのがあやまちのもとです。
ぶたさんにひっくり返され、クリームは流れだしてしまいます。
(かわいそうに、このぶたさん大変、可愛いのですが、怒り狂ったおやじさんに蹴られて死んでしまいます)

 

この本、32ページあるのですが、およそ21 に到るまで、ずっとおやじさんはバター撹拌機と格闘し、バター撹拌機にひどい目にあわされます。

 

というのも、ただバターをかき回せばいいというわけではないからです。
あらゆるマルチタスクがあり、リスクがあってそれらをすべて、おやじさんは自分の行動も含めてマネジメントせねばならないのです!

 

たとえば野放しになっているぶたさんとか、そこらじゅうをはい回っている赤ちゃんなどです。

 

あれほど喜んではじめたのに、バター撹拌機ひとつまともに扱えないおやじさん...。

 

いい気味だ!

 

と言いたいところなのですが、実際読んでいるとだんだんかわいそうになってきます。
自業自得なのですが...。

 

ぶたが死んだあたりから、どんどん哀れっぽい表情になっていき、困り果ててどうしようもない悲壮感がよく出ています。

 

最後はおかみさんも怒るどころかひたすらびっくりです。
実に面白い絵本なのですが、どうやら今は...?

 

e-honでは注文出来ないことになっていますし、Amazonで中古扱いになっています。
(絶版ではないみたいなのですが...)

 

しかし実に面白い本ですので、機会があれば再開した図書館ででも手に取って、ぜひ読んでいただければと思います。

 

 

whichbook.hatenablog.com

 

子どもの本だな【広告】

王への手紙 (上) 世界むかし話集7インド・中近東編 パパ、お月さまとって!
バルバルさん ちょっとだけ ふしぎなオルガン
こども論語 11ぴきのねこ もこ もこもこ

 

にほんブログ村 本ブログ 絵本・児童書へ
にほんブログ村


児童文学ランキング

 

今日の一冊「はなのすきなうし」

今日、ご紹介するのは、かなりしっかりしたページ数の多い、「本型の絵本」です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

はなのすきなうし

マンロー・リーフ (著), ロバート・ローソン (イラスト),

光吉 夏弥 (翻訳)
 


むかしスペインの国に、花のすきなフェルジナンドという子牛がいました。

 
主人公はいっぴきの牛です。

とんだりはねたり騒いだりするのはきらいで、じっとひとりでお花のにおいをかいでいるのが好きという、非常なおとなしいたちなのです。

 

フェルジナンドは、体つきは非常にしっかりとした、大きな…一見、猛牛に育つのですが、性格は変わりません。

 

牧場に、闘牛用の牛を探しに来た人たちがやってきました。
(とりあえず、お話の中では、牛たちはみんな、この闘牛に選ばれたい!!と思っている、ということになっています。)

しかし、フェルジナンド(幼児用なので、「ふぇるじなんど」とひらがなです)はまったく興味がありません。

いつものお気に入りの場所、大好きなコルクの木の下に座りこんだとき、そこに、ハチが…!
ハチの上にどっかり、腰をおろしてしまって…!

 

猛牛と思われたフェルジナンドは、闘牛場に連れて行かれてしまいました。

 

 

 

 

海外でもやはり人気なのでしょう。 

アニメ作品まで作られていました!

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

フェルディナンド (吹替版)

アカデミー賞長編アニメ映画賞ノミネート!「アイス・エイジ」のブルー・スカイ・スタジオが贈る、心優しい闘牛フェルディナンド君が繰り広げる感動のアドベンチャー

 

しかし、「はなのすきなうし」に慣れ親しんでいてくれた子どもたちは、このアニメ作品にショックを 受けてしまいました。

 

かわいくない。

顔がちがい過ぎる。

こんなのフェルジナンドじゃない。

 

いやいや~まあまあ、となだめたのですが、紛糾して大騒ぎになってしまいました。

 

というのも、原作の絵はとても牧歌的で可愛らしいのです。
しかも、主人公の牛、フェルジナンドも、まったくこういうアクティブな感じではないです(笑)。

 

お母さんが心配したときのシーンです。 

 f:id:WhichBook:20200522110429j:plain

 

絵があんまりかわいらしいので、まあ...あのいかにもな元気満々のアクティブなアニメ作品は微妙だったのかもしれません(笑)

 

あんまり怒っているので、こちらは噴き出してしまいました。

子どもは真剣なのかもしれませんが、青筋を立てて怒っている所はユーモラスなものです。

 

 

whichbook.hatenablog.com

 

子どもの本だな【広告】

小さい魔女 種をまく人 ちいさなねこ
砂の妖精 世界むかし話集6ロシア・西スラブ編上 エルシー・ピドック、ゆめでなわとびをする
白いりゅう黒いりゅう からすのパンやさん 山んばあさんとむじな

 

にほんブログ村 本ブログ 絵本・児童書へ
にほんブログ村


児童文学ランキング

 

「くまの子ウーフ」絵本から本へ

 

今日、ご紹介するのは児童書です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

くまの子ウーフ

神沢 利子 (著), 井上 洋介 (イラスト)

あそぶことが大すき。たべることが大すき。そして、かんがえることが大すきな、くまの子ウーフ。ほら、きょうもウーフの「どうして?」がきこえてきます。(「BOOK」データベースより)

 

※今日のご紹介は、過去記事からの再録です。

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

教科書にも入っている「くまの子ウーフ」は、

ぜひご家庭で本として1冊持っていて損のない、すばらしい児童書です! 

 

くまの子ウーフの朝ごはんは、パンとはちみつと目玉やきでした。

ウーフのおかあさんは、かた手でたまごをぽんとわって、フライパンでじょうずにやきました。

おさらにのせた目玉やきは、金色にかがやいています。

ウーフは、はちみつをつけて、パンをたべました。それから、おさじでたまごのきみをすくいました。

 

シンプルな文章の美しさ!!

いかにも食欲をそそられます。

このおいしそうな目玉焼き、視覚的な絵で表現していないのです。

このおいしさは、文字から、黒い点々の羅列から、湯気が出て、黄身があふれて、とろりと溶け出していくのです。

視覚からのアプロ―チはわかりやすいです。

まして、レシピも動画でスマホからいくらでも見られる世の中です。

ですが、文字を通じて目覚める感覚、想像力のはぐくみもまた、大切なことだと思います。

 

ウーフには、たくさんの微妙なお友達が登場します。

いやいやえんのえむちゃんほど凶悪ではないですが、ツネタはかなりムカつくクソガキです。(口が悪いですね、すみません)

それでも微妙に、まだ、お友達の範疇に入っていて、遊ぶこともあるし、縁を切りきれない。
ムカつくけれど、仲良く遊ぶこともある。避けるほどでもない。

…という、微妙なラインすれすれなところが、実にリアルです。

 

 

「悪人がいない」予定調和のお話が親世代には喜ばれる傾向がありますが、確かに誰も悪役がいないのはやさしい世界ですが、ものによっては毒にも薬にもならないこともあるでしょう。

悪人、ムカつく人、イヤなタイプはこの世には必ず存在しますし、わたしたちの心の中にも潜んでいるものです。

物語の中の悪役は、わたしたちのそういった傾向を第三者的な視線で見る訓練をしてくれます。

男の子は無神経にツネタのような行動をとりがちですし、そういう子がこの物語を読んだとき、ツネタのような行動をとることにちょっとだけ躊躇する力になるかもしれません。

それほどあまりにもツネタは自然であり、いかにもいそうな人物像です。

あるお子さんは、ツメで本のツネタの箇所をかじっていました…。気持ちは、わかります。

 

 

色々と空想することが好きなウーフ。

おかねもちになりたい。

この考えは、子供ならみな、一度は思う事でしょう。

買いたいゲームがあったり、魅力的なおもちゃを見つけたり。

自分の毛皮を売ろうと思いつき、小鳥のピピが、はさみで…ギャー!!

。。。じつに面白いのでぜひ、お読みください。

 

 

石井桃子さんが訳したA.A.ミルンのくまのプーさんは名著中の名著ではありますが、きちんと訳されたこの本は、案外字を追うことに慣れていなければ厳しいと思います。 

クマのプーさん (岩波少年文庫 (008))
作者: A.A.ミルン,E.H.シェパード,Alan Alexander Milne,Ernest Howard Shepard,石井桃子
出版社/メーカー: 岩波書店
発売日: 2000/06/16
メディア: 単行本

また別の機会にご紹介したいと思いますが、イギリスにくまのプーさんがいるように、日本にはウーフがいる!

と思ったりするのでした。

 

 

絵本から児童書へ。

ウーフはすばらしい本の世界へ子供をいざなうのにぴったりの、最高の本です。

シリーズで三巻、発売されています。

くまの子ウーフの童話集 全3巻
作者: 神沢利子,井上洋介
出版社/メーカー: ポプラ社
発売日: 2006/03
メディア: 単行本

神沢利子さんの前書きです。

ぼくは くまの子

うーふーって うなるから

名前が くまの子 ウーフ。

あそぶのが 大すき、

なめるのと たべるのが 大すき。

それから、いろんなことを

かんがえるのもね。

どんなことかって?

うーふー、

さあ よんでみてくれよ。 

 ぜひ、よんでみて下さい!

 

 

whichbook.hatenablog.com

 

子どもの本だな【広告】

じごくのそうべえ いいおかお ミオよわたしのミオ
点子ちゃんとアントン 名探偵カッレくん 野の白鳥
ながいながいペンギンの話 大食いフィニギンのホネのスープ グリーン・ノウの子どもたち

 

にほんブログ村 本ブログ 絵本・児童書へ
にほんブログ村


児童文学ランキング

 

今日の一冊「秘密の花園」

今日、ご紹介するのは児童書です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

秘密の花園〈上〉 (岩波少年文庫)

フランシス・ホジソン バーネット (著),

シャーリー・ヒューズ (イラスト), 山内 玲子 (翻訳)

遠いインドでいちどに両親を失ったメアリは、イギリスの田舎のおじさんの家にひきとられました。そのお屋敷には、入口の鍵がかかったまま、十年間誰も入ったことがないという「秘密の庭」がありました…。バーネットの名作。小学5・6年以上。(「BOOK」データベースより)

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ひみつの花園 (10歳までに読みたい世界名作)

フランシス・ホジソン バーネット (著), 横山 洋子 (監修),

朝日川 日和 (イラスト), 日当 陽子 (翻訳)

 

しっかりと全訳している岩波文庫は、高学年で読んでほしいところです。

しかし、子どもだからとあなどれないもので、このきちんと真面目に訳された岩波文庫でも、内容が面白いのでぐいぐいと最後まで読んでしまう3、4年生のお子さんもいます!

 

このような岩波のようないかにも「本らしい本」を一冊読み切ったという経験、そして面白かったという思いは、確実に「本を読む」ことに対してハードルを下げます。

 

自信がつき、ほかとも差がつきますので、いい意味で鼻を高くすることができます。

 

バーネット夫人の名作三部作「小公女」「小公子」「秘密の花園
これらは、どれをとってもすばらしい作品です。

 

「小公女」に出て来るセドリック、「小公女」の主人公セーラは、どちらも実にすばらしい子どもたちです。

セドリックはその明るくて非の打ちどころがない王子様キャラで、頑固おやじになってしてしまったおじいさまの貴族の心を溶かしますし、優しく気高い心のセーラは気の毒にひどい目にあいまくりますが、どんな時にも公女(王女さま)であるという誇りを忘れず、耐えて幸せをつかみます。


これに比べて…
秘密の花園」のメアリーは、まあ、実にいやな女の子です。

母親はメアリーをほったらかしですし、常に不機嫌で顔も醜いと書かれています。
彼女は、いわゆるネグレクトの子どもです。


彼女は誰も好きじゃないし、周囲も彼女を好きじゃないので、メアリーのわがままに否定はいっさいしません。
やさしいからではなく、どうでもいいからです。

 

おそろしい疫病が流行って(コロナみたいです)、両親が死んでしまった後に、メアリーは会ったことが一度もない、おじさんの所に行くことになります。

 

このお話は、読んでいくとわかりますが、イギリスのガーデニング愛がいっぱいで、非常に植物についての記述が詳細です。
描写がじつに美しいです!

 

ネグレクトでもあるけれど、機嫌も悪くて容貌も醜く、だれにも好かれない子ども…。

 

新しい環境と生活の中で、自然いっぱいの田舎の空気の中で、次第にメアリーは生気を取り戻していきます。のびやかで動物を愛し愛される少年とお友達になり、そして、この家に秘められた不思議な庭の話を耳にします。

 

そしてさらに、暗い部屋の奥深くにベッドで寝た切りになっている、いわば彼女と同じ境遇の(ネグレクトの)少年を発見します…。

 

 

秘密の花園の良いところは、「醜くて愛されない誰にも興味を持たれない私」がどんどん変化していくところです。

ある意味王道のみにくいあひるの子やシンデレラな展開なのですが、大人の手があまり介在せず、子どもたち同士で、というところが良いです。
秘密の庭をこどもだけで発見するドキドキも素敵です。

 

放置され、知らん顔をされ、かえりみられない子どもが、自然の美しさの中で少しずつ癒されていきます。

さらに同じように傷ついた同じ立場の子供を知ることで、自分は一人ではない、と感じることができるようになっていきます。

 

 

 

有名な「それ、名前は知ってるけど…」という作品に、読んで損する本はありませんので、本を好きになってもらうのにはもってこいです。
中身を知らなくても買ってあげたり、借りてあげたりしていただきたいです。

  

絵本から本へ、児童書が文学作品へのとびらになるように、海外の名作児童書は、海外文学に入るとびらになります。

 

世界は広いです。
さらに、物語として風俗、考え方、文化、歴史に触れることは、必ずグローバルな世界に向かうときにも役にたってくれることでしょう。

 

 

バーネット夫人の作品は、原書がほとんどグーテンベルクで読めます。
「小公女」「小公子」もありますし、英語のおべんきょうにはこれはもってこいです。

www.gutenberg.org

「プロジェクト・グーテンベルク」
http://www.gutenberg.org/ebooks/author/492

 

プロジェクト・グーテンベルクについて
Wikiの説明ページ

プロジェクト・グーテンベルク(Project Gutenberg、略称PG)は、著者の死後一定期間が経過し、(アメリ著作権法下で)著作権の切れた名作などの全文を電子化して、インターネット上で公開するという計画。1971年創始であり、最も歴史ある電子図書館

 

whichbook.hatenablog.com

 

子どもの本だな【広告】

チョコレート・アンダーグラウンド 日本のむかしばなし 世界むかし話集2ドイツ・スイス編
シートン動物記 全8巻+別巻 9冊セット つみきのいえ ちいさいモモちゃん
ひとすじの道 わたしのワンピース ぼくがぼくであること

 

にほんブログ村 本ブログ 絵本・児童書へ
にほんブログ村


児童文学ランキング

 

今日の一冊「ロッタちゃんのひっこし」

今日、ご紹介するのは児童書です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

ロッタちゃんのひっこし

アストリッド=リンドグレーン (著),

イロン=ヴィークランド (イラスト), 山室 静 (翻訳)

いやな夢を見て朝から機嫌の悪いロッタちゃんは、お隣りの物置へ引っこします。幼児の心理をとらえ、いきいきと描く幼年童話。

 

以前、トンデモくそがき少女のロッタちゃんの絵本「ロッタちゃんとじてんしゃ」をご紹介しました。

 

whichbook.hatenablog.com

 

「じてんしゃ」では、とんでもない目にあうロッタちゃんなのですが、こちらではとんでもない目には合わないですが、とんでもないことばかりやらかします。

やっぱりね。

 

もくじはこんな感じです。 

 

1.みんなが ロッタを いじめる
2.ロッタが ひっこしを する
3.ロッタは どこへ いく
4.おきゃくが くる
5.よるに なると ひとりぼっち 

 

この本は、100ページ強もある、相当にきちんとした「本」ですが、幼年期のお子さんにぴったりです。

 

こんなふうに始まります。

つい このごろ、五さいの たんじょう日を むかえたばかりの ロッタは、ある あさ、もんくやどおりの いえで、はじめっから、ぷりぷりして 目を さましました。きにくわない ゆめを みたんです。 おばかさんの ロッタは、ゆめで みることを ほんとうの ことだと おもってしまいます。それで おこった わけなんです。

山室静さん(ムーミンの訳者さんでもあり、世界のむかし話を多数まとめられています)、幼年期の子ども向けに単語単語でスペースをあけて区切ってくれています。

 

そして、いきなり主人公(5さい)のロッタもロッタで、無茶振りもいいとこです。

ゆめを見た内容を本当だと思って、それでご機嫌が悪いのです。

 

もうどう考えてもまったく家族に非はないのですが、ロッタはますます不満をつのらせます。

機嫌を取ってもらえないからです。

 

しかし、愛情深いママです。
昨今の流行りの「怒らない子育て」の地で行くやさしさです。
手を挙げたり怒鳴ったり、むきになったりが一切ありません。

 

リンドグレーンの作品はどれも、子どものどんな無茶ぶりに対しても、あたたかさとユーモアにあふれていように思います。

 

しかし、ロッタちゃんのやらかしはとどまるところを知りません!

「おばあさまがロッタのためにあんでくださった」 セーターが気に入らないのです。 

 

・セーターがチクチクさす、と主張する。
・お着換えをせずに、ふくれっつらではだかでいる
・ココアをのむかどうか(本音はのみたい)ママをいらいらさせるために、階段を一段ごとに立ち止まりながらゆっくり降りる

 

そして、ロッタはセーターを切り刻みます!
あ~~~~あ~~~~あ~~~~
やっちゃった

 

つまりロッタは、ゆめを本当だと思い込んだ挙句に機嫌を悪くして、お着換えも拒み、ママに失礼な態度を取った挙句に、おばあさまがあんでくださったセーターを切り刻んだのです。

 

どう考えても明らかに、すべてロッタが悪いです。

 

なのに本当に不思議なことですが、この本を読んでいると、こちらまでロッタちゃんの目線で「なんてみんなひどいんだ!」と思ってしまうリンドグレーンマジックがあります。

 

ロッタが向かったのは、おとなりのベルイおばさんのうちです。

 

ベルイおばさんはやねうらべやをかしてくれます。
(みんな、やさしいです)


むすめさんが小さかった頃に使っていた子供用のベッドや家具や…そして、お人形も!
ひとつひとつ、家具がそろっていく楽しさ…。
自分でおそうじもします!(別人みたいに元気になってます)

これは、すばらしい遊びになってきました。

食べ物はかごに入れて、窓からおろしひもで持ち上げます。
楽しすぎます。 

しかもおうちはとなりです。

 

 

まあ、これだけで済むはずもなく…ロッタは、自分のやらかしたことに向き合わなければならない時が来るのですが…。

 

パパもおにいちゃんもおねえちゃんも、そしてママも本当にやさしいです。

ロッタは自分でむくれて、自分でやらかして、自分で出て行って、楽しく遊んで…それで最後には、家族にこの上なくあたたかく受け入れてもらえます。

 

ロッタちゃんがごめんなさいを自分から言えたとき、こちらも本当にほっとします。

 

山室静さんのあとがきがとても興味深いです。

おさない子どもの心理をえがくたくみさは、心にくいほどです。ロッタのわがままにたいする両親のたいどが、あますぎるきがしないでもないところがありますが、どうでしょうか?そんなところも、かんがえてみてください。

 

 

whichbook.hatenablog.com

 

子どもの本だな【広告】

おひさま はらっぱ フェアリーたちの魔法の夜 おかあさんは魔女
飛ぶ教室 くもの糸・杜子春 子どもはみんな問題児
世界むかし話集2ドイツ・スイス編 海のおばけオーリー ペネロペ こわいゆめを やっつける

 

にほんブログ村 本ブログ 絵本・児童書へ
にほんブログ村


児童文学ランキング

 

「読解力を付けるには読書」 では何の本を?という答えがわたしは欲しい

 

昨日、こちらのツイートが話題になっていて興味深く拝見しました。

 

 

「びっくりするほど子どもが本を読んでいない」
「おうちに本棚がない子が一定多数いる」
「読解力を付けるには読書」

 

学校の先生からも、塾の先生からも、読みボラのママさん仲間からも、頻繁に出てくる言葉です。
本当に危機感があるようですが、私も強く感じます。

 

塾の先生からは、マニュアルなのかな?と思うほどこの言葉を聞きます。

 

「学力を上げるにはまず本です。読解力がすべての基本ですから。お子さんは本はお好きですか?」

 

そこで、『では、何の本がおすすめですか?』 という所に答えが欲しいです。

 

どれを、という答えが欲しいです。

 

個人的に、そこにいきなり太宰は極端です。
ラノベはちょっと特殊で心もとない。
絵本は、絵本だけにとどまってはいけません。本へ導く意識が欲しいです。

 

子どもは本当に正直ですから、この程度か、と思うと鼻もひっかけないようなところがあります。
逆に難しすぎる、と感じると警戒と反発を呼びます。

こちらはそのために作ったリストでした。

 

whichbook.hatenablog.com

 

「絵本から本へ」の間に、良質な児童書はたくさんあります。
ですが、どれも古いものばかりと言われてしまうと、う~ん、とちょっと言葉につまります。

 

 

 

先日、ある書店さんの直近の売上データを見る機会に恵まれたのですが、そこで驚いたのは、ここでよくご紹介しているような、まあ悪い言い方をすれば古っぽい、昭和時代の児童書が、売り上げベスト50に今だに食い込んでいることでした。

 

「ざんねんないきもの事典」「こども六法」が上位であるというニュースは私も見ましたが、そのあと、5位以下にあったデータに驚きました。

 

ミヒャエル・エンデの「モモ」でした。

 

そして五味太郎さん、中川李枝子さん、松谷みよ子さん、林明子さん、加古里子さんの本が次々と続きます。
(すべて昭和時代の黄金期の名作児童文学を書かれてきた方々です)

 

しかも直近ですので、これは1カ月以内の売り上げデータなのです。


絶対に売れ筋だと私が勝手に思っていた「おしりたんてい」「サバイバル」が思ったより入っていません。もっと上位かと思っていました。(銭天堂がかなり健闘しています!)

 

児童書は保守的…。
なんとなく自分が読んでいたものを与える傾向にある…。

と、どこかに書いてあったのを呼んだ記憶があります。
(二、三年前のニュースだったかと思います)

 

しかし、それだけでは売れ続ける理由にはならず、やはりこれは、昭和時代の児童文学がいかにすぐれていたかの証拠でもあるでしょう。

 

 

その中でも、絵本→本のとりかかりとなる、「本型の児童書」として大健闘している

「モモ」

「エルマーのぼうけん」

はれときどきぶた

これらはやはり、すごいです。 

 

しかし、「モモ」がこれほどの上位に食い込んでいるのはなんとも不可解です。

ちょっと…「エルマー」「はれときどき」に比べても明らかに難易度が違いすぎます。
これはどちらかといえば、大人が再読のために購入しているような気もします。

 

推薦図書も、次々に本屋の棚から消えていってしまう中で、地味なのですが最近発売された中でも置かれ続け、売られ続けている本はあります!

これからもご紹介していきたいです。

 


本当は、まとまった児童書を置くべき場所、置いて欲しい場所はたくさんあります。

 

まず塾です。

塾は本棚に自社テキストとちょろっとざんねんないきもの辞典だけ置くのじゃなくて、ひとつで良いので本棚を置いて児童書で埋めて欲しいです。
本屋さんが売りたい、読んで欲しい文庫も置いてもいいと思います。

塾と本屋さんがつながるのは面白そうな取り組みです。
ほかとの差別化を図るためにも良いと思います。

 

昨今人気の中高一貫校、意外かもしれませんが私立公立問わず、図書館が充実していません。
蔵書数が少ないです。参考書はゴマンとあります。
訪れて棚を見てみても、「見せ方」「アピール」は足りないというよりもなく、このあたりは最近新しい取り組みをされている本屋さんの腕の見せ所のような気がします。

 

※神奈川圏内での話です。
地方の方が保守的な部分を保っているだけ、すばらしい蔵書は残っているように思いました。(個人的な感想です。統計を取ったわけではないです)

もし地方が教育をアピールポイントにするならば、このような点は非常な強みです。

 

学童さん。
どこも圧倒的に本が足りません。下手をすると、各ご家庭からのおさがりの辞典だけ、なんてこともあります。

保護者から寄付を募ってもよいと思いますが、古本を扱っているボランティアさんもあります。

 

各地域の児童図書館
家に本がないママさんがたの手で、「古くて汚いから」という理由で次々に良書が捨てられていき、あとがすべて「ドラえもん」「コナン」の教育漫画に取り換えられてしまっている現場を数々見てきました。

 


無認可の保育園にも本が足りません。
小児科、耳鼻科、眼科!
病院に本を置くのは、個人病院の先生方の意識によるところも大きいでしょう。
書店さんは積極的に営業をかけてもいい時代なのではないかと思います。
スポーツクラブに本を置いてよくないということはないはずです。

 

児童相談所はどうでしょうか。各シェルターは?
一度訪れてみたいと思っています。

 

こどもの生きそうなたまりそうな場所すべてに種をまいておきたいし、置くべきだと思います。

 


そして、必ず出て来る「じゃあ何の本を?」

その答えが欲しいです。

 

わたしが出してきたこのリスト。

whichbook.hatenablog.com

 
今書きたい、書こうと思っておられる方々から、この私の出したリストに匹敵する、いや越えると胸を張って言える本がもっともっと、出てきて欲しいです。

 

  

whichbook.hatenablog.com

 

f:id:WhichBook:20190215183007j:plain

 

 

子どもの本だな【広告】

森は生きている 小公女セーラ グリーン・ノウの子どもたち
若草物語(上) どうぞのいす 大どろぼうホッツェンプロッツ
すてきな三にんぐみ ロビンソン・クルーソー ロッタちゃんと じてんしゃ

 

にほんブログ村 本ブログ 絵本・児童書へ
にほんブログ村


児童文学ランキング

 

今日の一冊「はじめてのおるすばん」

今日、ご紹介するのは絵本です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

はじめてのおるすばん

しみず みちを (著), 山本 まつ子 (イラスト)

ことし3つのみほちゃんが、ひとりではじめてのおるすばんをすることになり…。幼い心の不安と成長を温かい母親の目で描きます。

 

今日の本どうしようというと、(最近、子どもに丸投げです)これをもってきてくれました。

 

お留守番といっても、本当にご近所にちょっとだけ行っただけ、ママはすぐ戻ってくるのですが…。
ほんのわずかな時間でも、3歳のみほちゃんにはものすごく長い時間です!

 

ままが かちりっと どあのかぎをかけると、へやのなかが、きゅうに しーんとしました。
げたばこのうえの きぼりのくまが、あーんと くちを あけたみたです。
それに、だいどころの はしらどけいも、
ひとり ひとり ひとり ひとり
といっているようです。
(まま、はやく かえってきて)

 

このはしらどけいの表現がとてもすばらしいです!

不安な気持ちが、読むお子さんだけではなくて、おとな目線にもきゅ~んときます。

 

特に、「ポストのふた」がもちあがって(郵便屋さんの)目玉がのぞくシーン。
大人でも怖いです!!

 

安全であるはずの家の中に、「視線」という他人が入って来るという、ある意味心理的ホラーです。

 

今となっては、3歳の子をおるすばんさせることなどありえないでしょう。

 

けれど、そういう時代になったからこそ、ひとりでおるすばんすることのこわさ、ドキドキを疑似体験するにはとてもいい絵本だと思います。

 

 

 

whichbook.hatenablog.com

 

子どもの本だな【広告】

くまのがっこうシリーズ(既12巻) (日本語) 単行本 - 2013/7/1 やまんばのにしき マチルダは小さな大天才
世界むかし話集6ロシア・西スラブ編上 フェアリーたちの魔法の夜 ちいちゃんのかげおくり
しょうぼうじどうしゃじぷた エルシー・ピドック、ゆめでなわとびをする みどりのゆび

 

にほんブログ村 本ブログ 絵本・児童書へ
にほんブログ村


児童文学ランキング

 

~ワクワク・ハラハラ・そしてゲス~「トム・ソーヤーの冒険」

今日、ご紹介するのは児童書です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

トム・ソーヤーの冒険

マーク トウェイン (著), 柴田 元幸 (翻訳)

ポリー伯母さんに塀塗りを言いつけられたわんぱく小僧のトム・ソーヤー。転んでもタダでは起きぬ彼のこと、いかにも意味ありげに塀を塗ってみせれば皆がぼくにもやらせてとやってきて、林檎も凧もせしめてしまう。海賊ごっこに幽霊屋敷探検の日々を送る中、ある夜親友のハックと墓場に忍び込んだら……殺人事件を目撃! 永遠の少年時代がいきいきと描かれた名作を名翻訳家が新訳。

 

 

もはや紹介する意味があるのかどうかもわからない有名作品「トム・ソーヤーのぼうけん」です。

 

児童書も完訳も、あらゆる種類の本がたっくさん、出ています。
どれから紹介していいかわからないぐらいです。
しかもどれも評価が高いです。

 

 

 

さて、このトム・ソーヤーという男の子。

まあ、改めて読むかぎり実に柄の悪い、ヤンキー少年です。
「むかしヤンチャしてた」と自慢するタイプ。

 

冒頭からしておばさんをけむに巻いた後に、そのあたりを歩いている少年をガンつけしてケンカに持ち込みます。

嘘をつき、罰は他人にやらせ、ケンカ三昧。
ろくなことをやりません。

さらに、手下を集めて「戦争」をやらかします。昭和の学生同士の縄張り争いみたいです。

 

ちなみにトムは十歳です。


そして、物語がはじまった段階ですでに彼女がいます。

とんだリア充野郎です。

 

しかし、そこに現れたのがベッキーです。

ベッキーについての話は決してこのぼうけん☆の主ではなく、トムのやらかしたあらゆる種類の「ヤンチャ」があまりにもすごいのでまぎれがちなのですが…。

 

今回は、トムがいかにこのベッキーを落としたか、に注目して、ちょっとご紹介したいと思います。

 

ベッキーとの出会いは、トムが「戦争」をやらかした直後でした。

庭に、まだ見たことのないひとりの少女がいた──青い目をし、黄色い髪の毛を、二本のおさげにあんだかわいらしい子で、白い夏の上着に、ししゅうをしたパンタレットをはいていた。
今、(ケンカで勝利を収めたばかりの)勝利の冠を得たばかりの英雄は、自分のほうからは一発の弾も打たずに、まいってしまった。

(世界少年少女文学全集10 より 吉田甲子太郎 訳)

 

この金髪の女の子がヒロインのベッキーです!
このあとに唖然とするような描写が続きます。

 

とたんに、エイミー・ローレンスという女の子はかれの心から消え去って、一片のあとも残さなかった。今まで、トムはエイミーを夢中で愛していると考えていた。この情熱こそ、崇拝というものだ、とトムは思っていた。

 

あれ?
これちゃおの漫画だったかな?

 

トムは十歳です。 

 

さらに続きます。

ところが、こうなってみると、それは、みすぼらしい、たわいない、一時の気まぐれだったとしか思われない。じつは、彼はエイミーの心をかちうるために、なんか月もかかったのだった。かの女が、トムを好きだと言ってくれたのは、まだ、ほんの一週間ばかりまえにすぎなかった。その短い七日間というもの、かれは、世界じゅうで、いちばん幸福な、ほこりにみちた少年だったのだが、今、この瞬間に、エイミーは通りがかりにちょっと立ちよって、もう行ってしまった他人のように、かれの心から消え去ってしまっていた。

 

この後、トムは引っ越してきたベッキーと父親の判事に自分の存在をアピールするために、ズルをして聖書の聖句を覚えたといつわります。
(暗記した分だけ色付きのカードがもらえるシステムです)

 

その場にエイミーもいるのですが、トムの様子がおかしいです。
自分の顔をトムは見ようともしません!
エイミーは仔細に観察した結果、トムの心変わりを知って苦い涙にくれるのです…。

 

これ何の話!?
本当にトム・ソーヤーのぼうけん☆なんだよね!?

 

 

さてここからトムは、あの手この手でついにベッキーに気を引き、ついに落としてしまいます!

 

小細工を弄してわざと先生をおこらせ、まんまとベッキーの隣の席に座ります。

まずはプレゼント。基本です。
モモをあげます。

最初は突っ返されますが、何度も根気よく押し戻して、こんな風にやります。

トムは石板に、「どうぞ取ってください──たくさん持ってるんだから」とへたくそな字で書いた。

 

ここから、絵を描いてみせたりしながら小細工を弄して自己紹介に持ち込み、それから、何かを石板に書き始めます。
見せないように隠されるので、女の子(ベッキー)の好奇心はあおり立てられます。

 

ふざけた見るに耐えない、「男と女☆恋の駆け引きテクニック」が始まります

「ううん、なんでもないんだよ」
「いいえ、きっと、なんかいいことが書いてあるんだわ」
「なんでもないんだったら。きみなんかの、見たがるもんじゃないんだよ」
「いいえ、見たいわ。ほんとに見たいのよ。見せてちょうだいったら」
「だって、きみ、しゃべるもん」

これが後ろの席などでやられていたら、ぶんなぐりたくなること間違いなしのいちゃつきです。

で、何が書いてあったのかというと、「アイラブユー」が書いてあるのです!

 

トムのスケコマ能力は本当にすごいです。

 

「まあ、いじわる!」と言って、女の子はトムの手をぴしゃりとぶった。それでも、しかし、赤くなって、うれしそうな顔をした。

 

何が「まあ、いじわる!」だよ!

何の恋愛シミュレーションゲームのプレイ動画を見せられてるんだ!

 

さてまだまだラブゲームは終わません。

 

並べ挙げると

 

・「愛してる」とベッキーに言わせ、「婚約ごっこ」まで持ち込む。(ここでトムは、愛してると言わせた挙句に、強引にキスを迫ります。もう本当にめちゃくちゃに最悪の悪党です)

 

・うっかりエイミーの名前を漏らし、ベッキーが怒る。キスも既にエイミーとしていたと推察されます。しかしある程度謝ってベッキーがすねるのをやめないと、あっさり機嫌を取るのをやめて去ってしまいます。(このあとに、墓場でインジャン・ジョーの殺人現場を目撃してしまいます)

 

・家出をして戻った後に、仲直りしたいベッキーに見せつけるように、いまさらエイミーといちゃつく。ベッキーは仕返しのためにアルフレッド君という当て馬を探し出し、しかもトムがその場から去った後は「あんたなんてきらい!」(トムもトムなら、ベッキーもたいがいなものです)

 

ベッキーのやらかしをトムがかばって、二人はめでたく仲直り💖

 

もう、本当にこの展開…、じつに攻めています。 

 

ことばに棘があるようですが、わたしは読みながらもこのトムのゲスさにつくづくあきれ果て、何人もの人にいかにゲスであるかを主張してきたのですが…
これが、割とわかってもらえなかったのです!!

 

わかります。わかるのです…。

 

次から次へとワクワクするぼうけん☆がたくさん起きていき、特にインジャン・ジョーの犯した殺人事件の裁判や、洞窟での冒険など、ハラハラする展開が満載で、これほど面白いことが次々に起きる物語は、黄金期のジャンプの漫画でもそうはなかった…と思うほどです。

 

ぼうけん☆の部分はぼうけん☆として、楽しく読めるのですが、わたしはとにかく、このトムという男子が、どうにも好きになれませんでした。

 

今現在、原書の方でマーク・トウェインを検索すると、圧倒的に「ハックルベリー・フィン」の方が出てきます。
アメリカで評価されているのはこちらの方です。

 

なぜかはやはり、読んでみるとわかります。
往年の黒人差別、またインディアン差別がすごいです。
しかし、そこもまた、歴史の中では確かにあったことであり、正直にありのままを描いているという点では非常に評価できる作品です。

 

ハックルベリー・フィン」は、主人公が白人であるとはいえ、弱者の一員である浮浪児であり、そのまなざしもまた、たくさんの開拓時代のアメリカの欺瞞や風俗の中にひそむ人間の悪に対する視線が大変するどいです。

 

いつかハック・フィンの物語を読んでもらうためには、まずトム・ソーヤー

このブログを読んで興味をもってもらった方に、もう一度トムの悪行の所業のすべてを白日にさらして共感して欲しいがために、この記事を書きました。

 

 

ぜひみなさん!!

トムがいかにゲス男か、ぜひ読んで確認してみてもらえませんか!! 

 

 

追記:

これを書いた後に、つばさ文庫やみらい文庫では、ゲスさをかなり消去して訳されていることに気付き、続編として書いた記事です。☟

whichbook.hatenablog.com

 

 

トム・ソーヤーの冒険の原書は、グーテンベルクで読めます。
ハックルベリー・フィンもあります)

 

www.gutenberg.org

「プロジェクト・グーテンベルク」
http://www.gutenberg.org/ebooks/author/492

 

プロジェクト・グーテンベルクについて
Wikiの説明ページ

プロジェクト・グーテンベルク(Project Gutenberg、略称PG)は、著者の死後一定期間が経過し、(アメリ著作権法下で)著作権の切れた名作などの全文を電子化して、インターネット上で公開するという計画。1971年創始であり、最も歴史ある電子図書館

 

 

 

 

 

whichbook.hatenablog.com

 

子どもの本だな【広告】

王さまと九人のきょうだい ルウのおうち ちょっとだけ
しょうぼうじどうしゃじぷた くまの子ウーフ 世界むかし話集3北欧・バルト編
よかったねネッドくん シンデレラ ミステリー おおきなおおきな おいも

 

にほんブログ村 本ブログ 絵本・児童書へ
にほんブログ村


児童文学ランキング

 

今日の一冊「ひとまねこざる」

今日、ご紹介するのは絵本です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

ひとまねこざる

H.A.レイ (著), 光吉 夏弥 (翻訳)

動物園でたのしく暮らしていたジョージでしたが、動物園の外の様子が知りたくてたまりません。ついにオリを抜け出して街の中へ飛び出しました。でもジャングルが懐しくて…。ロングセラー絵本の改版。(「MARC」データベースより)

 

絵本にしては、字が多い方です。

読み聞かせするには大変かもしれませんが、読んで読んでとせがまれるようになったらこっちのもの、そのうち自分で読んでもらうといいと思います。

 

ひとまねこざるは、「おさるのジョージ」としてアニメにもなってますが、絵本の方だとちょっと印象が違っていて、絵がもっと柔らかいです。

 

あるお子さんが、
「アニメのジョージはすごい腹立つ…!嫌い…!絶対見ない!」
と言ってましたが、こちらの絵本を読んであげると、
「大丈夫…」
とのこと。


「これはいける?大丈夫?」
「それほど腹が立たないし面白い」
と言ってくれました。

 

やはり動かして声をつけてしまうと、原作者と作る人と読む人の目線は違いますし、どうしてもイメージに乖離が出てしまうのは仕方がないことだと思います。

 

この思考回路にデジャヴを感じる…?
そうだ、原作厨です。
(※原作厨とは派生商品を原作以外絶対に認めない、好みにうるさい性格だが、原作をこよなく愛し布教もするありがたい人のことです)

 

しかし、このお子さんのように、アニメで知名度を得て、実際に原作を読んでみて思いを新たにするという、逆パターンもあるのだなと思いました。

 

とすれば、やはりぐっと知名度が上がる派生商品やアニメ化はなかなか、原作にとってもありがたいことであると思います。

 

おさるのジョージのいたずらは、このはっきりしていながらちょっと柔らかめの絵でほんとにほほえましく、かわいくうつります。

 

やさしい保護者、「きいろいぼうしのおじさん」を求めて、ジョージは色んな業種に手を染めます。

 

特に大好きなのは、スパゲッティを体中にまきつけて食べるシーンです!
このスパゲッティがじつにおいしそうです!(まきついていますが)

 

気になったひとこま…。
事故にあって病院に入ったジョージは、麻酔薬のつぼを嗅いで一瞬、人事不省になりますが、そのびんにはエーテルと書いてあります。
これは、昔読んだときからエーテルだったような気がします。

 

これを書くにあたって読み返していると、子どもに
エーテルって何なの?」
聞かれました。

 

うっ、答えられない。

 

今は携帯で検索というありがた~い技があるので、こっそり探します。

ジエチルエーテルのことらしく、昔は麻酔に使われていたようですが、引火性もあり、今では使われていないらしいです。

Wiki https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BA%BB%E9%85%94


こんな所に思わぬ時代を感じてしまいました。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ひとまねこざるシリーズ全6冊セット

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

Curious George (English Edition) Kindle版

H. A. Rey (著), Margret Rey (著) 

 

 

 

おさるのジョージ (吹替版)

シーズン1で繰り広げられるジョージの冒険は? 友だちの伝書バトのコンパスの家を作ったり、新しく学んだ数字のゼロの概念を試してみたり、ダルソン夫婦のおもちゃ屋がもっと繁盛するようにローラースケートを履いて手伝ったりと大忙し。

 

 

 

 

whichbook.hatenablog.com

 

子どもの本だな【広告】

おそばのくきはなぜあかい ミス・ビアンカ くらやみ城の冒険 エルマーのぼうけん
エルシー・ピドック、ゆめでなわとびをする あめの ひの ピクニック そらいろのたね
あおくんときいろちゃん くまのがっこうシリーズ(既12巻) (日本語) 単行本 - 2013/7/1 ちょっとだけ

 

にほんブログ村 本ブログ 絵本・児童書へ
にほんブログ村


児童文学ランキング